ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.13 9月13日 サンマリノ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第13戦サンマリノGP
■開催日:2015年9月12日(金)2日目結果
■開催地:イタリア/ミサノサーキット(4.226km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:39度
REPORT
Movistar Yamaha MotoGPの2人がダブル・フロントロウを獲得
午前中に行われたフリープラクティスで自己ベストを更新したMovistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソ。午後からの公式予選でも好調をキープし、ポールポジションを獲得した。チームメイトのV・ロッシも見事なペースで走り切って予選3位。ふたりが揃ってフロントロウに並ぶこととなった。
ロレンソはいつものように、セッション開始とともに早々にコースイン。素早くペースを上げて最初のアタックで1分32秒357を記録。2回のピットインを予定していることから、5分後にはピットに戻ってタイヤ交換を行い、1分足らずでコースに復帰してアタックを続けた。準備が整ったロレンソはすぐさまタイムを更新して1分32秒146。またもサーキット・レコードを塗り替え、2位との差を0.443秒に拡大した。残り4分を切ったところで2回目のピットイン。3分強を残してコースに戻り、最後のアタックに臨んだ。ここではラップタイムの更新はかなわなかったもののトップをキープし、2位に0.106秒差をつけてポールポジションが決定した。
一方のロッシは、ライバルたちに追われる様子を描いたスペシャル・ヘルメットを公開。最後尾でコースに入り、最初のアタックで1分33秒190を記録して4位。その後、ライバルたちがペースアップしたため一時は9位に後退したが、さらに2ラップを走行して1分32秒952へと更新すると5位まで挽回した。そして残り6分強でピットイン。この間にまた7位まで後退したものの、2分半の残り時間で全力を尽くし、1分32秒358へと更新して大勢のファンを熱狂させた。この結果、トップに0.212秒差まで迫り、予選3位を獲得した。
スミスがセカンドロウを獲得
モンスター・ヤマハ・テック3チームのB・スミスは、フリープラクティス第3セッションで7位を獲得してQP2へ進出。フリープラクティス第4セッションでもチームとともに作業を続け、自信を持って予選セッションに臨んだ。15分間のタイムアタックが始まると、徐々にスピードを上げてゆき、6ラップ目で1分32秒801のベストラップを記録。チェッカーが振られた時点で6位となり、グリッド2列目の最後尾獲得が決定。同時にサテライト勢のトップに立った。明日の決勝では好スタートからファクトリー勢に近づき、少しでも多くのポイントを獲得することが目標となる。
スミスのチームメイトのP・エスパルガロはQP2の開始早々に転倒という不運。明日の決勝は4列目からスタートすることとなった。午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでは1分33秒012のタイムで9位を獲得。QP2に進出し、グリッドの好位置獲得を目指して積極的に攻めていった。ピットレーンを離れて1周目で1分33秒222を記録。しかし、さらにペースを上げようとしたところ、第10コーナーで転倒。マシンに大きなダメージはなく走行は可能だったが、エスパルガロとマーシャルたちがマシンを再スタートさせることができず、そのまま時間切れとなってしまった。それでも最初に記録したタイムでグリッド4列目の最後尾を獲得。しかもスミスとの差はコンマ4秒に留まっていた。スタートの巧みさで知られるエスパルガロ。明日の決勝では一気に集団を抜き去り、トップ6のバトルに加わりたいところ。
L・バズが予選16位、オープンクラスでは1番
フォワード・レーシングのL・バズが、今季2度目となるオープンクラスのポールポジションを獲得。昨日のフリープラクティスではオープンクラス2位につけたバズ。いくつかのモディファイを行って予選セッションに臨み、総合16位を獲得した。チームメイトのC・コルティは24位。
バズは気温が上昇するなかで1分34秒093を記録。明日の決勝ではポイント圏内とオープンクラスでの優勝を目指す。
一方のコルティは昨日の転倒を乗り越えて自信を取り戻し、1分35秒385のベストタイムを記録した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'32.146 |
2 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'32.252 |
3 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'32.358 |
4 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1’32.434 |
5 | M・ピロ | Ducati Team | Ducati | 1'32.736 |
6 | B・スミス | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'32.801 |
7 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'32.821 |
8 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'.32.934 |
9 | D・ペトルッチ | Octo Pramac Racing | Ducati | 1'33.169 |
10 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'33.187 |
11 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'33.220 |
12 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'33.222 |
13 | S・レディング | Estrella Galicia 0.0Marc VDS | Honda | 1'33.340 |
14 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'33.439 |
15 | Y・ヘルナンデス | Octo Pramac Racing | Ducati | 1'33.710 |
16 | L・バズ | Forward Racing | Yamaha | 1'34.093 |
17 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'34.137 |
