MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.03 4月10日 アメリカズ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第3戦アメリカズGP
■開催日:2016年4月10日(日)決勝結果
■開催地:テキサス州オースティン/サーキット・オブ・ジ・アメリカ(5.513km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:34度
■周回数:21周(115.773 km)
■PP:M・マルケス(2分03秒188/ホンダ)
■FL: M・マルケス(2分04秒682/ホンダ)
REPORT
ロレンソが2位獲得でランキング2位に浮上!
7位のエスパルガロはランキング4位へ
Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソが、テキサス州にあるCOTA(Circuit Of The Americas)で行われたアメリカズGPで2位を獲得し、ランキングも2位へ浮上した。V・ロッシは、3周目走行中に転倒を喫しリタイアとなった。
2番グリッドからいつものように好スタートを切ったロレンソは、ホールショットを奪って真っ先に第1コーナーへ進入した。その序盤は、ハイペースのなかで行われた上位陣とバトルで何度かコーナーではらんでしまい、一時は4番手まで後退。しかし、すぐに挽回して3番手、さらに2番手のA・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)を追った。
その後、第2コーナー進入でドビツィオーゾをとらえて2番手に上がったものの、トップのM・マルケス(ホンダ)のペースをみて作戦を変更。慎重な走りに切り替えて後続を徐々に引き離し、最終的には3位に10秒のアドバンテージを築いてチェッカー。貴重な20ポイントを獲得した。
チームメイトのV・ロッシは、スタートの出遅れにより厳しい展開。それでも懸命に追い上げて少しずつ遅れを取り戻し、上位グループとの差を縮めていった。ところが3ラップ目に第2コーナーで転倒。19ラップを残し、戦列を離れることとなった。
この結果、ロレンソはシリーズポイントを合計45まで伸ばし、ランキング4位から2位へと浮上。ロッシはランキング3位となった。
Monster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロが、テキサスの熱狂的なファンの前で7位を獲得し、ランキング4位へ浮上した。予選13位、グリッド5列目からスタートしたエスパルガロは、序盤から積極的に前へ出てサテライト勢トップを目指した。ハイペースをキープし7ラップ目には10位に上がると、冷静さをキープし後続を引き離しゴールラインを7位で通過。ランキングでは4位に浮上し、チーム・ランキング3位となった。
一方、B・スミスは、不運に見舞われてノーポイントとなった。グリッド4列目から好スタートを切って素早くリズムをつかんだスミス。8ラップ目までに8番手に浮上し、さらに前方を行く3台のグループを射程にとらえていた。しかし第11コーナーで転倒。再スタートを切ってチェッカーまで走り切ったが、17位に留まった。
次回は4月24日、第4戦スペインGP(へレス・サーキット)。いよいよヨーロッパ・ラウンドが幕を開ける。
RACE RESULT
LAP CHART
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
ホルヘ・ロレンソ選手談(2位)
「午前中のセッションではハイスピードから転倒してしまった。その後だっただけに集中することが難しかった。決勝前の数時間で、集中力を高めていって自分自身の気持ちをレースに向かわせた。そして最後まで走り切り、20ポイントを獲得できて本当にうれしいよ。しかし序盤はやはり厳しい状況。滑りやすい路面にリアのハードコンパウンド・タイヤ、しかもフルタンクなわけだから、とくにブレーキングが難しく苦労した。そしていつもはほとんどミスをしない1周目で何度もミスしてしまったんだ。トップを走っていたマルク(マルケス)は今回、プラクティスから決勝までまるで別次元にいて、2位に上がったあとも彼のペースにはついて行くことはできなかった。それでも2位をキープしてチェッカーを受けるには十分な速さがあったからよかった。今日は大勢が転倒しており、完走がいかに難しかったかがわかるだろう。今日はチェッカーを受けることがとても重要だったので満足しているよ」
V・ロッシ選手談(DNF)
