MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 8月16日 オーストリア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦オーストリアGP
■開催日:2020年8月14日(金)フリー走行、15日(土)予選、16日(日)決勝
■開催地:シュピールベルク/オーストリア(4.318km)
CIRCUIT DATA
■開設:1969年
■コース長:4.318km
■サーキットレコードラップ:1分23秒027(2019年:M・マルケス)
■サーキットベストラップ:1分23秒827(2019年:A・ドビツィオーゾ)
■2019年の優勝者:A・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)
REPORT
Monster Energy Yamaha MotoGP、シュピールベルクへ
Monster Energy Yamaha MotoGPはチェコのブルノから直接、第5戦の開催地オーストリアはシュピールベルクへ移動。
第4戦で厳しい展開を強いられたM・ビニャーレスはチャンピオンシップポイントではランキング2位を維持して今大会に臨み、再び好成績を目指してトップとの17ポイント差を縮めようというところ。しかしながら、過去を振り返ればここシュピールベルクは決してヤマハとの相性の良いサーキットとは言えず、ビニャーレスの成績は2017年に6位、2019年は5位に留まっている。昨年も表彰台争いに近づきながらも届かず悔しい思いをしており、今年こそは上位獲得を狙っていく。
チームメイトのV・ロッシは高いモチベーションを維持して今大会に臨む。前回は表彰台を目指しながらも4位に終わっているが、予選グリッドから5つポジションを上げたパフォーマンスには自ら十分な手応えを感じており、今回もその勢いのままに、もう一度、表彰台を目指して戦う。そのロッシは、誰よりもこのサーキットに親しんできたライダーと言える。
初めて表彰台に上ったのはGP125で3位を獲得した1996年で、翌年も同クラスで2位と健闘。その後19年間にわたりGP開催が中断されたが、再開後の2016年と2019年にはMotoGPで4位を獲得している。第4戦終了時点でランキング7位に留まっているものの、3位までわずか4ポイントという僅差であり、まだまだ挽回の可能性が残っている。
1969年に建造されたシュピールベルク・サーキットは、1996年に改修工事が行われて現在のレイアウトになった。1990年代に2回のオーストリアGPを開催したあと長年、中断していたが、2016年に再開してMotoGPコースのひとつとして固定された。コースは特徴的で、コーナーは合計10(左3、右7)と少なく、これを626メートルを最長とする多くのストレートがつなぐ。そのためライダーたちは何度もスロットルを全開にする必要があり、セッティング上ではトップスピード、加速性能、ブレーキングの安定性が重視されることとなる。
PETRONAS Yamaha SRT、好調を維持してシュピールベルクへ
第4戦チェコGPでは通算10度目の表彰台を獲得したPETRONAS Yamaha Sepang Racing Team。F・クアルタラロとF・モルビデリはさらなるステップアップを目指して第5戦オーストリアGPに臨む。
前回のブルノではフロントロースタートの優位性を十分に生かすことができなかったクアルタラロ。それでも貴重な9ポイントを獲得し、ここシュピールベルクで挽回を狙っている。天候変化の激しさでも知られるコースだが、昨年は3位を獲得して相性の良いオーストリアGPで、今年もまた表彰台を目指す。
チームメイトのモルビデリは第4戦でMotoGP初の表彰台を獲得した。タイヤグリップの低下を認識しながらも冷静に対処し、最後まで着実に走りきり2位でチェッカーを受けている。この好調をそのままに、第5戦で再び表彰台を狙っていく。
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手
「ブルノではベストフィーリングが得られず苦戦しましたが、終わってしまったことをいつまでも気にしていても仕方がありません。今は次のオーストリアGPに集中しており、気持ちも非常にポジティブです。シュピールベルクはストップ&ゴーのコーナーが多いので立ち上がり加速が重要になります。私たちにとっては決して簡単なコースではなく、昨年はタイヤの消耗にも悩まされて厳しい戦いとなってしまったので、今年はまずその問題を克服し、さらに良い仕事を目指していきます」
V・ロッシ選手談
「昨年はグリッド4列目から4位を獲得。しかも3位で表彰台に上ったクアルタラロ選手から大きく離されることなく、またビニャーレス選手とアレックス・リンス選手を抑えて良いレースができました。オーストリアは、スペインやチェコとは違って涼しい気候で、雰囲気もかなり異なっています。このことが有利となるのか不利となるのか現時点ではわかりませんが、いずれにしても私たちにとって非常に重要なレースになることは間違いありません。ベストを尽くすだけです」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「ブルノから直接オーストリアへ。とても美しい場所なので、私たちはみなここが大好きなのですが、レースの面では決して楽ではなく、これまであまり良いところがありませんでした。コースレイアウトはトップスピードを重視したもので、そこはヤマハの強みではないからです。それでも今年はここまでとても好調なので、その成果を期待しています。昨年のデータを十分に分析し、前進を目指します」
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team
F・クアルタラロ選手談
「前回のブルノは最高の出来ではありませんでしたが、チャンピオンシップで貴重な9ポイントを加算することができました。このことがとても重要だったと考えています。シュピールベルクは大好きなコースのひとつなので、2週連続のレースをとても楽しみにしています。KTMはここで何度もテストを行っており、たくさんのデータを持っているので、今回もまた手強い存在になるでしょう。このところは天候が変わりやすくなっているので現地到着後にしっかりコンディションを判断しなければなりませんが、私たちは必ず、速さをキープして表彰台に立てると確信しています。最低でも昨年と同様の3位以上を狙います」
F・モルビデリ選手談
「MotoGP初表彰台の感激がようやく落ち着き、少しずつ実感が湧いてきました。あの成功が次へ向かうための大きな励みになりましたし、私たちはトップを走れるチームなのだという自信を与えてくれました。ここシュピールベルクでは、これまであまり良い成績がありませんが、それはただの記録に過ぎません。コンディションをよく見て、最初のフリープラクティスでフィーリングを確認することが重要でしょう。本当に楽しみです」