ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.07 6月14日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:第7戦カタルニアGP
■開催日:2015年6月12日(金)フリー走行総合結果
■開催地:カタルニア/スペイン
■コースコンディション:ドライ
■気温:27度 ■路面温度:40度
REPORT
ロレンソが7番手。ロッシが11番手で初日を終了
Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソとV・ロッシが、モンスター・エナジー・カタルニアGPのフリープラクティスに臨んだ。
暑さのため難しい路面コンディションとなったが、ロレンソは地元ファンの声援を受けてコンスタントにペースアップ。第1セッションの序盤で1分42秒458の好タイムを記録し、一気に2番手につけた。その後はマシン・セッティングに専念したためタイム更新はならず、4番手に後退してセッションを終了した。
午後になるといくらかコンディションが良くなり、気持ちよくYZR-M1を走らせて1分42秒034へ更新。これで再び2位へと上がったが、セッション終盤になり他のペースが上がってくると7位へと後退した。
チームメイトのロッシも、コースの勘を素早く取り戻してカタルニアをエンジョイ。最初のアタックで2番手のタイムを記録したあとさらに1分42秒938まで上げたが、終盤でポジションを下げて8位となった。
第2セッションも同じような展開となり、序盤で素早く2位へ上げたあとは決勝用のマシン・セッティングに専念。終盤で再びタイムアタックを行い、1分42秒367のベストラップを記録すると一時3位へ浮上したが、その後のライバルたちのペースアップにより11位へ後退して終了した。
総合順位ではロレンソがトップから0.876秒差の7位、ロッシが1.209秒差の11位。
エスパルガロがホームGPで好調
Monster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロが、熱狂的な母国ファンの前で好調をアピール。フリープラクティス初日に総合9位につけた。午前中の第1セッションはYZR-M1のセッティングを確認しながら14位。第2セッションでは気温が上がるなか、さらなるセッティング向上を目指して作業を続け、合計20ラップを走行して1分42秒313のベストラップを記録した。明日の予選ではトップ獲得を目指す。
一方、チームメイトのB・スミスは総合14位。第1セッションではチームとともにマシンのセッティング変更を行い15位。第2セッションは開始早々から全力で取り組み、誰よりも多い21ラップを走り切って13位へと上げた。ベストラップは1分42秒645。明日は決勝用セッティングにさらに調整を加える予定。
バズが第2セッションで42秒台に入れ16番手
Athinà Forward YamahaのS・ブラドルとL・バズは、決勝用セッティングでペースアップを図るためにフロント周りに新しい解決策にトライ。今週末もオープンクラスのトップを目指して挑む。
ブラドルは午前中のセッションで速さを見せたが、コーナー進入でのフィーリングをつかむことができず、午後のセッションでも改善できなかった。ベストラップは1分43秒536で22位。一方のバズは第2セッションでフロントのフィーリング向上に成功。これによって1分42秒968へ更新して16位につけた。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'41.158 |
2 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'41.443 |
3 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'41.789 |
4 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'41.823 |
5 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'41.922 |
6 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'41.938 |
7 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'42.034 |
8 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'42.044 |
9 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'42.313 |
10 | S・レディング | Estrella Galicia 0.0 Marc VDS | Honda | 1'42.354 |
11 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'42.367 |
12 | Y・ヘルナンデス | Pramac Racing | Ducati | 1'42.417 |
13 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'42.623 |
14 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'42.645 |
15 | H・バルベラ | Avinta Racing | Ducati | 1'42.697 |
16 | L・バズ | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'42.968 |
17 | D・ペトルッチ | Pramac Racing | Ducati | 1'42.995 |
