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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.08 6月25日 オランダ

RACE DATA

■大会名称:第8戦オランダGP
■開催日:2017年6月23日(日)決勝
■開催地:アッセン/オランダ
■コースコンディション:ウェット
■気温:18度 ■路面温度:22度

REPORT

ロッシが激闘を制し、今シーズン初優勝! ランキング3位へ浮上

Movistar Yamaha MotoGPのV・ロッシがアッセンTTサーキットで激闘の末、0.063秒の僅差で競り勝ち今シーズン初勝利を挙げた。チームメイトのM・ビニャーレスはグリッド11番手から順調にポジションを挽回していたが、第17コーナーで転倒してリタイアした。

ロッシはMotul TTアッセンの決勝で最上のレースを展開した。昨日までコンディションに苦労してきたが、ウイーク最終日を見事な勝利で締めくくった。グランプリ初優勝から20年と313日目、全クラスを通じての優勝の歴史が最長となった。一方、チームメイトのビニャーレスはグリッド11番手から順位を上げてトップグループに近づいていたが、転倒によりリタイアした。

灰色の雲が頭上に広がるアッセンTTサーキット。ロッシはグリッド4番手から好スタートを切り、J・ザルコ、M・マルケスに続く3番手。トップを狙う果敢な走りを見せ、3ラップ目と4ラップ目にはファステストラップを更新しながらついていった。そのすぐ後ろにはDペトルッチ。そしてまずマルケスの背後に迫り、第1コーナーでパス。次のラップで同様の方法でザルコも抜いてトップに躍り出る。そのあとの第4コーナーではザルコと接触するもロッシがトップをキープ。4ラップ後には、2位以下がバトルを展開する間に少しずつリードを拡大していった。

アドバンテージは約1秒まで広がったが、残り8ラップで雨が降り出したため、白旗が提示されてペースダウンを余儀なくされた。これで再び後続に追いつかれ、ロッシはトップを守るために、あらゆる手を尽くして必死の走り。そして残り5ラップでは一旦、ペトルッチに先行を許すが決してあきらめず、次ラップにてシケインで抜き返してYZR-M1の敏捷性を見せつけた。最後の数ラップは周回遅れも現れて予想外のドラマが展開されたが、ロッシは少しもぶれることなく前を見て走り切り、0.063秒差でトップチェッカーを受けた。

チームメイトのビニャーレスは、グリッド11番手から好スタートを切って1周目を10位で終了。その後の数ラップでタイヤを暖めてから、ペースを上げて順調にポジションを挽回していった。身体を伏せて懸命の走りを続けたビニャーレスは、残り16ラップで4位争いのグループに追いついたが、シケインで転倒してそのままリタイアとなった。

この結果、ロッシはシリーズポイントを合計108に伸ばしてランキング3番手に浮上。ノーポイントに終わったビニャーレスはランキング2番手に後退し、ロッシとの差は3ポイントとなっている。コンストラクターズ・ランキングではヤマハが22ポイントをリードしてトップをキープ。チーム・ランキングでもMovistar Yamaha MotoGPがトップに立っており、2位以下に28ポイントのリードを保っている。

Tech3のアンラッキー。ザルコ14番手、フォルガーはリタイア

Monster Yamaha Tech3のJ・ザルコはポールポジションからホールショットを奪ってレースをリード。そのまま順調にペースを上げ、レース前半のほとんどでトップをキープした。終盤になって雨が降り始めると20ラップ目でウエット用マシンに交換する。コース復帰後、12番手まで挽回していたが、ピットレーンの制限速度オーバーでペナルティを科せられ、最終的には14番手という結果になった。

ザルコのチームメイトのJ・フォルガーは、10ラップ目の第1コーナーで転倒してそのままリタイアした。予選では今季最高の6番手を獲得してグリッド2列目からスタートしていたが、コーナーで大きくはらんで後退する。ここから懸命に挽回を図るも転倒を喫し、今季初めてのリタイアに終わった。次回のホーム・グランプリでの再起を誓っている。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Movistar Yamaha MotoGP

V・ロッシ選手談(優勝)

「とてもうれしいです。その理由はふたつあります。ひとつは、チャンピオンシップのために非常に重要な勝利だったということです。そしてもうひとつは、1年ぶりにナンバーワンの場所に戻って来ることができて、この上ない特別な気持ちになれました。僕はまさに、このフィーリングを感じるためにモーターサイクル・レースをしています。決勝の最後の5、6ラップが最高でした。優勝はいつだってうれしいことですが、1年ぶりともなればまた格別です。今日はペトルッチやそのほかの大勢のライバルととてもいいバトルができましたし、技術的な面から見ても、シャシーを変更するなどチーム全員が懸命に取り組んできて、今では僕の思い通りにマシンを走らせることができました。チャンピオンシップは何が起こるかわかりません。今シーズンはいつも以上に激しくて、レースのたびに状況が大きく変化しています。次回のザクセンリンクでもまた、ただ懸命にベストを尽くして戦いたいと思っています」

M・ビニャーレス選手談(リタイア)