18 | H・バルベラ | Avinta Racing | Ducati | 1'34.296 |
19 | S・ブラドル | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'34.333 |
20 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'34.368 |
21 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'34.468 |
22 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'34.722 |
23 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'34.732 |
24 | C・コルティ | Forward Racing | Yamaha | 1'35.385 |
25 | K・アブラハム | AB Motoracing | Honda | 1'35.406 |
26 | A・デ・アンジェリス | E-Motion IodaRacing Team | pART | 1'35.684 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分32秒146)
「ポールポジションそのものよりも、常に1位や2位にいるということが重要。今回はフリープラクティスの第1セッションを除く、その他のすべてのセッションでトップをキープ。コンディションがどのように変化しようと、また新品タイヤでもユーズドでも常に好調を維持することができた。ウイークを通じて良い仕事ができたので、マシン・セッティングもここまで非常に順調に進んできた。あとは明日の決勝に備えて、最後のわずかな微調整が残っているだけだ。新しい路面がタイヤを摩耗させることになるので、リアのグリップの状態が気になるところ。最後まで同じペースを維持するのは難しいだろうが、ほとんどのライダーが同じ条件で、同じような状態になるはず。好レースを目指し、そのための準備は整っている」
V・ロッシ選手談(予選3位/1分32秒358)
「セッション終盤は前方に大勢のライダーがいたため難しい状況だったが、何とかタイミングを計ってアタックを行うことができた。マシン・セッティングも自分自身のペースも上がっていたので調子は悪くなかったよ。でも昨日からの問題がまだ続いていて、とくに第3セクションについては、明日までに要改善だ。今日もホルヘがとても強く、またもうひとりのライバルも手強いので、フロントロウを獲得できたことはとても良かった。マルクはいつもホルヘについて前に行けるから、オープニングラップの戦いが非常に重要になるんだ。今回は僕のホーム・レースなので、誰もが僕を負かしたい。だからヘルメットに描いた鮫はホルヘ、マルク、そしてドゥカティ勢なんだ。僕は小さな魚。そしてみんなが僕を食べようと狙っているんだけれど、そのなかを必死で逃げ切る。それが明日の目標!」
M・メレガリチーム・ディレクター談
「非常に好調。ホルヘとバレンティーノのパフォーマンスに満足している。ホルヘはウイークを通じて非常に好調で安定しており、今日もそのハイペースを維持して今季3度目のポールポジションを獲得。バレンティーノも同様に素晴らしく、前方の集団に悩まされながらも、うまく切り抜けて3位まで浮上した。マシンはすでに十分に仕上がっているが、さらに少しでも前へ進むために、今夜も徹夜で作業を続けることになる。明日のウォームアップ・セッションでその成果を試してから、いよいよふたりが決勝に臨む。不安は何もない」
Monster Yamaha Tech3
B・スミス選手談(予選6位/1分32秒801)
「目標としていたセカンドロウをまた獲得できたのだから、今日の仕事ぶりには満足できるよ。このコースはとくに、レイアウトの関係で前のほうからスタートしなければならないからね。明日はもちろん、好スタートが不可欠。第1コーナーへ向かってイン側にいるので、そのことも有利になるだろう。今日はフリープラクティス第4セッションから予選セッションまでの間にマシンを大幅に改良。これを明日のウォームアップ・セッションでもさらに磨き上げ、決勝に備えてセッティングのフィーリング向上を目指してゆく。フロントに厳しいコースなので、ウイーク中も多くのライダーが苦労し、転倒するのを見てきた。明日も難しい戦いになるだろうが、マシンの前後に十分に注意をはらうことが鍵になる。そしてもちろん、何よりも安定性とスムースさを終始、キープすることが重要だ。YZR-M1とタイヤには絶大の信頼をおいており、準備は整っている」
P・エスパルガロ選手談(予選12位/1分33秒222)
「今日の予選については、あまり多くを話すことはできない。でも確かなことは、今は悔しい気持ちでいっぱいで、アンラッキーな一日だったということ。それまでは昨日と同様に気持ちよくマシンに乗れていて、プラクティス中のセッティングもうまくいっていた。昨晩はデータをもとにいくつかモディファイを行っていたので、それを試したら決して悪くはなかった。でもまだ理想のポジションには届いていなかったので、もう少し改善の余地は残っていると感じていたんだ。その後、フリープラクティス第4セッションでは1台のマシンに技術的不具合が発生したため、ピットに戻り、マシンを乗り換えて再スタート。残念ながらマシンを修正する時間がなく、チームもどこに問題があるのか分析しなければならなかった。そういうわけで、Q2には1台で臨み、そして最悪の事態が起きてしまった。1周目を走り終え、2周目のアタックをしていたときに転倒してしまったんだ。転倒しながら、なんとばかげたことをしてしまったのかと後悔。だからすぐに立ち上がってマシンをスタートさせようとしたけれど、それがどうしてもできなかったんだ。ここまでずっと好調にきていたし、僕自身のフィーリングも良く、明日も好レースを期待できていただけに本当に残念。結果的に、4列目の最後尾ということになってしまったので、本当に序盤の頑張りが大事になった。それでも希望は失っておらず、目標のポジションを目指していく」
Forward Racing
L・バズ選手談(予選16位/1分34秒093)
「ここまでとても順調。午前中のセッションでいくつか変更を行い、それがうまくいってマシンのフィーリングがさらに向上していた。もっと速く走ることもできたと思うけれど、気温が急激に上昇し、路面もとても熱くなっていた。ペースもとてもいいので、明日の決勝ではオープンクラスの優勝を目指していけると確信しているよ」
C・コルティ選手談(予選24位/1分35秒385)
「予選の走りには満足している。午前中のセッションでいくつか変更を試み、結果、すべてのセクションで少しずつ速くなっていた。明日の目標は加速でのフィーリングとグリップの向上。今のこの調子をキープしていけばいい。自信はあるんだ」