ロードレース世界選手権 MotoGP(モトGP)
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.01 3月29日 カタール
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第1戦カタールGP
■開催日:2015年3月28日(土)予選結果
■開催地:カタール/ロサイル・サーキット(5.380km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度 ■路面温度:27度
■PP:A・ドビツィオーゾ(1分54秒113/ドゥカティ)
REPORT
大接戦の予選でロレンソがセカンドロウを獲得
Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソとV・ロッシは、ロサイル・インターナショナル・サーキットで夜間に行われた公式予選で、それぞれ6位と8位を獲得した。
15分間の予選セッションでロレンソは、前方にスペースが空くのを待って最後尾からスタート。すぐさまペースを上げ、1回目のアタックで1分55秒の壁を破って1分54秒803を記録しポジションは4位とした。残り時間5分を切ったところでタイヤを新品に履き替え、最後のアタックにすべてをかけて臨んだロレンソ。タイムは1分54秒711へと更新したものの、順位では6位へ後退してこの日の走行を終了した。トップとの差は0.598秒。
一方のロッシは早々にコースインし、多くの時間をタイムアタックに費やした。序盤で1分55秒192を記録して一時、4位につけたが、その後8位まで後退。次に1分54秒995へ短縮すると、ふたつ上げて6位となった。このあとタイヤを交換して再度アタックに臨み、1分54秒851まで更新。これで一時は7位につけていたが、ライバルたちのペースが上がると8位へ後退した。トップとの差は0.738秒だった。
スミスが7位を獲得
Monster Yamaha Tech 3のB・スミスが予選7位を獲得し、グリッド3列目先頭を確保。フリープラクティス4回目で7位と好調な走りを見せていたスミス。クオリファイ1では懸命の努力で1分55秒235を記録し、そのあとに行われた15分間のタイムアタックに臨んだ。そしてそこでもさらにタイムを更新して1分54秒732のベストラップを記録すると、見事、7位を獲得した。上位11人が1秒以内にひしめく大混戦で、スミスのタイムもトップからわずか0.6秒差。明日の決勝も期待される。
一方、チームメイトのP・エスパルガロは予選10位。フリープラクティス4回目は6位と好調。その後、クオリファイに2出場し、激しい戦いのなかで1分55秒004のベストタイムを記録した。フロントロウまでコンマ5秒という僅差だがグリッドは4列目。
ブラドル18位・6列目を獲得
Athinà Forward YamahaのS・ブラドルとL・バズは、それぞれ18位と23位。ブラドルは公式予選の前に行われた最終フリープラクティス中に電子制御システムの不具合を発見。スペアマシンで臨んだQ1で1分55秒791の好タイムをマークして18位、グリッド6列目を獲得した。
一方、昨日のフリープラクティスで転倒したチームメイトのバズは、フロントのフィーリングに自信を得られないままタイムアタックに臨み23番手。グリッド8列目から決勝をスタートする。
RESULT
順位 | ライダー | チーム | マシン | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | A・ドビツィオーゾ | Ducati Team | Ducati | 1'54.113 |
2 | D・ペドロサ | Repsol Honda Team | Honda | 1'54.330 |
3 | M・マルケス | Repsol Honda Team | Honda | 1'54.437 |
4 | A・イアンノーネ | Ducati Team | Ducati | 1'54.521 |
5 | Y・ヘルナンデス | Pramac Racing | Ducati | 1'54.675 |
6 | J・ロレンソ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'54.711 |
7 | B・スミス | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'54.732 |
8 | V・ロッシ | Movistar Yamaha MotoGP | Yamaha | 1'54.851 |
9 | D・ペトルッチ | Pramac Racing | Ducati | 1'54.876 |
10 | P・エスパルガロ | Monster Yamaha Tech 3 | Yamaha | 1'55.004 |
11 | A・エスパルガロ | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'55.035 |
12 | C・クラッチロー | CWM LCR Honda | Honda | 1'55.123 |
13 | M・ビニャーレス | Team SUZUKI ECSTAR | Suzuki | 1'55.246 |
14 | S・レディング | EG 0.0 Marc VDS | Honda | 1'55.428 |
15 | H・バルベラ | Avintia Racing | Ducati | 1'55.604 |
16 | M・ディ・ミリオ | Avintia Racing | Ducati | 1'55.729 |
17 | N・ヘイデン | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'55.756 |
