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Yamaha Motor Revs Your Heart

レース情報

ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.15 10月11日 日本

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第15戦日本GP
■開催日:2015年10月9日(金)フリー走行総合結果
■開催地:日本/もてぎ(4.801km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:41度

REPORT

J・ロレンソが初日トップ

Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソが、ツインリンクもてぎで行われたフリープラクティス初日に両セッションでトップタイムをマーク。チームメイトのV・ロッシは総合8位となった。

J・ロレンソとV・ロッシは、絶好のコンディションを最大限に利用して順調なスタート。ロレンソは先週のトレーニング中に肩を負傷していたが、それを感じさせないほどの力強い走りで詰めかけた日本のファンを魅了。午前中に行われた第1セッションからハイペースをアピールし、ほどなく1分46秒台に入れてトップに浮上した。その後もほとんどの時間帯でポジションをキープし、最終的には1分45秒432までタイムを短縮した。

第2セッションでも同様に好調な走りを続けるロレンソ。スタートするや一気にペースを上げ、コンスタントに1分45秒台を記録しながら順調に周回を重ねていった。1分45秒426でトップをキープしていたが、セッション終盤になってB・スミスに抜かれて後退。これに奮起したロレンソは身体を伏せてもう一度トライし、1分44秒731まで短縮して総合1位を獲得した。2位との差は0.128秒。

一方のロッシは、ツインリンクもてぎの特徴であるハード・ブレーキングに対処するため、ブレーキディスクを冷却するダクトを採用。これで大型カーボンブレーキ・ディスクを少しずつ暖めながら、1分46秒265を記録して一時トップに浮上。ロレンソに抜かれて後退したあとはおもにセッティング作業に取り組み、1分45秒844まで更新して3位でセッションを終了した。

第2セッションでは、1分45秒785のベストタイムで中盤まで5位をキープ。終盤になって全体のペースが上がると、ロッシもさらに短縮して1分45秒554としたが、順位は8位へと後退。トップのロレンソからは0.823秒差となった。

日本GPではいつものふたりに加えて、全日本選手権JSB100クラスで活躍中の中須賀克行がワイルドカードで出場。中須賀は今年の鈴鹿8時間耐久レースで、B・スミス、P・エスパルガロとチームを組み優勝を果たしている。ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームから60周年記念のデザインを施したYZR-M1を駆り、フリープラクティス初日を23位で終えた。

B・スミスが5番手獲得

Monster Yamaha Tech3のB・スミスが、フリープラクティス初日に総合5位を獲得。ストップ&ゴーのツインリンクもてぎの特徴を素早くつかむと、そのあとはおもに、日曜日の決勝に向けたセッティング作業に取り組んだ。第1セッションの最終ラップでは1分45秒888を記録し、2位に0.061秒差と迫る4位と大健闘を見せた。

第2セッションでも引き続きセッティングの調整に取り組みながら、リアタイヤのソフト・コンパウンドの耐久性をチェック。合計19ラップを走行し、17ラップ目ハード・コンパウンドのリアタイヤで1分45秒250のベストタイムを記録、総合5位で初日を終了した。明日の予選ではサテライト勢トップを目指す。

スミスのチームメイトのP・エスパルガロは総合9位。鈴鹿8時間耐久レースで優勝し、また2013年には、ここもてぎでモト2のタイトル獲得を決定するなど、日本でのレースには良い思い出が多い。セッション序盤でベース・セッティングにモディファイを加え、すぐにペースをつかんで第1セッションは1分46秒323で9位。第2セッションもおもに決勝のための準備に費やし、1分45秒597まで短縮して総合9位を獲得した。スミスとの差はコンマ3秒。明日は自信を持って予選に臨み、グリッドの好位置獲得を狙う。

Forward Racing、もてぎでフリープラクティスをスタート

Forward RacingのL・バズとT・エリアスはセッティング作業に専念し、それぞれ総合24位と25位。

ツインリンクもてぎを初めて走るバズは、今日のフリープラクティスを利用してコースを把握。午後の第2セッションでは転倒があったものの、幸い怪我はなく、1分47秒219のベストタイムでオープンクラス6位を獲得した。

一方、フォワード・レーシングで2回目の出場となるエリアス。フロントのフィーリングが十分につかめないなか、1分47秒626を記録した。

4年目のもてぎで、中須賀、初日総合23番手

中須賀克行にとって今年で4年連続のワイルドカード参戦となる日本グランプリ。毎年、YZR-M1の開発をメインとしてきたが、今年もその例に漏れない。しかし、例年に比べるとマシン開発の進行が早く、車体関係はかなりのレベルで出来上がっているなかでの参戦となった。

