ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 5月23日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第3戦フランス
■開催日:2010年5月22日(土)予選
■開催地:フランス/ルマン(4.180km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度 ■路面温度:46度
■PP:V・ロッシ(1分33秒408/ヤマハ)
REPORT
ロッシ、ロレンソが予選1・2位
ディフェンディング・チャンピオンのV・ロッシが今季初、そして自己通算59回目のポールポジションを獲得。フィアット・ヤマハ・チームのチームメイト、J・ロレンソは100分の5秒差で2位につけた。
フリープラクティス初日もトップタイムをマークしていたロッシ。2日目の今日は、午前中のセッションでロレンソがトップに立ち、ロッシは2位となった。午後からの公式予選では、気温の上昇とともにふたりの走りも激しくなり、昨日の時点で既にできあがっているベースセッティングを生かしてともに好走。ふたりが入れ替わりトップを奪う展開が続いたあと、セッションの残り4分の1となったくらいから本格的にタイムアタックが始まった。そして残り10分で、まずロレンソが初めて1分33秒台に入れてトップに浮上。その後C・ストーナーとD・ペドロサが一時、前へ出たが、残り2分になってそれまで力を蓄えていたロッシが一気にタイムを短縮。1分33秒408の好タイムを叩き出してトップに躍り出た。ロッシは肩の痛みが依然として残っており、決勝距離をしっかりと走りきれるか不安もあるが、今季2度目の優勝を目指して全力を尽くす。
モンスター・ヤマハ・テック3チームのC・エドワーズとB・スピースは、ホームレースの期待がかかるルマンの予選で、それぞれ8位と12位。エドワーズはおもにシャシー・バランスの向上に取り組み、これが功を奏して残り25分の時点でトップに浮上すると、応援にかけつけていた地元チームのサポーターたちを大いに歓喜させた。エドワーズはその後も安定して5位以内をキープしていたが、終盤になって各車のタイムアタックが始まると徐々に後退。最終的には1分34秒304のベストタイムで8位となった。7位はホンダのA・ドビツィオーゾで、その差はコンマ1秒。
一方のスピースは、午前中に行われた最終プラクティス・セッションの序盤、ダンロップ・シケイン進入でコントロールを失って転倒。身体が数メートル宙に舞い、その後激しく地面に叩き付けられた。これで左足を強打して腫れ上がり、シフトチェンジやきり返し操作に影響が出るようになってしまったが、すぐにペースを取り戻し、午後からの予選も最後まで走りきった。スピースはセッションの4分の1が経過した時点で早くも10位に浮上。痛みと戦いながらコンスタントにペースをキープし、1分34秒920のベストタイムを記録した。順位ではふたつ下げて12位となったが、自信は失っておらず、明日の決勝では6位以内を目標にしている。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'33.408 |
2 | J・ロレンソ | Fiat Yamaha Team | Yamaha | 1'33.462 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'33.573 |
4 | C・スト―ナー | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'33.824 |
5 | N・ヘイデン | Ducati Marlboro Team | Ducati | 1'33.845 |
6 | R・ド・ピュニエ | LCR Honda MotoGP | Honda | 1'34.074 |
7 | A・ドビツィオーゾ | Repsol Honda Team | Honda | 1'34.204 |
8 | C・エドワーズ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.304 |
9 | L・カピロッシ | Rizla Suzuki MotoGP | Suzuki | 1'34.306 |
10 | A・エスパルガロ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'34.514 |
11 | M・メランドリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.523 |
12 | B・スピース | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'34.920 |
13 | M・シモンチェリ | San Carlo Honda Gresini | Honda | 1'34.942 |