18 | K・アブラハム | AB Motoracing | Honda | 1'43.008 |
19 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'43.351 |
20 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'43.369 |
21 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'43.463 |
22 | S・ブラドル | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'43.536 |
23 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'43.760 |
24 | A・デ・アンジェリス | Octo IodaRacing Team | ART | 1'44.614 |
25 | M・メランドリ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'45.270 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(フリー走行総合7番手/1分42秒034)
「午前も午後もいい仕事ができたと思う。午前中は路面コンディションが悪く、前回のムジェロに比べてグリップがかなり劣っていたため、とくにコーナー立ち上がりの加速でマシンの挙動が激しくなってしまった。そこで安定性を高めるための作業を行い、午後のセッションでは問題が解決されてコンスタントにペースをキープすることができるようになったんだ。これは日曜日の決勝のためにとても重要なこと。このコースでは、1周目よりもレース中盤のほうが格段にペースが上がる。だからセッティングがうまくいけば、レースの最後にはアドバンテージを握っていることになるんだ」
V・ロッシ選手談(フリー走行総合11番手/1分42秒367)
「ウイークのスタートとして悪くはなかったと思う。最終的にはセッティングやマシンのバランスが向上し、フィーリングも決して悪くなかった。ただ順位についてはちょっと心配している。トップ10から外れてしまったからね。実際、ライバルたちがみな激しくプッシュして素晴らしいタイムを出していた。僕のほうもマシンのフィーリングは良かったしペースも悪くなかったんだ。明日はもっとタイムを短縮してポジションを上げられるよう頑張らなくちゃ。明日の天候悪化の可能性を考えて、多くのライダーがQ2進出のためにトップ10入りを目指した。僕は1分42秒3くらいで十分にポジションを確保できると考えていたが、レディングが上回り11位になってしまったんだ。でもマシンのフィーリングのほうがもっと大切。あとは明日の天気が良くなることを祈ろう」
M・メレガリ、チーム・ディレクター談
「今日は、とくに第1セッションでコンディションがヤマハに味方してくれなかったが、時間が経つにつれて少しずつ良くなってきた。最終順位には十分に反映されなかったが、マシンのセッティングも一日のなかでかなり改善された。とくにホルヘのラップタイムの安定性には満足している。バレンティーノのほうはもう少し作業が必要だが、間に合わせる自信はある。ライダーたちが満足していない部分についてはこれから改善に取り組み、必要なパフォーマンスを達成できると確信している」
Monster Yamaha Tech 3
P・エスパルガロ選手談(フリー走行総合9番手/1分42秒313)
「全体的にはとても満足しているよ。実際、タイムシートに表示された結果よりも、ずっといいパフォーマンスができたんだ。いつもと同様、僕らにはハンディがあって、ソフト・コンパウンドのタイヤを履いたオープンクラスのマシンたちが僕らよりも前にいる。さらにはドゥカティ勢がエンジンの特性を生かしてロング・ストレートで明らかなアドバンテージを持っているんだ。そうしたなかで僕らもとても素晴らしい仕事ができたと思う。ロレンソのすぐ後ろにつけることができて、ロッシは僕よりも後ろにいるんだからね。マシンは好調で、依然として改善すべきところは残っているけれども、決勝に向けて最良の方法で準備を進められている」
B・スミス選手談(フリー走行総合14番手/1分42秒645)
「ちょっと難しいスタートになってしまった。路面のグリップが以前よりもいくらか落ちていて、適切なトラクションを確保するのに苦労しているんだ。それでも明日以降に備えて良い方向性を見つけようと多くのセッティング変更を行い、さらには前後タイヤをチェックすることもできた。プラクティス終盤には、ラップタイムを上げることよりもソフト・コンパウンドのタイヤでリズムをつかむことに集中。決勝ではこのタイヤを使うことになると思うので、これでコンスタントに1分42秒台をキープすることを目指した。マシンには満足しているが、あとはもう少しグリップがほしいところ。それができたら、きっと力強い走りをお見せすることができるし、希望通りの順位でチェッカーを受けることができるはずなんだ」
Athinà Forward Yamaha
L・バズ選手談(フリー走行総合16番手/1分42秒968)
「一日中、セッティング向上のための作業に取り組んだ。新しい解決策も試して、今は良い方向へと向かっていると感
じている。午後になると少しずつ効果があらわれ、電子制御システムについてはかなり改善されてきた。前後とも新品のタイヤでプッシュすることができたのでハッピー。午後のセッションで大幅に前進できたことはよかったが、明日はもっとペースを上げていかなければならないと思っているよ」
S・ブラドル選手談(フリー走行総合22番手/1分43秒536)
「午前中のセッションは好調だったんだ。さらに改善しようといろいろ試していたが、コーナー進入で思い通りに素早いマシン操作ができない。それでスピードが落ちてしまうんだ。でも依然としてポジティブな気持ちは失っていないよ。明日も引き続きセッティング作業に取り組み、最善を尽くすだけ」