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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.10 8月15日 チェコ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第10戦チェコGP 決勝
■開催地:チェコ共和国/ブルノ(5.403km)
■観客:148,120人
■周回数:22周(118.866km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:40度
■PP:D・ペドロサ(1分56秒508/ホンダ)
■FL:J・ロレンソ(1分57秒524/ヤマハ)

REPORT

ロレンソが今季7勝目!

フィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソが、1周目から終始トップをキープして今季7勝目。シーズン10戦目までのすべてのレースで1位または2位を獲得し続けており、この記録は最高峰クラスで歴代3人目。その一方で、チームメイトのV・ロッシはスタートで出遅れ、挽回したものの5位に留まった。モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スピースとC・エドワーズは、それぞれ4位と7位だった。

6戦ぶりにポールポジションを逃したロレンソだが、オープニングラップの序盤で早くもトップに浮上。前日のフロントエンドの問題も解決し、他を圧倒する強さでリードを広げにかかる。D・ペドロサ(ホンダ)が2~3周の間はテールについていたが、ロレンソは、差を縮められるたびにさらなる力強さを発揮し、10周目までに1秒のアドバンテージを築いた。その後は独走体制となり、最終的にはペドロサに5.494秒の差をつけてチェッカー。自己通算33勝目、モトGPで12勝目を獲得した。

一方、前日の転倒を除けばウイークを通じて好調が続いていたロッシだが、決勝では思うような走りができなかった。予選5位の位置から、スタートで遅れて8位。その後、エドワーズとN・ヘイデン(ドゥカティ)をパスし、またA・ドビツィオーゾ(ホンダ)の転倒もあって6周目までに5位まで挽回したが、そのあとは単独走行となり、ポジションアップはかなわなかった。

25ポイントを加算したロレンソは、ランキング2位のペドロサとの差を77ポイントに拡大。ロッシはランキング5位をキープし、4位のドビツィオーゾを14ポイント差で追う。レース翌日は、天候が良ければ同コースでテストを行う予定。そのあとマシンは、アメリカでシーズン2回目のレースとなるインディアナポリスへと運ばれる。

モトGPでは初めてフロントロウを獲得したスピース。絶好のスタートで一時、前に出たが、すぐにペドロサに先行された。その1周目のうちにロレンソにも抜かれて3位となり、しばらくはトップふたりと同等のペースで走り、バトルについていった。しかし、このリズムを維持し続けることはできず、徐々に離されてしまう。そして後方から追い上げてきたC・ストーナー(ドゥカティ)との3位争いとなり、9ラップ目にはその先行を許して4位に後退した。今季2回目の表彰台を狙いたいスピースは離されまいとついて行ったが、再び差を縮めることはできず4位でチェッカーを受けた。今回も非ファクトリーライダーのトップ、ヤマハ勢で2位という快挙。ランキングは7位で、4位と25ポイント差となっている。

一方のエドワーズはグリッド3列目から好スタート。N・ヘイデン(ドゥカティ)、ロッシを追ってその差を詰めて行ったが、フロントのグリップが落ち始めてペースが上がらず、そのまま7位でゴールした。ランキングでは10位に浮上。またモンスター・ヤマハ・テック3チームとしては合計22ポイントを獲得し、今季2番目の好成績となった。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 J・ロレンソ Fiat Yamaha Team Yamaha 43'22.638
2 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda +5.494
3 C・スト―ナー Ducati Marlboro Team Ducati +11.426
4 B・スピース Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +13.723
5 V・ロッシ Fiat Yamaha Team Yamaha +17.930
6 N・ヘイデン Ducati Marlboro Team Ducati +26.815
7 C・エドワーズ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha +33.396
8 M・メランドリ San Carlo Honda Gresini Honda +39.406
9 H・バルベラ Paginas Amarillas Aspar Ducati +39.639
10 R・ド・ピュニエ LCR Honda MotoGP Honda +40.893
11 M・シモンチェリ San Carlo Honda Gresini Honda +42.032
12 A・エスパルガロ Pramac Racing Team Ducati +47.091
13 A・デ・アンジェリス Interwetten Honda MotoGP Honda +51.368

LAP CHART

RIDERS RANKING

順位 ライダー マシン ポイント
1 J・ロレンソ Yamaha 235
2 D・ペドロサ Honda 158
3 C・ストーナー Ducati 119
4 A・ドビツィオーゾ Honda 115
5 V・ロッシ Yamaha 101
6 N・ヘイデン Ducati 99
7 B・スピース Yamaha 90
10 C・エドワーズ Yamaha 57

CONSTRUCTORS RANKING

順位 コンストラクター ポイント
1 Yamaha 240
2 Honda 195
3 Ducati 149
4 Suzuki 48

COMMENT

J・ロレンソ選手談(優勝)

「昨日はマシンの問題と転倒があって大変だったから、今日このようなことになるとは想像できなかったよ。もっと苦しめられると思っていたんだ。トップに立ってからもペドロサがついてくることを予想していたし、そこが勝負どころだと思ったから、最大限の力でプッシュした。彼が僕を捉えようとするだろうと思っていたけれど、僕も調子が良かったから懸命にプッシュし続けたら、少しずつ引き離すことができたんだ。

前にも言ったように、僕はチャンピオンシップを戦っている。それは今も変わっていないけれど、でも勝利のチャンスが巡って来たなら、それをつかみとらなければならないんだ!シーズン7勝目は最高にうれしくて、とくに昨日の問題を取り除いてくれたチームのみんなに感謝している。明日のテストは、シーズン終盤で助けになるはずの重要なもの。それが終わったら大好きなインディアナポリスへ向かう」

