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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.01 3月20日 カタール

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第1戦カタールGP
■開催日:2016年3月20日(日)決勝結果
■開催地:カタール/ロサイル(5.380km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:23度
■周回数:22周(118.36 km)
■PP:J・ロレンソ(1分54秒543/ヤマハ)
■FL:J・ロレンソ(1分54秒927)

REPORT

ロレンソがポールポジションから優勝!開幕戦を制す

Movistar Yamaha MotoGPの J・ロレンソが2016シーズン開幕戦で優勝。チームメイトのV・ロッシも4位と健闘した。ロレンソは、ロサイル・インターナショナル・サーキットでウイークを通じて好調を維持。決勝もその例外ではなかった。スタートからゴールまでミスなく走り切り、シーズン開幕戦を優勝で飾った。チームメイトのV・ロッシも見事な走り。表彰台にはわずかコンマ1秒届かず4位でチェッカーを受けた。

ロレンソのレースは作戦通り。ポールポジションから完璧なスタートを切り、オープニングラップをリードした。しかしロサイルの1kmを超えるストレートでA・イアンノーネとA・ドビツィオーゾ(いずれもDucati)がテールに迫る。そして一度は先行を許したが、決してあきらめることはなかった。前のふたりが互いに競り合う間はじっとチャンスを待ち、イアンノーネが転倒で戦列を離れたあと、再びトップを目指して勝負をかけた。9周目にロレンソは難なくドビツィオーゾをパス。その後はさらにペースを上げていった。

前方がクリアになったところで本来の走りを存分に見せつけるロレンソ。ドビツィオーゾを完全に振り切るためにYZR-M1の最大のパフォーマンスを引き出し、ラップレコードを更新 (1分54秒927を記録)。少しずつアドバンテージを広げ、最終的には2位に2.019秒差をつけて優勝した。

一方のロッシはグリッド5位の位置から好スタート。すぐさま4位に上がってトップグループに加わった。さらにポジションアップを目指してゆくも、なかなか抜け道が見つからず、逆にM・マルケスに追い上げられる展開。ロッシはその豊富な経験を生かして作戦を変え、ハードコンパウンドのタイヤが優位性を発揮する終盤戦まで待つことにした。

その後、イアンノーネの転倒によって再び4位に上がったロッシ。自己ベストを次々に更新しながら、前を行くマルケスにプレッシャーをかけ、またその前方にいるドビツィオーゾとロレンソの逃げ切りも阻止したい。レース終盤になるとトップ3がさらにペースを上げたため、ロッシも全力でプッシュし続けてマルケスを追って行った。ドビツィオーゾとマルケスの2位争いが最終ラップの最終コーナーまで続き、ロッシにも表彰台の可能性が残っていたが、わずかに届かず4位。トップとの差は2.387秒だった。

ロレンソは25ポイントを獲得してランキングトップ。ロッシは13ポイントでランキング4位につけた。そしてふたりの活躍により、Movistar Yamaha MotoGPは38ポイントを獲得してチーム・ランキングのトップ。次回は2週間後のアルゼンチンGPに臨む。

Monster Yamaha Tech 3のふたりが、それぞれ7位、8位と健闘

Monster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロが、2016シーズン開幕戦で7位を獲得。グリッド9位からスタートしたあと、オープニングラップでふたつポジションを下げたが、ここから見事なペースで挽回を図る。そして6ラップまでにチームメイトのB・スミスをパス。その後も安定したペースを維持しながら、レース中盤にはH・バルベラ(Ducati)を抜いて7位に浮上した。最後の7ラップではヘルメットのシールドの視界が悪くなるも、プッシュを緩めることなく、最終ラップではスミスとの一騎打ち。その結果、エスパルガロが前でゴールし、7位を獲得した。

一方のスミス。最終ラップでチームメイトと競り合い、わずか0.023秒差で届かず8位となった。11位からスタートしたあと、ひとつポジションを上げて1周目を終了。そのあとは素早く決勝ペースをつかんでポジションアップを狙っていった。中盤までに9位に上がりエスパルガロに迫る。最終ラップでは互いに順位を入れ替えるバトルを展開したが、最終的にはわずかに及ばなかった。次回、アルゼンチンGPでは、サテライト勢トップの座を目指す。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(優勝)

「パーフェクト・ライディングで優勝した僕にとっては、今までのすべてのキャリアのなかでも最高のレースのひとつ。とくに最後の3ラップでじりじりと差を広げて勝てたことがうれしいよ。タイヤに関してはちょっとした差が出た。僕はリアにハードコンパウンドを履くとあまりペースを上げられなかったので、ソフトコンパウンドを選択。ハードコンパウンドは本来、終盤にかけてだんだん良くなっていくはずだが、実際にはその逆だったようだ。そしてソフトコンパウンドはだんだん悪くなっていくはずなのに、逆に速くなっていったんだ。この違いが、僕と、ドビツィオーゾやマルケスとの差になったのだと思う。終盤でのハイペースには自分でもびっくり。スライドは激しかったけれど、同時に走りがとてもスムースで、集中力も維持できた。そのおかげでドビツィオーゾが0.4秒、0.5秒、0.3秒などとプレッシャーをかけてきてもナーバスになることなく、好調をキープしてミスなく走り切ることができた。自分の走りとレース運び、そしてチームの仕事ぶりを誇りに思う。新しい電子制御システムを組み込み、素晴らしいマシンにセットアップできたからね」

V・ロッシ選手談(4位)

