ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.18 11月8日 バレンシア
RACE DATA
■大会名称:第18戦バレンシアGP
■開催日:2015年11月7日(土)予選結果
■開催地:バレンシア/スペイン
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:31度
■PP:J・ロレンソ(1分30秒011/ヤマハ)
REPORT
ロレンソが完璧な走りでコースレコードを叩き出しポールポジションを獲得!
リカルド・トルモ・サーキットで行われたバレンシアGPの予選。Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソが、1分30秒011の好タイムをたたき出してコースレコードを更新し、ポールポジションを獲得した。チームメイトのV・ロッシは、予選中に転倒があり12位。しかし明日の決勝は最後尾からのスタートとなる。
シーズン最後の予選。Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソは、見事なラップタイムでポールポジションを獲得。チャンピオン獲得に向け大きな一歩を踏み出した。一方のロッシは、セッションのなかで少しずつ着実にペースを上げていったが、終盤で転倒を喫して12位に留まった。
自らの走行に集中したロレンソ。冷静さを保ったまま最後にピットを離れ、15分間の予選セッションをスタートした。比較的、空いたコースでいつものようにペースアップ。すぐに1分31秒台を破り1分30秒996を記録して3位につけた。残り9分弱のところでピットへ戻り、1分後には2回目のアタックへ。すると次のラップで1分30秒011へ更新し、サーキットのレコードを塗り替えて一気にトップに立った。その後もう一度ピットへ戻って3度目の走行を行ったが更新はならず、またライバルたちもこのタイムを上回ることなくセッションが終了。これによりロレンソは、2位にコンマ5秒近い差をつけてポールポジションを獲得した。
一方のロッシも少し時間をおいてセッションを開始。最初のラップで1分32秒840を記録し、2ラップ目には1分31秒471と着実にタイムを更新した。その後ピットへ戻りタイヤを新品に交換。残り5分でコースに戻り、その1周目はタイヤを暖めるために使い、次のラップで最大限のプッシュを行った。順調にペースをつかんで最初のふたつのセクションでは自己ベストを更新。しかしその後、転倒して走行を終了することとなった。12位のタイムを記録したものの、前回のマレーシアで4ポイントのペナルティを課せられたことで、今回はグリッド最後尾からのスタートが決定している。
スミスがセカンドロウ獲得
Monster Yamaha Tech 3のB・スミスが予選で好調な走りで、セカンドロウからのスタートを決めた。午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでは4位を獲得。プラクティス総合では5位につけてQP2へ進出した。15分間のセッションでは確実にペースアップすると、1分31秒012を記録し、フロントロウまでコンマ5秒差と迫る健闘を見せた。サテライト勢のランキングトップを目指し、明日の決勝に臨む。
初日から好調ぶりを見せていたエスパルガロは、フリープラクティス第3セッションで7位につけてQP2に臨んだ。チームメイトのスミスにわずか0.068秒差で、順位は8位となった。決勝では6位以内を目指す。
バズがオープンクラス2位を獲得
Forward RacingのL・バズは総合16位で、オープンクラスタイトル獲得を目指す。チームメイトのT・エリアスは26位。
ウイーク初日のフリープラクティスでは思うような走りができなかったバズ。2日目の今日は、午前中のセッションでいくつかの解決策を試し、手ごたえをつかんで予選に臨んだ。そして1分31秒856のベストラップで16位を獲得。オープンクラスではライバルのバルベラにわずかに届かず二番手となった。チャンピオンシップではオープンクラスのランキング2位につけており、5ポイント差を追っている。一方のエリアスは予選で苦しみ、1分33秒092で25位。フロントまわりに課題を残しながらも、決勝への自信は失っていない。直接のライバルたちとの差を詰め、ポイント圏内でゴールすることが目標となる。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'30.011 |
2 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.499 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'30.516 |
4 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'30.917 |
5 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'30.948 |
6 | B・スミス | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'31.012 |
7 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'31.056 |
8 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'31.080 |
9 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'31.245 |
10 | D・ペトルッチ | Octo Pramac Racing | Ducati | 1'31.292 |
11 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'31.340 |
12 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'31.471 |
13 | M・ピロ | Ducati Team | Ducati | 1'31.780 |
14 | S・ブラドル | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'31.824 |
15 | H・バルベラ | Avinta Racing | Ducati | 1'31.851 |
16 | L・バズ | Forward Racing | Yamaha | 1'31.856 |