W・ズィーレンベルグ、チーム監督談

「昨日は転倒があったし、ペドロサがとても速かったので、今日はちょっと難しいのではないかと思っていた。その意味では予想以上の結果だ。ロレンソのレース前半の攻めは見事なもので、ペドロサもこれにはついていくことができなかった。ラップタイムでは昨日と同等、あるいはいくらか落ちるくらいで、マシンに大きな変更は加えていない。つまり今日の成功はホルヘの力によるものなのだ。今回もみんながよく頑張ってくれた」

V・ロッシ選手談(5位)

「今日は本当に残念。いいレースを期待していたし、上位に挑んでいける自信もあったからね。すべてが順調に運んでいるように見えたし、昨日のペースも良かったのに、今日はなぜかスピードが出なくてトップグループについていくことができなかった。今は悲しい気持ちでいるけれど、明日はテストができるので、何が問題だったのかをつきとめたい。そうすれば次のインディアナポリスにつなげることができるだろう」

D・ブリビオ、チーム監督談

「残念ながら、フロントのフィーリングが良くなかったようだ。そのためコーナー進入が難しくなっていた。明日はテストが予定されているので、今日のこの問題を詳しく調査するための絶好のチャンスになるだろう。ウイークを通じてずっと良いペースをキープしていたので、ロレンソやペドロサについていくことができると考えていた。期待通りにならず残念だ。明日は良い機会になるので、良い形でシーズンを締めくくるという目標に向かってベストを尽くす」

B・スピース選手談(4位)

「スタートがうまくいって、そのあと2~3周はホルヘとダニについていくことができた。ペースもとても良かったんだ。でも7周目以降は、フロントに今まで経験したことのない問題が出始めた。ホルヘはまさに絶好調で、彼と戦う材料は何も持ち合わせていなかったけれど、ダニにはついていけると思っていただけに悔しかった。彼に勝てたはずだ、という意味ではなくて、チャレンジできるところまで近づいて行けたはずなんだ。

フロントの問題が始まったころにはケイシーとの差が1秒あったが、少しペースを落とさなければならなくなって、すぐに追いつかれてしまった。彼のスピードについて行くことができなかったので、抜かれたあとはもう、抜き返そうとはしなかった。3位を逃したのは残念だけれど、あの小さな問題さえなければ表彰台を狙っていけるということが分った。ホームGPとなるインディアナポリスの前に勢いをつけるためにも表彰台を獲得したかったんだけれど、このところの自分の走りには満足できているし、今回もまたサテライトチーム・ライダーのなかのトップになれた。それに4位を獲得して喜ばないなんてあり得ないよね」

C・エドワーズ選手談(7位)

「やれることは、全てやった。自分の走りにも後悔はない。ウイークを通じて好調で、フロントの新しいセッティングによってマシンが曲がりやすくなったことにも満足していたから、きっといいレースができると思っていたんだ。そしてスタートもうまくいって、自信を持ってシーズン初の6位以内を目指していった。ところが、決勝が始まってみるとフロントタイヤのフィーリングが今までと違う。この問題を抱えていたのは、たぶん僕だけじゃないだろう。ちょっとハードにプッシュしようとすると、すぐ危ない感じになって、そのうちにバレンティーノやニッキーから離されてしまったんだ。何とかついて行こうとして何度か無理もしたけれど、それ以上は何もできなかった。7位は決して好成績とは言えないけれど、今までよりはいい。インディアナポリスではもう少し前進して、上位に近づきたい」

H・ポンシャラル、チーム監督談

「ベンもコーリンもウイークを通じて好調。今日もとても良かったから、私は幸せな男だ。ふたりでしっかりポイントを獲得してくれたので、チーム・ランキングでも良い位置につけている。ノン・ファクトリー・チームのトップに立つことができたのも彼らのおかげだ。ベンは全力を尽くし、とくに序盤では、また表彰台を狙っていけると考えていた。でも小さな問題が出てしまい、ホルヘとダニ、そしてケイシーについて行くことができなかった。そのあとは最後まで自分のペースをキープして、好成績に結びつけた。コーリンのほうも、このところの2レースは良い走りを見せており、頑張ってくれている。7位までに4台のヤマハが入っているのは素晴らしいことなのだ。このあともふたり揃って、コンスタントに6位以内を狙っていきたい。次はふたりの母国、アメリカ。地元ファンに楽しいショーを見せるべく意気込んでいる」

MS開発部 MotoGPグループリーダー 中島雅彦談

「レース当日は天候が不安定で、スタート直前までコンディションの変化に気を遣いましたが、比較的良いコンディションでのレースが出来たことにホッとしています。トップ7にヤマハ4台が入る素晴らしい結果にシーズン後半のスタートに弾みがつきました。ホルヘは盤石なレース運びで7勝目、頼もしい限りです。バレンティーノはフィジカルコンディションが未だ万全ではなく、セットアップ、ライディングにも影響しており厳しい結果となりましたが、残りのレースを全力でサポートしていきたいと思います。ベンの表彰台争いに加わる走りはレースを大いに盛り上げ、コーリンも前戦に続きベストリザルトで少しずつ良くなってきています。後半戦もこの調子で気を緩めること無く、チャンピオンを目指して頑張って行きますので応援よろしくお願いします」

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