モトクロス世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMXGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 5月29日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:2016年第9戦スペインGP
■カテゴリ:MXGP
■開催日:2016年5月29日
■開催地:タラベラ(コース長:1,620m)
■天候:晴れ/曇り 気温24℃
REPORT
フェーブルがスペインGPで輝きを放つ
日曜日に開催されたスペイン・グランプリで、Monster Energy Yamaha Factory Racingの公式MXGPライダー、ロマン・フェーブルが、タラベラ・デ・ラ・レイナにおいて負った怪我のアクシデントから立ち直り、トップ5内でのフィニッシュを果たした。母国、フランスでのグランプリを次週に控え、フェーブルは貴重な選手権ポイントのセーブをすることができた。
一方、チームメイトのジェレミー・ファン・フォルベークは狭く、グリップの高いコースを攻め、トップ10内でのフィニッシュを決めた。
最上級クラスへの参戦1年目のKemea Yamaha Official MX Teamのライダー、ヴァランタン・ギヨーは衰えを知らぬ勢いを見せ、両ヒートともトップグループに伍して走り、雨から晴れ、路面も泥からハードパックへと変化した今大会で総合9位に入った。
フェーブルは土曜日に行われた予選で、夏の雷雨の後に滑りやすい泥と化した路面でクラッシュ。左ひじを負傷してしまう。チームと大会メディカルスタッフは2015年世界モトクロス・チャンピオンのフェーブルを検査。骨折や筋の断裂はなかったため、土曜日夜に腫れのアイシングと痛みへのマッサージを施した。
日曜日、スペインの夏の日差しのもと、フェーブルはスタート前にさらなる処置を受けて両ヒートをスタート。派手さを控えながら、驚くべきアグレッシブさを示すレースを見せた。第1ヒート、ステディなレース展開を見せるフランス人ライダー、フェーブルは先ず、同じフランスのJ・ティクシエ(カワサキ)をパスすると、スペイン人ライダーのA・J・ブートロン(KTM)を抜き去る。しかし残り10分でスイス人ライダーのV・ギヨー(ヤマハ)の先行を許し、9位でフィニッシュした。
第2ヒート、フェーブルはさらに力強い走りを示した。30番手という不利なゲート位置から5番手へとジャンプ。フィニッシュまでにひとつ順位を上げて4位でチェッカーフラッグを受け、総合6位に入った。
ファン・フォルベークも土曜日の予選レースの後、痛みを訴えて大会メディカルスタッフの診察を受けている。その結果、今月初めに開催されたドイツGPでの激しいクラッシュ以来続いている傷害が発見された。日曜日の両ヒートには左手首にカーボンファイバー製のブレースを装着して臨んだベルギー人ライダーのファン・フォルベーク。スタートからフィニッシュまで百分の1秒を争うほどタイム差が少ない、激しく、速く、そして体力を要するコースで、第1ヒートではファン・フォルベークもブートロンとバトルを展開した。両ヒートとも1周目からほとんどポジションを変えることなく走行し、それぞれ8位と7位でフィニッシュしたファン・フォルベークは、スペイン・グランプリを総合7位で終えた。
MX2で自身最後のシーズンとなった昨年のタラベラ・デ・ラ・レイナで見事優勝を飾っているギヨー。今年、ギヨーはMXGPライダーとして成長を続けているところを示した。第1ヒートでフェーブルを追いまわし、これをパス。さらに最後にファン・フォルベークを抑えてフィニッシュして見せたのだ。
第2ヒートでは素晴らしいスタートを決めたギヨーだったが、レース終盤にクラッシュ。スイス人ライダー、ギヨーは2016年3度目のトップ10フィニッシュでレースを終えた。
2016年FIMモトクロス世界選手権ランキングで、フェーブルはスロベニアのT・ガイザー(ホンダ)に続く2位につけているが、点差はやや開き24ポイントとなった。ファン・フォルベークはロシアのE・ボブリシェブ(ホンダ)に19ポイント差で続く6位。一方、ギヨーはベルギーのK・ストライボス(スズキ)を24ポイント差で追う9位につけている。
MXGP RESULT Race.1
MXGP RESULT Race.2
RIDERS RANKING MXGP
CONSTRUCTORS RANKING MXGP
COMMENT
ロマン・フェーブル選手談 (9位/4位:総合6位)
「昨日はライディングできるかどうかわからない状態だったから、今日はほとんど勝ったも同然だよ。スタートは両ヒートとも良くて、第2ヒートでは30番手から5番手まで上がった」
「選手権ランキングでは数ポイントか落としたことは間違いないけど、それ以上にセーブすることができた。来週フランスに戻るのを前にして、これはとてもうれしいことだ」
ジェレミー・ファン・フォルベーク選手談 (8位/7位:総合8位)
「ここはすごく難しい。誰もが速く走るし、このレベルでは100パーセントで走らなければならないからね。今日獲得した27ポイントのために、すごくがんばったよ」
「今日は痛みが激しくて、すごくキツかった。トイチェンタルの後、僕の手首に2mmのヒビが入っているのをここの医師が見つけた。検査と、それからフランスに行く前に何ができるのかを知るために、今週、ドクターのところに行かなければならない」
ヴァランタン・ギヨー選手談(7位/8位:総合9位)
「今週末の自分のライディングにはすごく満足している。第1ヒートでは最速ラップタイムを記録したし、もっとやれたと思う。スタートは第2ヒートの方が良かった。僕らは良い方向に向かっていると思うよ」