ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.07 6月14日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:第7戦カタルニアGP
■開催日:2015年6月13日(土)予選結果
■開催地:カタルニア/スペイン
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度 ■路面温度:42度
■PP:A・エスパルガロ(1分40秒546/スズキ)
REPORT
ロレンソが地元の声援を受け予選3位、フロントロウ獲得!
Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソが、予選3位を獲得して地元ファンを喜ばせた。Q2に出場したすべてのライダーが1秒以内にひしめく接戦。ロレンソのチームメイトのV・ロッシもハードにプッシュし、最後のアタックで勝負をかけて7位を獲得した。決勝グリッドはロレンソから2列後ろの3列目。
地元ファンの期待に応えたいロレンソは、真っ先にピットを離れて15分間のタイムアタックに挑んだ。1分41秒008の好タイムをマークしてトップに立ったあとピットに戻り、残り9分でスペアマシンに乗り換えて再びコースイン。この間に3位まで後退したが、完璧な走りで1分40秒646へと短縮し、再びトップに返り咲いた。さらに残り時間4分を切ったところで素早くピットに戻り、もう一度マシンを乗り換えて最後のアタックを行った。しかし、ここでのタイム短縮は叶わず。最終順位はトップから0.1秒差の3位となった。
一方のロッシはピットストップを1回にする作戦でタイムアタックをセッション終盤に設定。12人中の中ほどを常にキープしながら、前方にスペースが空くのを待った。最初のアタックで7位へ上がったものの、ライバルたちもペースを上げたためふたつポジションダウン。2回目のアタックでハードにプッシュして1分41秒257を記録すると、再び7位へ浮上した。このあとピットに戻って前後タイヤを新品に交換し、残り7分をきった時間帯に再度コースイン。2分後にアタックを開始したが、ここではタイムを更新できず、最終ラップでの挽回に賭けることになった。ロッシが最後のクリアラップを走る間にセッション終了を知らせる合図が出されたが、このチャンスを逃さず1分41秒058へと更新。これで9位から7位へ上げて終了した。トップとの差は0.512秒。
スミスが8位と健闘
Monster Yamaha Tech 3のB・スミスが予選で8位を獲得。決勝は3列目からのスタートとなった。午前中に行われたフリープラクティス第3セッションで10位に入り、直接Q2に進んだスミス。15分間のタイムアタックのなかで合計7ラップを走行し、1分41秒068のベストタイムをマークした。トップとの差はわずかコンマ5秒。またトップスピードではヤマハ勢最速の399.9km/hを記録した。明日の決勝ではファクトリー勢のすぐ後ろでのバトルを目指す。
スミスのチームメイトのP・エスパルガロは11位。フリープラクティス第3セッションでは5位獲得と好調で、Q2では上位のグリッドを狙って気迫あふれる走りを見せた。6ラップ目に1分41秒385を記録し、7ラップ目にはさらにタイムアタックを図ったが、その第1コーナーで不運にも転倒してその後のアタックはならなかった。それでも昨年と比べればコンマ3秒も速くなっており、明日の決勝ではスタートで前へ出てサテライト勢トップのバトルに加わることが目標。
ブラドルがオープンクラス2位となる15位
Athinà Forward YamahaのS・ブラドルとL・バズは、それぞれ15位と19位。ともに自己ベストを記録しており、1分42秒053と1分42秒592。決勝では今回もオープンクラスのトップを目指す。
ブラドルは終始、H・バルベラとオープンクラスのトップを競ったが届かず、5列目からのスタートが決定した。一方のバズはチャタリングの問題が出てペースが上がらず7列目から決勝に臨む。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'40.546 |
2 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'40.629 |
3 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'40.646 |
4 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'40.754 |
5 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'40.907 |
6 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'40.928 |
7 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'41.058 |
8 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.068 |
9 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'41.195 |
10 | Y・ヘルナンデス | Pramac Racing | Ducati | 1'41.333 |
11 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'41.385 |
12 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'41.524 |
13 | H・バルベラ | Avinta Racing | Ducati | 1'42.003 |
14 | S・レディング | Estrella Galicia 0.0 Marc VDS | Honda | 1'42.029 |
15 | S・ブラドル | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'42.053 |
16 | D・ペトルッチ | Pramac Racing | Ducati | 1'42.155 |
17 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'42.273 |
18 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'42.485 |
19 | L・バズ | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'42.592 |
