ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.07 7月4日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第7戦カタルニアGP
■開催日:2010年7月2日(金)1日目フリー走行、3日(土)予選、4日(日)決勝
CIRCUIT DATA
■開催地:スペイン/カタルニア
■開設:1991年
■コース長:4.727km
■サーキットレコードラップ:1分42秒358(2008年:D・ペドロサ)
■サーキットベストラップ:1分41秒186(2008年:C・ストーナー)
■2009年の優勝者:V・ロッシ
REPORT
ロレンソ、ホーム・グランプリに臨む
シルバーストーン、アッセンと2連勝を果たしたフィアット・ヤマハ・チームのJ・ロレンソが、今週末は故郷バルセロナでホーム・グランプリに臨む。シリーズポイントでは47ポイントをリードしてランキングトップに立っており、今回もその好調をキープして優勝を狙う。一方、チームメイトのV・ロッシはムジェロで負傷したあと3戦にわたって欠場が続いている。そのため同チームからはロレンソひとりだけの出場となっていたが、今回はテストライダーとして豊富な経験を持つ吉川和多留がロッシに代わって出場することとなった。
吉川は全日本選手権スーパーバイクで2度、チャンピオンに輝いたライダーで、ロッシが欠場する間、ロッシのチームクルーのサポートを受けてM1を走らせることになる。カタルニア・サーキットは初走行となるが、ヤマハのテストライダーとしてモトGPマシンの開発プログラムにも携わってきたことからM1+ブリヂストンをよく知り尽くしており、2002年には、もてぎでワイルドカード参戦の経験もある。
昨年の同大会では、ロレンソとロッシのチームメイト同士が優勝争いを展開し、最終ラップの逆転劇でロッシが勝利を手中にした。今回はロッシが欠場するため、そのリベンジはできないが、ロレンソにとってヘレスに続いて2度目となる母国での勝利は、それだけで十分に魅力的なものに違いない。
カタルニアのコースの特徴は世界最長のメインストレート。これを見渡すことのできる巨大なグランドスタンドは、例年、土曜日の朝から満席になるほどだ。その他にはアールの大きな中高速コーナーが続くレイアウトで、それをふたつのタイトな左ヘアピンがつないでいる。これに加えてバンク角の変化も激しいことからマシンのシャシー・バランスが要求され、ライダーにとってはフロントエンドのフィーリングが重要な鍵となる。
COMMENT
J・ロレンソ―“モントメロを楽しもう!”
「ここモントメロ・サーキットは、僕にとって特別な場所。故郷のマヨルカから最も近いコースだから、地元の人たちから支えられているのを感じることができるんだ。去年は最終コーナーで負けてしまって悔しかったけれど、今回もまた表彰台に上って、ファンのみんなと一緒に祝いたいと思う。今はポイントで大きくリードしているから自信を持って走れるし、落ちついた気持ちでいられる。でもチームはどんな時でも同じレベルで頑張り続けていることを忘れるわけにはいかない。シーズンはまだ12戦もあって、つまり今までの2倍が残っているわけだからね。今はとにかくモントメロを楽しむこと。そのあとはようやく1週間空くから、ちょっと休んで3連戦の疲れをとりたいね」
W・ズィーレンベルグ―“集中力キープ”
「ここまで6レースを終えて、我々は大きなリードを持ってランキングトップに立っている。このことについては喜んでいいと思うし、自分たちの仕事にも満足している。そしてホルヘはこの忙しい3連戦の間も集中力をキープし続け、今回が終わればようやく1週間の休みがもらえるというわけだ。バルセロナはホルヘのホーム・レースだが、昨年は最後のところでわずかにバレンティーノに届かなかった。今回も今まで通り集中して、もう一度表彰台を目指す」
吉川和多留―“開発の助けになれば”
「今週末、スペインでM1に乗れることになり、とても楽しみにしている。もちろん、バレンティーノの怪我は残念に思っているけれどね…。モトGPは2002年のもてぎで1度だけ走ったことがあるけれど、モントメロは今回が初めてなんだ。フィアット・ヤマハ・チームはここまで非常に好調で、その成績を見れば、ヤマハが冬の間に行った開発作業の充実ぶりがよくわかる。そして、この段階で僕が何度かレースに出場することで、今後のマシン開発にも、きっと大きな助けになってくれると思うんだ」
D・ブリビオ―“レース復帰”
「家でレースを見るという奇妙な時間がしばらく続いていたが、今週末、我々チームはパドックに復帰できることになった。しかも去年は素晴らしい戦いをして、思い出を残したバルセロナだ。バレンティーノがいないことはもちろん残念だが、幸い順調に回復しているので、今回は和多留のために、我々にできるかぎりのことをしたいと思っている。何よりM1がまた4台になることはいいことだし、和多留はこのコースは知らなくても経験豊富なライダーなので期待している」