「非常に残念。グリッド3位からのスタートだったが、クラッチが滑るので、一旦、気持ちを落ち着かせていたら、その間にポジションを下げてしまった。それでもマシンのフィーリングはとても良かったし、ペースも決して劣ってはいなかった。ウイーク中ずっと充実しており、速さも十分にあったんだ。クラッチのフィーリングも戻ったところだったが、第2コーナー進入で転倒してしまった。自分ではそんな感覚はなかったし、マシンからもそのようなサインは感じられなかったのにペースが速すぎたようだ。チャンピオンシップのポイントを失ってしまったことはもちろん、本当ならとてもいいレースができていたはずだったので、悔しい気持ちでいっぱい。そのなかでも収穫あったとすれば、僕らは依然として力強く非常に速かったこと。次のヘレスに向けてがんばるよ」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「ホルヘの2位獲得は見事な結果。彼は冷静にレースに挑みベストを尽くしてチャンピオンシップポイント(20ポイント)をつかみとった。次戦のヘレスからは多くの好成績を残し、知り尽くしたヨーロッパのサーキットへ移る。その前に今回納得のレースができたことはとても重要だった。バレンティーノのほうは残念な結果になってしまった。クラッチに問題が出て、それが回復し始めると、前との差を縮めるべくペースを上げていったが、途中で転倒を喫してしまった。マシン自体のフィーリングはとても良かった。COTAでの自己ベスト更新の可能性が十分にあっただけに非常に残念だ。これを除けば、初めは少し心配もあったこのサーキットで、セッションのたびに着実に前へ進むことができた。貴重な経験になったので、これを次回に役立てていきたい。次はようやく、今季初めてのヨーロッパ・ラウンド。マシンも戦闘力があり、ホルヘとバレンティーノはともに優勝候補になることは間違いない」
Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(7位)
「マシンのフィーリングはあまり良くなかったが、転倒せずに最後まで走り切ろうとベストを尽くした。フロントにソフトコンパウンドを選択していたが、序盤のフルタンクのときはライバルたちのペースについて行けなかった。燃料が減ってくると少しずつプッシュできるようになり、ブラッドリーとの差を縮められるようになったんだ。ところが突然、前方で何台かが転倒。僕自身も危ない場面があったので、そのあとはペースを落として完走を目指し、貴重なポイントを獲得できた。そしてランキング4位に浮上したことは、今日、誕生日を迎えたチームのボスへのプレゼントになったと思う。グランプリはこのあと、ヨーロッパへ戻る。シーズンはここまで順調なので、これを維持してヘレスを迎えられてうれしいよ。もちろん、次回はさらに上の目標に臨むけれど、今シーズンは、安定が重要な鍵を握ることになりそうだ」
B・スミス選手談(17位)
「残念ながら、ベストとは言えない結果になった。第11コーナーでは、コース上にオイルか何かがあったんだ。ラインをわずかに外れていたが、カル(クラッチロー)がそれに乗って転倒。僕はとっさにブレーキを離したけれども、わずかにラインを外れていて、まったく同じ場所で転倒してしまった。自分のミスではなかっただけに悔しい気持ちでいっぱいだけれど、これがレースであり、時に起こるものなんだ。再スタートしたものの、シフトレバーにダメージがあってシフト・チェンジがままならず、さらにはアンチ・ウイリーも失ってしまったため、十分に攻め切ることができなかった。それでも、僕はチェッカーを目指した。今週もみんなで頑張ってきたのだからね。そして終わってみれば、やはり多くの収穫があった。今回は前の2回に比べて、明らかに序盤からいい走りができていた。ここで失ったポイントを取り返すために、これからたくさんの仕事が待っている」
H・ポンシャラル、チーム・マネジャー談
「COTAは本当にタフで難しく、天候の状態も決して楽ではなかったが、激しいレースでふたりが見せた戦いに満足している。リアタイヤは賭けに出て、ふたりともソフトコンパウンドを選択した。レース終盤まで安定したペースを保つことができたのだから、賭けが当たったようだ。ポルは終盤、フロントがロックするなどかなり厳しい状況だったが、最後までがんばってくれたことに感謝したい。順位自体は劇的ではないかもしれないが、ランキング4位まで上がった。シーズン序盤は、我々にとって厳しいものになることは初めから承知していた。それだけにここで好位置につけ、ヨーロッパ・ラウンド迎えられることに大きな意味がある。
ブラッドリーは非常に残念な結果になった。順調に来ていたので、もっと上を狙えると期待していたが、多くが転倒したあの場所で、彼もわずかにはらんで転倒してしまった。それにもかかわらず、彼は勇敢にもゴールを目指した。これはまさに称賛に値するレース。シフトレバーは完全に壊れてしまっていたので、どうやってシフト・チェンジを行ったのかさえ、見当がつかないほどだ! 結果的にポイントを獲得できなかったことは非常に残念。しかし彼の速さは我々がよく理解しているし、ハードなテストを行ってきたことも知っている。次のヘレスではもっと上を目指していけるだろう」