ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.16 10月18日 オーストラリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第16戦オーストラリアGP
■開催日:2015年10月16日(金)フリー走行総合結果
■開催地:オーストラリア/フィリップアイランド(4.448km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:16度 ■路面温度:26度
REPORT
ロレンソが、初日フリープラクティスで2位、ランキングトップのV・ロッシは9位
Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソとV・ロッシは金曜日の今日、フィリップアイランドでフリープラクティスを開始。シリーズポイントで18ポイント差を追うロレンソは、このところの絶好調をキープして見事なハイペース。コースに吹きつける風と霧雨をものともせず、スタート早々から積極的にプッシュしていった。残り12分で1分30秒047のベストラップを記録してトップに浮上。その7分後には雨が強まったため更新はならず、2位以下に0.348秒差をつけてトップを獲得した。
午後からの第2セッションはドライ・コンディションとなったが、ここでも好調ぶりを見せて、5ラップ後には1分30秒144を記録してトップに浮上。その後は左右非対称のタイヤをテストするなどマシン・セッティングに取り組みながら、終盤までそのままトップの座をキープした。ライバルたちのペースが上がってくると、ロレンソも1分30秒台の壁を破る1分29秒433へと更新。総合2位でフリープラクティス初日を終えた。
チャンピオンシップのトップをキープするためには、すべてのセッションが非常に重要。そのことをよく知るロッシは、ウエット・コンディションのなかでも、いつも通りの果敢な走りを見せた。そして確実にペースを上げてゆき、セッション中盤では1分31秒103を記録して2位まで浮上。そこからさらにコンマ5秒以上、短縮し、1分30秒572のベストラップで3位を獲得した。
路面が乾いた第2セッションではさらにペースが上がり、早々に1分31秒台前半へ入れたロッシがまずトップに浮上。ロレンソとともに左右非対称のタイヤを試す間に徐々にポジションを下げたが、その後1分30秒台前半へと更新してロレンソに続く2位。最終的には1分30秒041まで短縮したが、順位を守り切ることはできず、9位で終了した。
スミスがフィリップアイランドで好調なスタート
Monster Yamaha Tech 3のB・スミスは、オーストラリアGPのフリープラクティスを順調にスタート。日曜日の決勝に向けて前進し、初日の今日は総合8位を獲得した。
第1セッションは強風と小さな雨粒が吹きつけるコンディション。そのなかでもスミスは、YZR-M1のセッティングを行いながら徐々にペースアップ。終盤には1分30秒902を記録して7位につけた。午後になると天気が回復したため、タイム更新を目指してコースイン。コンスタントに前進しながら、全20周の最終ラップで1分30秒032のベストラップを記録して総合8位を獲得した。トップとの差はわずかコンマ6秒。昨年は予選で4位獲得と大健闘を見せており、明日はその再現を狙う。
一方、スミスのチームメイトのP・エスパルガロは総合15位とやや苦戦。第1セッションがスタートするやコースに飛び出し、チームとともにマシン・セッティングに取り組んだ。全18ラップ中の10ラップ目で1分31秒111のベストラップを記録し、9位でセッションを終了した。第2セッションでも引き続き作業を行い、主にコーナー進入のパフォーマンスとリア・グリップの向上を目指して、いくつかセッティング変更を行った。休むことなく20ラップを走り切り、ベストラップを1分30秒552へ更新。順位は15位に留まったが、チームメイトのスミスにコンマ5秒差まで近づいた。明日の予選では好位置獲得を目指す。
Forward Racingは厳しいスタート
変わりやすい天候に翻弄されたフリープラクティス初日。Forward RacingのT・エリアスとL・バズは、それぞれ22位と23位に留まった。
第1セッションは雨と強風に見舞われ、第2セッションは天気が回復してドライ・コンディション。そのなかでエリアスは1分32秒122のベストラップで22位。グリップにまだ不安があるものの、明日の予選には自信を見せている。一方のバズは、マシンのフィーリングをつかめないまま23位で終了した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'29.383 |
2 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'29.433 |
3 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'29.518 |
4 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'29.544 |
5 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'29.579 |
6 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'29.876 |
7 | D・ペトルッチ | Octo Pramac Racing | Ducati | 1'30.021 |
8 | B・スミス | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'30.032 |
9 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'30.041 |
10 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'30.113 |
11 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'30.127 |
12 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'30.184 |
13 | H・バルベラ | Avinta Racing | Ducati | 1'30.278 |
