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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.02 11月27-28 中国・広島

RACE DATA

■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2021第2戦 中国大会
■開催日:2021年11月28日(日)
■会場:広島・世羅グリーンパーク弘楽園
■天候:晴れ
■レース時間:IA1(25分+1周)×2ヒート
■レース時間:IA2(25分+1周)×2ヒート

REPORT

富田が3ポイント差でランキング2位、渡辺はランキング4位でシーズンを終了

IA1は、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの#2富田俊樹がチャンピオンに迫る走りを見せたが、勝負のヒート2、終盤で順位を落としてわずか3ポイント差でランキング2位。一方の渡辺も優勝争いに絡みながらも勝負できず総合4位、ランキングも4位でシーズンを終えた。
IA2は、シーズン後半に入り好調の#6大倉由揮が両ヒートで2位を獲得、最終戦でポイントを積み上げ、ランキング2位。#10中島漱也もヒート1で3位、ヒート2で6位と両ヒート入賞で総合4位、ランキングも5位とし、確かな成長を見せてシーズンを終えた。
またレディースでは、#2本田七海がヒート1で2位、ヒート2で今季初優勝を飾って総合優勝、ランキング2位でシーズンを終えた。

IA1

ヒート1:富田が3位、渡辺は4位でフィニッシュ

チャンピオンをかけた大一番にふさわしく、ラストラップまでもつれ込む白熱のレース展開となったヒート1。レースは山本鯨(ホンダ)、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの#2富田俊樹と#3渡辺祐介、能塚智寛(カワサキ)という各メーカーのトップライダーが上位につけ、一定の間隔を保ったままレースは大きな動きを見せずに中盤まで進んでいった。

優勝して一気にチャンピオンを引き寄せたい富田は、徐々に山本との差を縮め始める。これに呼応するように渡辺もペースアップを図り、2人とも山本の背後へと近づき、終盤での勝負に向けて着々と準備を進めていった。

ところが後半、4番手に影を潜めていた能塚が一気にペースアップ。このアッタクで渡辺がかわされて4番手に後退してしまう。そして能塚の猛追に合わせて富田もスパートをかけラスト3周で山本の背後へ。さらにラスト2周で山本を捉えてついにトップに上がり、ラストラップには富田、山本、能塚の3人がテール・トゥ・ノーズの状態で突入した。

その最終ラップの序盤、富田は山本に逆転を許して2番手、さらに能塚のアタックを受けて3番手に後退してしまう。この後、挽回を試みた富田だったが、2人には最後まで届かず。山本、能塚に続く3位でフィニッシュ。渡辺はトップ3には届かず4位でフィニッシュとなった。これで山本と富田の差は10ポイントに拡大。チャンピオンの決定はヒート2にもつれ込んだ。

ヒート2:富田が逆転チャンピオンに届かず2位、渡辺は3位でシーズンを終了

今シーズン、激しい戦いを繰り広げてきた富田と山本の差は、ヒート1を終えて10ポイント。ヒート2でその勝敗が決する。レースは、ヒート1に続き白熱したバトルが展開され、その主役となったが富田だった。1周目から富田と山本が激しいバトルを展開。そこで山本が転倒し21番手で1周目を終えた。一方の富田は後方にチームメイトの渡辺と能塚を従えてトップを快走。その後は、独走状態を築き、大きくチャンピオンを引き寄せたかに見えた。

富田が1位、山本が4位で逆転チャンピオンとなるが、しかし、レースは何が起こるかわからない。山本は順調にポジションを上げて前半の内に4番手までたどり着いていた。一方のトップ争いは、能塚がヒート1に続き中盤に入ってからスパート。渡辺をかわし、さらには富田に接近していった。

その差は確実に縮まり、一時は5秒程度あった差が2秒以内となり、13周目に逆転を許してしまう。山本は4番手と、このままでは逆転には届かないため、富田もプッシュするが能塚には届かず2位でフィニッシュ。山本が4位となったことから、一歩及ばず、わずか3ポイント差でランキング2位とチャンピオンには届かなかった。

また、渡辺は追い上げてきた山本を振り切って3番手をキープして3位でチェッカーを受け、ランキングは4位でシーズンを終えた。

IA2

ヒート1:大倉と中島が2・3位でダブル表彰台

スタートでは#10中島漱也(YAMALUBE RACING TEAM with レーシングチーム鷹)が好スタートから3番手、#6大倉由揮(bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド)が8番手で1周目をクリア。この序盤で順位にシャッフルがあり大城魁之輔(ホンダ)がトップに浮上し、これに柳瀬大河(ホンダ)が続き、中島はポジションキープの3番手、大倉は6番手としてレースを進めた。

