ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.14 9月27日 アラゴン
RACE DATA
■大会名称:第14戦アラゴンGP
■開催日:2015年9月26日(土)予選結果
■開催地:アラゴン/スペイン
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:36度
■PP:M・マルケス(1分46秒635/ホンダ)
REPORT
ロレンソがグリッド1列目、ロッシが2列目を獲得!
Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソとV・ロッシはフリープラクティスで好調をキープし、公式予選の15分間のタイムアタックでも強さを発揮。
ロレンソは早々に1分47秒080を記録して一時トップに立ったあと、ひとつ下げて2位へ。2回のピットインを行う作戦によって、残り9分で最初のマシン交換。1分後にコースに戻るとラップタイムは1分46秒743へ更新したが、順位を上げることはできなかった。そこですぐまたピットに戻り、2度目のマシン交換を行って残り3分でコースに復帰。1分後に戻ると最後のチャンスに賭けて全力でプッシュし、もう一度1分46秒台を記録するとともに4つのセクションすべてで最速をアピールしたが、やはり順位は変わらず、トップにわずか0.108秒差で2位となった。
一方のロッシも限界まで攻める走り。集団を先に行かせてからコースに入り、前方が開けた状態で素早くペースアップ。まず1分48秒039で6位につけ、1分47秒652に更新しひとつ順位を上げた。残り7分弱でピットに戻り、タイヤを新品に交換してコースに復帰したが、この間に7位まで後退。残り4分半ほどで何としてもポジションアップを図るべく強い決意で臨んだ。アタックのチャンスは2回。ロッシは最後のチャンスを待って1分47秒492へと更新し、6位へ上げた。トップとの差は0.857秒。
エスパルガロが予選4位を獲得
Monster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロが予選4位を獲得し、サテライト勢ではトップに立った。午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでは、昨日に引き続きセッティング作業を行いながら、1分48秒449のベストタイムを記録して7位。総合順位は8位で直接Q2へ進出した。15分間のタイムアタックが始まると、早々にYZR-M1に跨り上位獲得を目指してコースイン。ペースを組み立ててからペースを上げてゆき、全7ラップ中の6ラップ目で1分47秒334のベストタイムを記録。これで3位にコンマ1秒差と迫る4位を獲得し、明日の決勝ではセカンドロウのトップのポジションからのスタートが決定した。ファクトリー勢にできる限り近づき、6位以内でゴールすることが明日の目標。
一方、エスパルガロのチームメイトのB・スミスは4列目のトップの位置を確保。フリープラクティス第3セッションでは転倒があり11位に留まったが、昨日の第2セッションで記録した1分48秒318のタイムで総合7位が決定。これでQ2に進出し、15分間のタイムアタックに臨んだ。このなかで昨年の予選タイムを1秒更新する1分47秒830を記録して10位。セカンドロウまでコンマ3秒差と迫りながらも、グリッドは4列目に留まった。明日の決勝ではロケットスタートを狙い、サテライト勢トップを目指す。
バズとエリアスは苦戦
Forward RacingのL・バズとT・エリアスは、それぞれ22位と25位。バズは午前中プラクティス・セッションで転倒して首に軽い怪我。それでもフリープラクティス第4セッションに出場し、オープンクラスのライバルたちとの差を詰めるべくタイム更新を目指した。そしてセッションをクラス・トップで終えると、予選では1分49秒496を記録して22位を獲得。オープンクラスのリーダー、ラバティとの差はコンマ4秒だった。
一方、Forward Racingでのデビュー戦となるエリアスも健闘。今日もラップタイムを更新して予選では1分50秒755を記録。オープンクラスのライバルたちにコンマ6秒差まで近づいた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'46.635 |
2 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'46.743 |
3 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'47.178 |
4 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'47.334 |
5 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'47.357 |
6 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'47.492 |
7 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'47.573 |
8 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'47.574 |
9 | D・ペトルッチ | Pramac Racing | Ducati | 1'47.775 |
10 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'47.830 |
11 | Y・ヘルナンデス | Pramac Racing | Ducati | 1'48.556 |
12 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'48.648 |
13 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'48.294 |
14 | S・レディング | Estrella Galicia 0.0 Marc VDS | Honda | 1'48.674 |
15 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'49.035 |
16 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'49.102 |
