スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.07 10月2-4日 フランス
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第7戦フランス大会
■開催地:フランス/マニクール・サーキット(1周:4.411km)
レース1
■開催日:2020年10月3日(土)
■周回数:レース1:21周(92.631km)
■コースコンディション:ウェット
■気温:12度
■路面温度:14度
■PP:E・ラバティ(BMW/1分48秒644)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分48秒268)
スーパーポールレース
■開催日:2020年10月4日(日)
■周回数:10周(44.110km)
■コースコンディション:ウェット
■気温:11度
■路面温度:11度
■PP:E・ラバティ(BMW/1分48秒644)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分47秒584)
レース2
■開催日:2020年10月4日(日)
■周回数:レース1:21周(92.631km)
■コースコンディション:ウェット
■気温:13度
■路面温度:15度
■PP:E・ラバティ(BMW/1分48秒644)
■FL:L・バズ(Yamaha/1分47秒558)
REPORT
両日雨のマニクール・サーキットでPata Yamaha WorldSBK Official Team with RizlaのM・ファン・デル・マークは、第1レースを9位、2日目スーパーポールレースで3位表彰台を獲得し第2レースは5位となった。2週間前のバルセロナで激しく転倒したT・ラズガットリオグルは第1レースが6位、第2レースで9位となった。
1日目
Pata Yamaha、ラズガットリオグルが6位、ファン・デル・マークが9位
グリッド13位からスタートしたT・ラズガットリオグルは、オープニングラップで5台をパス。その後も着実にポジションを上げ、全21ラップ中の15ラップ目までに5位に浮上した。L・ハスラムとバトルを展開しながらトップを目指していったが、最終ラップの第11コーナーでハスラムが激しいハイサイドを起こし、これを避けようとしたラズガットリオグルはS・レディングに先行を許して6位に後退した。
チームメイトのM・ファン・デル・マークも絶好のスタートを切り、グリッド6位から2位へ浮上。しかしこのあとあまりペースが上がらず、表彰台争いから徐々に水を開けられ単独走行となった。安定したペースで4位をキープしていたが、14ラップ目の第13コーナーで小さなミスをおかして転倒。すぐさま再スタートして9位でゴールし、貴重な7ポイントを獲得した。
ガーロフがトップ争いに絡むも転倒リタイア、カリカスロは11位
GRT Yamaha WorldSBK Junior TeamのG・ガーロフとF・カリカスロは、午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでそれぞれ3位と8位を獲得して好調ぶりをアピール。その後のスーパーポールでは5位と12位となり、午後からの第1レースをそれぞれ2列目と4列目からスタートした。
しかしガーロフは7ラップ目、3位走行中に転倒してリタイア。カリカスロはミスなく走り切ったものの、11位に留まっている。
2日目
ファン・デル・マークがスーパーポールレースで表彰台獲得
前日に続き雨に見舞われたマニクール・サーキット。午前中に行われたスーパーポールレースでPata Yamaha WorldSBK Official Team with RizlaのM・ファン・デル・マークが3位を獲得した。
ファン・デル・マークはグリッド6位から絶好のスタート。3位に上げてチェッカーを受け、今季7度目となる表彰台に上った。これにより第2レースをフロントローからスタートし、再び表彰台を目指したが、ウエットコンディションのなかで十分なグリップが得られず5位となっている。
チームメイトのT・ラズガットリオグルは、完璧なウエットセッティングを駆使してスーパーポールレースで13位から9位へポジションアップ。第2レースでもさらに上を目指したが、序盤の好調を最後まで維持することができず、9位のままチェッカーを受けた。2週間前のバルセロナでは、ウォームアップセッションで激しいハイサイドによる転倒があり、依然、痛みが続くなかでの健闘だった。
2020 WorldSBKシーズンは2週間後の10月16日~18日、ポルトガルはエストリルで最終戦を迎える。
