MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月16日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦フランスGP
■開催日:2021年5月14日(金)フリー走行、15日(土)予選、16日(日)決勝
■開催地:ル・マン/フランス
CIRCUIT DATA
■開設:1965年
■コース長:4.185km
■サーキットレコードラップ:1分31秒185(2018年:J・ザルコ)
■サーキットベストラップ:1分32秒309(2017年:M・ビニャーレス)
■2020年の優勝者:D・ペトルッチ(ドゥカティ)
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGP、フランスGPに向け準備万端
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとM・ビニャーレスは今週末、ル・マン・ブガッティ・グランプリ・サーキットで行われる第5戦フランスGPに出場する。雨と晴れが混在する難しい天候が予想されていることから、クアルタラロ、ビニャーレス、それぞれのチームクルーたちは、あらゆるコンディションに適応するための準備を整えている。
クアルタラロは5月4日(火)、CH Aix en Provence病院で腕上がりの手術を受け、今週末の走行再開と回復状況の確認を楽しみにしている。コースとYZR-M1の相性の良さを知り尽くし、母国で開催されるこの大会でファンを満足させようと意気込むクアルタラロは、第4戦終了時点でランキングトップから2ポイント差のランキング2位となっており、ここでトップ奪回を目指す。
チームメイトのビニャーレスはトップから16ポイント差のランキング3位。2016年に3位獲得、2017年にはヤマハで激しいバトルの末に優勝を果たしており、今年は表彰台への復帰が目標となる。この地の天候変化の激しさはよく知られているが、マシンのセットアップに集中するためにはウイークを通じてドライかウエット、どちらかが継続することを期待している。
ブガッティ・グランプリ・サーキットは1965年、ル・マンの町から数キロの場所に建設された。1960年代終盤で初めてグランプリが開催され、1996年に改修工事が行われるまで継続。コースの安全面に留意した改修を終えたあと、2000年にグランプリを再開した。全長4.2kmのコースに左コーナーが5つと右コーナーが9つ。ブレーキングを遅らせ、立ち上がり加速でのハードプッシュが要求されることから、リアエンドのトラクションが重要になり、例年、激しいバトルが展開されている。
PETRONAS Yamaha SRT、フランスGPに期待
PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのF・モルビデリとV・ロッシは、第4戦スペインGPの翌日に行われたマシンテストを成功裏に終了し、今週末は好調を維持して第5戦フランスGPに臨む。
昨年の同大会ではスタート直後に他車の転倒に巻き込まれる不運に見舞われたモルビデリだが、2017年のMoto2優勝を含め、過去にはいくつかの好成績も残している。第4戦の3位表彰台獲得に続いて翌日のテストではニューパーツを試し、ブレーキング性能向上も達成している。
チームメイトのロッシは昨年、スタート直前に降り出した雨によりオープニングラップで転倒リタイアを喫した。しかしここル・マンでは、MotoGPと500ccクラスで合計3回の優勝を含む多くの好成績を残しており、2018年には通算13回目となる表彰台に上っている。先週のヘレステストではYZR-M1のフィーリングと決勝用セッティングでのペース向上を実現。今週末のフランスGPで結果につなげることを期待している。
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談
「前回のスペインGPは非常に悔しい思いをしました。しかしあの時も、表彰台や優勝を狙えるだけの速さがあったことをポジティブに受け止めています。腕上がりの症状を改善するための手術を受けて成功したので、そのあとはトレーニングに励んできました。今は非常に調子が良く、ホームレースのル・マンをとても楽しみにしています。できるだけ早く、またトップに立てるようベストを尽くします」
M・ビニャーレス選手談
「おもしろい戦いになると思っています。ヘレステストが好調だったので、より一層、モチベーションが上がっていて、あのときの成果がここル・マンでも使えるかどうかが楽しみです。ル・マンは好きなコースのひとつで、何度か好バトルもありましたし、レイアウトがマシンと合っているので、いつもいい戦いができています。しかし天候に翻弄されることも多い場所です。コンディションがたびたび変化するので、天気予報に注意を払いながら、毎セッションで確実に力を出せるようにしていきたいと思っています」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「今週末は、フランスはル・マンでのレースとなります。例年、ヤマハは良い戦いをしており、コースレイアウトがマシンと合っているし、ライダーはふたりともここを気に入っています。クアルタラロ選手にとってはホームグランプリでのスペシャルイベントとなるので、右腕の手術を終えたばかりではありますが、やる気満々で金曜日の走行再開を楽しみにしています。ビニャーレス選手は2017年、ここで記念すべきヤマハのグランプリ500勝目を記録しました。もとよりスピードは十分ですし、先週のヘレステストでさらに自信を深めています。しかしながら、このコースではいつも天候が大きな役割を担います。今年はまだウエットレースを経験していませんが、今週は激しい天候変化が予想されるので、そのための準備が必要です」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
F・モルビデリ選手談
「ル・マンは好きなコースで、Moto2での優勝など、何度か好成績を経験しています。先週の月曜日にヘレス・サーキットで行われたテストではブレーキング性能に焦点を当てましたが、このコースがとくに、ハードブレーキが必要になる場所なのです。またコースのなかでも最初のほうが難しく、第1コーナー進入を成功させることで次がとても楽になります。難しいが、素晴らしい。そんなコースです。テストの成果を確実にものにし、今週の戦いで結果につなげたいと思っています。前回のヘレスでは表彰台に復帰できてとてもうれしかったので、今回も再現を狙います」
V・ロッシ選手談
「今週こそは、もっといい走りをしポジションを挽回して、前回より速いペースを目指したいと思っています。昨年のル・マンは、ドライコンディションでは好調で、ラップタイムもペースもとても良かったのですが、決勝ではスタート直前に雨が降り出し、第1コーナーで転倒してしまいました。ここは素晴らしいコースです。シケインの方向転換が多いところが、とても気に入っていて、グリップと加速が良ければ、とても楽しく走れるコースです。ウイーク初日のFP1から決勝のチェッカーまで、ずっと好天が続くことを期待します。先週のヘレステストは順調で、さまざまな要素を改善することができました。ル・マンでもその成果を期待します」