この中で大城が徐々に後方との差を拡大し独走体制へ。また中島は3番手をキープしていたが、後半に入り森優介(ホンダ)の追撃を受けて4番手に後退。5番手に順位を上げていた大倉は順位を落としたその中島を捉え、さらに森もかわして3番手に浮上し前をいく柳瀬の追撃に入った。

そして終盤に入ると、上位陣にアクシデントが発生。柳瀬と森が転倒により後退したことで、大倉と中島が2・3番手と表彰台圏内へ浮上。優勝こそ大城に譲ったがそのまま大倉が2位、中島が3位とYZ250Fを駆るヤマハライダー2人がダブルポディウムを達成した。なお、このレースで大城が2021年、IA2クラスのチャンピオンを決定した。

ヒート2:大倉が連続2位で総合2位を獲得

IA2にとってシーズン最後のレースとなったヒート2。後半戦に入り本来の調子を取り戻した大倉が前半にトップ争いを繰り広げて2位を獲得し、総合2位でシーズンを締めくくった。

レースは内田篤基(カワサキ)のホールショットで幕を開けたが、序盤の混戦の中でトップを奪い抜け出したのがチャンピオンを獲得した大城。そしてこれに反応したのが大倉だった。大倉は1周目の6番手から4周目までに2番手に浮上し大城を追う。

シーズン初優勝を狙う大倉は、当初、約3秒差あったギャップを埋めるべくプッシュしたが、大城のペースが若干速く、コンマ数秒ずつその差が拡大。後半には4秒差、終盤には5秒差をつけられ単独走行を許してしまう。それでも最後まで諦めず単独2位で走行を続けてフィニッシュ。初優勝こそ逃したが、2ヒート連続で2位を獲得して総合2位。ランキングはそれまでの4位から一気にポジションを上げて2位でシーズンを終えた。

一方の中島は1周目を終えて7番手。すぐに6番手として、8周目には5番手までポジションを上げた。しかし、後半に入ると後方から追い上げてきた田中雅己(カワサキ)と#35鳥谷部晃太(bLU cRU TEAM エム FACTORY)にかわされてポジションを落とし、最後は上位のライダーの転倒で一つ順位を上げ鳥谷部の5位に続く6位とし目標としていた両ヒート入賞を達成。開幕から確かな成長を見せシーズンを締めっくくった。

なお、シリーズランキングでは大倉が最上の2位、鳥谷部が4位、中島が5位とヤマハライダー3人が上位を占めることとなった。

レディース

ヒート1:本田が2位表彰台

レディースの最終戦は、2ヒート制で行われた。チャンピオンがかかったヒート1、#2本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド)は、好スタートから、1周目を久保まな(ホンダ)、川井麻央(ホンダ)に続く3番手で終える。

その後はトップの久保、川井に徐々に離されていく状況で単独で3番手を走行していたが、ランキングトップの川井が終盤に転倒。これで本田は2番手に浮上すると、そのまま2位でフィニッシュし、ヒート2での逆転チャンピオンに望みを繋いだ。

ヒート2:本田が今季初優勝を獲得

迎えたヒート2、本田が最後まで諦めない走りで集まった観衆を沸かした。本田は1周目を3番手とするとすぐに2番手に上がりトップの久保に迫った。通常より5分短い10分プラス1周というレースの中で、着実な追い上げを見せると、残り2周となったところで久保を射程圏内に捉えてスパートしてこれをかわし、トップで最終ラップを迎えた。

しかし、久保も一歩も引くことなく、一時逆転を許したが、すぐにアタックして再度逆転。最後はそのまま久保を抑え込んで、渾身のガッツポーズとともにファーストチェッカーを受け、今季初優勝でシーズンを締めくくり、ランキングは2位でシーズンを終了した。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

富田俊樹選手談(IA1:3位/2位:総合3位)

