ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.08 6月27日 オランダ
RACE DATA
■大会名称:第8戦オランダGP
■開催日:2015年6月26日(金)予選結果
■開催地:アッセン/オランダ
■コースコンディション:ドライ
■気温:23度 ■路面温度:37度
■PP:V・ロッシ(1分32秒627/ヤマハ)
REPORT
ロッシが“聖地”でPP、開幕から連続表彰台を狙う!
Movistar Yamaha MotoGPのV・ロッシがドライ・コンディションの下で好タイムをマーク。ラップレコードを更新する1分32秒627で自己通算61回目のポールポジションを獲得した。チームメイトのJ・ロレンソは思うような走りができないまま8位に留まった。
フリープラクティス第4セッションまでに総合トップに立っていたロッシは、15分間の公式予選でさらなるタイム短縮を狙っていた。真っ先にピットレーンを離れて最初のラップで8番手。2周目は順位を上げることができなかったが、3周目で5位へ浮上した。残り7分でピットに戻って新品タイヤに交換。1分後にコースに復帰した直後に一旦8位へ後退したが、このことで一層モチベーションが上がって最後のアタックへ。フロントロウ獲得を目指して全力で挑むと、ついには1分32秒627という見事なタイム。昨年、M・マルケス(ホンダ)が記録したサーキット・レコードを0.835秒も上回る速さでポールポジションを確実にした。
一方、ロレンソは4戦連続のフロントロウ獲得はならなかった。いつもとは逆の作戦をとり、前方に十分なスペースを空けてから最後尾でコースイン。最初のラップで1分33秒146を記録してトップに立ったが、その後4位へ後退。次の周回で0.029秒短縮して3位へ上がったあと、ピットに戻ってタイヤを新品に交換した。コースに復帰したときには残り6分。次のアタックで1分33秒044へ短縮し、一時はトップに0.415秒差まで迫る2位へ浮上したが、終盤、ライバルたちがペースを上げたことで順位を下げた。ロレンソはグリッド2列目を逃し、3列目の真ん中から決勝をスタートする。
エスパルガロがアッセンTTの予選で5位獲得
Monster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロが、予選で素晴らしい走りを見せて5位を獲得。決勝はセカンドロウの真ん中からスタートすることとなった。午前中に行われたフリープラクティスでは1分33秒660のベストタイムで9位を獲得。これで直接QP2へと進出し、15分間のタイムアタックが始まるや否や一気に飛び出してトップを目指してた。そのまま8ラップを走って1分33秒013を記録。フロントロウまでわずか0.127秒という好調ぶりで、この勢いそのままに明日の決勝ではトップ6を目指す。
一方、チームメイトのB・スミスは12位からのスタート。フリープラクティス第3セッションでは1分33秒387を記録し、トップから0.220秒差の5位につけた。その後のQP2では1分33秒236へと更新したものの、順位を下げて4列目最後尾からのスタートが決定した。ラップタイムではエスパルガロにコンマ2秒ほど遅れただけだが、激しい接近戦のなかでグリッドでは水をあけられることとなった。決勝ではロケットスタートを成功させてサテライト勢トップを目指す。ここ2戦で続いたトップ5フィニッシュの再現を狙っている。
ブラドルがオープンクラスのポールポジション
明日の土曜日にオランダGP決勝が開催される伝統のアッセン・サーキットにおいて、Athinà Forward Racingが好調ぶりを発揮。S・ブラドルとL・バズは昨日のプラクティスセッション同様、オープンクラスでトップをキープし、ともにグリッド5列目を獲得した。
わずかコンマ2秒差でQ2進出を逃したブラドルだったが、1分33秒789でオープンクラストップ、総合順位では13位につけた。決勝での目標は、前回の好調を再現し、ランキングで先行されているH・バルベラとの差を縮めること。
一方のバズは1分33秒999のベストタイムでブラドルにコンマ2秒差の総合15位。体調を崩しており100%の状態ではないが、明日の決勝では再び、ポイント獲得を目指す。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'32.627 |
2 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'32.858 |
3 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'32.886 |
4 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'32.987 |
5 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'33.013 |
6 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'33.016 |
7 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'33.028 |
8 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'33.042 |
9 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'33.076 |
10 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'33.112 |
11 | D・ペトルッチ | Pramac Racing | Ducati | 1'33.126 |
12 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'33.236 |
13 | S・ブラドル | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'33.789 |
14 | Y・ヘルナンデス | Pramac Racing | Ducati | 1'33.875 |
15 | L・バズ | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'33.999 |
16 | S・レディング | Estrella Galicia 0.0 Marc VDS | Honda | 1'34.071 |
17 | H・バルベラ | Avinta Racing | Ducati | 1'34.223 |
18 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'34.289 |