迎えた1回目のフリー走行は、気温22度、湿度42%、路面温度は34度と、決して悪くない路面コンディションのなかでYZR-M1を駆り臨んだが、慎重さと緊張感のため18番手の1分47秒184を記録。

2回目のフリー走行では、1回目をわずかに上回る1分47秒096となったが、走行時間残り数分になった90度コーナーでスリップダウンしてしまった。中須賀選手のツインリンクもてぎの自己ベストは1分46秒7。明日の予選では、この自己ベストの更新を狙う。

RESULT

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 J・ロレンソ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'44.731
2 D・ペドロサ Repsol Honda Team Honda 1'44.859
3 A・イアンノーネ Ducati Team Ducati 1'45.043
4 A・ドビツィオーゾ Ducati Team Ducati 1'45.059
5 B・スミス Monster Yamaha Tech3 Yamaha 1'45.250
6 A・エスパルガロ Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1'45.348
7 M・マルケス Repsol Honda Team Honda 1'45.492
8 V・ロッシ Movistar Yamaha MotoGP Yamaha 1'45.554
9 P・エスパルガロ Monster Yamaha Tech3 Yamaha 1'45.597
10 H・バルベラ Avinta Racing Ducati 1'45.645
11 C・クラッチロー CWM LCR Honda Honda 1'45.846
12 S・レディング Estrella Galicia 0.0Marc VDS Honda 1'46.074
13 S・ブラドル Aprilia Racing Team Gresini Aprilia 1'46.371
14 M・ビニャーレス Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 1'46.464
15 J・ミラー CWM LCR Honda Honda 1'46.477
16 Y・ヘルナンデス Octo Pramac Racing Ducati 1'46.563
17 D・ペトルッチ Octo Pramac Racing Ducati 1'46.648
18 高橋 巧 Team HRC with Nissin Honda 1'46.650
19 E・ラバティ Aspar MotoGP Team Honda 1'46.770
20 N・ヘイデン Aspar MotoGP Team Honda 1'46.827
21 M・ディ・ミリオ Avintia Racing Ducati 1'46.934
22 A・バウティスタ Aprilia Racing Team Gresini Aprilia 1'46.974
23 中須賀 克行 Yamaha Factory Racing Team Yamaha 1'47.096
24 L・バズ Forward Racing Yamaha 1'47.219
25 T・エリアス Forward Racing Yamaha 1'47.626
26 A・デ・アンジェリス OctoIoda Racing Team ART 1'48.572
27 秋吉 耕佑 AB Motoracing Honda 1'48.769

COMMENT

Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合1番手/1分44秒731)

「自分でもびっくりだったんだ。とくに第1セッション、こんなに速く走れるとは思っていなかったからね。少しずつ上げていけばいいと思っていたのに、最初からトップに立ち、そこからさらに速くなって、結局は午前も午後もトップを獲得することになった。マシンが去年よりもずっと良くなっているし、セッティングも素晴らしい。肩のコンディションがパーフェクトではないのに、それでもしっかり走ることができ、しかもとても安定しているんだ。もしもこの怪我がなかったとしたら、これよりもっと速く走れるということなんだけれど、それは考えても仕方がないね。それより今の状況に集中し、そのなかで最大限の努力をする。そして明日はさらに良くなるよう、ライディング・スタイルに合わせてセッティングを磨いていく。決勝日に雨が降らないことを祈っている」

V・ロッシ選手談(フリー走行総合8番手/1分45秒554)

「午前中は悪くなかった。そして午後も、硬めのコンパウンドでは悪くなかったんだ。終盤でソフト・コンパウンドを履いたら、もっと良くなると思っていたんだけれど、残念ながらそうはならなかった。セッティングがまだそこまで進んでいなかったということで、これからもっともっと頑張らないと……。データをチェックして、明日以降の方向性を確かめなければならないんだけれど、いつだってそれは簡単なことじゃない。金曜日のプラクティス終盤は、誰もが新品タイヤを履いて早々にペースを上げてくる。去年よりも速くなっているので、僕らもハードワークでトップを目指す!」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「第1セッションが始まるまで、ホルヘの怪我の状態がはっきりわからなかった。ところが始まるやいなや、力強い走りを見せて我々に確信させてくれた。肩の怪我にもかかわらず、素晴らしいラップタイムを記録し、ペースもスピードもまったく問題ないことを明らかにしてくれたのだ。バレンティーノも順調だが、今日のところはまだ、セッティングを好みのものに近づけていくことに集中していた。マシンのパフォーマンスについてはほぼ満足しているが、まだもう少し伸ばせる部分が残っている。明日以降、さらに前進し、さらに強くなって決勝を迎えたい」

Monster Yamaha Tech3
B・スミス選手談(フリー走行総合5番手/1分45秒250)