「最終的には良いレースになった。ペースは最初から最後まで速く、僕は残念ながら、アタックするだけのスピードが足りずにライバルたちの後方にとどまった。戦いの場にはいたけれど、いつもちょっと後ろに下がっていて、本当の勝負は一度もできなかったんだ。もっと速いペースが必要だし、おそらくタイヤチョイスによっても、もう少し良い走りができたかもしれないが、これは僕らにもわからない。ソフトコンパウンドを履いていたとしたら、どうだっただろうか。速かったかもしれないし、遅かったかもしれないと思うんだ。そういうわけで結局、前に出ることができないまま表彰台を逃すことになった。でもスタートもレースもとても良かったんだ。だから課題はあるが、僕らは確かに競争力を持って戦いの場にいるよ。去年のアルゼンチンは後方からハイペースで追い上げ素晴らしいレースができた。でも今年は、とくにタイヤの状況によって違う展開になるだろう。自分たちの今のポテンシャルをしっかり把握しないとね」

M・メレガリ、Movistar Yamaha MotoGP、チーム・ディレクター談

「素晴らしいシーズンのスタートとなった。ホルヘはスタートからフィニッシュまですべてをコントロールし、完璧なレースを見せてくれた。彼自身、そしてチームのハードワークが報われたのだ。バレンティーノのほうもいいレースだった。ただひとつ残念だったのは、おそらくハードコンパウンドのタイヤを選んだことが原因で、少しだけペースが足りなかった。それがなければふたりがそろって表彰台に上っていただろう。ウイーク初日から優勝を目標に決め、それがこうして現実になった。このことは我々にとって大きな自信になり、次のアルゼンチンに臨む我々を後押ししてくれるだろう。チームのみんなの努力に心から感謝している」

Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(7位)

「今日の結果には満足しているよ。2015シーズンのことを思い出すと特にね。去年はマシンにあまり気持ちよく乗れていなかったんだ。でも今年は去年とは違う状況でスタートすることができた。M1のフィーリングが良くなったし、何より僕自身が、前よりずっと強くなったことを確信している。今日はスタートで出遅れてしまったので、そのあとは作戦通りに進まず苦しい展開になった。序盤で何人かに阻まれ、その間にマーベリック(ビナーレス)とダニ(ペドロサ)が逃げてしまった。終盤戦になると彼らふたりも僕と同じようなリズムで走っていたので、それを思うと序盤の遅れがとても悔しいよ。
長いレースだったが、そのなかでチームメイトとバトルし、最終的に競り勝てたことはうれしかった。僕がほとんどの時間帯で好調にリードし、ずっと1秒くらいの差をキープしていた。ところが残り7ラップになって、ヘルメットのなかで汗がシールドに滴り、夜間照明に反射してうまく見えなくなってしまったんだ。このときブラッドリーは1周でコンマ6秒も縮め、最後には抜かれてしまう。でもまた抜き返して、運よく彼の前でゴールすることができた。次のアルゼンチンは間違いなく、今日以上に難しいチャレンジになる。去年はかなり苦しめられた場所だし、とくに気温が高くなれば状況は厳しいだろう。それでも今日同様、100%の力で臨む以外にない」

B・スミス選手談(8位)

「最終結果には満足しているけれど、スタートはまさに最悪の状態。そこからあとはもう、上がる以外にない状況だ。そしてオープニングラップで何台かパスしたら、なんとか他のサテライト勢まで追いつくことができた。あとは自分のリズムに集中し、ミスをしないことを目標にした。加えて、決勝用の新しいセッティングをしっかりと理解し、22ラップのなかでマシンがどんな挙動を見せるのかを確認しようと思ったんだ。そうするうちにレース終盤にはチームメイトとのバトルになり、彼は第1コーナーの進入で非常に強かった。その前には、バルベラがミスする間に前に出て、ようやく前方がクリアになったので、体を伏せて自信満々でプッシュしていった。ポルを追うのは楽しくて、残りの3ラップ、彼とあんなに激しいバトルをしたのは久しぶりだったよ。そして最終ラップ、最終コーナーで勝負。一旦は前に出たが、ゴールラインまでの間に4kgの体重差が明暗を分けた!このようにウイークを通して厳しい戦いだったが、チームは本当に根気よく作業を続けてくれた。全員で集中して、最後には8位を獲得することができたんだ。しかも目標としていたトップ・サテライトにわずか1ポイント差。次のアルゼンチンで取り戻すよ!」

H・ポンシャラル、Monster Yamaha Tech 3チーム・マネジャー談

「このような形で2016シーズンをスタートすることができて非常にうれしい。正直なところ、何が起きるのか、また新型電子制御システムや新しいタイヤによってどんなレース展開になるのか、もちろんシミュレーションしていたが、実際のところは誰にも予想がつかなかった。誰にとっても予想がつかない状況で、我がチームのふたりのライダーは本当に素晴らしい走りをしてくれた。スタートは最高ではなかったものの、ポルもブラッドリーもまずまずの位置につけ、それから懸命にプッシュして何台かパス。そして最終的には立つべきポジションに立ったと思っている。ふたりの間で激しいバトルがあり、私自身もちょっと心配になる場面もあった! しかし彼らは互いに尊敬しあい、わずか0.023秒という差でチームの強さを証明してくれた。サテライト勢のなかの1位と2位を獲得できたことは本当に素晴らしいことだ。ポルは昨年、非常に苦労したが、この冬は懸命に努力してきてそれが報われた。2016シーズンの開幕戦を好調に走り切ったことに満足しており、正直、ここまで戦えるとは思っていなかったのでなおさらうれしい気持ちでいっぱいだ。これから先も、どんどん上位に近づいていけると確信している」

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