MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.15 10月15日 日本
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第15戦日本GP
■開催日:2017年10月13日(金)初日フリー走行総合結果
■開催地:ツインリンクもてぎ/日本(4.801 km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:15度 ■路面温度:17度
REPORT
ウエット・コンディションのもとM・ビニャーレスとV・ロッシはそれぞれ総合11番手と12番手
Movistar Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスとV・ロッシはフリープラクティス初日、ウエット・コンディションでグリップ不足に悩まされ、それぞれ11番手と12番手。
午前中の第1セッションでビニャーレスは、限界を越えないように少しずつペースアップ。降り続く雨のなかでタイヤがなかなか暖まらず、その上、前車が巻き上げる水しぶきに視界が遮られる難しい状況だったが、1分56秒917まで伸ばしてトップに1.499秒差でセッションを終了した。
第2セッションはより自信を持って走りながら、リア・スピンをコントロールしてペースを上げていった。そして1分57秒台を何度も繰り返し、最終的には1分56秒376を記録して11番手につけた。トップとの差は第1セッションと同様の1.499秒で、総合11番手で初日を終了した。
ロッシも第1セッションは慎重なスタート。未だ脚の怪我が完治していない状態ながら、セッション終盤には徐々にペースを上げて1分58秒618を記録し、トップから3.2秒差の19番手につけた。
第2セッションではダウンフォースを強める調整を行い、コーナー進入でのリア周りのフィーリング向上を目指した。その結果、第1セッションから2秒以上もタイムを短縮して1分56秒435を記録。トップから1.558秒差の12番手となり、総合順位も12番手でウイーク2日目を迎えることとなった。
ザルコがヤマハ勢トップタイムをマーク!
ウエットコンディションで行われたフリープラクティスで、Monster Yamaha Tech3 TeamのJ・ザルコが総合5番手を獲得。明日以降も雨が予想されるなか、ザルコは初日からペースを上げ、日曜日の決勝に向けてセッティングの準備を開始した。3番手との差がわずか0.407秒と好調ぶりを見せている。
一方、J・フォルガーに代わって急遽、出場が決定した野左根航汰は、MotoGPデビューで大勢のファンを魅了。午後からのフリープラクティス第2セッションで13番手へ順位を上げた。明日は9:55からフリープラクティス第3セッションがスタートする。
開発ライダーとしての中須賀は初日24番手
初日は朝から雨が降り続き、全セッションでウエットコンディションとなった。
MotoGPクラスに6年連続でワイルドカード参戦するゼッケンナンバー21・YAMALUBE YAMAHA FACTORY RACINGの中須賀克行は、フリープラクティス第1セッションでは1分59秒199で23番手、第2セッションは1分58秒341にまでタイムを詰めた。
中須賀はヤマハのファクトリーマシン「YZR-M1」の開発ライダーであり、今大会ではマシン開発にも主眼が置かれている。そのため、今日そして明日のフリー走行では好タイムを狙うのではなく、あくまでもマシンの仕様のチェックやパーツ類の判断に時間が費やされるようだ。
PRACTICE RESULT
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(フリー走行総合11番手/1分56秒376)
「ウエット・コンディションには、シーズン中ずっと苦しんできました。今回もまだ適切なセッティングが見つからず苦しい状況です。トップとの差が開き過ぎているので、リア・グリップを向上させるためにセッティングを大幅に変更しなければならないでしょう。ウエットではありますが、変化が激しくないのは助かります。路面のグリップ自体とても良いだけに、今日の結果は残念でなりません。明日もう一日あるので、何とか解決策を見つけていきたいと思っています」
V・ロッシ選手談(フリー走行総合12番手/1分56秒435)