17 | S・ブラドル | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'49.109 |
18 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'49.253 |
19 | H・バルベラ | Avinta Racing | Ducati | 1'49.426 |
20 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'49.436 |
21 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'49.437 |
22 | L・バズ | Forward Yamaha | Yamaha | 1'49.496 |
23 | K・アブラハム | AB Motoracing | Honda | 1'49.761 |
24 | A・デ・アンジェリス | Octo IodaRacing Team | ART | 1'50.134 |
25 | T・エリアス | Forward Yamaha | Yamaha | 1'50.755 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選2位/1分46秒743)
「タイムを見たときにはとてもうれしかったよ。なぜって、このコースでポールポジションを目指すのはいつもすごく大変なんだ。ライバルたちのマシンのほうが、どうやら少し力が強く、ここではいつも彼らのほうがまさっていたんだ。僕にとっては1分46秒7というタイムが信じられないほどで、前の記録を1秒以上も更新できたことがうれしいし、誇りに思うよ。チームとともに良い仕事ができたからこそ、この素晴らしいタイムが出たんだ。明日のために、これからまた細かいところを詰めていかなければならないが、現時点ですでにマシンのフィーリングも良く、コース全体での挙動も気に入っている。すべてはチームのおかげ」
V・ロッシ選手談(予選6位/1分47秒429)
「今日はちょっと苦しんだ。午前中までは悪くなかったんだけれど、午後からの予選ではあまりいいところがなかった。僕自身のペースはとても良かったが、気温が上がったことでタイヤへの負担が大きくなり、何周かするとスライドが激しくなってリズムを崩してしまったんだ。このあとの課題はバランスを向上させてコーナー進入のブレーキングを楽にすること。明日の朝のウォームアップでセッティングを修正し、ペースも上げていきたい。ライバルたちがとても速いので、いつも以上に厳しい状況になっているが、僕らとしてはとにかくトライあるのみ!」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「昨日の好調に続き、今日も非常に順調に運ぶことができた。いつものようにホルヘとバレンティーノは100%の力を出し切り、予選ででき得る限り最高のポジションを獲得してくれたと思っている。ホルヘは1分46秒台を何度も記録して優勝候補のひとりであることをアピールし、フロントロウを獲得。バレンティーノもよく頑張って2列目に滑り込んだ。明日は必ず好スタートを狙い、トップグループに加わっていくだろう。マシンについては、まだいくつか調整したい部分が残っている。明日のウォームアップまでにしっかり準備したい。決勝は厳しい戦いになるが、全力で臨む」
Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(予選4位/1分47秒334)
「予選4位という結果はとてもうれしいし、決勝のグリッドとしても良い場所だ。とは言え、今日の走行は決して楽なものではなく、とくにフリープラクティス第4セッションでリアにユーズド・タイヤを履いたときには、グリップ不足に悩まされたよ。でもこれで予選では新品タイヤが2本残っており、またコンディションも完全に変化したので自信を持てるようになった。最初の走行で限界点を見極め、そのあと2本目のタイヤを装着して全力でぶつかっていった。その結果がこの順位というわけだ。このコースはスタート直後の第1コーナーが危ないところだし、他にもいくつか、コースの初めのほうでブレーキングが難しいコーナーがある。だからこそ、前のほうからスタートできることがとても重要なんだ」
B・スミス選手談(予選10位/1分47秒830)
「今までに比べれば、明日のグリッド・ポジションは少し後ろのほうになってしまったけれど、今回は初日からずっと好調な走りをキープできているので心配はしていない。午前中のセッションでは転倒もあったが、このコースは最初の瞬間からフィーリングがとても良かったんだ。だから決勝ではいつものように、トップ6を狙っていくよ。でも正直なところ、転倒の原因が何だったのかは、まだはっきりわかっていないんだ。ひとつの可能性として考えられるのは、タイヤがしっかり暖まっていなかったことだけれど…。いずれにしても、Q2のなかでは1分47秒8から9を狙っていて、実際にこれを3ラップにわたって記録することができたので、決勝にも必ず役立ってくれるだろう。明日の朝のウォームアップ・セッションで、もう少し詳細を分析してから、決勝での作戦を最終決定したい。そこからが本当の戦い。好スタートを決めて上位グループについて行くことが目標」
Forward Racing
L・バズ選手談(予選22位/1分49秒496)
「午前中の転倒は本当に残念。僕がちょっとしたミスをしてしまい、そのあとは成す術なくコース上に落ちてしまった。これでセッションを棒に振り、また首の筋肉に痛みも残ってしまった。そういうわけで予選は万全の状態で臨むことができず、痛みがあったのでリスクをおかすことはできなかった。後方からのスタートになるけれど、オープンクラスのライバルたちからは、それほど大きく離されたわけではないので、明日はまたいつものように、好バトルを目指して挑んでいけると思う」
T・エリアス選手談(予選25位/1分50秒755)
「今日もいろいろなことがあった。午前中は気温が低くてペースをキープすることが難しかったが、午後からの予選では、オープンクラスのライバルとの差を縮めることができた。このあとも作業を続け、マシンをもっと学ばなければならない。でも今日のところはハッピーだし、良い方向へと進んでいることは間違いない。あとはただ時間をかけ、周回数を重ねてフィーリング向上を目指すだけ。決勝でライバルたちについて行くためには、セッションのたびに着実に良くなっていくことが大切だからね」