ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 9月5日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第12戦サンマリノGP
■開催日:2010年9月3日(金)初日結果
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:37度
REPORT
ロレンソ、フリー走行3番手
エネルギーを消耗させられた酷暑のインディアナポリスからわずか4日、フィアット・ヤマハ・チームはチームのホームコース、ミサノへ戻ってフリープラクティスを開始した。J・ロレンソが3位、V・ロッシはコンマ1秒遅れて4位となった。
ロレンソは3位を獲得しながらも、走りそのものには納得していない様子。マシンのちょうど良いバランスが見つからなかったことと、タイヤ、とくにリアのグリップ不足がその原因だ。明日の予選でまでにこれを改善するべく、今晩、チームスタッフとともにアイディアを出し合って作業に取り組む予定。一方のロッシはフリープラクティス初日の走りに満足しており、明日の公式予選に向けても自信を見せている。今日のプラクティスでは、いくつかの異なるセッティングを試すことができたため、これからチームがこれらを統合し、このコースに最適な1台を作り上げようとしている。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとB・スピースは、それぞれ5位と6位。エドワーズはタイヤの耐久性を確かめるため、セッションを通じてブリヂストン製ソフトコンパウンドのリアタイヤを装着。そして28ラップの決勝を想定したロングランを行い、その26ラップ目でベストタイムの1分35秒834を記録した。ノン・ファクトリーのトップに立ったエドワーズは、日曜日の決勝で今季初の6位以内を目指す。一方、前回のインディアナポリスで初めてのポールポジションに続いて、決勝では自己最高の2位を獲得したスピース。今回も勢いをそのままに好調ぶりを発揮し、エドワーズからわずか0.058秒差で6位につけた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.772 |
2 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'35.384 |
3 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'35.444 |
4 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'35.539 |
5 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.834 |
6 | B・スピース | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'35.892 |
7 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'36.028 |
8 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'36.072 |
9 | M・メランドリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'36.126 |
10 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'36.277 |
11 | H・バルベラ | Paginas Amarillas Aspar | Ducati | 1'36.293 |
12 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'36.454 |
13 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'36.533 |
14 | A・エスパルガロ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'36.716 |
15 | 青山博一 | Interwetten Honda MotoGP | Honda | 1'37.001 |
16 | M・カリオ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'37.697 |
17 | A・バウティスタ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'37.900 |
COMMENT
J・ロレンソ選手談フリー走行3番手/1分35秒444/29周
「自分たちで思っていたよりもずっと、難しい展開になってしまった。先週のインディアナポリスは本当に大変だったけれど、体力的にはもう十分に回復している。だから今日は僕の体力の問題ではなくて、マシンやタイヤに自信が持てなくて、すっかり悩んでしまったんだ。ブレーキング、コーナー・スピード、加速のそれぞれで少しずつ気になるところがあって、思うような走りができないという感じ。このような状態でも3位につけることができたから悪くはないんだけれど、ペドロサとの差を埋めるためには、もう少し時間がかかりそうだ。でもチームは必ず良い方向性を見つけ出してくれる。そのことには確信があるんだ。だから明日はきっとうまくいくさ!」
W・ズィーレンベルグ、チーム監督談
「今日はあまりうまくいかなかった。フィーリングもマシン・バランスも最適なものが見つからず、グリップも不十分だった。ほとんどのコーナーで小さな問題が出ていて、フロントが深く突っ込みすぎてしまったり、あるいはリアが十分にグリップしなかったりという状態だった。明日の予選に備えるためには、大幅な改良が必要になるだろう。解決のためのアイディアはすでにいくつか出ているが、同時に、いろいろ変更し過ぎて他の問題を誘発してしまわないように注意しなければならない。とは言え今日はまだ1日目なので、明日こそはホルヘに最高のマシンを提供できるようにこれから作業に取り組む」
V・ロッシ選手談(フリー走行4番手/1分35秒539/30周)
「プラクティスのなかで順調に仕事が進んだから、今はとてもハッピーな気分だよ。とくに終盤でマシン・セッティングが大きく改善されて、ラップタイムも上がったんだ。電子制御システムやタイヤ・セッティングなどはもう少しいろいろ試さなければならないけれど、今のままでも十分に手ごたえを感じているので、1日目として良いスタートがきれたと思う。ペドロサからはかなり離されてしまっているけれど、ドビツィオーゾとロレンソからは遠くない。明日はあとコンマ数秒を更新したい。体調のほうは問題ないよ。ただ右コーナー進入のハードブレーキングがいくつかあるので、そこでは肩が少し痛むんだ」
D・ブリビオ、チーム監督談
「マシン・セッティングのベースが見つかり、良いスタートを切ることができた。タイヤはすべて試して、すでに方向性も見えた。今日はいろいろなセッティングを試したので、明日はこれらをすべて合わせ、それから調整を行っていく。バレンティーノが予選で好タイムを出してくれることを期待している」
C・エドワーズ選手談(フリー走行5番手/1分35秒834/28周)
「ウイーク初日としてはとても良いスタート。マシンにも満足しているしね。最初はフロント荷重が大き過ぎたので、よりリアのほうにかけるように調整したら格段に走りやすくなったんだ。またタイヤに関しては、セッションの間中ずっと同じリアタイヤを履き続けてフィーリングがとても良かった。柔らかめのものなんだけど、おそらくそれを決勝でも使うことになるだろう。長距離を走ってずっと好調で、ファステストラップは26ラップ目に出ているから、決勝も問題なく走り切ることができるはず。スピンなどもほとんどなかったから、メカニックたちには"今シーズンで最高のグリップだ"と伝えたよ。ブリヂストンのおかげだね。今度こそ、シーズン初の6位以内が実現すると信じているよ」
B・スピース選手談(フリー走行6番手/1分35秒892/30周)
「今日の走りには満足しているよ。コーリン同様、僕もセッションを通してソフト・タイヤを履いていたんだけれど、ラップタイムもとても良かった。でももっと上げていけるはずなんだ。リアのグリップと安定性がちょっと足りない感じがあったから、そのあたりを改善したらもっと速くなる。もちろんフロントのほうも改善の余地があるよ。大きな問題ではないんだけれど、フィーリングが完璧というところまではいっていないからね。その点についてはすでに解決方法も見えているから、明日までに試して予選に備えたい。小さな問題はあったけれども、セッションとしては十分に良かった。セッティングを調整することであとコンマ2、3秒は必ず伸びてくるだろうから、明日、それをトライするよ」