「痛みはまだ少し残っていますが、大きな問題ではありません。それよりもセッティング面で苦しい状況です。両セッションともにフル・ウエットだったので、ウエット用セッティングに取り組むチャンスでしたが、どちらも理想通りにはいきませんでした。リア・グリップ不足に悩まされて、やや乗りにくいマシンになってしまっているのです。明日は天候回復を期待しています」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「このような厳しい状況に直面するとは思っていませんでした。もてぎはグリップレベルの高いサーキットなのに、今日はとくにコーナー進入でリアが十分にグリップしてくれませんでした。それ以外のところではウエットでのパフォーマンスは上がってきているので、何とかこの問題を解決したいと努力しましたが、期待通りにはいきませんでした。エクストラソフトのタイヤについては、これまでその優位性を十分に活用することができませんでしたし、数量も限られているので使用しないつもりです。天気はこのまま変わりそうにないので、日曜日の決勝に向け、前進するために全力でプッシュを続けるだけです」
Monster Yamaha Tech3 Team
J・ザルコ選手談(フリー走行総合5番手/1分55秒468)
「日本は大好き。とても気分がいいです! 悪天候はちょっと残念ですが、私にとってはそれがアドバンテージになるでしょう。第1セッションから順調でしたが、第2セッションはさらに調子が上がってきました。ライバルたちもみな非常に速く、とくにドビツィオーゾは見事なタイム。それでも私もひどく離されたわけではなかったので満足しています。明日の予選では1ラップの速さを追求しなければならないので、そのためにチームと協力しながら、もっともっとフィーリングを高めていきたいと思います。とは言え、ウエットコンディションではとくに、毎ラップの安定した速さのほうが重要になってくるので、そのことを常に念頭において調整していくつもりです。フリープラクティス第3セッションで好位置を目指しますが、まずは今日、トップ10に入れたことが良かったと思います。雨のなかでMotoGPマシンのフルパワーをコントロールするのはとても大変で、タイヤも激しくスピンしてしまいます。でもサスペンションやマシンとのコンビネーションでフィーリングが向上しており、このコースのグリップ性の高さもあって今のところよく機能してくれています。日曜日も同じ状況なら、私たちにとっては有利でしょう。でももしもそうでなかったとしても、すでに十分に好調です」
野左根航汰選手談(フリー走行総合13番手/1分56秒453)
「日本GPウイークの初日はとても順調でした。MotoGPライダーたちと一緒にサーキットを走れるだけでも興奮してしまい、とても楽しい一日になりました。まだ始まったばかりなので決勝の順位について話すのは早すぎると思いますが、フィーリングがとても良く自信を持って走れていることだけは確かです。明日は曇りでドライ・コンディションになりそうなので、みんながペースを上げてくるでしょう。でも私もこのホームコースを心からエンジョイできているので、明日以降もベストを尽して良い状態で日曜日を迎えたいと思っています」
YAMALUBE YAMAHA FACTORY RACING
中須賀克行選手談(フリー走行総合24番手/1分58秒341)
「今日は雨になりましたが、マシン開発ではウェットコンディションでなければできないことも沢山あるので、そうした意味ではこのコンディションはウェルカムです。また、バレンティーノ・ロッシ選手やマーベリック・ビニャーレス選手からウェットでのリクエストもあるので、その辺を確かめることも重要でした。ただ、走るたびにマシン仕様が違っていて、開発なので当たり前ではあるのですが、好タイムを出すには至らず、レーシングライダーとしては気になるところでもあります。明日はドライコンディションになる予報なので、また違ったテストスケジュールになると思います」
鷲見崇宏監督談
「今シーズンのMotoGPヤマハ勢は、とてもいい形でスタートを切ることができましたが、中盤からのライバルとの激しい戦いのなかで、新しいパーツの開発と投入を頻繁に行ってきました。そしてこの時期になると来シーズンを見据えた開発や先行パーツのテストとなりますが、今日のフリープラクティスセッションでは、通常のレースウイークでは決しやらないような、大きな仕様変更とともにアイテムの大幅変更を試みました。路面もウエットで、路面温度も低かったのですが、こうした環境下で中須賀選手は冷静にリアリティのある分析をしてくれて、改めてプロ意識の高さを示してくれました」