2015鈴鹿8耐SSTクラス優勝ライダー&開発者、「R1」を語る
2015年の鈴鹿8耐は、ヤマハとして非常に重要な出来事が2つあった。一つは1996年以来、19年ぶりに優勝(5回目)したこと。もう一つは、スーパースポーツのフラッグシップである「YZF-R1」の新型が、鈴鹿8耐にデビューしたことだ。
当時、注目を集めたのは優勝した「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」だったが、同じ時、同じ場所で、別のヤマハチームが、クラス勝利をおさめていた。「R1」を手がけた国内外の開発メンバーが結成した社員チーム「team R1 & YAMALUBE」である。
彼らは、「サーキット最速」を目指して開発してきた「R1」の実力を、自分たちの手で、机上ではなく実際のレースで証明するために参戦した。そのため「エンジン」「サスペンション」「ブレーキ」など、その多くを市販状態で戦うSSTクラスにエントリーし、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」とともに、新型「YZF-R1」の「サーキット最速」を証明したのだ。
あれから1年。
「team R1 & YAMALUBE」のライダーとして昨年の鈴鹿8耐を戦った時永真、藤原儀彦、当時から開発に携わり、現在は「YZF-R1」のプロジェクトリーダーとなった平野啓典が、再び「R1」を囲んだ。そして当時を振り返りながら、作り手の思い、レースの真っ只中で感じ取った「YZF-R1」の実力について語ってもらった。