スーパーバイク世界選手権 WSB
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどWSBに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月30日 アメリカ
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第5戦アメリカ大会?
■開催日:2011年5月30日(月)?
■開催地:ミラー・モータースポーツ・パーク(1周4.907km)
■天候:曇り ■観客:48,000人
■PP:C・チェカ(ドゥカティ/1分58秒315)
■FL:C・チェカ(ドゥカティ/1分48秒827)
REPORT
ラバティーが5位/4位を獲得し、ランキング4位に浮上!
アメリカのメモリアル・デイ(戦没者追悼記念日)にミラー・モータースポーツ・パークで行われた第5戦。ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームのE・ラバティーとM・メランドリは着実に走り切ってポイントを獲得。ともにランキング4位以内に入っている。
レイアウトの難しさと体力的な厳しさで知られるコースに加え、ウイークを通じて天候が様々に変化してライダーたちを苦しめた。メランドリは土曜日に初めて、ミラーでのドライ・コンディションを経験。日曜日は激しい雨に見舞われたためシャシーのセッティングを煮詰めていくことができなかった。
そうしたなかで迎えた決勝。第1レースは序盤で数台が転倒リタイアとなる展開。ラバティーとメランドリは、ともにフロントロウから好スタートを切ったものの、第1コーナーまでにポジションを下げてしまう。ラバティーはストレートでシフトミスをおかして15位まで後退。しかしその後は懸命の追い上げを見せ、少しずつ前方との差を縮めて9ラップ目には4位まで挽回した。そしてレース中盤にはカミエールとギュントーリをとらえて2位に浮上。さらにトップのチェカを追っていったが、タイヤの消耗が激しくハイペースをキープすることができなくなった。その後は少しずつ順位を下げ、5位でチェッカーを受けた。一方のメランドリは序盤で順位を3つ下げて7位。ここから挽回を狙ったが、タイヤの消耗が影響して10位に留まった。
続く第2レース。ラバティーは好スタートから上位をキープ。今度は巧みな走りでタイヤの消耗を抑え、最後まで順調に走り切って4位を獲得した。メランドリも好スタートを切ったが徐々に後退。レース中盤で6位につけ、そのままチェッカーを受けた。
ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チームは、これまでに合計243ポイントを獲得、チーム・ランキングでトップに立っている。メランドリはランキング2位をキープしており、トップのチェカとの差は61ポイント。ラバティーは今回の活躍で合計獲得ポイントを109とし、ランキング4位に浮上した。次回、第6戦は6月12日、イタリアはミザノで開催される。
RESULT Race.1
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・チェカ | ESP | Ducati | 38'46.915 |
2 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'02.766 |
3 | S・ギュントーリ | FRA | Ducati | 0'04.093 |
4 | L・キャミア | GBR | Aprilia | 0'08.885 |
5 | E・ラバティー | IRL | Yamaha | 0'15.718 |
6 | T・サイクス | GBR | Kawasaki | 0'20.477 |
7 | A・バドビニ | ITA | BMW | 0'22.170 |
8 | L・ハスラム | GBR | BMW | 0'22.267 |
9 | 芳賀紀行 | JPN | Aprilia | 0'24.087 |
10 | M・メランドリ | ITA | Yamaha | 0'27.150 |
11 | M・ベルガー | FRA | Ducati | 0'29.422 |
12 | J・ウオーターズ | AUS | Suzuki | 0'33.428 |
13 | T・コルサー | AUS | BMW | 0'36.573 |
14 | J・ラスコル | ESP | Kawasaki | 1'05.369 |
15 | J・トーズランド | GBR | BMW | 1'14.382 |
RESULT Race.2