GRT Yamahaはガーロフが8位、カリカスロが11位
GRT Yamaha WorldSBK Junior TeamのG・ガーロフとF・カリカスロは、ウエットコンディションで行われた第2レースでそれぞれ8位と11位。
午前中のウォームアップセッションでは、前日の転倒リタイアを挽回したいガーロフが6位と健闘する一方、難しいコンディションへの適応に苦戦するカリカスロは15位。またスーパーポールレースではガーロフが8位を獲得し、カリカスロは6ラップ目に転倒してリタイアとなっている。
午後から行われた第2レースでは、ガーロフが慎重な走りで、この日2度目の8位獲得。一方のカリカスロはペースを上げてトップとの差を縮め、11位でチェッカーを受けた。
この結果、チャンピオンシップでは、ふたり揃って順位を上げ、ガーロフが合計78ポイントのランキング11位、カリカスロが合計51ポイントの13位となっている。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Superpole Race
WSBK RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
COMMENT
Race 1
Pata Yamaha WorldSBK Official Team
T・ラズガットリオグル選手談(6位)
「スーパーポールの序盤はあまり調子が良くなかったのですが、ピットに戻ってセッティングを少し変えたらフィーリングが向上しました。ただ残り時間が少なくなっていて1ラップしかアタックできなかったため、13位に留まることになってしまいました。あと1ラップあれば状況は変わっていたはずなのですが...。決勝は非常に好調で、ウエットコンディションでは今までで一番の走りができたと思います。Yamaha R1は十分な手応えがあり、今後の改善点も把握できています。5位が可能だったはずですが、最終ラップでハスラムが大転倒し、マシンが私のレースラインに滑り込んできたためブレーキをかけないわけにはいきませんでした。その結果の6位ですが、ペースは悪くないので明日はもっと上を目指していきます」
M・ファン・デル・マーク選手談(9位)
「スーパーポールは順調でした。路面が少しずつ乾き始めたところだったのでコンディションは難しかったのですが、フィーリングは良く、タイヤの挙動が激しくなったあともタイムを更新することができました。決勝ではグリッド6位から好スタート。第1コーナーの進入では、BMW勢の転倒もあり2位に上がることができました。しかしそのあとはペースが上がらず4位に後退。安定はしていたものの、マシンのフィーリングもグリップ感もあまり十分ではありませんでした。そしてとうとう13コーナーでミスをして転倒。すぐにマシンを起こして9位でチェッカーを受け、数ポイントを獲得することができましたが、ランキング3位争いからは大きく離されることになってしまいました。今日の段階では、フィーリングの良くないマシンでハイペースを維持できたという感じ。明日はセッティングを向上させ、より良い状態で臨めるよう期待します」
P・デニング、チーム代表談
「バルセロナで大転倒したトプラック(ラズガットリオグル)の復活を大歓迎していると、昨日お話しました。そして今日は、6位では十分ではないとは言え、彼のウイークポイントと思われていたウエットコンディションで素晴らしい走りを見せてくれたことに満足しています。予選13位から1ラップで8位へ浮上し、さらに周回を重ねるごとにペースを上げていきました。マイキー(ファン・デル・マーク)のほうは、非常に残念な結果となりました。転倒のあとすぐにマシンを起こし、9位でゴールしたことはせめてものなぐさめ。それよりも上位グループに追いつくだけの好フィーリングをつかめなかったことに、本人が一番がっかりしています。チーム一丸となり、明日までに改良を目指します」
GRT Yamaha WorldSBK Junior Team
G・ガーロフ選手談(11位)
「昨日からここまで、難しい状況が続いています。ウエットコンディションでの問題を解決し、少しでもトップに近づくことが今の目標です。ペースの面では決勝のなかで大きく前進できましたし、私自身のライディングについてもマシンセッティングに合わせて改善できたと思っています。完走したことで、より多くのデータを収集できたのは重要な成果。明日に向けてさらに調整を行い、ウエットでも10位以内に入れるようベストを尽くします」
F・カリカスロ選手談(DNF)