19 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'34.428 |
20 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'34.645 |
21 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'34.736 |
22 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'34.972 |
23 | A・デ・アンジェリス | Octo IodaRacing Team | ART | 1'35.189 |
24 | M・メランドリ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'36.376 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
V・ロッシ選手談(予選1位/1分32秒672)
「僕にとってアッセンは特別なレース。素晴らしいコースだから大のお気に入りで、ここにはたくさんの素晴らしい思い出もあるんだ。優勝はもちろん、それ以外にもいくつもの重要な戦いがここで展開されてきた。予選の今日もすでに大勢の観客がコース脇に集まってくれていた。こうしたことが僕らに力を与えてくれて、そのなかで獲得したポールポジションは、とくに僕にとっては本当に特別なものになる。なぜならそんなに何度も経験できることではないからね。このポールポジションは明日の決勝で大いに活かされるだろう。今回はウイーク初日からとても好調で、マシンはベースのセッティングがうまくいって好感触を得ることができた。このことがとても大きかったと思っているよ。予選はこれまであまり良いところがなくて、2列目や3列目からのスタートが続いていたので、今度こそフロントロウを獲得したいと心から願っていたんだ」
J・ロレンソ選手談(予選8位/1分33秒042)
「マシンは昨日に比べて格段に良くなっていて、そのことにはとても満足しているんだ。フリープラクティス第4セッションでは中古タイヤで好調に走ることができたが、予選になると残念ながら、好タイムにつなげることができなかった。4ラップを同じような状態で走り、結局、どのラップでも十分な速さを発揮することができないまま終わってしまった。その結果、初めての3列目スタート。第1コーナーと第3コーナーはとても気持ち良く速く走れるのに、第2コーナーと第4コーナーは、とくに予選中は何かが足りずに遅れてしまった。全体のペースは悪くないが、明日までにいくつかの部分でもう少し改善が必要な状況だ。明日はまず好スタートを切ること。決勝はとても長いので、そのなかで雨が降らないことを願うばかり。あとは忍耐力を維持して少しずつ確実に挽回していけるようベストを尽くす」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「バレンティーノは見事なポールポジション! なかなか見られない素晴らしいものだ。チーム全体が協力し合い、決勝に向けて準備を整え、また予選でも最大限の努力を惜しまなかった。バレンティーノはマシンのセッティングに満足している。しかしそれでもまだ、明日のウォームアップまでに改善したい部分は残っているようだ。ホルヘのほうもフィーリングが良くなってきて、フリープラクティスでは速さと安定性を見せていた。予選は残念ながら期待通りにいかず、3列目からのスタートとなってしまったが、明日はまたトップへと戻ってきてくれるに違いない。厳しいレースになるだろうが、そのなかで我々は必ず重要な優勝候補になると確信している」
Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(予選5位/1分33秒013)
「セカンドロウ・スタートは何戦かぶりなので、今日の5位獲得はうれしいよ。予選セッションはかなりタイトだったけれど、そのなかで1ラップ、このような速さで走れたことに喜んでいるんだ。それが昨日のプラクティス終了時点の目標だったからね。このことによって、明日の決勝では好位置からスタートすることができるようになった。フリープラクティス第4セッションで試した変更は、残念ながら期待通りには機能してくれず、グリップレベルが低い状態でアグレッシブに攻めていくことができなかった。そこでセッティングを元に戻し、新品タイヤを履いたら一気に状況が好転したんだ。これからさらに作業を続けて明日のウォームアップに備え、午後からの決勝に万全を期したい」
B・スミス選手談(予選12位/1分33秒236)
「決勝に照準を合わせ、マシンのフィーリングを重視してきた。だからあとわずかコンマ2秒で5位まで上がれるという状況に、ちょっとは悔しさが残るけれど、それ以外は非常にポジティブにとらえているんだ。フリープラクティス第4セッションではいくつか異なるセッティングを試し、それが良い方向性を指し示してくれて決勝にも活かされるように思えた。これをもとに選択肢を絞り、QP2に備えてセッティング変更も考えたが、結局は前のものをキープすることにしたんだ。もしかしたら変更のリスクに賭けるべきだったのかもしれない。でもやっぱりそれはギャンブルであって、何かを保証するものではないと思うんだ。それでもコンマ2秒を獲り損ねたことは確かなんだ。予選で12位に留まったことで戦いを難しくさせてしまったわけだけれど、スタートで力強く飛び出すことによって上位グループに食い込めるかもしれない。今日のラップタイムを見る限り、決勝は激しい接近戦になるだろう。しかもここはコース幅が狭いため、パスポイントを見つけるのはいつも以上に難しいと思う。でもマシンは好調。26ラップの決勝を楽しみにしているよ!」
Athinà Forward Racing
S・ブラドル選手談(予選13位/1分33秒789)
「今日の結果には大満足。ムジェロ、カタルニア以降、総合的に大幅な進歩を果たせている。安定性と速さを証明し、オープンクラスで勝利を目指せることをアピールできていると思うんだ。明日は長く厳しい戦いになり、タイヤは最初の数ラップで消耗し始めるだろう。その状況にしっかり対処しないといけない」
L・バズ選手談(予選15位/1分33秒999)
「腸内ウイルスにやられてしまって体調が万全でないことを考えれば、この予選結果は悪くないと思う。フリープラクティス第4セッションではリアが流れそうになることがあったが、予選を前に解決策を見つけることができた。オープンクラス・トップのステファンにあとわずかコンマ2秒なので、僕もきっと、ポイント獲得を目指していいレースができると信じている。クリニカ・モバイルの医師たちに感謝。彼らのおかげで予選に出場することができたのだから」