17 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'32.083 |
18 | Y・ヘルナンデス | Octo Pramac Racing | Ducati | 1'32.142 |
19 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'32.282 |
20 | S・レディング | Estrella Galicia 0.0Marc VDS | Honda | 1'33.448 |
21 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'32.564 |
22 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'32.716 |
23 | A・ウエスト | AB Motoracing | Honda | 1'33.049 |
24 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'33.066 |
25 | T・エリアス | Forward Racing | Yamaha | 1'33.092 |
26 | B・パークス | E-Motion lodaRacing Team | ART | 1'33.577 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分30秒011)
「今日の目標はフロントロウを獲得することだったが、かなりの緊張だった。ソフトタイヤを履いたイアンノーネがフロントロウを奪っていきそうだったので、僕は3本のタイヤで全力を尽くしたというわけなんだ。1本目の走行はあまりうまくいかず、1分30秒9というタイムにも満足しなかった。でも2本目はグリップも、ブレーキングも、コーナースピードも立ち上がり加速も良くなった。それでラップタイムを大きく更新してポールポジションを獲得することができた。この1周は、おそらく人生最高の1ラップ。自分でも誇りに思う。でも今日の成績は明日の結果ではないからね。本当の戦いは明日なんだ。重要なことは1列目に並び、好スタートを切ること。そしてミスをせず、1ラップ目の混乱を避け、世界選手権タイトルを獲得するためにベストを尽す。明日の決勝は難しく、長く、タフなレースになるだろう」
V・ロッシ選手談(予選12位/1分31秒471)
「今日の走り自体は悪くなかったし、とくに午前中のセッションはとても順調だったんだ。でも午後の予選では、気温が高くなったことで少し悩まされた。今回は予選では、いつものようなプレッシャーがあるわけではないので、代わりに他のことをいくつかトライした。最初のトライは十分ではなかったためピットイン。次の走行はとても好調で、ハイペースで走ることができたけれど、そのあとミスをして転倒してしまった。でもこのことも大きな影響はないんだ。でも、明日の決勝でペースを上げるにはグリップ性の向上が必要。もしも気温が低ければ、ヤマハと他のマシンとの比較においては、グリップ面でいろいろな変化が考えられるだろう。おそらく、気温がもう少し低ければ、もっと速く走れるはずなんだ。それでも厳しい戦いになることは間違いない。何しろホルヘがトップを獲得したのだからね。でも、僕らはそのことに悩んでいるひまはないんだ。僕がやるべきこと、それは最後尾からできるだけ多くのライダーを抜き、前に出ることなんだ」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「ホルヘは見事な走りだった。ウイークを通じて好タイムを記録していたが、今日のパフォーマンスには、我々だけでなく彼自身も驚いているのではないだろうか? バレンティーノは午後のフリープラクティスでもグリップに悩んでいた。それでも予選ではパーソナル・ベストを記録しようというところまでいったが、残念ながら転倒してしまった。明日はひとりが最上位、もうひとりが最後尾からのスタートという異例のレースになる。しかもそのふたりがチャンピオンシップを競っているのだ」
Monster Yamaha Tech 3
B・スミス選手談(予選6位/1分31秒012)
「シーズン最後のグランプリ、その予選で6位を獲得できたことはとてもうれしいよ。皆が非常に集中し、とても素晴らしいパフォーマンスを見せているなかで僕は大きくタイムを短縮することができたんだ。午前中のセッション開始早々からマシンのフィーリングがとても良くなっていて、その後もコンスタントに走ることができた。そしてフリープラクティス第4セッションでは3種類のオプションを試し、明日の決勝に向けたセッティングの方向性を決めることもできたんだ。このサーキットはとくに、午前中と、決勝が行われる午後とではグリップ感やマシンのパフォーマンスが変わってくるからね。いずれにしても予選はとてもうまくいったので満足。タイトでツイスティーなこのコースで2列目に並べたことは大きい。しかもラップタイムも非常に接近しているので、激しいレースになるだろう。今日の予選結果が、シーズン最後のレースのための絶好のチャンスを与えてくれたんだ」
P・エスパルガロ選手談(予選8位/1分31秒080)
「総合的に見れば、今日の結果は決して悪くない。でも僕らの本来のポテンシャルはこんなものではないから、がっかりしている。アタックのラップでいくつか小さなミスをしてしまったし、前方に何台か走っていたこともあり、すべての条件をそろえることができなかった。4位まで0.163秒だったが、すぐ手の届くところにあったチャンスをつかめなかったことはとても悔しいよ。コース・レイアウトを考えればライバルたちを抜いていくのは簡単ではないけれど、決勝用セッティングのペースは決して悪くないから希望はある。フリープラクティス第4セッションでフロントタイヤについて調整を行い、使用タイヤはすでに決定した。好スタートが必須だが、決勝への自信は持ち続けているよ」
Forward Racing
L・バズ選手談(予選16位/1分31秒856)
「今日の結果には満足。予選セッションは順調に進み、オープンクラスのポールまであと少しと迫ることができた。グリップが良くなったのでプッシュしていけるようになった。ライバルたちにも近づいているので、明日はいい戦いができると思う」
T・エリアス選手談(予選25位/1分33秒092)
「ここまでの仕事には満足しているよ。ペースも良く、明日の決勝ではオープンクラスのライバルたちと、しっかり戦う自信がある。予選ではフロントのフィーリングが十分につかめず、思うようにプッシュできなかったことは残念。明日の目標は、好スタートを切ってオープンクラスのライバルについて行くこと」