MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.17 11月7日 アルガルベ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第17戦アルガルベGP
■開催日:2021年11月7日(日)決勝結果
■開催地:ポルティマオ/ポルトガル
■気温:21度 ■路面温度:29度
■PP:F・バニャイア(1分38秒725/ドゥカティ)
■PP:F・バニャイア(1分39秒467/ドゥカティ)
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・モルビデリはポイント獲得を目指して戦っていたが、後半になると怪我の影響が出て苦戦。17位まで後退したあと、レースは残り2ラップでレッドフラッグにより中止となり、そのまま順位が決定した。F・クアルタラロは21ラップ目、7番手走行中に転倒してリタイアとなっている。
PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのV・ロッシとA・ドビツィオーゾは、それぞれ13位と14位となり、ともにポイントを獲得した。
Monster Energy Yamaha MotoGPのモルビデリが17位、クアルタラロは転倒リタイア
モルビデリは9番グリッドからスタート後、1ラップ目の混戦を避けるため大回りして11番手を確保。5ラップ目までに14番手へ後退したものの、展開が落ち着いてくると1分40秒台前半を安定的に維持し、ポイント獲得を目標に着実に周回を重ねた。
2ラップ後にはバトルを展開していたA・エスパルガロ(アプリリア)が転倒。モルビデリはその後も14番手をキープしていたが、レース後半に入ると膝の怪我の影響が出始めて少しずつ後退。最終的にはトップから27.863秒差の17位でチェッカーとなった。
一方のクアルタラロは7番グリッドからやや出遅れたが、すぐに取り戻して8番手で1ラップ目を終了。ここからさらに2つポジションを上げてトップグループとの差を詰めていき、3ラップ目にはファステストラップを記録するなど気迫を見せた。
A・マルケス(ホンダ)、J・マーティン(ドゥカティ)とバトルするうちに再びトップ3との差が開き始めたため、クアルタラロは表彰台獲得のために早めのパスを決断。そして10ラップ目にはマーティンに仕掛けるも、そのあとはらんで抜き返されてしまう。さらには1ラップ後の第13コーナーでマシンが激しく振られる間にJ・ザルコに先行され、ますます厳しい状況に追い込まれてしまった。それでもあきらめずに次のチャンスを窺い、ついにはマーティンを抜き去り6番手に浮上。しかし残り4ラップとなった21ラップ目、第5コーナーで転倒しリタイアとなり、今季初のノーポイントに終わった。
この結果、チャンピオンシップではクアルタラロが合計267ポイントを維持。モルビデリも合計42ポイントを維持してランキング17位につけている。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計364ポイントでチーム・ランキング2位をキープしており、タイトルを目指して28ポイント差で追う状況。ヤマハは合計298ポイントを獲得し、トップから34ポイント差、3位に71ポイント差をつけてコンストラクターズ・ランキング2位が決定した。
PETRONAS Yamaha SRTのロッシとドビツィオーゾがポイント獲得
ロッシは16番グリッドから好スタートを切り、2ラップ目にはひとつ上げたが、すぐまた後退。前方のライダーとの距離を縮めようと懸命にプッシュを続けるなかで、レース終盤ではかつてのチームメイト、モルビデリとも一時バトルを展開し、21ラップ目にはついにポイント圏内へと浮上した。レースは残り2ラップとなった23ラップ目、2台が絡むアクシデントによりレッドフラッグが提示されてそのまま終了となり、ロッシは13位で3ポイントを手中にした。
一方のドビツィオーゾも好スタートを切り、グリッド・ポジションからひとつ上げて20番手で第1コーナーへ。序盤でもうひとつ上げたあと、さらに前のグループを追っていった。終盤になるとますますペースを上げて、残り5ラップではロッシに続く16番手へ浮上。このあと2台が戦列を離れ、ドビツィオーゾは14位でゴールして2ポイントを獲得した。
RACE RESULT
LAP CHART
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・モルビデリ選手談(17位)
「今週はとても好調で、スピードも上がっていたので、決勝でももう少し上を狙えると考えていました。しかし残念ながら期待通りにはいきませんでした。後半になるとペースを落とさざるを得なくなってしまったのです。原因を探り、次のバレンシアまでに解決したいと思っています」
F・クアルタラロ選手談(DNF)
「転倒の状況はよくわかっていますがどうにもなりませんでした。まさに悪夢としか言いようがありません。ライバルたちのうしろについている間、オーバーテイクは不可能でした。しかし今日は本来のストロング・ポイントを取り戻すことができていたので、決勝中のペースはより良かったと思っています。ただ加速とスピードでは遠く及びませんでした。今シーズンは14回のフロントローが私を助けてくれたのだと思います。今回のように予選で遅れてしまうと、途端に状況が厳しくなるのです。来週は決勝ペースよりも予選にもう少し集中していくことになるでしょう。そして納得のいく結果でシーズンを締めくくりたいと思います」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「今日の結果には、当然ながらがっかりしています。すべての原因は昨日の予選にあります。ふたりともグリッド3列目に並び、いずれもあまりいいスタートはできませんでした。このコースはオーバーテイクが難しく、その後の展開はより一層、厳しいものになってしまいました。クアルタラロ選手は最大限を振り絞って戦いましたが、5位争いを展開中に転倒してしまいました。モルビデリ選手も怪我と闘いながら懸命にプッシュし続けましたが、後半はやはりパフォーマンスが落ちてしまいました。チームとしてはできるだけ早く気持ちを切り替え、前に進みたいと思います。幸い、待ち時間は長くありません。2021シーズンの最終戦は来週に迫っており、私たちはチーム・タイトル獲得を目指しています。難しい仕事ではありますが、MotoGPに不可能はありません」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
V・ロッシ選手談(13位)
「今日の走りは悪くなかったと思います。そして目標としていたポイントも獲得できました。全体にハイペースで展開されるなかで、私もプラクティスよりスピードが上がっており、マシンのフィーリングもとても良くなっていました。モルビデリ選手を含め何台かとバトルを楽しみ、マリーニ選手について行くこともできました。そして終盤までともにプッシュし合い、最後にアタックしようとしていたところでレッドフラッグが振られました。ポルティマオでの前の2回は観客がいませんでしたが、今回は大勢が来てくれて、いい雰囲気のなかでレースができました。すべての方に感謝したいと思っていましたが、チェッカーのあとコース上でマシンを停めるつもりでしたが、レッドフラッグが出たので残念ながらできませんでした」
A・ドビツィオーゾ選手談(14位)
「私自身の成長においては大きな成果が見られました。今回はすべてのセッションがドライ・コンディションで行われたので、乗り方やフィーリングについて予定通りに仕事を進められたことが大きかったと思います。これが功を奏し、決勝では中盤から終盤にかけてハイペースを実現することができました。私たちが正しい方向へと進んでいる証です。もちろん14位は望んだ順位ではありませんし、スピードももっと上げられるはずです。しかし全体的に今回はとても有意義だったと思っています。私自身もマシンもまだ課題があり、ライバルについて行ったり、よりスムースに走ったりするためにはグリップ向上が求められます」
R・ラザリ、チーム代表談
「ロッシとドビツィオーゾがともに、チーム・ランキングのために貴重なポイントを獲得してくれました。この勢いを次の最終戦でも維持できるよう期待しています。バレンシアに照準を定め、最高の形でシーズンを締めくくりたいと思います」