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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.05 5月21日 フランス

RACE DATA

■大会名称:第5戦フランスGP
■開催日:2017年5月21日(日)決勝結果
■開催地:ル・マン/フランス(4.185km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:31度
■PP:M・ビニャーレス(1分31秒994/ヤマハ)

REPORT

ビニャーレスが激戦のル・マンを制す

Movistar Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスがフランスGPで今季3勝目を挙げ、ヤマハのグランプリ通算500勝目を達成した。チームメイトのV・ロッシも見事なレースを展開し、トップに立った時には大歓声が上がったが、最終ラップで転倒して戦列を離れた。

ビニャーレスはポールポジションから好スタートを切りホールショット。そのあとは一瞬、混戦に飲まれたが、第3コーナーで飛び込みJ・ザルコに続く2番手に浮上。これをロッシが3番手で追う展開となった。

そして6周目にビニャーレスはザルコをパスして、ついにトップに浮上。ここからは一気にペースを上げて後続を引き離しにかかる。まさに完璧なリズムで危なげなくトップをキープしていたが、次はロッシが激しい勢いで追い上げてきた。そして一旦はトップの座を明け渡すこととなったが、ビニャーレスは決してあきらめようとはしなかった。最終ラップでロッシが転倒し、ビニャーレスはトップでチェッカーを受けた。2位に3.134秒差をつけて優勝を果たした。

ロッシはグリッド2番手から好スタート。始めはM・マルケス(ホンダ)の後ろの4番手につけ、間もなくこれをパスして3番手に上がった。そしてチームメイトのビニャーレスとともにトップのザルコを追って行く展開。

12周目、一時マルケスに差を詰められたが、すぐに対応してペースを上げ、このあとは順調にトップ争いへと近づいていった。そして残り5ラップでザルコをパスして2番手に浮上。3ラップ後にはビニャーレスの背後につき、ついにはトップに躍り出た。この時点で残りは2ラップ。ビニャーレスもあきらめず、チームメイト同士のバトルが続くなかでロッシがわずかなミスを犯し、最終ラップで転倒。ゴールラインを通過することはできなかった。

ビニャーレスは25ポイントを追加し、合計85ポイントでランキングトップに浮上。ロッシは23ポイントの差をつけられて3位に後退した。チーム・ランキングではMovistar Yamaha Moto GPが合計147ポイントとなり、2位に21ポイント差をつけてトップをキープ。またコンストラクターズ・ランキングでも、ヤマハが2位に13ポイント差、合計108ポイントでトップに立っている。

次回は2週間後、イタリアはムジェロ・サーキットで開催される。

ザルコがホームGPで2位を獲得し、歴史に名を刻む

Monster Yamaha Tech3のJ・ザルコが最高のパフォーマンス。ル・マン・サーキットで行われた自身のホーム・グランプリで2位を獲得し、MotoGPで初めての表彰台に上った。ザルコはグリッド3番手、フロントローから飛び出してそのまま6ラップまでレースをリード。その後はトップライダーたちを相手に果敢に競り合い、最終的にビニャーレスに続く2位でチェッカーを受けた。

ザルコのチームメイトのJ・フォルガーも7位獲得と健闘。スタートで出遅れて17番手まで後退したが、ハイペースをキープして少しずつ挽回し、レース終盤ではザルコと同等のラップタイムで好走した。次のイタリアGP、ムジェロもこの勢いで自信を持って臨む。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Movistar Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(優勝)

「レース序盤はヨハン(ザルコ)について行くのが大変でした。彼は本当に速くて、フルタンクの状態ではとてもかないませんでした。とくにコーナー立ち上がりが素晴らしくて、とにかく速いんです。でも後半になると、彼のタイヤのグリップが少しずつ落ち始め、逆に僕のほうは良くなってきました。そしてラップごとにフィーリングが上がって来たんです。そのあとは最後まで、持てる力をすべて出し尽くして走り切りました。正直に言うと、とってもハッピー。本当にうれしいです! チームの仕事も非常に素晴らしかったし、タイヤも最後までしっかり機能してくれました。次のムジェロもこの調子でいきたいですね」

V・ロッシ選手談(リタイア)

「非常に残念な結果です。なぜなら今回は、僕らのチームが今季最高の状態にあったからです。ウエット・コンディションでも好調でしたし、とくに決勝は素晴らしかったのです。僕としては、今日は必ずシーズン最高の結果を出せると思っていました。ペースが速かったので大変でしたが、最後はとても気持ちよく乗れていて、フィーリングも良かったのでアタックを仕掛けました。でも最終ラップの第6コーナーでちょっとミスをして遅れてしまい、マーベリックに抜き返されてしまったんです。大きく離されたわけではなかったし、第4セクションは得意な場所なので、この時点でもう一回チャンスがあると思っていたのですが、突然あんなことになってしまいました。どんな状況だったのか、正直なところまったくわかりません。ふつうならフロントに注意するところですが、今日のはリアからの転倒だったのです。いずれにしても僕がミスをしました。その結果がこれです。ポイントを持ち帰ることができなかったことは本当に残念です。何よりも、目の前にあった勝利を逃したことが悔しい。そしてそれによってランキングトップの座も失いました。それでも、このフランスGPの僕は強かったので、悪くなかったと思っています。これからは次のレースのことを考えます。今日と同じように走ることができれば、必ずいい戦いができると思います」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「ヤマハの1-2-3という、夢のようなシナリオを思い描いていました。しかし残念ながら、それは実現しませんでした。それでもわれわれは依然として、このフランスGPに大いなる誇りを感じることができました。ここまでの長い間の努力と貢献によって、ヤマハはグランプリ通算500勝のマイルストーンを達成することができました。マーベリックはこの緊張感のなかで、集中力と熱意、そしてスピードを持ち続けて見事、優勝を果たしました。バレンティーノもともに表彰台に上っていればもっと良かったのですが、最終ラップのほんのわずかなミスが、そのチャンスを奪ってしまいました。それでも"ヤマハ・ファミリー"にとっては誇るべき一日です。バレンティーノの戦いぶりが、このフランスGPを盛り上げ、決して忘れることのできないものにしたのだと思っています。今日のようなエキサイティングなレースが、今後も展開されることを期待しています。そして残りのシーズンもトップを目指して戦い続けていきます」

