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全日本トライアル選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど IAスーパーに関する情報をお届けします。

Rd.05 7月16日 北海道・和寒

RACE DATA

■開催日:2023年7月16日
■開催地:北海道・わっさむサーキット
■観客:700人
■気温:25度
■天候:雨のち晴れ
■競技:10セクション×2ラップ+SS-2セクション
■持ち時間:4時間30分(10セクション×2ラップ)
■最多クリーン数:小川友幸(ホンダ)/8

REPORT

最新型電動トライアルバイク「TY-E 2.2」がデビュー
黒山が3位で2戦連続での表彰台を獲得、野崎は5位を獲得

全日本トライアル選手権シリーズ(全8戦)は後半戦へと突入、第5戦 北海道・和寒大会は今年も上川郡和寒町の「わっさむサーキット」で開催された。

最高峰の国際A級スーパークラスに「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から参戦する#2黒山健一は、今大会から新型の電動トライアルバイク「TY-E 2.2」で参戦。前回第4戦では最終セクションまで優勝を争い2位で初の表彰台を獲得しているだけに、今回はニューマシンでさらなる上位、そして優勝を狙う構えだ。黒山自身、「2位の上はもう1位しかないので、優勝めざしてしっかり頑張ります。TY-E 2.2のデビュー戦は、僕にとっては2回目の開幕戦となります」と気合十分で今大会に臨んだ。

一方、「Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA」の#4野崎史高は今年もエンジン車の「TYS250Fi」で参戦。第3戦は終始力強い走りで今季初優勝を獲得。第4戦は5位に甘んじていたが、今大会で挽回をめざした。

北海道大会における過去10年の戦績は、8回行われた和寒大会で小川友幸(ホンダ)が7勝と圧倒的な強さを誇っているが、黒山も和寒で過去に1勝している。小川(友)の戦績を覆すことはできるかどうか、その意味でも大きな注目を集めた。

国際A級スーパークラスの競技は15名が出走、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名だけがより難易度が高くて見ごたえがある2つのスペシャル・セクション(SS)で雌雄を決する。前日は1日雨だったため、当日は路面がぬかるんだところも多く、非常に滑りやすいコンディションだった。そして、セクションも非常に難易度が高く、北海道の大自然の急斜面や大岩、コンクリートのブロックなどがライダーたちの行く手を阻んだ。結果的に、優勝者の減点数は55と、今季これまでの勝者の最多減点51をさらに上回るものだった。

そんな厳しい状況の中で黒山は、セクションの出口目前での減点5が目立ち、ニューマシンのポテンシャルを生かしきれない状況。実際、第1セクションは減点1、第4セクションは減点3、そして第6セクションはクリーン(減点0で走破)したものの、他の7つのセクションはすべて減点5という厳しい結果だった。1ラップ目を終了した時点の黒山は6番手と出遅れていた。とはいえ5番手の田中善弘とはわずか1点差。4番手の野崎とは3点差。そして3番手の小川(友)とは5点差、2番手の氏川政哉は8点差、1ラップ目トップの柴田暁とは11点差と、まだまだ2ラップ目に逆転を狙える点差につけていた。

太陽が顔を見せ路面が乾いてコンディションが良くなってきた2ラップ目は、黒山がニューマシンの特性を発揮して、減点を1ラップ目の半分近くに減らすパフォーマンスを披露。2ラップ目に1ラップ目よりも多く減点を増やした柴田と、思うようには減点を減らせなかった野崎や田中らを逆転して、黒山が2ラップ目終了時点では一気に3番手にまで追い上げた。ただし、2ラップ目終了時点でトップの氏川とは10点差、同2番手の小川(友)とは9点差があり、SSでの逆転は容易ではない状況となっていた。

そして迎えたSS-1、黒山はセクション半ばの岩場の難所で、惜しくも失敗したが、SS-1出口の大岩登りにチャレンジして、黒山はそこを鮮やかに走破して大観衆を沸かせた。このSS-1で氏川は減点5、小川(友)は減点1となり、この時点で小川(友)が氏川を逆転してトップ、氏川は2番手。この2人がSS-2で1位2位を争うこととなった。一方、黒山の3位は、わずか1点差で柴田が背後に迫っていた。

迎えた最後のセクション、SS-2。この最終セクションを走破することができたのは、結果的に小川(友)、氏川、黒山の上位3選手のみ。しかも優勝した小川(友)が減点2、氏川は減点3となった土壇場の超難関を黒山&新型電動トライアルバイク「TY-E 2.2」だけが、最少減点1で走破することができた。黒山は「TY-E 2.2」のデビュー戦を最高のライディングでしめくくるとともに、「TY-E 2.2」での初戦からいきなりの3位表彰台(「TY-E 2.1」での前回2位に続く2戦連続表彰台となる)を獲得、後半戦開始早々好スタートを切ったのだった。

ポイントランキングは、黒山が4位のまま、今回5位となったランキング3位野崎との差を3ポイントに縮めている。つまり、電動バイクで昨年のランキング2位に迫る可能性も出てきたのだった。

次回第6戦・広島・三次灰塚大会は8月27日、広島県の灰塚ダムトライアルパークで行われる。

RESULT

RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

黒山健一選手談(3位)

「今大会も無事に終了しました。結果は3位ということで、TY-E 2.2デビュー戦、僕としては大満足ではないですけども小満足くらいです。僕の調子、バイクの調子以前に僕はまだバイクのことをちゃんと理解していなくて、ちゃんとバイクをコントロールできなかったのが、この3位になってしまった原因です。2.2は間違いなく全てにおいてレベルアップしていますので、僕自身がもう少しレベルアップしないとバイクを扱えないということが証明されました。次の中国大会までにはしっかり練習して学んで、あとはもう2位か1位しかないので、そこを狙ってしっかり頑張りますので、みなさん応援をよろしくお願いします」

佐藤美之監督談

「表彰台3位を獲得できたということは非常に嬉しかったですし、良かったと思います。やはりTY-E 2.2のデビューでもあったものですから、私たちも非常に心配はしていたのですけれども、黒山選手がTY-E 2.2の性能をフルに発揮してもらって、なんとか3位を獲得することができたというところです。1ラップ目はかなり苦戦をしたのですけれども、2ラップ目にコースがある程度回復したところで黒山選手の力をいかんなく発揮できたことが、今回の表彰台につながったかなと思っています。2.2をさらに熟成させて、次の大会に挑みたいと思いますので、応援またよろしくお願いいたします」

Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA

野崎史高選手談(5位)

「応援ありがとうございました。結果は5位のまま、上に上がることなくSSを終えてしまいました。全体を通してもったいないというか、最後で5点となってしまうとかタイムオーバーで5点になってしまうこともあったので、そのへんを修正しないといけません。セクションが理解を超えているようなハードさだったので、苦しい状況にはなってしまったのですけれど、あと3戦、優勝のみめざして頑張りますので、また応援よろしくお願いいたします」

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