「今日の結果については超悔しい思いです。昨日は総合トップを獲得して自信を得ることができましたし、予選5位にも満足していました。決勝では好スタートを切って2位に浮上し、そのあと何台かに抜かれましたが、すぐまた抜き返すことができてフィーリングは上々でした。Yamaha R1がとても良く走ってくれていたので自信を持っていたのですが、最後まで走り切ることができず本当に残念です。チームの素晴らしい仕事には感謝しています。明日はまた最初からやり直し。それが私の作戦です」
Race 2
Pata Yamaha WorldSBK Official Team
M・ファン・デル・マーク選手談(5位)
「午前中のスーパーポールレースはマシンのフィーリングが素晴らしく、昨日からさらに改良が見られて何度も好バトルを展開することができました。最終ラップではスコット(レディング)と競り合って3位を勝ち取り、第2レースのフロントローも獲得できたので大満足の表彰台となりました。第2レースは、スタートは悪くなかったのですが、フロントのフィーリングと低速コーナーから立ち上がるときのグリップ感が十分ではなく、この部分で優っていたライバルたちについて行くことができませんでした。集団から徐々に離されて単独走行になってしまったので、あとはミスをしないようにコンスタントに走ることに集中しました。5位は決して悪くない結果ですが、次のエストリルでチャズ(デイビス)を抑えてランキング3位を目指すためには多くの課題も残っています」
T・ラズガットリオグル選手談(9位)
「今日はセッティングを変更して臨みました。スーパーポールレースでもっと順位を上げられていれば良かったのですが、まだ十分ではありませんでした。結果には満足していませんが、走るたびに学び、自分の成長を実感しています。以前はウエットコンディションに苦手意識を持っていましたが、今はシンプルに、雨で速くなりたい、という気持ちです! 今後もさらに上を目指して自分に合ったセッティング方法を追求していきます。次回エストリルが楽しみです」
P・デニング、チーム代表談
「このようにスリッピーなコンディションのなかでのレースはライダーたちにとって大きなチャレンジとなり、ときには見応えある展開になったり、予想外の結果が生まれたりすることがあります。マイキーについては、マシンが昨日から格段に良くなっており、彼自身も素晴らしいライディングを見せてスーパーポールレースでは表彰台争いに打ち勝ちました。第2レースは序盤こそやや手間取りましたが、リズムを取り戻すとトップと同等のペースで走り切り5位を獲得することができました。これは次のエストリルにつながる大きな成果です。トプラックのほうは、バルセロナでの怪我の影響が残るなかで結果は残念なものとなりましたが、以前は苦手にしていたウエットでここまでやれたことが成果であり、今後に向けて大きな励みになります。次回はシーズン最終戦。全チーム、全チャンピオンシップのためにもドライコンディションを期待します」
GRT Yamaha WorldSBK Junior Team
G・ガーロフ選手談(8位)
「前回のカタルニアから好調の勢いを引き継ぎ、とても順調にウイークをスタートしていました。金曜日はもちろん、土曜日も、好スタートを切ったあと転倒するまでは絶好調だったのです。今日もその調子を維持したかったのですが、コンディションが少し変わってフィーリングがつかみにくくなっていました。セッティングを変更してスーパーポール・レースに臨みましたが、思うような効果が得られず、また元に戻すことになってしまいました。結局、第2レースでもフィーリングは完璧ではなく、オープニングラップで大きく後退。そのあとは、ただひたすら前を目指していくだけという展開になりました。そのなかで何台かとバトルしましたが、さらに抜かれてしまいました。つまり、あとからポジションを挽回するのは簡単なことではないのです。総合的には順調だっただけに、ウイークの締めくくりがこのような形になり残念です。でも今週もまたとても多くのことを学んだので、その成果を最終戦で生かせるよう頑張ります。とてもおもしろそうなコースで、R1には合っているように見えます。とても楽しみです」
F・カリカスロ選手談(11位)
「雨と寒さで、とても難しいコンディションでした。それでも初日の金曜日から今日までの3日間で大幅に前進できたと思っています。ウエットでのライディングテクニックやマシンセッティングが向上し、1ラップのタイムでも決勝距離のペースでもトップとの差を縮めることができたので、もしまた雨が降っても、しっかり対処できると思います。課題はまだたくさんありますが、ここまでの成果には満足しています。次のエストリルは、2004年のプレイステーションゲームでしか見たことがありません。攻略法のアイディアが何もないので、オンボードビデオを見て勉強し、先日、そこを走ったばかりのニッコロ・カネパからもアドバイスをもらおうと思っています」