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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.07 6月25日 オランダ

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第7戦アッセンTT
■開催日:2011年6月24日(金)予選結果
■開催地:オランダ/アッセン(4.542km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:17度 ■路面温度:23度
■PP:M・シモンチェリ(1分34秒718/ホンダ)

REPORT

B・スピースが今季初の予選2位

ヤマハ・ファクトリー・レーシングのB・スピースが、今季最高の予選ポジションを獲得した。時間を延長して行われた午前中のフリープラクティス・セッションでは、マシンセッティングも順調でコンスタントな速さを披露。ラップタイムでは、昨日のウエット・コンディションでの記録を15秒以上も短縮し、暫定ポールから0.26秒差の3位につけた。午後からの公式予選でも引き続きタイムアタックを行い、ほとんどの時間帯で2位以内をキープ。そして今季初のポールポジションを目指して最後のチャンスに臨んだところ、カピロッシが目の前で転倒したため遅れ、タイム更新はならなかった。これでスピースは2位。トップのM・シモンセリとの差はわずか0.009秒だった。

チームメイトのJ・ロレンソも、午前中のプラクティスはスピースとほぼ同様の展開。マシンセッティングではいくつか課題も残ったものの、ペースをつかんで順調に走り切り、スピースの後ろの4位につけた。午後からの公式予選を前に解決策を見つけたいところだったが、とくに高速シケインでの完璧なセッティングが見つけられなかった。それでも第1セッションの順位をキープして4位を獲得し、セカンドロウからのスタートが決定した。

モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・クラッチローとC・エドワーズは、それぞれ6位と8位。クラッチローは初めてのフロントロウ獲得を目指して果敢なチャレンジを見せ、残り1分を切ったところで1分35秒329のベストタイムを記録して3位に浮上。ところがその後、順位を下げて6位となり、明日の決勝は2列目からスタートすることとなった。これで3戦連続の予選6位だが、わずか13日前に鎖骨を骨折したばかりであることを考えれば、予想以上に素晴らしい出来。ドライ・コンディションとなったため身体への負担が大きく、とくに高速シケインで要求されるマシンの向き換えでは苦労もあるが、持ち前の強気で乗り切り、ディフェンディング・チャンピオンのロレンソにコンマ2秒差まで迫っている。

一方のエドワーズも痛みをこらえながらの走り。骨折した鎖骨よりも、むしろ肋骨まわりの筋肉のダメージの影響のほうが大きいようだ。クラッチロー同様、高速シケインが課題となっているが、マシンセッティングの変更によってかなり扱いやすくなっており、決勝では6位以内獲得に自信を見せている。今日のベストタイムは1分35秒818

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 M・シモンチェリ San Carlo Honda Gresini Honda 1'34.718
2 B・スピース Yamaha Factory Racing Yamaha 1'34.727
3 C・スト―ナー Repsol Honda Team Honda 1'35.008
4 J・ロレンソ Yamaha Factory Racing Yamaha 1'35.143
5 A・ドビツィオーゾ Repsol Honda Team Honda 1'35.244
6 C・クラッチロー Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'35.329
7 K・アブラハム Cardion AB Motoracing Ducati 1'35.742
8 C・エドワーズ Monster Yamaha Tech 3 Yamaha 1'35.818
9 N・ヘイデン Ducati Team Ducati 1'35.866
10 R・ド・ピュニエ Pramac Racing Team Ducati 1'36.435
11 V・ロッシ Ducati Team Ducati 1'36.564
12 青山博一 Repsol Honda Team Honda 1'36.580
13 H・バルベラ Mapfre Aspar Team MotoGP Ducati 1'36.590
14 A・バウティスタ Rizla Suzuki MotoGP Suzuki 1'36.820
15 L・カピロッシ Pramac Racing Team Ducati 1'37.130
16 T・エリアス LCR Honda MotoGP Honda 1'37.651
17 秋吉耕佑 San Carlo Honda Gresini Honda 1'39.006

COMMENT

B・スピース選手(予選2位/1分34秒727/27周)

「今季ここまでで最高のポジション。とてもいい走りができた。ポールポジションを狙いたかったけれど、タイムアタックのときにロリスが転倒し、イエロー・フラッグがあちこちで振られてしまったんだ。ちょっと腹が立ったけれど、僕がポールポジションを獲得することよりも、彼が無事でいてくれることのほうが大事だから、もういいんだ。いずれにしても今日はとても好調で、マシンもよく走ってくれた。決勝用セッティングでのペースも上々なので、明日はきっといい戦いができると思う。天気がどうなるか、今はわからないから、明日を待つだけ」

