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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.01 3月28日 カタール

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第1戦カタールGP
■開催日:2021年3月28日(日)決勝結果
■開催地:ロサイル/カタール(5.380km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:20度 ■路面温度:21度
■PP:F・バニャイア(1分52秒772/ドゥカティ)
■FL:M・ビニャーレス(1分54秒624/ヤマハ)

REPORT

2021シーズンがカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕。Monster Energy Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスがレース後半にはトップに立つと、後続を引き離す完璧なレースコントロールで、開幕戦で優勝。チームメイトのF・クアルタラロも、トップ争いには加われなかったものの5位を獲得。WGP参戦60周年となるメモリアルイヤーを好成績でスタートさせた。PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのV・ロッシとF・モルビデリはトラブルなどもあり、序盤で大きく後退。結果、ロッシが12位、モルビデリは18位でゴールとなった。

ビニャーレス選手がシーズン初優勝、クアルタラロも5位と健闘しWGP参戦60周年を勝利でスタート

2021シーズン開幕戦、Monster Energy Yamaha MotoGPのふたりはスタートで出遅れたあと、チームメイト同士でタッグを組むようにトップグループを追いかけていった。その後、M・ビニャーレスが優勝。チームメイトのF・クアルタラロも力強く戦い抜き5位を獲得した。

ビニャーレスはグリッド3番手からスタート直後に8番手まで後退。しかしすぐさまクアルタラロの後ろに付けると、ともに激しくプッシュしながら徐々に上位グループに近づき、8ラップ目にはそれぞれ3番手と4番手に浮上した。

さらに目を見張るほどのハイペースで追い続けるビニャーレス。表彰台獲得を目指して懸命にプッシュし、10ラップ目にはクアルタラロをパスして3番手。続いて前方のJ・ザルコ(ドゥカティ)との差を縮めて2番手。そして15ラップ目にはついにF・バグナイア(ドゥカティ)をとらえてトップに躍り出た。その後もタイヤを巧みに温存ながらさらに少しずつ後続を引き離し、最終的には1.092秒のアドバンテージを築いてチェッカーを受けた。

一方、2番グリッドからスタートしたクアルタラロもやや出遅れて6番手。その後ビニャーレスを従える格好で、ともに挽回を目指した。1ラップ目終了時点で5番手に上がり、さらにJ・マルティン(ドゥカティ)をとらえると、次はいよいよトップ3に挑む。

5ラップ目、J・ミラー(ドゥカティ)に仕掛けたクアルタラロは第15コーナーで鮮やかなパス。この時点で2番手との差は0.9秒ほどだったが、同時に後方からのプレッシャーにも対応しなければならなかった。この難しい状況のなかでタイヤを消耗したこともあり、思うようにペースを上げられなくなるとポジションをキープすることができない。残り8ラップでは7番手まで後退していたが、そのあと最後の力を振り絞り、5位に浮上してチェッカーを受けた。トップとの差は3.030秒だった。

この結果、ビニャーレスとクアルタラロはそれぞれ25ポイントと11ポイントを獲得してランキングトップと5位。ヤマハとMonster Energy Yamaha MotoGPもそれぞれ、合計25ポイントと36ポイントでランキングトップにつけている。

ロッシとモルビデリは12位と18位

Petronas Yamaha Sepang Racing Teamにとって、ロサイル・インターナショナル・サーキットで行われた2021シーズン開幕戦は残念な結果となった。V・ロッシとF・モルビデリは技術的問題で本来の力を出し切れず、それぞれ12位と18位に終わっている。

同チームでの初レースに臨んだロッシ。4番グリッドからスタートし、オープニングラップで3つ下げて7 番手となった。その後もなかなかペースが上がらず徐々に後退して12番手まで下げ、さらにリアタイヤのグリップ不足に悩まされて12ラップ目には16番手となった。しかしそのあと挽回を目指しながら最後まで懸命に走り抜き、ポジションを戻して12位でチェッカーを受けた。

一方のモルビデリはスタート前のグリッド上でマシンの問題が確認された。そこで目標を完走に切り替え、問題解決のためにも十分なデータを収集することに注力した。オープニングラップで16番手、2ラップ目には19番手まで後退したが、最後まで冷静に走り切り、18番手でチェッカーを受けた。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP

M・ビニャーレス選手談(優勝)

