スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.04 5月8日 イタリア
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第4戦イタリア大会
■開催日:2011年5月8日(日)
■開催地:モンツァ(1周5.777km)
■天候:晴れ ■観客116,500人
■PP:M・ビアッジ(アプリリア/1分41秒745)
■FL:M・ビアッジ(アプリリア/1分43秒023)
REPORT
E・ラバティーがダブルウイン
ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームのホームコース、モンツァで行われた第4戦で、ルーキーのE・ラバティーがダブルウインの大活躍。ワールドスーパーバイクでの初優勝と同時に初表彰台も実現した。
ラバティーは予選2位の位置から完璧なスタートを切ってトップに浮上。6ラップ目の‘プリマ・バリエンテ'コーナーで一時順位を下げたが、‘ビアッソノ・カーブ'の立ち上がりでM・ビアッジ(アプリリア)を抜き返したあとは、トップをキープしてそのままチェッカーを受けた。第2レースも見事な戦いぶり。オープニングラップ序盤で3台が絡む転倒があり、これに巻き込まれたラバティーは9位まで後退。しかしその後の追い上げはすさまじく、ひたすら身体を伏せて次々に前のライダーを抜いていった。そしてチームメイトのM・メランドリの後ろにつくと、最終ラップでメランドリをパスしてトップに立ち、ふたつ目の優勝を果たした。
一方のメランドリも好調ぶりをアピール。第1レースは4位で、表彰台獲得まであと0.009秒と迫った。第2レースではグリッド5位から好スタートを切り、7ラップ目までに3位に上がり、さらに懸命の走りを続けて少しずつ前方との差を詰めていった。すると14ラップ目にトップのビアッジがミスをしてペナルティを課せられ、これによってメランドリがトップに浮上。最終ラップにはチームメイトと優勝争いを展開することとなり、ラバティーの勢いを抑えきれずに2位となった。その差はコンマ3秒。メランドリとラバティーは第2レースで333km/hに達し、ファステストスピードを記録した。
シリーズポイントではラバティーが合計85ポイント獲得となり、ランキングはそれまでの9位から6位にジャンプアップ。メランドリは合計118ポイントでランキング2位をキープしている。トップのC・チェカとの差は27ポイント。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | E・ ラバティー | GBR | Yamaha | 31'09.584 |
2 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'01.575 |
3 | L・ハスラム | GBR | BMW | 0'03.078 |
4 | M・メランドリ | ITA | Yamaha | 0'03.255 |
5 | M・ファブリティオ | ITA | Suzuki | 0'11.812 |
6 | J・リー | GBR | Honda | 0'12.371 |
7 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'13.280 |
8 | L・キャミア | GBR | Aprilia | 0'17.419 |
9 | C・チェカ | ESP | Ducati | 0'17.569 |
10 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'18.420 |
11 | A・バドビニ | ITA | BMW | 0'20.031 |
12 | S・ギュントーリ | FRA | Ducati | 0'20.405 |
13 | T・サイクス | GBR | Kawasaki | 0'26.693 |
14 | M・ベルガー | FRA | Ducati | 0'38.429 |
15 | R・チャウス | ESP | Honda | 0'40.164 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | E・ ラバティー | GBR | Yamaha | 31'19.948 |
2 | M・メランドリ | ITA | Yamaha | 0'00.327 |
3 | M・ファブリティオ | ITA | Suzuki | 0'02.466 |
4 | 芳賀紀行 | JPN | Aprilia | 0'02.583 |
5 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'04.503 |
6 | A・バドビニ | ITA | BMW | 0'10.865 |
7 | S・ギュントーリ | FRA | Ducati | 0'11.038 |
8 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'18.724 |
9 | J・ラスコル | ESP | Kawasaki | 0'20.093 |
10 | C・チェカ | ESP | Ducati | 0'20.376 |
11 | T・サイクス | GBR | Kawasaki | 0'21.111 |
12 | R・チャウス | ESP | Honda | 0'28.608 |
13 | R・ロルフ | ITA | Kawasaki | 0'33.459 |
14 | M・アティシソン | AUS | Kawasaki | 0'42.810 |
15 | F・ライ | ITA | Honda | 0'55.759 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | C・チェカ | Ducati | 145 |
2 | M・メランドリ | Yamaha | 118 |
3 | M・ビアッジ | Aprilia | 117 |
4 | J・リー | Honda | 89 |
5 | E・ ラバティー | Yamaha | 85 |
6 | L・ハスラム | BMW | 84 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 152 |
2 | Yamaha | 147 |
3 | Aprilia | 127 |
4 | BMW | 101 |
5 | Honda | 93 |
6 | Suzuki | 74 |
7 | Kawasaki | 53 |
COMMENT
E・ラバティー選手談(1位/1位)
「ダブルウインを達成できるなんて、自分でも信じられないよ!今回の目標は表彰台を目指すことだったんだけれど、終わってみるとふたつともとてもいいレースができて優勝したんだ。第2レースはスタートがあまり良くなくて第1コーナーの混乱に巻き込まれて順位を下げてしまった。それに暑さのせいでタイヤも消耗してしまって、ちょっと苦しかった。それなのに最後の数ラップには僕とマルコだけになっていたんだから、自分のグッドラックが信じられないくらいだよ。このダブルウインは僕にとって特別なもの。しかもチームのホームコースでね...」
M・メランドリ選手談(4位/2位)
「大変だったけれど、とてもいいレースウイークだったと思うよ。もっとマシンの安定性が欲しかったんだけれど、セッティングがなかなか煮詰まってくれなかった。第2レースでは少し良くなったかと思ったけれど、終盤に向かうにつれてまたマシンの挙動が激しくなったんだ。最終コーナーではシフトがうまくいかなくてリアタイヤがロック。それでちょっとはらんでしまったんだ。表彰台に上ることができてとてもうれしかったし、このコースを楽しむことができた。ポイントも獲得できて良かったけれど、次はもっとたくさん欲しいね!」
A・ドソリ、ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームマネジャー談
「素晴らしい週末になった。ふたつの予選セッションを終えた時点で、ふたりともとてもいいペースであることがわかったので、決勝も必ずいい結果になると信じていた。今日のこの快挙は、この1ヵ月間にチームが懸命の努力をしてくれたおかげ。今日のために頑張ってくれたすべてのひとたちに感謝の気持ちを表したい。ユージンは、とくに第2レースで見事な仕事をした。最初に順位を下げてしまったのに、ペースを取り戻してトップまで挽回してしまったのだからね。マルコのほうは、ちょっと苦労したようだが、最終的には本来の強さを証明することができた。ふたつの優勝という素晴らしい結果を導くことができたが、セッティングに関してはふたりとも苦労があったようだ。つまりこれからやらなければならないことが、まだたくさんあるということなのだ。今週はアラゴンでテストがあるので、次戦に向けてしっかり準備したい」