14 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'30.451 |
15 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'30.552 |
16 | Y・ヘルナンデス | Octo Pramac Racing | Ducati | 1'30.660 |
17 | S・レディング | Estrella Galicia 0.0Marc VDS | Honda | 1'30.773 |
18 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'30.910 |
19 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'31.260 |
20 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'31.339 |
21 | S・ブラドル | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'31.577 |
22 | T・エリアス | Forward Racing | Yamaha | 1'32.122 |
23 | L・バズ | Forward Racing | Yamaha | 1'32.309 |
24 | A・ウエスト | AB Motoracing | Honda | 1'32.592 |
25 | D・カドリン | E-Motion IodaRacing Team | ART | 1'34.479 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合2番手/1分29秒433)
「何種類かのセッティングを試したが、ベースはすでにほぼ出来上がっている。路面が滑りやすく、去年やおととしと比べてかなり悪化している上に、非常にバンピー。でも条件は誰でも同じだから仕方がないね。ペース自体はとても良かったので、あとは加速性能とその他の細かいところを、もう少し改善していきたい」
V・ロッシ選手談(フリー走行総合9番手/1分30秒041)
「フィーリングは悪くなかったんだ。とくに午後のセッションはペースも良く、ユーズド・タイヤでも好タイムを記録することができた。新品タイヤで十分にペースを上げられなかったことは残念だが、同時に、みんなが使っている左右非対称のフロントタイヤに好感触を得ることができたので満足している。明日も引き続きセッティングの課題に取り組む予定。コンディションは良さそうなので、積極的に攻めてポジションを上げていきたい」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「ふたりとも好調だったが、天候の変化でコンディションが難しく苦労させられた。ホルヘもバレンティーノも、小雨が降る第1セッションを順調にスタート。ホルヘはいつものように、両セッションでコンスタントに速さをキープ。バレンティーノも両セッションでいい走りを見せていたが、残念ながら1分30秒を切ることはできなかった。全体のフィーリングがとても良さそうなので、チームとして仕事内容に満足していいだろう。今晩も作業を続け、明日はもっと強くなってコースに戻る」
Monster Yamaha Tech3
B・スミス選手談(フリー走行総合8番手/1分30秒032)
「この素晴らしいサーキットに、今年もまた帰って来た。そして走り自体も今日はとても良かったと思う。コースは非常に高速で、なかでも第1コーナーや第3コーナー、そしてバックストレートでは、進入で息が止まるほど! 乗っているだけでエキサイティング。午前10時を過ぎているというのに一気に目を覚まさせるんだ。その状況に慣れるのにしばらく時間がかかったけど、午後のセッションになると順調に速度を上げていくことができた。とくに最終セクションでのパフォーマンスを向上させることに集中して取り組んだんだ。決勝では、ここを安定して抜けることがとても重要だと思っているからね。でもまだ克服できていないので、明日も引き続きこれに取り組み、安定性とグリップ性を上げていきたい。課題を残したなかでも、トップからそれほど大きく離されていないことは、ベース・セッティングが出来上がっている証拠。明日またMに乗るのが待ち遠しく、午後からの予選では、日曜日の決勝に備えて良いポジションを獲得したい」
P・エスパルガロ選手談(フリー走行総合15番手/1分30秒552)
「今回のスタートは、残念ながら厳しいものになってしまった。前回の日本GPでは悔しい思いをしたので、あのあとマシンにいくつか変更を加え、金曜日の今日をそのテストに当てた。天候が味方にならなかったことは言うまでもないが、そのなかでも天気が回復した午後には一部を試すことができて、すべてというわけにはいかなかったものの、コーナー進入などいくつかの部分で進歩が見られたんだ。でもグリップはまだ満足できるものではなく、ラインをキープできずに苦労している。加えて、自分のライディング・スタイルを毎ラップのように変えながら、マシンの挙動を把握しようと頑張っているんだ。ここは大好きなコースでいつもはもっと速く走れていたので、今日の順位は理想とはほど遠い。でも今日のようなテストが必要だし、必ずこのあと役立ってくれると信じている。それに僕は、フィリップアイランドで速く走る方法をよく知っているしね! これから今日のデータを分析し、明日のフリープラクティス第3セッションに備えたい。そして残り3戦のために最高のマシンに仕上げていくことが目標だ」
Forward Racing
T・エリアス選手談(フリー走行総合22番手/1分32秒122)
「期待していたようなものにはならなかった。とくに第1セッションは天候が味方してくれず、かなり苦しめられてしまった。2種類のセッティングを試してみたものの、思うようなフィーリングはつかめないまま。明日はもっと、オープンクラスのライバルたちに近づきたい」
L・バズ選手談(フリー走行総合23番手/1分32秒309)
「今日の走りには満足できなかった。いくつかの解決策を試してみたけれど、グリップを十分に得られるまでにはならず、思うようにプッシュすることができなかった。それでもライバルたちから大幅に遅れたわけではなく、ペースも悪くなかったので、明日はきっと良くなると信じているよ」