ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.11 8月16日 チェコ
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第11戦チェコGP
■開催日:2015年8月15日(土)予選結果
■開催地:チェコ共和国/ブルノ(5.403km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度 ■路面温度:40度
■PP:J・ロレンソ(1分54秒989/ヤマハ)
REPORT
Movistar Yamaha MotoGPの2人がダブル・フロントロウ
Movistar Yamaha MotoGPPのJ・ロレンソとV・ロッシが予選で大健闘。ロレンソはラップレコードを塗り替えてポールポジションを獲得。ロッシも3位に入り、今季2度目のフロントロウを獲得した。ロレンソとの差は0.364秒。ヤマハ・ファクトリー・チームのふたりが揃ってフロントロウに並ぶのは、2014年のミサノ以来。
フリープラクティスの第3、第4セッションで絶好調をアピールしていたロレンソが、予選セッションでも強さを発揮。前方にスペースを空けて最後尾からコースインし、すぐに仕事に取り掛かった。最初のアタックで、自らが持つラップレコードを更新する1分55秒238をたたき出していきなりトップに浮上。その後、残り7分半でピットに戻ってタイヤを交換し、残り時間6分弱のなかでさらにペースアップを目指した。そして、次のアタックではついに、1分55秒の壁を破る1分54秒989を記録。その後の2ラップではタイムを更新することができなかったが、トップをキープして終了し、ポールポジションからのスタートが決定した。
一方のロッシも午前中のフリープラクティスから絶好調。気温が高くなった予選セッションでも、予選タイヤの特徴を生かす素晴らしい走りを見せた。ロッシは早々にコースインしたものの、すぐにまたピットイン。残り12分でコースに復帰し、最初のラップは1分56秒345で7位につけた。その後ライバルたちが次々にタイヤ交換を始めるなか、ロッシは走行を続けて1分55秒856まで更新。これで4位に上がり、残り4分というぎりぎりのタイミングでピットに戻りタイヤ交換を行った。この間にも5位へ後退していたロッシは、1分とかからずコースに復帰すると、最後のアタックで1分55秒353へ更新。これで3位へ浮上し、フロントロウを確実にした。
B・スミスが今季最高の予選5位
Monster Yamaha Tech3のB・スミスが、今季最高の予選5位を獲得。チャンピオンシップではランキング5位につけているスミス。午前中に行われたフリープラクティス第3セッションでは1分56秒195を記録して総合4位。これでQ2へ進出し、予選セッションが始まるやすぐにマシンに飛び乗りアタックを開始した。5.4㎞のブルノ・サーキットを合計7ラップ走行したスミスは、昨年のポール・タイムを0.125秒上回る1分55秒460を記録。フロントロウまでコンマ1秒と迫り、グリッド2列目の真ん中のポジションを獲得した。
スミスのチームメイトのP・エスパルガロも予選8位と健闘。午前中のフリープラクティスでは1分56秒484を記録。スミスとの差はわずかコンマ3秒だったが、トップ10に0.013秒届かず11位に留まった。予選第1セッションに臨んだエスパルガロは1分56秒212へ更新してトップに立った。続いて行われたQ2では、最後に残ったタイヤを温存してセッション中盤になってコースインし、3ラップを走行して自己ベストとなる1分55秒955を記録。セカンドロウまで0.020秒という僅差につけ、明日の決勝は3列目の真ん中からスタートする。
L・バズが予選18位、オープンクラスでは3番手
Forward RacingのL・バズとC・コルティは、それぞれ18位と24位。明日の決勝は6列目と8列目からのスタートとなる。
バズは、オープンクラスでH・バルベラとM・ディ・ミリオ(いずれもドゥカティ)に続く3番手。決勝では好スタートを決めて、チャンピオンシップのライバルに遅れずについて行くことが課題となる。一方のコルティは、予選セッションで1分59秒145を記録して昨日までのタイムを1秒近く短縮した。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'54.989 |
2 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'55.063 |
3 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'55.353 |
4 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'55.390 |
5 | B・スミス | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'55.460 |
6 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'55.935 |
7 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'55.954 |
8 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech3 | Yamaha | 1'55.955 |
9 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'55.969 |
10 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'56.192 |
11 | H・バルベラ | Avinta Racing | Ducati | 1'56.399 |
12 | Y・ヘルナンデス | Octo Pramac Racing | Ducati | 1'56.739 |
13 | D・ペトルッチ | Octo Pramac Racing | Ducati | 1'56.713 |
14 | S・レディング | Estrella Galicia 0.0Marc VDS | Honda | 1'56.765 |
15 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'56.806 |
