ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.08 6月27日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:第8戦オランダGP
■開催日:2015年6月25日(木)フリー走行総合結果
■開催地:アッセン/オランダ
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度 ■路面温度:38度
REPORT
Movistar Yamaha MotoGP、アッセンのフリープラクティスを順調にスタート
Movistar Yamaha MotoGPは、土曜日に決勝が行われる第8戦オランダGPのフリープラクティスを開始。V・ロッシが総合3位と好調ぶりを発揮し、チームメイトのJ・ロレンソは6位で初日を終了した。
伝統のアッセンTTサーキットはふたりのお気に入りのコース。フリープラクティス第1セッションでは新型シャシーを試しながら、素早くペースをつかんで好調な走りを見せた。
ロッシはまずベースとなるセッティングを探すことに集中し、終盤になってタイムアタックを試みた。その最初のラップで一気にトップに躍り出ると、そこからさらに2ラップにわたってタイムを更新、1分34秒357のベストラップを記録した。午後からの第2セッションもほぼ同様の展開。45分間の走行時間のほとんどをセッティング作業に費やし、終盤でそれをテストするようにタイムアタックを開始。何度も好成績をあげた走り慣れたコースで、非常にリラックスした走りを見せながら1分33秒652へと更新。トップから0.202秒差で3位となった。
一方のロレンソもアッセンをエンジョイ。第1セッションは慎重にスタートし、少しずつペースをつかむと一時トップへ浮上。しかしその後はセッティングの比較などに専念したため順位を下げ、ロッシから0.415秒差の4位となった。第2セッションでは序盤からペースを上げて3位。気温が上がるにつれて全体のタイムも上がっていき、最後のアタックにかけたロレンソは1分33秒741のベストタイムで6位となった。トップとの差は0.291秒。
エスパルガロとスミス、ダッチTTに自信
Monster Yamaha Tech3のP・エスパルガロは、第8戦オランダGPのフリープラクティス初日を11位で終了。午前中に行われた第1セッションでは明るい太陽の下、走行開始早々からペースを上げて1分34秒927のベストタイムで5位につける健闘ぶり。午後からの第2セッションでもセッティングをさらに磨き上げるべく、積極的に作業に取り組みながらラップタイムを1分34秒321へと短縮したが、順位では11位へと後退した。明日はフリープラクティス第3セッションでさらに一歩前進し、午後からの公式予選でグリッドの好位置獲得を目指す。
一方、エスパルガロのチームメイトのB・スミスは総合13位。アッセンの流れるような高速コースに合わせるためYZR-M1のセッティングに取り組みながら、第1セッションでは1分35秒042で6位。この結果に自信をつけて第2セッションに臨み、23ラップの最多周回数をこなしながら1分34秒627へと更新した。
Athinà Forward Racing、好調スタート
Athinà Forward RacingのS・ブラドルとL・バズは安定した走りを見せて、それぞれ15位と16位。オープンクラスではトップに立った。
前回のカタルニアでオープンクラス優勝を飾ったブラドルは、1分34秒664で今日も同カテゴリートップ。明日の予選では同カテゴリーのポールポジションを目指す。一方のバズも順調に作業を進めて、ラップタイムでは1分34秒897でチームメイトに続くオープンクラス2位につけた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.450 |
2 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.589 |
3 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'33.652 |
4 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'33.699 |
5 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'33.734 |
6 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'33.741 |
7 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'33.844 |
8 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'33.857 |
9 | D・ペトルッチ | Pramac Racing | Ducati | 1'34.133 |
10 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'34.232 |
11 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.321 |
12 | Y・ヘルナンデス | Pramac Racing | Ducati | 1'34.406 |
13 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.627 |
14 | S・レディング | Estrella Galicia 0.0 Marc VDS | Honda | 1'34.643 |
15 | S・ブラドル | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'34.664 |
16 | L・バズ | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'34.897 |
17 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'35.047 |
18 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'35.149 |
