MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.09 7月2日 ドイツ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第9戦ドイツGP
■開催日:2017年7月2日(日)決勝結果
■開催地:■開催地:ザクセンリンク/ドイツ(3.671km)
■周回数:30周(110.13 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:18度 ■路面温度:26度
■PP:M・マルケス(1分27秒302/ホンダ)
■PP:J・フォルガー(1分21秒442/ヤマハ)
REPORT
Movistar Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスとV・ロッシは、激しいバトルの末に4位と5位を獲得
Movistar Yamaha MotoGPのM・ビニャーレスとV・ロッシは、グリッド後方から果敢にペースを上げて着実にポジションを挽回し、終盤では激しいバトルも見せてそれぞれ4位と5位を獲得した。
ビニャーレスはグリッド11番手から好スタートを切り、順位をひとつ上げてオープニングラップを終了。そのあとの6ラップでタイヤを温めてから、上位グループを追って挽回を開始した。そして2ラップをかけて8番手グループとの差を詰め、さらに間を抜けてその先頭まで浮上。14ラップ目には最終コーナー立ち上がりでA・エスパルガロ(アプリリア)とD・ペトルッチ(ドゥカティ)に並び、ロング・ストレートの終わりまでに6番手に浮上した。
その後も追う手を緩めずさらにペースを上げ、16ラップ目には自己ベストの1分21秒903を記録してA・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)とロッシに接近。数ラップをかけてライバルの走りを観察したあと、20ラップ目に仕掛けてふたりを次々にパス。これで4番手に上がったあとも最後までハイペースをキープし、ロッシに0.727秒差をつけて4位でゴールした。トップとの差は14.253秒。
一方のロッシは、グリッド9番手から飛び出して一気に6番手までジャンプアップ。すぐさま前の5台に仕掛けていった。後方からはC・クラッチロー(ホンダ)のプレッシャーを受けるが決して譲らず、6ラップ目には5番手のJ・ロレンソ(ドゥカティ)に迫ると、1ラップ後にはこれをパスし5番手に浮上した。しかしアドバンテージを広げることはできず、ここにドビツィオーゾも加わって激しいバトルへと発展。この間には順位を下げる場面もあったが、ついにはペトルッチをパスして4番手に上がり、集団の先頭へと躍り出た。
このころ、トップ3台はすでに3秒以上の差を広げていた。ロッシは前方のクリアスペースを埋めようと懸命に走るが、同時にドビツィオーゾやビニャーレスの追撃を抑えなければならず、思うように差を縮めていくことができない。そして最終的にはビニャーレスに先行を許し、そのまま4位と5位で走り切りチェッカーを受けた。ロッシとトップとの差は14.980秒。
4位を獲得したビニャーレスはシリーズポイントを124に伸ばしてランキング2位をキープ。ロッシはわずか5ポイント差の合計119ポイントで、ランキングは4位となっている。ふたりの活躍により、コンストラクターズ・ランキングでは18ポイントをリードしてヤマハがトップ。またMovistar Yamaha MotoGPは、11ポイントをリードしてチーム・ランキングのトップをキープしている。
ヤマハ・ファミリーは、Monster Yamaha Tech3のJ・フォルガーの2位獲得を祝福する。ホーム・グランプリで大活躍を見せたフォルガーは、チームメイトのJ・ザルコに続いてサテライト勢のランキング2位。フォルガーとザルコはシーズン前半戦で目覚ましい成長ぶりを見せており、2017年のルーキー・オブ・ザ・イヤーの有力候補でもある。
MotoGPはこのあと4週間の夏休みに入り、8月の第一周、チェコはブルノ・サーキットでシーズン後半戦を再開する。
Monster Yamaha Tech3のフォルガーが2位獲得の快挙。ザルコも9位と健闘
Monster Yamaha Tech3のJ・フォルガーが、ホーム・グランプリの大観衆の前で見事なパフォーマンス。2位でチェッカーを受け、MotoGP初表彰台を獲得した。グリッド5番手からスタートしたフォルガーは6ラップ目、M・マルケスをパスしてトップに浮上。そのあとしばらくは互いに激しくポジションを入れ替えながらバトルを展開したが、終盤はフォルガーが2番手キープに集中し、ヤマハ勢トップの2位でチェッカーを受けた。
J・ザルコはグリッド19番手からの追い上げ。終始、激しいプッシュを続け、着実にポジションを挽回していった。そして残り2ラップでクラッチローのインに飛び込み9番手へ浮上。さらにペースを上げて最後まで走り切り、見事、9位を獲得した。
次回は4週間後の8月6日、第10戦Monster Energy Grand Prixの決勝がチェコはブルノ・サーキットで開催される。
RACE RESULT
LAP CHART
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
M・ビニャーレス選手談(4位)
「今日のレースで、チャンピオン争いに自信を持てるようになりました。グリッド11番手から、オーバーテイクに時間を費やしながらも4位まで上がり、しかもダニにあと少しというところまで迫ることができました。とてもいい戦いができたということだと思います。できるだけ上を目指してポジションを挽回し、今日の場合は最終的に4位まで上がれました。課題はまだ残っていますが、マシンは総合的にとても素晴らしかったと実感しています。アッセンではミスをおかしてしまったにもかかわらず、ランキングでは依然として2位をキープできています。ここまで苦戦することもありましたが、全体的には非常に順調と言っていいでしょう。この好調を維持するためには、これからますますいい仕事をしなければなりません。とくに予選順位を上げて決勝に備えることが重要で、すべては僕らの努力次第です。僕は自分のライディング・スタイルを修正し、体力的にも強くなって、1か月後にまたここに戻って来ます」