18 | S・ブラドル | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'55.791 |
19 | E・ラバティ | Aspar MotoGP Team | Honda | 1'55.848 |
20 | K・アブラハム | AB Motoracing | Honda | 1'55.892 |
21 | A・バウティスタ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'56.187 |
22 | J・ミラー | CWM LCR Honda | Honda | 1'56.287 |
23 | L・バズ | Athinà Forward Yamaha | Yamaha | 1'56.454 |
24 | A・デ・アンジェリス | Octo IodaRacing Team | ART | 1'56.793 |
25 | M・メランドリ | Aprilia Racing Team Gresini | Aprilia | 1'57.934 |
COMMENT
Movistar Yamaha MotoGP
J・ロレンソ選手談(予選6位/1分54秒711)
「多くのライダーがエキストラ・タイヤを用意していたことを考えれば、今日の結果は決して悪くない。僕らはまだセッティングが完璧には決まっておらず、ここでの優勝は簡単ではないだろう。4回目のフリープラクティスで使用したタイヤはまったくグリップしてくれなかったが、予選セッションでは幸運にも、最初に履いたタイヤがとても良かったんだ。2本目は少しグリップが落ちたが、それでも悪くはなかった。このようなコースコンディションのなかでは、まずまずの好タイムが出たと思っているよ。もちろんまだ作業が必要だ。明日の決勝では、長い距離をソフトコンパウンドで走ればどうなるだろうか。最後までペースをキープすることは難しいだろうが、僕自身は体力的にも精神的にも、最大限の努力を尽くす準備ができている」
V・ロッシ選手談(予選8位/1分54秒851)
「もっと上のポジションを狙っていたんだけれど、この結果もそれほど悪くはない。もちろん3列目よりも2列目のほうがいいに決まっているけれど、マシンはペース良く走ってくれているし、フィーリングも上々だ。ペースは悪くないが、マルケスやドビツィオーゾのほうがもっと上ということ。でもまだ土曜日だから、これからさらに向上を目指して作業を続けるよ。そして明日の決勝でもっとペースを上げるために、タイヤをできるだけセーブする方法を考える」
M・メレガリ、チームディレクター談
「ふたりとも、また一歩前進した。我々チームのほうは、明日のウォームアップまでにリアタイヤの耐久性を上げる方法を見つけたい。ライダーたちは気持ちよくマシンに乗っていて、マシンの挙動には満足している。明日は多くのライダーが上位グループを目指す序盤が非常に厳しい戦いになるだろう。でも最終的に勝利をかけて戦うことになるのは、わずか2、3人に絞られる。ウォームアップでマシンセッティングを完璧にできるよう努力を続け、決勝に備えたい」
Monster Yamaha Tech 3
B・スミス選手談(予選8位/1分54秒732)
「今日はとてもいい走りができた。しかも2列目まであとほんのちょっとということころまで近づくことができてとてもうれしいよ。QP1に出場しなければならなかったので決して楽ではなかったし、それに加えて、ここまでずっとタイヤについて悩んでいたんだ。昨日のタイヤはあまり良くなくて、今日のQP1でも同じことが起きた。そこでタイヤを交換し、それ以外は何ひとつ変更も調整もせずにコンマ5秒も短縮することができたんだ。とにかく明日は7番グリッドから上位を目指していくよ。決勝用セッティングでのペースはとてもいいので、自信を持って今季初めての戦いに臨める。昨日は思い通りにいかなかったが、今日はすべてを賭けてここまで来ることができた。そして準備が整った」
P・エスパルガロ選手談(予選10位/1分55秒004)
「総合的に考えれば、決してひどく落ち込むようなことではないはず。最終のフリープラクティスはとても好調で、ここまでずっと悩まされてきた中古タイヤの問題をクリアにすることができた。ところが、そのあと新品タイヤで予選に出場したら、また新たな課題が見えてきてしまった。これは明日までに調整していかなければならない。いずれにしてもマシン自体は非常に好調。決勝への準備も整っている。4列目からのスタートはもちろん楽ではないし、ドゥカティ勢が、とくにタイヤを消耗する前の序盤の戦いではかなり手強い存在になるだろう。それでも僕らのリズムも悪くないので、スタートで積極的に攻めていくことができれば、前のライダーを何人かパスして上位を目指していけるよ」
Athinà Forward Yamaha
S・ブラドル選手談(予選18位/1分55秒791)
「予選結果に満足だとは言えない。最終のフリープラクティスではエンジンに不具合が見つかってピットイン。公式予選でも電子制御システムとリアタイヤが十分に機能せず、またチャタリングの問題も発生して思い通りにプッシュすることができなかった。これからデータを分析し、明日の決勝に照準を合わせていく」
L・バズ選手談(予選23位/1分56秒454)
「昨日の転倒で、プラクティスが他のライダーよりひとつ少なくなってしまった。最終プラクティスでもっと多くの周回を走りたかったが、電子制御システムの不具合があり思うようにならなかった。それでも決勝については依然として前向きな気持ちでいる。それ以外に重要になるのは、フロントのフィーリングを向上させて自信を持って走れるようにすること、好スタートを切ること、そして上位グループに逃げられないようについていくことだ」