「どうして転倒してしまったのかは自分でもわかりません。あのコーナーはもう2,000回くらいは通っていますが、今日初めてあんなことが起きてしまいました。ひたすらトップを目指し、限界を超えたプッシュをしてしまったのかもしれませんが、もしも転んでいなければ、必ず追いついていたはずです。そのくらい僕のペースは速かったのです。このようなことにならないようにするためには、予選で最低でも6番手には入らなければならないことを思い知らされました。だから僕の失敗は今日ではなくて、昨日すでに起きていたのだと思っています。決勝中はマシンのフィーリングが素晴らしく、タイヤを温存しながら最後の10ラップでのバトルに備えていました。コースのどのセクションでもスムースに走ることができていて、ライバルたちよりずっと順調でした。転倒について説明することは難しいです。でもそこから多くを学んだことだけは間違いありません。予選で失敗し、後方からのスタートとなれば厳しい展開は初めからわかっていました。だからこそベストを尽くしましたが、それはまさに'オール・オア・ナッシング'です。そして僕は結局、すべてを失ってしまいました。ここからまた復活を目指し、新たな道を切り開いていきたいです」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「ドラマに満ちた、非常にエキサイティングなレースでした。バレンティーノはここアッセンで常に注目されてきましたが、今日も約束通り最高のレースを見せ、そして最高の結果を獲得してくれました。非常に難しいコンディションのなかで優勝だけを目指してバトルを繰り広げて、何があっても決してあきらめずに走り通し、ついにはこうして今季初優勝を成し遂げました。昨日までの苦しさを、これ以上にない最高の形で跳ね返すことができたと思います。マーベリックもグリッド後方から順調に挽回し、5番手まで上がってからさらに激しくプッシュしていきました。彼の真のポテンシャルを考えれば、不運な転倒でレースを終えたことは非常に残念です。このあとわれわれは数日の休養をとってからドイツへ向かいます。路面が新しく舗装され、少しモディファイもされているので、最初の走行を楽しみにしています」

Monster Yamaha Tech3

J・ザルコ選手談(14番手)

「すべてを総合して考えれば、今日の結果は実際にはとても良かったと思っています。ポールポジションから絶好のスタートを切り、そのあとも順調にトップを走ることができて最高の気分です。誰にも抜かれなかったので、ただベストを尽くして自分の思い通りに走ることができました。でもそのあと数台に追いつかれ、そのなかで激しく順位が入れ替わるバトルに発展しました。コース上の2つのポイントではライバルたちにかないませんでしたが、それでもしばらくは何とかついていくことができました。そこへ雨が降り出しました。他のライダーが限界ぎりぎりで走っていたので転倒を心配したこと。同時に雨そのものも、とても気になりスリックタイヤでそれ以上プッシュすることができないと判断してマシン交換を決断しました。結果的には、それで差を付けられるほどには雨がひどくならなかったですが、そのままドライ用のマシンで走り続けることも私にはできなかったのです。このレースで、ペナルティを含めていくつかのミスをしてしまったことも事実です。でも取り返しがつかないほど大きく順位を下げたわけではないですし、今日のことを前向きにとらえたいと思っています。序盤のドライ・コンディションではとても順調で、トップグループに加わって表彰台を目指せました。ここからまた目標達成に照準を合わせ、そのための様々な準備をしていくだけです」

J・フォルガー選手談(リタイア)

「今日のことが悔しくてたまりません。気持ちを抑えることができないです。まず初めに、第6コーナーでコースアウトして最後尾まで後退してしまったこと。そしてそのあと順位を取り戻そうと頑張りましたが、そのなかには遅いライダーも混ざっていてなかなか自分のリズムをつかめませんでした。そして、そんな状況のなかでも何台か抜き、さらにプッシュを続けていたら第1コーナーで転倒してしまいました。結果としてライバルたちに貴重なポイントを譲る格好になってしまいましたが、ペースでは僕のほうが優っていたから、本来ならもっといい仕事ができたはずです。そう思うと悔しい気持ちを隠すことはできません。次は僕にとってのホーム・レースなので、地元のファンにいいレースを見せられるように、気持ちを集中していきたいと思います」

H・ポンシャラル、チーム・マネジャー談

「今回は非常に残念な結果に終わりましたが、われわれはここで学び、次のドイツでより一層強くなって戻って来る。土曜日のふたりのパフォーマンスは見事なもので、ヨハンはポールポジションを獲得し、ジョナスも自己ベストの6番手を獲得しました。しかし、決勝ではいつまた天候が変化するかわからない状況でしたし、今回はドライ・コンディションをあまり経験していなかったこともあり、私はグリッド上で少しナーバスになっていました。ふたりは前後ともソフト・コンパウンドのタイヤを選択し、ヨハンはレース前半で素晴らしい走りを見せてくれました。途中、バレンティーノと接触して少し遅れたが、そこからはずっと4番手をキープしました。雨粒が落ち始めたときに、彼が言うには、前の3台よりも大きな影響を受けて彼らについて行くことができなくなってしまった。そして、午前中のウォームアップのときと同じように雨が激しくなったときのことも考慮してマシン交換の賭けにでました。しかし、残念ながら意図ははずれてしまいました。ヨハンはトップを走ることで多くを学んだと話していますし、実際に、ここへ来た時よりも強くなっています。われわれチームとしても、彼がルーキーであることを忘れてはいけないと改めて感じたところです。

 ジョナスのほうは、もっといいレースを期待していただけに残念です。彼の速さは誰もが認めるところですが、コースアウトしてしまったあと挽回を焦り過ぎました。ラップタイムの速さから考えれば、今日は楽にトップ10入りを果たすことができたはずです。とは言ったものの、彼もヨハン同様、ルーキーであり、今まさに経験を積みながら勉強しているところ。だからわれわれも焦らずに、冷静に見守っていきたいと思っています。次回はちょうどジョナスのホーム・グランプリになるので、金曜日のフリープラクティス第1セッションに期待しています」

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