19 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'35.348 |
20 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'35.489 |
21 | H・バルベラ | Avinta Racing | Ducati | 1'35.538 |
22 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'35.663 |
23 | A・デ・アンジェリス | Octo IodaRacing Team | ART | 1'36.869 |
24 | M・メランドリ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'37.225 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
V・ロッシ選手談(フリー走行総合3番手/1分33秒652)
「好調な木曜日。両セッションで良い仕事ができて、そのなかでいくつかの興味深い解決策が見つかったんだ。今日の第一の目標は、新型シャシーか従来のものか、どちらが良いかを判断することだった。その結果は新型のほうが好印象。ペースもラップタイムも、とくにトップタイムを記録した午前中のセッションで好調。でももちろん午後も決して悪くはなかったんだ。トップ7くらいまではラップタイムが非常に接近しているので、そのなかで総合3位を獲得できたことは上出来だと思っているよ。ウイークを順調にスタートすることができたので満足しているけれど、明日以降もまだたくさんの課題が残っている。アッセンでの貴重なドライコンディションを十分に活用することが重要。明日も好天が続いてくれることを願っているけれど、それは誰にもわからないからね。そして今はただ明日を待つだけ。タイヤについては、硬めのコンパウンドも柔らかめのものも悪くなかったので、コンディションによって対応することになるだろう。もし今日のように晴れて暑くなれば、リアにハードコンパウンドをチョイスすることができる」
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合6番手/1分33秒741)
「難しい展開だった。いまだにマシンのフィーリングがつかみきれない状態なので、これからまた何か所かのモディファイを行わなければならない。ブリヂストンのいつものソフトコンパウンドが今回はなかったので、コーナリングでベストのフィーリングをつかむことができない。でもこれは誰もが同じ条件だから、それに対処するしかないんだ。このタイヤでもっとフィーリングを向上させ、もっとスピードを上げることができるはず。ただそのためには何らかの解決策を見つけなければならない」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「プラクティス初日はデータ収集に専念。バレンティーノは両セッションで速く安定していたが、それでもまだ、さらに向上させるマージンが残っていると思う。ホルヘのほうは希望通りのフィーリングを得られず苦しんでいるが、まだ時間は十分にあるので、より彼に合ったセッティングを作り上げることができるだろう。アラゴンテストで試したことを確認するために、ふたりとも新型シャシーを選択した。我々チームとしては、まず明日のフリープラクティス第3セッションに向けてセッティングを修正し、さらに公式予選に照準を合わせて準備していきたい」
Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(フリー走行総合11番手/1分34秒321)
「午前中から好発進。セッション終盤で好タイムを記録し、一気に上位に近づくことができた。しかし午後からはライバルたちがラップタイムを上げてきた一方で、僕はいくつかの問題にぶつかり思い通りの走りをできないまま終わってしまった。ラップタイムは非常に接近していて、なかでもソフトコンパウンドのタイヤを履いたライダーたちは明らかにアドバンテージを持っていたんだ。でも決勝用セッティングにおいては僕らも非常に順調。トップライダーたちにもかなり近づくことができた。今はただ、明日雨が降らないことを願うばかり。それによって直接Q2へ進むチャンスをつかめるだろう。状況を見守り、ベストをつくすよ」
B・スミス選手談(フリー走行総合13番手/1分34秒627)
「順調だったよ、最終的なポジション以外はね…。作業の内容自体にはとても満足しているんだ。第1セッションが始まり、コースに入るや否やマシンのフィーリングは上々。午後のセッションでハードコンパウンドのタイヤを試したときにもハンドリングがよく気に入った。でもソフトコンパウンドのタイヤを履いてみるとグリップが思ったほど良くない。どうやらタイヤに不具合があったようなんだ。このせいでこのあとラップタイムがあまり上がらなかった。でもこのようなことは時に起こり得るので、むしろこれが明日ではなくて今日だったことは運が良かった。予選の重要性は誰もが認識しているからね。明日の天気がどうなるかわからないので、今日の13位という結果はうれしくないが、常に力強い走りとハイペースをキープできたことは評価できる。明日の予選はきっとうまくいくと信じているよ。まだ小さな調整は必要だが、全体的には順調なので自信を持って臨める。明日のコースインが楽しみ」
Athinà Forward Racing
S・ブラドル選手談(フリー走行総合15番手/1分34秒664)
「好調なスタートに満足している。午前中のセッションでは序盤から力強い走りができて、午後からはさらに速く走れるようになった。セッティングは前回のカタルニアから変わっているが、フィーリングが良く、また明日以降さらに改善すべく多くのデータを収集することもできた。課題はコーナー立ち上がりのスピードを上げること。天候がどうなるかはまったくわからないところだが、少なくとも僕らは、現時点で上位から遠く離されているわけではないんだ」
L・バズ選手談(フリー走行総合16番手/1分34秒897)
「前回のカタルニアと比べると順調に前進しているので、明日の予選にも自信を持って臨める。コーナー進入をもう少し改善しなければならないと思っているが、それもうまくやれると確信しているよ。オープンクラスのライバルたちについていけるようベストを尽くす」