MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 5月30日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦イタリアGP
■開催日:2021年5月28日(金)フリー走行総合結果
■開催地:ムジェロ/イタリア(5.245km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:46度
REPORT
モルビデリとクアルタラロが総合3・4番手と好調、ビニャーレスは総合8番手
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとM・ビニャーレスは好天に恵まれたこの日、テクニカルで体力的負荷の高いこのコースの勘を取り戻すことを第一の目標に臨み、FP1・2の両セッションでハイスピードを見せ、総合でそれぞれ4番手と8番手を獲得した。ホームGPに臨むPETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのF・モルビデリとV・ロッシ。モルビデリはこの初日にトップに0.184秒差と迫る総合3番手を獲得。一方のロッシは21番手に留まった。
Monster Energy Yamaha MotoGP、初日に好調アピール
クアルタラロはFP1、序盤からペースを上げて6ラップ目に1分47秒566でトップに浮上。その後はミディアムタイヤのフィーリング向上に取り組みながら、ほとんどの時間帯でトップ3を維持していたが、終盤で順位を下げてトップから0.973秒差の8番手で終了した。
午後からのFP2もセッティング作業に多くの時間を費やしたあと、最後の数分でリアタイヤをソフトコンパウンドに履き替えるとタイムアタックを開始。一気にトップを目指していたが、前方の混雑に阻まれてしまう。それでも2回目のトライではFP1のベストタイムを1.194秒上回る1分46秒372を記録し、4番手に順位上げてこの日の走行を終了した。トップとの差は0.225秒だった。
一方、ムジェロ・サーキットの大ファンとして知られるチームメイトのビニャーレスもFP1から好調ぶりを発揮。YZR-M1のベースセッティングに手ごたえをつかみ、セッション開始、早々トップに立った。その後は決勝用セッティングに切り替えたがラップタイムも更新を続け、全20ラップ中19ラップ目で1分46秒593のベストラップを記録。2番手以下に0.209秒差をつけてトップを獲得した。
FP2は決勝用のタイヤチョイスに専念。前半は前後ともハードコンパウンドを使用し、後半でハード/ミディアムに変更するとトップ5に浮上した。残り10分では最後のミニアタックに備えてミディアム/ミディアムを試し、さらにミディアム/ソフトに変更。しかし最初のトライでは不運にもクリアラップに恵まれず、さらには第9コーナーで小さくコースアウトしてしまう。残り2回のチャンスでも実力を発揮しきれず、1分47秒195の17番手に留まったが、総合順位ではFP1の記録により7番手タイにつけて初日を終了している。
モルビデリがホームGPのフリープラクティス初日に3番手を獲得
モルビデリはFP1序盤の数周でトップ10をキープ。その後、一度は順位を下げたものの終盤で立て続けに好タイムを記録し、最終的には1分47秒184のベストラップで5番手につけた。FP2もトップ10圏内でスタートし、後半はユーズドタイヤを装着してロングランを実施。セッション終盤になってタイムアタックに臨むと、最終ラップで1分46秒331を記録して一気に3番手に浮上した。
チームメイトのロッシはFP1序盤で5番手につけたあと、セッティングに取り組みながら慎重な走りに切り替えて1分48秒302の17番手。FP2ではハードコンパウンドのタイヤを試し、第1コーナーで何度かはらむ厳しい展開。終盤ではソフト・コンパウンドに履き替えて1分47秒719に更新したが、総合順位で21番手に留まった。
PRACTICE RESULT
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(フリー走行総合4番手/1分46秒372)
「正直に言うと、FP1ではリアタイヤのフィーリングが良くありませんでした。でもFP2になると、同じコンパウンドでも安定性が増してラップタイムも一気に上がってきたのです。2回目の走行はとくに好調で、5ラップ続けて1分47秒ぎりぎりあたりを維持することができました。ペースもフィーリングも絶好調です。それでもセッティング以外のところではまだ課題もあると考えています。電子制御システムや私自身のライディングスタイルをさらに向上させることができるはずなのです。今日は総合的に好調で、このコースで素晴らしいポテンシャルを発揮できました。FP2のラップタイムはとても良かったのですが、第1、第3、第4セクターでは大勢が流していたので、正直なところどうやってこのタイムが出たのかよくわからないのですが...」
M・ビニャーレス選手談(フリー走行総合8番手/1分46秒593)
「FP1は最初から絶好調でした。フィーリングがとても良かったのです。フィーリング自体は両セッションとも良かったのですが、タイムアタックがうまくいきませんでした。ですから明日は、ラップタイムでも一気にジャンプアップできると思っています。今日はこのような順位に終わりましたが、最も重要なのはリズムです。前回のル・マンと同じように、一歩一歩、着実に自信を積み上げています。今回はドライ・コンディションが続く限り、優勝のチャンスがあると感じています。前進あるのみです」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「今日の最終結果は、今の私たちの真の力を表したものではありません。クアルタラロ選手もビニャーレス選手も、FP1の初めから非常に速く、マシンに好フィーリングを得ていました。FP2では決勝に備えたタイヤチョイスにも取り組み、良いものと、あまり好みではないものとを振り分けることができました。マシンはとてもよく走ってくれているので、私たちはすでに、安定したペースで決勝を走り切るための最後の調整を始めています。タイムアタックでは不運にもふたりとも渋滞に巻き込まれてしまいましたが、十分な競争力を獲得していることは明らかです。明日はFP3でトップ10を目指し、FP4で決勝に向けた準備を進める予定です」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
F・モルビデリ選手談(フリー走行総合3番手/1分46秒331)
「何よりもまず、ムジェロに戻ってくることができて最高にうれしい気持ちです。ふだんはここの素晴らしさを忘れがちですが、とても特徴的なこのコースを走るのは大きな喜びで、とくに自分が好調でスピードを上げられるときには、より一層気分よく走れます。ユーズド・タイヤでもいいタイムが出ましたし、マシンの状態をさらによく知ることができました。決勝で使うタイヤについてはもう少し分析が必要ですが、マシンのほうはすでに最終調整の段階に入っており、私自身も全力でプッシュできています。このホームGPは特別なもので、いつも以上にモチベーションが上がっています。ただ今年は、コース脇の丘の上に大観衆を見ることができないのが残念です」
V・ロッシ選手談(フリー走行総合21番手/1分47秒719)
「厳しい一日でした。とくに午後からのFP2は苦戦しました。前後タイヤにハードコンパウンドを試すと、まったくペースが上がらず、最後に1ラップだけソフトコンパウンドを履いて、ようやくタイムを更新することができました。ブレーキングに課題があり、マシンの向き替えが素早くできず、さらに何度かミスをしてしまいました。明日は何か別のものをトライする必要があります。今日は新しいスタートデバイスを試し、これも決して完璧ではありませんでしたが、最初のテストとしては十分でしょう。明日までにセッティング変更を行い、マシンバランスの向上を目指します」