Monster Yamaha Tech3
J・ザルコ選手談(2位)

「素晴らしい結果。喜びを表す言葉はいろいろありますが、今日はとにかく"Great!"ということだけです。ソフト・コンパウンドのタイヤを履いてコンディションは完璧でした。ペースには満足できましたし、レースをリードするのは最高の気分でした。心のなかではカタールのことがフラッシュバックしたこともありましたが、やはり、今日はあのときよりも、すべてにおいて優っていたと思います。7周目でビニャーレスに抜かれたあとは、順調に彼について行くことができました。彼は確かに速かったけれど、それが僕を表彰台まで導いてくれたのだと思います。ロッシもまた、とても強かったです。あの時点では3位でも十分に素晴らしいと思っていましたが、ル・マンはコースがタイトでバトルが難しいので、もしも彼らふたりが争えば、何かが起きるかもしれないという気持ちもあったのです。そしてそれが現実になってしまいました。結果はまさに"Super"。とても楽しい一日でした。観客たちが大歓声をあげ、大きなエネルギーが生まれていました。あの時はあまり感じていませんでしたが、今になれば、彼らが僕をあそこまで引き上げてくれたんだと思います。

この瞬間を楽しむべきでしょうね。僕はルーキーで、今の僕にとって最も大切なことは、レースを完走してポイントを集めることです。そして今日は20ポイントを獲得することができました。それはとても素晴らしいことなんです。今を大切にし、一戦一戦をエンジョイします。だからこの2位がランキングでも役に立つとするなら、それを喜んで受け入れますよ」

J・フォルガー選手談(7位)

「最終的には、とてもいい一日になりました。とくにヨハンの2位獲得はとてもうれしいことです。僕は、昨日の予選で苦戦してグリッド5列目。でもペースはそれ以上に良かったこともわかっていました。後方からのスタートだったので、序盤は厳しい状況でした。パスはもちろん、リズムを組み立てていくにも予想以上に時間がかかってしまいました。それでも、ひとたびリズムをつかんだらラップタイムも順調に向上していったんです。今の僕がするべきことは、自分自身を見直して、今回のような後方からのスタートを避けるにはどうしたらいいのかを分析、検討することだと思っています。ウイークの初めから終わりまで、もっと強さをキープしなければなりませんし、決勝序盤のペースも上げなければならないでしょう。そのなかでも今回はポイントを獲得し、良い形でウイークを終えることができたと思っています」

H・ポンシャラル、チーム・マネジャー談

「ついにフランスGPが終わりました。そして、誰もが思っているように、私はとても感動し、同時に少し緊張もしています。それはヨハンも同様でしょう。最終的には、われわれが考えていたよりも、ずっと良い形でレースは進んでいきました。ヨハンはいつものように好スタートを切り、見事なペースで最初の6ラップをリード。これはライダーにとっては最高の気分でしょう。われわれはフロント、リアともにソフト・コンパウンドを選択していたため、正直に言えば、少し不安もあったことを認めなければなりません。それに対して最大のライバルとなるファクトリー・ヤマハは、前後ともミディアムを履いていました。昨日までは雨もあって路面温度が上がらなかったので、今日初めて高温を経験し、とくにレース後半は未知の世界と言ってもいいものでした。だからマーベリックがヨハンをパスしたときは、少しほっとしたんです。そうなればヨハンは、マーベリックのどこが速いのか、タイヤの状態はどうなのか、そして、ついて行けるのか、あるいは逃がすべきなのかをしっかり観察すると思ったからです。レースが三分の二ほど終わったころには4番手との差が開き始めて状況が少し好転しました。バレンティーノは近づいていたものの、表彰台の可能性がラップごとに高くなっていきました。その後、後半で速さを見せたバレンティーノが抜いていきましたが、ヨハンは彼に挑戦しようとはせず、ただひたすら、マシンを無事にゴールまで持ち帰り、初めての表彰台を獲得することだけを考えていたんです。その間にも前方では激しいバトルがあり、不運にもバレンティーノが転倒してしまいました。これでヤマハの表彰台独占の夢はついえてしまいました。しかし500勝は達成され、今晩はそのお祝いとともに、われわれはヨハンの表彰台を喜ぶでしょう。しかしその一方で、やはりバレンティーノのリタイアは非常に惜しまれます。

一方のジョナスは、とてもよく頑張ってポジションを挽回しましたが、私としてはやはり少し残念です。レース後半、彼は非常に好調で、ヨハンと同等のペースで走り、そしてときにはそれ以上の速さも見せていました。しかし序盤での遅れが響いてしまいました。このようなことが、これまでにも何度かあったのです。スピードは十分に持っているのですから、今後はこの問題を解決していかなければならないでしょう。とは言えこのふたりと、Monster Yamaha Tech3のスタッフ、そして応援してくれた大勢のファンのおかげで、生涯、忘れえない素晴らしい週末になったことは間違いありません」

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