「大勢のライバルたちと勝負ができたことが非常に良かったと思います。1回のレースのなかで、これほど多くのライダーをパスしたのは本当に久しぶりです。レース序盤でマシンに特別なフィーリングを感じ、またFP4で決勝のシミュレーションを行ったときと、予選でもこのような素晴らしい感覚がありました。優勝は簡単なことではないのでとてもうれしいです。今日はみんなで喜びを分かち合いたいと思っています。次回はライバルたちもさらに力を付けてくると思うので、私たちも全力で仕事に取り組みます。今日はチームとして素晴らしい結果を得られたので、冬の間、懸命に頑張ってきた彼らにも"おめでとう"と言いたいです。この勝利が今後のチームの士気を高めてくれるでしょう。私たちは常に、お互いに信頼し合うことが重要だからです。来週に向けてはスタートの改善が課題になりますが、総合的にはとても良いシーズンになっていると思います」

F・クアルタラロ選手談(5位)

「序盤は力強い手ごたえを感じていました。ミラー選手をパスしたあと、リアタイヤに激しい消耗を感じたのです。プラクティス中は経験したことがなく、思いがけないことでした。そのため自分のライディング・スタイルを調整するしかなかったのですが、ビニャーレス選手はタイヤ・グリップが十分で、まったく別次元にいるように見え、抑えきることができませんでした。終盤では走り方を変えてリンス選手とミラー選手をパス。このことはとても良かったと思います。昨年は苦戦が続く中でミスをして、14位になったりクラッシュしたりしましたが、今日は5位と11ポイントを獲得できたので、厳しい戦いのなかでも良い結果を得られたと思っています。マーベリックとの差は3秒ほどなので決して悪くないと思います」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「好スタートを切り、ビニャーレス選手とクアルタラロ選手が、ヤマハ・ラインを使ってM1の力を存分に出し切ることが理想でした。しかしライバルたちがスタートに強いことも予想しており、第1コーナーでトップに立つのはほぼ不可能だということもわかっていました。そのなかでふたりは、やるべきことを十分に理解しており、チームメイト同士で不要な戦いを長く続けるよりも、ともに協力しながら上位を目指していったのです。その結果、最終的にビニャーレス選手は優勝を成し遂げました。本当に素晴らしい戦いぶりでした。クアルタラロ選手は予想外のタイヤの消耗があり表彰台には届きませんでしたが、最後まで力強く走り切り5位を獲得し、自分自身とチームのために貴重な11ポイントを持ち帰ってくれました。今日の結果には非常に満足です。ヤマハとチームのここまでの努力が報われました。このあとは数日休んでから、水曜日にまたコースに戻ります。今日のクアルタラロ選手の問題について分析・検討していくことになるでしょう」

PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team

V・ロッシ選手談(12位)

「昨日の予選が好調だったので、もっと上の順位を期待していましたが、決勝は残念ながら苦戦することになりました。数ラップ後からリアタイヤに問題がで始めたのです。これは金曜日にも経験していたのですが、気温が低くなる決勝では、その問題がもっと小さくなっていることを期待していたのです。しかし残念ながらフィーリングはほとんど変わらず、順位を落としてしまいました。スタートは悪くなかったし、第1コーナーへの進入スピードも十分にあったと思いますが、ライバルたちが非常に速く前に出ることができませんでした。次回に向けて問題を解決し、より良い状態で臨みたいと思います」

F・モルビデリ選手談(18位)

「非常に難しいレースでした。グリッド上で問題が発覚しましたが、そのままスタートすることに決めました。懸命に頑張ってくれているチームのために、なんとしても完走したかったですし、そうすることで問題解決に向けた理解が進むと考えたのです。このウイーク中にも経験したことですが、決勝では何かが間違っていることがより明白になりました。このようなレースをすることになってしまったことは本当に残念。でも現状を把握するためのデータを収集できたことは収穫だったと思っています。次までに解決を目指します」

R・ラザリ、チーム代表談

「様々な理由で、予想外の結果となりました。ロッシ選手がリアに不具合を感じていたことは明らかで、これから彼の意見を聞き、次回に備えます。モルビデリ選手もまたメカニカル・トラブルに見舞われ、彼の実力とはほど遠い結果となってしまいました。そのなかでも最後まで走り切り、今後のためのデータを収集できたことは良かった点です。最後になりましたが、ビニャーレス選手の優勝を心から祝福します」

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