MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 8月16日 オーストリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦オーストリアGP
■開催日:2020年8月15日(土)予選結果
■開催地:シュピールベルク/オーストリア(4.318km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:41度
■PP:M・ビニャーレス(1分23秒450/ヤマハ)
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスがQ2でトップタイムをマーク、ヤマハで通算11回目、2019年のオーストラリアGP以来のポールポジションを獲得。V・ロッシもQ1で2番手としてQ2に進出し12番グリッドを獲得した。PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのF・クアルタラロはQ2で3番手を獲得。今季の全レースでフロントローを獲得しているだけでなく、昨年のサンマリノGP以来、その記録を更新し続けている。チームメイトのF・モルビデリも好調を維持し、決勝は7番グリッドからスタートする。
ビニャーレスがポールポジション獲得
エンジンをかけてQ2スタートを待っていたビニャーレスが真っ先にピットレーンを離れ、最初のアタックで2番手。次のトライで早くもトップに立ったものの、コースリミットを越えていたためその記録はキャンセルされた。しかしその後も慌てることなく淡々とアタックを繰り返し、1分23秒694に更新してトップに浮上した。
ここで約7分半を残しピットに戻り、素早くリアタイヤを交換して臨んだ2度目の走行では、さらに1分23秒643まで短縮して後続との差を0.073秒に拡大。しかし終盤にこの差を詰められ一旦は逆転されたが、最後にもう一度タイムを更新してトップに再浮上。1分23秒450で2番手に0.068秒差をつけポールポジションを獲得した。
一方、Q1に出場したロッシはチェッカーフラッグ提示後の最終ラップに賭けていた。それまでは4番手に留まっており、最後のアタックでは最大限まで深いコーナー進入が求められたが、見事にそれを実現して1分23秒891へ更新。これで2番手を獲得してQ2に進出した。
続いて行われたQ2では序盤で5番手につけたが、まだライバルたちも次々にタイムを更新しており順位は様々に変動していた。そのなかでロッシは、タイムを短縮しながらも8番手まで後退して残り8分でピットイン。早々にコースに戻って2度目の走行に臨むと、7ラップ目にはさらにタイムを更新したものの順位を上げることはできなかった。残り3回のアタックでも成果は得られず、トップから0.545秒差の12番手でセッションを終了した。
クアルタラロが3番手でフロントローを獲得、モルビデリも7番手と健闘
クアルタラロはFP3の残り数分までQ2進出圏外に留まる苦しい展開。コースリミット越えにより何度も記録をキャンセルされていたが、最後の1ラップのアタックでようやくQ2進出を果たした。
そのQ2は12人全員が0.545秒以内にひしめく熾烈な戦いとなったが、クアルタラロは序盤から順調にペースを上げ終盤を迎えた。そして多くがタイムを更新して順位が目まぐるしく変動するなかで1分23秒537のベストタイムを記録したが、トップに僅か0.087秒およばず3番手となった。
一方のモルビデリは、FP3序盤のウエットコンディションを利用してウエットタイヤの挙動を確認。終盤になるとライバルたちがタイムを更新して順位が入れ替わったが、前日の記録によりQ2進出を決めた。
Q2でも激しい接近戦が展開され、モルビデリは1分23秒719で7番手に留まり僅差でセカンドローを逃した。
RACE RESULT
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手(予選トップ/1分23秒450)
「フロントローを目標にしていたので、そのトップに立つことができて本当にうれしいです。マシンのフィーリングが素晴らしく、FP4も非常に順調だったのです。午前中のFP3から、かなり大規模な変更を行っていました。すべてはチームが昨晩、非常にいい仕事をしてくれたおかげです。あとは明日の決勝で使用するタイヤの選択が課題になりますが、いずれにしてもマシンは最高の状態で、前回ブルノとはまったく違っています。今はとにかくハッピーで、やる気満々です」
V・ロッシ選手談(予選12番手/1分23秒995)
「FP4は非常に順調でした。午前中のFP3はコンディションが難しくて苦労したのですが、午後は調子が上がり、成果を感じることができました。FP4が好調だったと言っても、Q1はいつでも決して簡単なものではありません。Q1でトップ2に入るためにはポールポジションに近いタイムを出さなければなりません。そのため今日もいつものように、激しい接近戦になりました。Q2では、ソフトコンパウンドのタイヤを使い切ってしまってミディアムコンパウンドでタイム更新に臨みました。その最後の1本ではコンマ1秒しか短縮できなかったのです。その結果がこれです。つまり2番目のタイヤでもしっかり更新できなければならず、それができなければ一気に後方へ下がってしまうということなのです。決勝でリアタイヤにソフトを使うか、ミディアムにするかがこのあとの課題。天気もあまり良くないようなので、そちらにも十分に注意を払わなければなりません」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「昨日に比べて大きな前進です。ビニャーレス選手はウエットでもドライでも非常に気持ちよく乗れているようで、そのことがFP3とFP4の結果に表れています。ロッシ選手もFP4で素晴らしい走りを見せ、続いて行われたQ1では2番手を獲得しました。しかしQ2では、2本目のリアタイヤがQ1のときほど十分に機能してくれず、結局グリッド4列目からのスタートとなりました。FP4ではリアのソフトとミディアムを比較し、どちらも決勝で使うオプションになると判断していました。最終決定は、明日のウォームアップがドライになれば、そのなかで行うことになります。このコースは伝統的に、私たちにとって楽な場所ではありません。理由はコースレイアウトにあります。しかし今回はヤマハがポールポジションを獲得し、もう1台も3番手につけているのです。私たちは間違いなく、良い方向へと歩みを進めており、このことがヤマハのMotoGP部門に携わるすべての人の励みになっています。明日も良い結果を目指します」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
F・クアルタラロ選手談(予選3番手/1分23秒537)
「フロントローからスタートすることが非常に重要なので、今日の結果に満足していますし、ペースもとてもいいので、明日の決勝が楽しみです。当然ながら、決して楽な戦いではありません。できる限りのベストの状態で上位ライダーと戦いたいと思っています。FP4ではユーズドタイヤでもいい走りができるようになったことが大きな収穫。ここからもっと改善できると考えていますが、今の時点ですでに十分に準備は整っています。大勢がトップ3を競り合うことになると思うので、かなり見応えあるレースになるでしょう。私としては3位を獲得した昨年に続き、またオーストリアの表彰台に上ることが目標です」
F・モルビデリ選手談(予選7番手/1分23秒719)
「Q2では皆のタイム差が非常に小さく、私にとっては厳しい戦いになりました。残念ながら思うような好タイムが出ず、7番手に留まることとなりましたが、トップとの差は大きくないので心配はしていません。この状況ですから、明日の決勝では好スタートが非常に重要。私のマシンには今や"ホールショット・デバイス"が装着されているので、スタートで大きな助けになってくれるでしょう。すべては私たちを支えてくれるヤマハのおかげと、心から感謝しています。皆のタイムが接近しているので決勝でも大集団での競り合いが展開され、面白いレースになることは間違いありません! 私たちもソフトコンパウンドのタイヤでペースが上がってきていて、トップのタイムにも近づいています。決勝ではトップ5争いが目標。とても楽しみです」