V・ロッシ選手談(5位)
「非常に厳しいウイークでした。今シーズンはこんなことが何度もありましたが、今回もまたたくさんの試練にぶつかりました。それでも決勝では少し挽回しました。スタートからゴールまでハイペースを維持して走り切り、まずまずのレースができたと思います。表彰台争いができればもっと良かったのですが、今日の5位も素晴らしい結果ですし、チャンピオンシップにとっては貴重なポイント獲得になりました。トップとの差はわずか10ポイントですので、タイトルの行方はまだまったくわかりません。夏休みの間は、始めの2週間は友人たちとゆっくり過ごしながら充電し、そのあとトレーニングを開始します。そして次のブルノには、100%の状態で戻って来ますよ」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「厳しい戦いを承知のうえでチャレンジしていきました。スタート前にはまた空模様が怪しくなっていましたが、、ふたりが望むとおり、ドライ・コンディションのままで走り切れるという確信がありました。チームとしての目標は、できるだけ多くのポイントを獲得することです。ふたりはそれを最後まであきらめずに、やり通してくれました。マーベリックもバレンティーノも好レースを展開し、ランキング争いが熾烈を極めるなかで、非常に重要なチャンピオンシップ・ポイントを獲得してくれました。マーベリックは、とくにレース後半で好調ぶりを見せ、着実にペースを上げて11番手から4位まで挽回。バレンティーノは序盤から、とても良かったのですが、4番手まで上がったときには、すでに前の3台がアドバンテージを広げていました。同時に後方からは何度も追撃を受けながら必死でおさえ続け、最後にようやく貴重なポイントを手にすることができたのです。シーズン前半戦は、多くのライダー、多くのコンストラクターが激しいバトルを繰り広げるエキサイティングな展開になりました。そのなかでわれわれは、ライダーとチームのハードワークによって合計4勝をあげ、8回表彰台に上っています。このあとは夏休みをエンジョイして充電します。そして4週間後のチェコGPからまたタイトルをかけて戦いを再開します」
Monster Yamaha Tech3
J・フォルガー選手談(2位)
「I am so happy! それ以外のことばは見つかりません! それどころか自分でもまだ実感が湧かないんです。でも間違いなく僕がマルコと優勝争いをし、ふたりとも素晴らしいパフォーマンスを見せました。結局、勝てませんでしたが、表彰台に上る力があることを証明できました。最高のフィーリングをつかみ、大きな自信につながりました。これまではヨハンのほうが活躍していて、僕はときどきミスをしてしまったりして、まったくいいところがありませんでした。でも今日はついに、自分のポテンシャルをしっかりアピールすることができました。この喜びの瞬間を大いにエンジョイし、ここで勝ち取った成果を次のブルノに、そして残りのシーズンにつなげなければならないと気持ちを新たにしています。チームのみんなの努力に心から感謝です。夏休みをはさみますが、また僕のヤマハに乗れる日を今から楽しみにしています」
J・ザルコ選手談(9位)
「総合的にはとてもいいレースができたと思います。ウイーク初日は好調。2日目は天候が悪く、フリープラクティス第3セッションでは難しいコンディションのなかで転倒してしまいました。それがそのあとの予選に影響し、19番手からのスタートを強いられました。それでも冷静さを失わず、決勝では1ラップ、1ラップを着実に重ねていき、そのなかで前のライダーをひとり、またひとりと交わしました。終盤はとくにライバルたちが苦戦し始め、逆に僕は調子が上がっていったので、7位か8位まで上がれると思っていましたが、残念ながら、ちょっと距離があり過ぎました。それにザクセンリンクは抜くのが難しいコースなので、集団の後方についてしまうとかなり厳しいんです。それでも最後まであきらめずにベストを尽くし、とてもいい経験ができたと思っています。また、ジョナスの2位獲得もとってもうれしいことです。決勝での彼の走りは本当に素晴らしく、チームの全員にとって最高の結果を手にすることができました」
H・ポンシャラル、チーム・マネジャー談
「Monster Yamaha Tech3にとって非常にうれしい結果です。シーズン開幕以来、チームのなかではヨハンのほうが常に好成績を獲得しており、われわれもそれを高く評価してきました。チームとしてしっかり機能するためには強力な両輪が必要なのですが、今までは、どうしても一方だけが強くなってしまっていました。そしてヨハンは、フランスのホームGPで2位獲得の快挙を実現。この時点では、これが2017年のハイライトになると思っていたのですが、今日はジョナスが、まったく同じ方法でわれわれを喜ばせてくれたんです。
シーズン前半戦を振り返れば、チームにとってはまさに夢のような、予想以上の成功です。この喜びは、とてもことばでは言い表せませんし、ライダーたちへの祝福も十分には伝えきれません。しかし、どうしても、みなさんに聞いてもらいたいことがあります。それはTech3のスピリットを表現する出来事で、ヨハンが誰に頼まれたわけでもないのに、ピットロードに降りて行ってジョナスを抱きしめたことです。このようなことは、われわれもほとんど目にしたことがなく、私は非常に感動し、Tech3チームの強い絆を改めて知ることができました。またTech3からMoto2に出場しているエクトル・ガルゾも表彰式に駆け付けてくれましたし、私自身ももちろん、ジョナスを祝福し、心から感謝しています。
でもそれと同時に、オーバーテイクが非常に難しいこのコースで、グリッド19番手から9位まで追い上げたヨハンの活躍も忘れるわけにはいきません。おかげでチャンピオンシップにおいてはランキング6位と7位につけ、ルーキーとして、またサテライト・ライダーとしては1位と2位をキープしています。これ以上に、彼らに何を望めるというのでしょうか。ここまでがんばってくれたTech3チームの全員が、心からリラックスして夏休みを過ごせるよう願っています」