16 | S・ブラドル | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'57.133 |
17 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'57.215 |
18 | L・バズ | Forward Racing | Yamaha | 1'57.540 |
19 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'57.552 |
20 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'57.634 |
21 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'57.645 |
22 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'57.855 |
23 | A・デ・アンジェリス | OctoIoda Racing Team | ART | 1'58.599 |
24 | C・コルティ | Forward Racing | Yamaha | 1'59.145 |
25 | K・アブラハム | AB Motoracing | Honda | 1'59.903 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選1位/1分54秒989)
「ふたつのラップタイムを自分で誇りに思うよ。なぜなら、ひとつめはふたつめと同じくらいに印象的なものだったけれど、ポールポジションにはわずかに足りなかったんだ。そしてセッション終盤を迎えて、マルクを抑えるためには、あとコンマ2、3秒は更新しなければならない状態。あのときはラップタイムのことは考えていなかったし、マルクやバレンティーノがそこまで行けるとも思っていなかった。ところがみんなが懸命にプッシュして大幅にタイムを更新。僕も最高の、ほとんど完璧な走りでポールポジションを獲得することができたんだ。実際には最終コーナーでホイールスピンが出てしまったんだけれど、完全に完璧なラップなど不可能。だから今日のこの走りで満足しなければいけないだろう。ベース・セッティングがとても素晴らしいので、明日はきっといい走りができる。天気がどうなるか、ライバルたちがどんな走りをするか最初の何周かは様子を見るだろう。でも自信は十分あるよ」
V・ロッシ選手談(予選3位/1分55秒353)
「ホルヘとマルクは序盤から非常に速いので、フロントロウを獲得できたことには大きな意味がある。後ろから追いかけることになると、彼らについて行くのはとても不可能だからね。だから今日のこの結果はとてもうれしいよ。今日は午前中から好調だったんだけれど、午後になってさらにセッティングが向上し、ペースもかなり良くなっていた。明日はハードなレースになるだろうから、さっきも言ったように、フロントロウからスタートすることが本当に重要なんだ」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「ホルヘは見事なポールポジション。最初のラップも素晴らしかったが、2回目の走行ではさらに良くなった。バレンティーノのほうも本当にいい走りを見せてくれて、3位でフロントロウを獲得できたことを喜んでいる。ふたりともマシン・セッティングが順調。明日のウォームアップでさらに向上を目指し、同時に、天候を見ながらタイヤ・チョイスも行うことにしている。気温もレースも非常に熱くなるだろうが、自信はある」
Monster Yamaha Tech3
B・スミス選手談(予選5位/1分55秒460)
「夏休みのあとの2戦で、続けてセカンドロウを獲得することができた。今まではレース序盤で離されてしまうことが多かったので、シーズン後半戦は予選ポジションを上げることを目標にしているんだ。だから今日の結果はとてもうれしいよ。フリープラクティス第4セッションでは、いくつか異なるセッティングを試してみて、良いものもそうでもないものもあったが、チームがそれらをうまく組み合わせてくれて、結局、今まで乗ったことのないセッティングでQ2に臨むことになったんだ。リスクはあったけれど、チームのおかげでとても良いものが出来上がっていたので、とても感謝している。ポールポジションからわずかコンマ5秒。そしてファクトリー・ヤマハとフロントロウを競り合ったのだから満足していいと思う。1ラップのペースでは、トップ5が大きく抜きん出ているが、決勝では状況も変わるだろう。長く、タフな戦いになるので、好スタートが必須。タイヤ・チョイスも重要なポイントだ。今夜はおもにタイヤの耐久性向上を目指して作業を行い、明日の朝それをテストする。でも今日までですでに、とても素晴らしいマシンを得ており、明日も良い仕事ができると確信している」
P・エスパルガロ選手談(予選8位/1分55秒955)
「とても厳しい展開になってしまった。マシンに関しては今までとは違う問題が出てきて、セッティングを適切に進めることができなかったんだ。とくにグリップ・レベルが下がったときに影響が大きくなってしまうんだけれど、未だに十分な解決策が見つからずに苦労している。QP1にも出場することになったし、QP2ではタイヤが1セットしか残っていなかった。そのなかでセカンドロウまで100分の2秒差まで近づけたことはうれしいよ。もちろん望んでいたポジションではないけれど、明日のウォームアップ・セッションで調整し、必ず厳しくなるであろうレースに備えたい。ここまでの上り調子をキープできるように、できるかぎり上を目指してベストを尽くす」
Forward Racing
L・バズ選手談(予選18位/1分57秒540)
「完璧な予選というわけにはいかなかったけれど、完全にアンハッピーというわけではない。目標にしていたのは15位で、オープンクラスのトップにできるだけ近づこうと思っていたけれど、残念ながら、とくにフロントに苦労して思うようにプッシュしていくことができなかった。明日の決勝は厳しいものになるだろう。気温も天気もまったくの未知の状態だからね」
C・コルティ選手談(予選24位/1分59秒145)
「今年のモトGPは非常にハイレベル。そのなかでここまでできたことをうれしく思う。昨日に比べて1秒近く速くなったことにも満足しているよ。1度レースを経験しただけだけれど、今回はとても順調に進んでいると思う。昨日はフル・タンクでテストを行ってフィーリングが良かったので、明日もきっとうまくいくと信じているよ」