「何よりもまず、もてぎをエンジョイしているよ。日本のファンはとても素晴らしくて、モトGPに対する情熱を見せてくれるから、いつもここに来るのを楽しみにしているんだ。今日の僕らはとても好調。ここはハード・ブレーキングのポイントが多いので、マシンの安定性向上を一番の目標にしていたが、それがとても順調に進んだんだ。さらには、リアにソフト・コンパウンドのタイヤを履いて多くのラップを重ねることができたし、いくつかのモディファイによって、決勝では終盤までペースをキープできると確信した。また5位を獲得することになったベストラップは、ハード・タイヤで記録したもの。ということはハードもソフトも両方ともしっかり機能してくれているということなので、今日の仕事には総合的に満足できた。明日はリアにソフト・コンパウンドを履いて、もっとたくさんの周回を走り込みたい。決勝で使うことになると思っているので、その方向性を維持し、好成績を目指していきたい」

P・エスパルガロ選手談(フリー走行総合9番手/1分45秒597)

「いくつか悩んだところがあって、今日はちょっと厳しい状況だった。でも明日の予選までには、すべてを解決できると信じているよ。最大の課題はグリップレベルの向上。グリップ不足が起きると、それ以上に、もっと大きな影響が出てしまうんだ。それらの問題の克服を目指して今日は良い仕事ができたと思っているし、明日に向けて進むべき方向もつかんだ。このあとは他のヤマハ・ライダーのデータもチェックして、あとコンマ数秒をどこで短縮できるかを考察。ラップタイムは初日としては十分に良かったんだけれど、理想にはまだほど遠い。あと2日あるので、さらに作業に集中し、日曜日までには立つべきところに立っていられると確信している」

Forward Racing
L・バズ選手談(フリー走行総合24番手/1分47秒219)

「今日がもてぎデビュー。第1セッションではマシンのフィーリング向上を目指し、終始、ハード・コンパウンドのタイヤを履いて走り続けた。そして午後の第2セッションでは2種類のセッティングを乗り比べながら、さらに良いフィーリングを求めていった。転倒してしまい、スペアマシンでセッションを終えたことは残念。でもペースはいい、コースも気に入った。あとはすべての要素をしっかりそろえることで、ラップタイムが上がってくると思う。明日はもっと良くなる。自信はあるよ」

T・エリアス選手談(フリー走行総合25番手/1分47秒626)

「今日の仕事には満足している。ラップタイムよりも課題の克服に重点を置いた。前回のアラゴンと比べれば前進しており、フロントのフィーリングも良くなっている。おかげで以前よりもハードにプッシュできるようになったので、明日の予選では大幅にタイムを短縮できると思う」

Yamaha Factory Racing Team
中須賀 克行選手談(フリー走行総合23番手/1分47秒096)

「フリー走行2回目で転倒してしまいましたが、固めのタイヤをチョイスしていて、それが自分のライディングに合っていませんでした。スリップダウンで、僕自身に怪我はありませんでしたが、その瞬間は、スタッフのみんなに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。今年は、バレンティーノやホルヘをイメージして、走り方もより彼らに近づけられるようチャレンジしながらマシン開発に努めています。開発ライダーとして少しは進化していると思うけれど、今回はもう少しタイムを上げていきたい。なぜなら、マシンの開発自体は昨年よりもペースが早くて、車体関係はいい形で仕上がっているからです。自分のベストタイムが1分46秒7なので、少なくともそれ以上のタイムを出したい。今日は転倒してしまいましたが、これで気も楽になったし、もう少しレース域に持っていかないとロッシやロレンソの言っていることが、本当には理解できないので、明日は改めて気持ちを引き締めてタイムを上げていきます」

尾方宏彰、チーム監督

「日本GPでは毎年のことですが、中須賀克行選手には今回もYZR-M1のテストしてもらっています。このマシンでは、ただ単にラップタイムを上げればいいというわけではなく、さまざまなシチュエーションを想定。たとえばロッシ選手とロレンソ選手の走行データを把握してもらい、ロッシ選手の乗り方だったらどう感じるか、ロレンソ選手だったらどうかをトライしているのです。言い換えれば、中須賀選手には仮想ロッシ選手、仮想ロレンソ選手として走ってもらい、意見を聞いています。もちろんこれは誰にでもできることではなく、中須賀選手だからこそ可能な仕事です。ただし、日本GPはレースであり、さらに今年は60周年記念特別カラーのマシンでエントリーしているので、中須賀選手のファン、ヤマハファン、ロードレースファンのみなさんに応援していただけるよう、明日からはしっかりとマシンを仕上げ決勝に臨みたいと思っています」

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