14 | 青山博一 | Interwetten Honda MotoGP | Honda | 1'34.979 |
15 | H・バルベラ | Paginas Amarillas Aspar | Ducati | 1'35.323 |
16 | M・カリオ | Pramac Racing Team | Ducati | 1'35.810 |
COMMENT
V・ロッシ選手談(予選1位/1分33秒408/30周)
「天気が良かったので、とてもハッピーな気持ちで走ることができたよ。ここルマンで、ようやくすべてのセッションを有効に使うことができて、そのおかげでこうしてポールポジションを獲得できたんだ。セッティングがしっかりできていたからマシンもブリヂストン・タイヤもフィーリングがとても良くて、タイムアタックだけじゃなく、決勝用のセッティングでもハイペースで走れているからまったく不安はないよ。
ポールポジションは大きな喜び。同時にこのタイムを見て、自分の走りそのものにも満足することができた。これもすべてはチームのおかげだね。肩のほうは、やっぱりまだ少し心配。今日も10ラップから15ラップくらいで力が抜けてきてしまったんだ...。でも決勝になればアドレナリンが出てきて、僕を最後までしっかりと走らせてくれるだろう」
D・ブリビオ、チーム監督談
「チームとしてとてもいい仕事ができて、その成果として今季初のポールポジションを獲得することができた。マシンはすでにできあがっていて好調なので、決勝に向けてちょっとした調整を加えるだけでいいだろう。ただ、バレンティーノの肩がまだ100%の状態ではなく、決勝距離を走ったときにどうなるのか私たちにもはっきりとはわからない。でもここまで全力を尽くしてきて、トップに立つことができたのだから、あとは見守るしかない。明日はもっと暑くなるということなので、天候のことは心配しなくて良さそうだ」
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分33秒462/31周)
「昨日に続いて今日も、とてもいい走りができたよ。でも決勝ペースで見ると、他にも速いライダーがたくさんいるんだ。今日の僕は1分34秒5あたりで安定して走ることができたので、明日の決勝でもこのペースをキープできればチャンスがあると思っている。そのためにはまず、スタートをうまくやること。それから最初の2、3ラップをしっかり走って、いい位置を確保すること。それができたら優勝を狙っていけると思うんだ」
W・ズィーレンベルグ、チーム監督談
「今日もとても順調だった。ホルヘはポールポジションこそ逃したが、その分、プレッシャーのないところで十分に良い位置につくことができたと思う。決勝ペースもとても速いので、明日は上位を走ってくれるだろう。チームとしては、ヘレスでの成果がスタートで役立ち、彼に自信を与えてくれることを願っている。そうすれば彼はきっと、最初の10ラップで他を抑えて良いポジションについてくれるだろう」
C・エドワーズ選手談(予選8位/1分34秒304/27周)
「できる限りのことはしたつもりだけれど、8位までがやっとだった。昨年のポールタイムと比べると、上位グループがすでにコンマ5秒遅れているんだけれど、僕はと言えば、悔しいことに33秒台中盤にも届かなかったんだ。マシンのフィーリングはとてもいいし、僕自身も気分良く走れているというのに、上位との差を詰めることができない...。それでも僕らは今回も懸命に頑張って、前の2戦で苦しめられたいくつかの問題についても何とか解決できた。その甲斐あってフロントエンドのフィーリングが良くなったので、気持ちよく乗れるようになっていることだけは確かなんだ。とくに今日は、予選用の柔らかいタイヤより、決勝用の硬めのタイヤで好調。ソフトタイヤは動きが激し過ぎる感じだけれど、決勝用タイヤは本当に感触が良かったよ。明日はできるだけ早くリズムをつかむことが重要。長くて厳しい戦いになるだろうけれど、テック3とモンスターにとってとても大切なレースだから、少しでも上を目指して全力で攻めていくよ!」
B・スピース選手談(予選12位/1分34秒902/27周)
「午前中のセッションで転倒して、ほとんど練習ができなかったので、それを考えれば12位という位置も悪くはないと思う。怪我をしていなかったとしても、もともとフロントロウや何かを狙っていたわけじゃないからね。あの時も、タイムアタックしていたわけじゃなかったのに、ほんの少しだけリアタイヤに負荷をかけ過ぎてしまったようだ。マシンが大きく揺れたときに足がステップから半分落ちてしまい、反動で戻ったときにはとうとう足首とひざも完全に離れてしまったんだ。幸い骨折はなかったから心配はいらないよ。マシンに乗っていれば、痛みもそれほどひどくはないけれど、シフトダウンの時と、シフトチェンジのあとに足を元の位置に戻すのがちょっとね...。足全体を動かすことになるから大変なんだ。当然、厳しい戦いになってしまうだろうけれど、これでペースが落ちるようなことはないよ!決勝の28ラップの間は頭の中から追い出して、テック3とモンスターのために好成績を目指すことだけを考えて走るんだ」