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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.03 5月1日 中国

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第3戦中国GP
■開催日:2005年4月29日(金)フリー、30日(土)予選、5月1日(日)決勝
■開催地:中国/上海サーキット

CIRCUIT DATA

■開設:2004年
■コース長:5.451km

REPORT

ゴロワーズ・ヤマハ・チーム、中国初のグランプリへ準備万端

5月1日、MotoGPがその56年の歴史上初めて中国は上海で開催される。中国のレースファンはついに、世界最高峰のモーターサイクルレースを間近に見る機会を得ることとなるのだ。

二輪のグランプリが中国大陸で初めて開催されるが、数年前にポルトガルから中国に返還され特別行政区となっているマカオでは、40年も前から国際的なロードレースが行われてきた。マカオモーターサイクルグランプリの初開催は1967年で、ヤマハの長谷川弘がRD56で優勝。さらにその2年後にはジョン・マクドナルドが、やはりヤマハで史上初の4輪、2輪のダブルウインを達成。また1978年には浅見貞男、スティーブ・パリッシュ、マイク・トリンビーの3人が表彰台を独占した。

ゴロワーズ・ヤマハ・チームはすでに終了した第1戦と第2戦を終えた現時点でライダー、チームともにランキングトップ。ディフェンディングチャンピオンのV・ロッシは初戦のヘレスで優勝、続くエストリルも2位と健闘し、ランキング2位のA・バロス(ホンダ)に7ポイント差をつけている。また今年からチームに加わったC・エドワーズも、着実にYZR-M1をものにし第2戦では転倒後の挽回で6位獲得。ランキングは8位につけている。

ロッシとエドワーズは先週月曜日のエストリルでのテストで上海攻略のためのセッティングに取り組み、ギアボックスの初期設定もコースレイアウトから計算されているが、金曜日午前中のフリープラクティスの実走行で路面状況やグリップレベルのデータを収集して最終調整を行う予定。

中国GPが開催される上海インターナショナルサーキットは、2004年にF1が行われ、今年、MotoGPが開催されることで、世界でも数少ない二輪・四輪両方の最高峰レースが開催されるコースとなる。漢字の“上”の字を模してデザインされたこのサーキットは全長5,451m。9つの左コーナーと7つの右コーナー、二つのロングストレートとそれに続くハードブレーキングゾーンがエンジニアたちの挑戦を受ける。重要なのはバランスのとれたベースセッティングだ。

ターン13と14の間に設けられた最長のストレート(1,175m)ではトップスピードが320km/hを越え、ターン1から3までの蛇のように曲がりくねったテクニカルセクションは、他に類を見ない独特のものだ。アベレージスピードが高いイメージがあるが、実は低速コーナーや中速の切り替えし、そして上り最大3%、下り最大8%というアップダウンなどテクニカルな一面も持ち合わせており、F1の関係者からは「ツインリンクもてぎのようなイメージだ」との声も聞かれる。

チーム用の建物には上海の由緒ある庭園、豫園の建築方法が用いられるなど独特の設計。また膨大な敷地面積を有するこのサーキットの収容人数は20万人。圧巻は29,000人を収容しコースの80%を望むことのできるグランドスタンドだ。

COMMENT

V・ロッシ選手談 ー “未知の世界へ”

ロッシは今週末、中国大陸へ初めて足を踏み入れ、巨大な中国市場に乗り込む。もちろんコース上での勝負が最大の焦点だが、ロッシはその才能とカリスマ性によって必ずやファン層を拡大することだろう。

「中国の新しいサーキットはとても楽しみ。コース幅が広く、高速でテクニカル、素晴らしいコースのようだね。中国に行くのも初めてだし、もちろんサーキットも初めてだから、それ以上のことはわからないけど」

これまでの2戦で十分なポテンシャルを証明している05年型YZR-M1だが、依然として課題も残っており、さらなる進歩が望まれている。ロッシは2位に終わったポルトガルでの問題を解決すべく先週月曜日にはテストも行った。

「前回のポルトガルから2週間のインターバルでバイクの改良を行っていて、上海に入ってからも引き続き作業を行う予定。エストリルは路面コンディションが悪かったので、何よりもまず転倒しないように走ったんだ。スタートで問題があって挽回も難しい感じだったが、なんとか2位まで上がることができたのは幸運だった。次の上海はもっとしっかりとポイントを獲りたい」

C・エドワーズ選手談 ー “まずはコースに慣れること!”

ゴロワーズ・ヤマハ・チームを含めほとんどのGPライダーが東の中国へ向けて移動する今週、エドワーズは妻のアリシアとともに西へ針路を取り故郷のテキサスを訪ねた。生まれたばかりの娘を家族にあずけるためだ。

「ポルトガルから中国までの距離は、反対から回ってもあまり変わらないんだ。だから一旦アメリカに寄ることにした。ほんの2~3日でも自宅で過ごせて楽しかったが、娘を置いて、もう中国へ向かわなければならない。中国は行ったことがないから実は楽しみ。誰もが一生のうちに一度は行ってみたい国の一つで、文化や人々の暮らしに触れてみたい」

スーパーバイク選手権を数年間、経験したあと3年前からMotoGPに出場しているエドワーズ。新しいサーキットに素早く慣れることが得意で、昨シーズンのカタールでも初走行で2位獲得の快挙。今度の中国GPでもその才能が大きな助けになるものと期待されている。

「コース図を見たところでは近代的F1サーキットのようだが、実際に見てみるまでは何とも言えない。僕はこの数年、初めてのコースをいくつも経験してきたので習慣になっていて、このことは有利な材料だと思う。去年のカタールなどはすぐに慣れることができたので、上海でもサーキット攻略への挑戦が楽しみだ。エストリルはヘレスに比べればずっと良かったが、理想の状態にはまだ届かない。重要なのは気分良く走ることができる、バランスの良いマシンにすること。上海でどこまで前進できるか楽しみにしている」

D・ブリビオ、ゴロワーズ・ヤマハ・チーム監督談 ー “まずはセッティング”

ブリビオは、チームで唯一、中国を訪れたことのある人物。上海インターナショナルサーキットの施設視察のためだ。中国で初めて行われるグランプリを楽しみにしているが、そのことよりもランキングのリードを守ることが重要な課題であると話す。

「新しい場所には誰でも興味がある。とくに中国は特別な国だ。私は以前に一度コース視察に行ったが、素晴らしいと言うことができる。チャンピオンシップをリードして中国GPを迎えるわけだが、ここまでの2戦の好調を途切れさせないことが目標だ。コーリンもポルトガルでは素晴らしいパフォーマンスを見せ、転倒さえなければ4位は確実だった。つまり我々はとても良い状態にあると思う」

第1戦、第2戦ともに、決勝翌日の月曜日に同じコースでテストを行ってきたことが非常に高い効果をあげているとブリビオを付け加えた。1月にマレーシアのセパンで初めてニューマシンを走らせた時から、チームの最大の目標はベースセッティングを見つけること。ここまでのハードワークが次の上海で実を結ぶことを願っている。

「オフシーズンのテストで重視してきたのは、どのコースでも機能するベースセッティングを見つけること。開幕前に完了できず、ここまでの2戦もその作業を引き続き行ってきたが、ここに来て、捜していたものが見つかったと考えている。新しいマシンを軌道に乗せるまでには時間が必要。新しいコースでここまでの成果を確認したい」

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