J・ロレンソ選手談(予選4位/1分35秒143/28周)

「プラクティスも予選も楽じゃなかったよ。何度もピットインを繰り返していたからね。ランキング争いのライバルたちがかなり接近していることがわかったけれど、そのなかでさらに抜きん出るために、また一歩前進しなければいけないんだ。今日は高速コーナーで問題があって、リアのグリップが不十分だった。明日はここを中心に作業を進めていくことになるだろう。50周年記念のこのレースで表彰台に上るために、チームのみんなも全力で頑張ってくれると確信しているよ。天気がどうなるかわからないので、ウエット、ドライ、両方のコンディションに備えないとね」

W・ズィーレンベルグ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームマネジャー談

「決して楽な状況ではなかった。ホルヘは高速セクションでのマシンのフィーリングとリアグリップについてしきりに訴えていたので、明日は何とかこれを解決しなければならない。4位という結果は最悪というわけではないが、あまりいい順位でないことも事実。だから明日の午前中でどこまで改善できるかが鍵になる。これが今の我々の関心事だ」

M・メレガリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームディレクター談

「ベンは素晴らしい仕事をしてくれた。彼は毎セッションで懸命にプッシュしていたが、同時に、このような変わりやすい天候の下でいつソフトタイヤを履けばいいかをしっかり計算していた。コース上でも自信に満ち溢れているので、明日の決勝でも上位グループに加わってくることを期待している。一方のホルヘは、我々の知る限り立派なファイターだ。グリッドは2列目になってしまったが、決勝ではトップ4に加わり優勝争いを展開してくれるに違いない。チームは懸命も頑張っている。バルセロナ以降、マシンセッティングが格段に良くなっていて、これがライダーたちを助けている」

C・クラッチロー選手談(予選6位/1分35秒329/28周)

「ぎりぎりまでフロントロウに手をかけていたんだけれど、最後の最後で奪われてしまった。でもこのサーキットに入った時点で、ここまでやれるなんて考えていなかったのだから、今日の結果にも十分に満足できるよ。鎖骨を骨折したばかりだから、今回は数ラップだけでも走れればいいと思っていた。ところが実際に走ってみたら、フロントロウ争いまでしてしまったというわけなんだ。最後のソフトタイヤでアタックしたかったんだけれど、正直に言えば、交換するのがちょっと早すぎたようだ。今回で3戦連続の6位だから、どうやらこれが今の僕のポジションはということらしい。午前中の90分間のプラクティスと午後からの公式予選を走り終えて、今は鎖骨がずきずきして、肩のほうも痛みが激しい。とくに高速での向き換えが最大の問題だ。高速コーナーでマシンを振るのは、通常の力があっても大変なのに、僕みたいに先週、鎖骨をつなぎ合わせたばかりの人間には本当に厳しいよ。正直に言えば、明日は雨になってほしい。でもそうならなかったとしても、モンスター・ヤマハ・テック3チームのためにベストを尽くすよ」

C・エドワーズ選手談(予選8位/1分35秒818/25周)

「ドライ・コンディションは身体に堪えるよ。45分延長された午前中のセッションは本当に厳しかった。鎖骨のほうはもう良くなったんだけれど、肋骨周りの筋肉の痛みがひどくて、マシンの向きを変えるのが大変なんだ。この状況を少しでも改善しようとマシンセッティングをいくつか変更してみたら、安定性が増して向き換えが楽になった。ラップタイムには直接つながらなかったけれど、いつものレベルまでプッシュしていけるようにサポートしてくれたことは確か。どうしても力が足りなくて、コースのいくつかの部分では思うように攻められなかったからね。これらの場所では大抵、5速全開で行くんだけれど、その状態でマシンを振り回すだけのパワーが出てこないんだ。肋骨が痛むから深呼吸も無理。でもこれを乗り越えて、明日起きたときには見違えるほど元気になっていたらいいな。そんなことはあり得ないけれど、やっぱりレースは何が起きるかわからないもの。ライトが消えてアドレナリンが噴き出したら、痛みは感じなくなっているだろう。そして全力で戦う。ウエットでも、ドライでもね」

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