MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月7日 スペイン
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第4戦スペインGP
■開催日:2017年5月5日(金)初日フリー走行総合結果
■開催地:スペイン/ヘレス(4.423 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:33度
REPORT
ヤマハ勢トップはビニャーレスの6番手、ロッシは12番手で初日を終了
第4戦スペインGPのフリープラクティスの第1セッションはウエットコンディションとなり、Movistar Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスとV・ロッシはともにペースが上がらなかったが、天候が回復した第2セッションではラップタイムを短縮しそれぞれ6番手と12番手を獲得した。
Q2へストレート進出となるトップ10入りを目指していたビニャーレスは、早々にスタートしたものの、ウエットコンディションのもとで慎重な走りをキープした。午後からは天候回復が期待されていたため、リスクを避け冷静に走り切り、1分53秒555のベストタイムで10番手を獲得した。トップとの差は0.907秒だった。
午後は日差しが差し込みドライコンディションとなったためラップタイムが向上した。ビニャーレスは1分41秒718まで短縮し、さらにペースを上げるも転倒。幸い怪我はなく、一旦ピットへ戻ってから再びコースへ復帰した。このあとセッション終了まで果敢にプッシュを続け、1分40秒379のベストタイムで総合6番手を獲得した。トップとの差は0.959秒。
一方のロッシも、午前中のウエットコンディションでは我慢の走り。この時期のスペイン・アンダルシア地方では珍しい雨に見舞われたこのセッションを、ウエット用セッティングの調整と今後に向けたデータ収集に当てた。45分間のセッション終盤になって少しずつペースを上げると、1分53秒263を記録してトップに1.615秒差の16番手となった。
午後になって路面が乾きはじめると、ところどころに残るウェットパッチを巧みに避けながらコースの感触を確認し、セッティング作業を継続しながら、最後のアタックで1分41秒台の壁を破る1分40秒698を記録したが、順位は12番手に留まりトップ10入りを逃した。
Monster Yamaha Tech3のJ・フォルガーとJ・ザルコにとって、今季初のヨーロッパラウンドとなる第4戦スペインGPで好成績を目指すべく、フリープラクティス初日から全力投球で挑んだ。
午前中の第1セッションはウエットコンディションとなるも、フォルガーは手を緩めることなく果敢に走り切って6番手を獲得。午後には晴れて路面が乾くと13番手へ後退したものの、6番手のビニャーレスに0.394秒差まで近づいた。一方のザルコも好調な走りを見せていたが、第2セッションでテクニカルトラブルが発生したため途中で切り上げた。
PRACTICE RESULT
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(フリー走行総合6番手1分40秒379)
「レースラインをちょっと外れた際に、ウェットパッチに乗ってしまってマシンを立て直すことができずに転倒してしまいました。すぐにピットに戻って修復し、再スタートしたあとはフィーリングも上々だったので心配はありません。それでもまだ課題は残っているけれど、ラップタイムが上がってきているし総合的には満足です。明日は直接Q2へ進めるよう、フリープラクティス第3セッションでベストを尽くします。空気抵抗を考慮したエアロフェアリングを試してみたけれど、今日はこんなコンディションだったから判断は難しいので、明日もう一度トライしてから決めたいと思います」
V・ロッシ選手談(フリー走行総合12番手/1分40秒698)
「午前中はフルウエットで路面がひどく濡れていたので、最初からかなり苦労させられそうな印象でした。実際、なかなかペースが上がらず、多くの課題が残ってしまいました。午後になるとようやく路面が乾き始めたけれど、依然としてウェットパッチが消えなかったため慎重になったし、しかもいくつか問題も出てしまい、結局、タイムを上げることができませんでした」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「予報通りに雨が降り、フリープラクティスの第1セッション、第2セッションは大きな影響を受けました。午前中は路面コンディションが非常に難しかったのですが、明日、明後日は晴れてドライになりそうだから、今日はリスクをおかさず慎重に走りきることを重視しました。ほとんどの時間をウエット用のセッティング作業に費やしたのですが、それでもまだ足りないくらいでした。午後からは天候が回復したもののウェットパッチがたくさん残っていて、マーベリックはウェットパッチに乗ってしまい転倒。怪我がなかったのは不幸中の幸いです。バレンティーノもこの状況のなかでいくつか困難にぶつかり、順調に作業を行うことができませんでした。明日のフリープラクティス第3セッションまでに、ふたりのマシンのセッティングを調整し、同時に路面コンディションの回復にも期待します。それによって我々のマシンの最大の長所を引き出すことができると確信しています」
Monster Yamaha Tech3
J・フォルガー選手談(フリー走行総合13番手/1分40秒773)
「最終的にはまずまずのところまできましたが、途中で何度か厳しい状況も経験しました。午前中の第1セッションはウエットコンディションで、午後になり路面が乾いてきたのでセッティング作業を開始し、好タイムを記録することができるようになりました。初めのうちはフロントが柔らか過ぎて、後半はリアに荷重がかかり過ぎていましたが、今はブレーキングから加速までの間にフロントからリアへとある程度の移動が感じられる状態になりました。僕自身については、今日もとても多くを学ぶことができたし、このコースを楽しんで走ることができています。明日、しっかりセットアップできれば、決勝では好成績を狙えるでしょう」
J・ザルコ選手談(フリー走行総合15番手/1分41秒019)
「いろいろな面で難しい状況でしたが、そのなかでも貴重なデータを収集することができたことは大きな収穫です。第1セッションは雨がたくさん降って大変でしたが、MotoGPマシンで初めてここのウエットコンディションを走る貴重なチャンスでした。だから序盤は慎重にスタートし、YZR-M1とそのパワー、そしてこのコースについて時間をかけて理解していきました。最終ポジションは期待したほどは上がりませんでしたが、限界はまだ先にあるので、ここからの追い上げにはもう少し時間が必要になると思います。それでも、午後のドライではペースをつかむことができました。前戦のときに計画した通りにセッティングを変更したら、全体的なフィーリングが向上したのです。ここヘレスでもうまく機能してくれたことが重要で、この調子なら他のどのサーキットでも使えるでしょう。でも最後は残念ながら、ちょっとしたテクニカルトラブルが出てプッシュできなくなり、リスクをおかしたくなかったので走行中止を決断しました。それが最善の選択だったと思っています。明日も落ち着いて取り組み、さらに前進します」