20 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'42.600 |
21 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'42.928 |
22 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'42.971 |
23 | A・デ・アンジェリス | Octo IodaRacing Team | ART | 1'43.601 |
24 | M・メランドリ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'44.345 |
25 | K・アブラハム | AB Motoracing | Honda | 1'43.008(FP1) |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選3位/1分40秒646)
「わずかの差でポールポジションを逃してしまった。予選セッションのために3本のタイヤを用意していたが、最後のトライで残念ながらミス。第3コーナー進入が速すぎて、少し大回りになってしまったんだ。このコーナーで大回りをしてしまうと、マシンが跳ねて安定性を失う。それでマシンを少し立てなければならなくなり、ここでコンマ3秒遅れてしまったんだ。このラップはそこまで順調に来ていたので本当に悔しかったよ。でも1分40秒6を出すのは簡単なことではないから、それを思えば走り自体には満足できる。いつも1ラップの勝負に強いライバルたちより前に並ぶことができたしね。決勝のことを考えればフロントロウがとても重要。スタートのあとはペース良く走れると思う。午前中のセッションでは10ラップにわたって1分41秒1をキープすることができたが、明日の決勝は午後2時からだから同じペースは難しいかもしれない。なるべく今日と似たような、あるいはちょっとだけスローなペースで走りたい」
V・ロッシ選手談(予選7位/1分41秒058)
「セッティングも順調だし、予選セッションの展開にも満足している。昨日の時点ですでにマシンのバランスが良くなっていて、最終コーナー立ち上がりもうまくできた。だからマシンには信頼を置いており、今日も決して悪くはなかったんだ。ユーズド・タイヤでのペースも良かったので、このことが明日の決勝で役にたってくれるだろう。それでも決勝スタートまでにやらなければならないことが、まだいくつか残っている。ウォームアップでいくつか試し、小さなモディファイも加えることになるだろう。決勝ではいつものように、スタートで飛び出して序盤の2、3周で上位につくことが重要。そのあとはタイヤが消耗してくる後半戦のペースを読みながら走り切るだけ」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「全体的にはとても順調だったと思う。ホルヘはフロントロウを獲得。しかもミディアム・タイヤを履いたなかではトップだった。彼はすべてのセッションで速さをキープして安定していた。このことがとても重要なのだ。バレンティーノも昨日よりはずっと良くなって、マシンのフィーリングも向上した。グリッドは3列目となったが、彼の能力はよく承知している。我々も今日は夜を徹して作業に取り組み、これまでの情報やデータを生かせるよう努力する。そして明日のウォームアップで最後の調整を行う予定だ。長く厳しいレースになるだろうが、我々はここまで良い仕事ができているので自信はある」
Monster Yamaha Tech 3
B・スミス選手談(予選8位/1分41秒068)
「昨日までが苦しかったので、今日の予選結果には満足しているよ。問題解決のためにいくつもの方法を試してみたが、期待していたものはうまくいかず、むしろ賭けに出た選択肢のほうがようやく機能してくれたという感じ。このようにして予選に備え、リアグリップの問題も解決したので好タイムをマークすることができた。8位という順位自体にも満足。3列目だし、バレンティーノのとなり、カルの前なんだから戦いのスタートには絶好の位置だよ。さらに言えば、明日朝のウォームアップで新しいセッティングを試すことも、とても楽しみにしているんだ。それによってどれくらいペースが上がるか気になっている。長く苦しいレースになることは間違いないが、依然として非常にポジティブ。25ラップをしっかり走り切るために全力を尽くすよ。このコースはミスをおかしやすく、フロントからの転倒を何台か見てきた。これに対処するためできるだけ多くのデータを読まなければならない。自信はあるし、準備も整っている。明日はもう一度、トップ6以内を狙っていく」
P・エスパルガロ選手談(予選11位/1分41秒385)
「今日はふたつのストーリーがあった。午前中のフリープラクティスは好調で、とても気持ちよく乗れていた。昨日の小さな変更が功を奏し、マシンのセットアップもうまくいっていたんだ。ところが午後になって気温が急上昇するとグリップのレベルが落ちて、思うようにペースやリズムをつかめなくなってしまった。だから、状況を把握するためデータを見直して解決策を練らなければならない。もしもこの問題を解決しないままスタートすればレースは非常に難しいものになってしまうからね。この他にも、リアタイヤにも問題が出てしまった。以前にも経験したことのあるもので、これによって最初の数ラップがうまくいかなかったんだ。けれど、いつものように次のラップは良くなるだろうと考えてそのまま走り続けた。ピットに戻ってタイヤを交換したときにはマシンのフィーリングもかなり改善されてベストタイムを記録することもできたが、やはりまだ自信が持てなかった。そのあと残り時間が少なくなってきたのでもう少しハードにプッシュしたら、路面の凹凸に乗って転倒してしまった。このことは本当に残念。これがなければあとコンマ2、3秒短縮し、フロントロウを獲得できていたのに… 11位からだと力強いスタートが不可欠。そしてそこから追い上げていくだけ。ベストを尽くして戦うけれど、厳しい状況は間違いないだろう」
Athinà Forward Yamaha
S・ブラドル選手談(予選15位/1分42秒053)
「満足しているよ。昨日より進化できたし、最後までオープンクラスのポールを競り合うことができたからね。決勝についても気持ちはポジティブ。予選セッションのほとんどの時間帯で単独走行ができたのも良かったし、決勝に向けて順調な展開になったと思う。目標はチェッカーを受け、ポイントを獲得すること」
L・バズ選手談(予選19位/1分42秒592)
「ここまでは良い仕事ができたけれど、予選セッションではタイヤのチャタリングがひどく、プッシュすることができなかった。データを分析して解決策を見つけ、明日の朝のウォームアップに備える。そして決勝用セッティングでのペースアップを目指すよ」