順位 | ライダー | 国籍 | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | C・チェカ | ESP | Ducati | 38'22.082 |
2 | L・キャミア | GBR | Aprilia | 0'07.194 |
3 | M・ビアッジ | ITA | Aprilia | 0'08.734 |
4 | E・ラバティー | IRL | Yamaha | 0'14.214 |
5 | M・ファブリティオ | ITA | Suzuki | 0'14.750 |
6 | M・メランドリ | ITA | Yamaha | 0'21.634 |
7 | S・ギュントーリ | FRA | Ducati | 0'24.079 |
8 | J・スメルツ | CZE | Ducati | 0'25.688 |
9 | A・バドビニ | ITA | BMW | 0'29.621 |
10 | T・サイクス | GBR | Kawasaki | 0'30.681 |
11 | J・リー | GBR | Honda | 0'31.033 |
12 | J・ラスコル | ESP | Kawasaki | 0'37.063 |
13 | L・ハスラム | GBR | BMW | 0'37.455 |
14 | M・ベルガー | FRA | Ducati | 0'40.509 |
15 | J・ウオーターズ | AUS | Suzuki | 0'40.894 |
RIDERS RANKING
順位 | ライダー | マシン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | C・チェカ | Ducati | 195 |
2 | M・メランドリ | Yamaha | 134 |
3 | M・ビアッジ | Aprilia | 133 |
4 | E・ラバティー | Yamaha | 109 |
5 | L・ハスラム | BMW | 95 |
6 | J・リー | Honda | 94 |
CONSTRUCTORS RANKING
順位 | コンストラクター | ポイント |
---|---|---|
1 | Ducati | 202 |
2 | Aprilia | 172 |
3 | Yamaha | 171 |
4 | BMW | 117 |
5 | Honda | 98 |
6 | Suzuki | 89 |
7 | Kawasaki | 69 |
COMMENT
E・ラバティー選手談(5位/4位)
「両レースともスタートがとてもうまくいって、グリッドポジションをキープして第1コーナーに入ることができた。でも第1レースはシフトミスをしてしまって15位まで後退。そのあとレース中盤までに2位まで挽回したけれど、タイヤを消耗してしまってペースが上がらなくなってしまったんだ。第2レースの前にシャシーのセッティングを調整し、タイヤの消耗にも気を配るようにした。序盤は3位につけていたけれど、タイヤのことを考えて無理な追い上げはしなかったんだ。その結果として4位を獲得することができた。ランキングでも4位に上がることができたので満足しているよ」
M・メランドリ選手談(10位/6位)
「とても難しいレースだったよ。第1レースはスタートこそうまくいったけれど、そのあとで芳賀選手と接触して何人かに抜かれてしまった。さらに数周あとにはエンジンカバーを縁石にぶつけ、シフトペダルにオイルがついて足が滑るようになったんだ。そしてレース中盤になるとフロントタイヤにも不具合が出てきて、挙動が激しくなってマシンを安定させることができなくなった。第2レースもまた厳しい展開。今シーズンで最悪と言ってもいいだろう。思うような走りがまったくできなくて、自分のポテンシャルを証明することもできなかった。初めからマシンのセッティングに問題があって、とくにコーナー進入は苦しかった。そのなかで少しでも安定したペースをキープしようと努力したけれど、結局それもできなかったんだ。こんなレースをしていたらだめだね」
ヤマハ・ワールドスーパーバイク・チーム A・ドソーリ監督談
「マルコはこのコースに慣れていなかったし、悪天候も重なって厳しい展開を予想していたが、そのとおりになってしまった。第1レースではふたりともタイヤに問題が出たが、それはほとんどの4気筒マシンが同じ状況だったようだ。第2レースになると、コースの掃除をしたことと、おそらく気温が少し上がったせいで状況がいくらか好転。しかしマルコは今回、多くのポイントを失ったし、本人も納得のいく走りはできなかった。ユージンは結局5位に落ちてしまったが、タイヤの問題がなければ表彰台を獲得することができただろう。そして第2レースでもポテンシャルを証明してくれた。彼は今シーズンからWSBに参戦を開始したばかりのルーキーだというのに、ここまで十分な活躍を見せてくれている」