「ヒート1は、山本選手の後ろにつけ最後に勝負という戦略でしたが、それを完璧に実行できました。しかし、トップに立ってからの走りが十分ではありませんでした。最後の攻防で能塚選手に抜かれて悔しい終わり方でした。それでも切り替えて、何かあればいけると、諦めることなくヒート2を迎えました。レースは序盤から激しく4回くらい順位を入れ替えましたが、その中でライバルが転倒。そこからは自分のタイムだけに集中できていたのですが、終盤に転倒しそうになり、そこでペースが乱れて能塚選手に追いつかれ、かわされてしまいました。逆転を狙っていたのですが、勝負ポイントを探せないまま2位。今は悔しさでいっぱいですが、最終ヒートまでチャンピオンを争うことができ、昨年からは確実に成長できたシーズンでした。応援してくれたすべての方に感謝します。ありがとうございました」

渡辺祐介選手談(IA1:4位/3位:総合4位)

「勝つために準備をしてきた結果、公式練習、予選と好調で勝てる要素は揃っていたと思いますが、スタートの遅れ、ライバルたちにも速さがありなかなか思うようなレースにはなりませんでした。ヒート1は3番手からトップ2の走りを見ていたところで能塚選手にかわされ、その際に怪我している部分を悪化させて、追い切れませんでした。ヒート2は序盤からペースが良く、すぐに2番手まで上がれたのですが富田選手が速く、再び能塚選手とバトルになり、ポジションを落としました。今回は前に追いついたところで勝負するポイントを見出せなかったことが、敗因だと思います。昨年はレース前半で追い上げができず、勝負できないことが多かったのですが、そこは改善できています。しかしスタートの技術やアタックするポイントを的確に把握するなどの技術は、チャンピオンを獲る上で必要だと思いました。来年は、勝負のポイントを見極めて勝ち切れる技術を磨き、さらに速く強くなってチャンピオンを獲得したいと思います。1年間、応援、ありがとうございました」

増田智義監督談

「富田選手はヒート1のラスト2周でトップに立つまでの戦略は完璧でしたし、ヒート2も序盤の攻防からトップを独走する走りは素晴らしい展開でした。しかし、レースは最後まで何があるかわかりません。対山本選手だと思っていた中に能塚選手が入ってきたことで、流れが変わってしまいました。走りの内容が示している通り集中して臨めていただけに悔しい結果です。渡辺選手はこの最終戦を怪我がある状態で走っていましたが、昨年から格段の進化を果たしていることは間違いなく、それでも勝てなかったことから、ライバルが一枚上手であり、さらに上のレベルを目指す必要があるのだと思います。チャンピオンは逃しましたがそれぞれが100%以上のパフォーマンスを発揮してくれました。最後になりますが、この2年間、厳しいコロナ禍で大会を開催してくれた皆様、ファンの皆様を含め感染予防に努めてくれた方々、チームを応援してくれたすべての方に感謝します。ありがとうございました」

YAMALUBE RACING TEAM with レーシングチーム鷹

中島漱也選手談(IA2:3位/6位:総合4位)

「ヒート1はライバルが転倒しての3位でした。スタートが決まって3番手を確保しましたが、森選手にかわされたところで走りが雑になりタイムを落としました。それでも後半、上位陣がバトルになってペースが落ちたところでもう一度スイッチが入り、ペースを取り戻せたことがこの結果に繋がったと思います。ヒート2は5番手まで順位をあげながら、荒れたコースに対応しきれず後退。その後、ペースを掴んだところで6位のままレースが終わってしまった感じですが、目標としてきた両ヒート入賞を達成できてよかったです。インターバルに東北で先輩たちと過ごしたことで、常にレースを意識して生活していくことを学び、実践したことでプロライダーとしてしての自覚を身につけたことが成長に繋がってきたのだと思います。来年は初優勝をして、最終戦までチャンピオン争いをすることが目標なので、このシーズンオフは開幕に向けてしっかりと取り組んでいきます」

村橋健太郎スーパーバイザー談

「今シーズンの目標は両ヒートでの入賞でした。なかなか簡単ものではありませんでしたが、最終戦はヒート1で3位、ヒート2で6位と目標を達成してシーズンを終えることができ、中島選手がこの一年で成長した姿を見せることができたと思います。これも、目標を意識しながらトレーニングに励んでくれたからこその結果です。特に夏の長いインターバルの中で東北合宿を行い、先輩ライダーの行動・活動を肌身で感じたことが大きかったと思います。来年はもうチャンピオン争いに絡むことが目標になりますので、さらにトレーニングの質を上げて欲しいと思います。最後になりますが、今年一年、コロナ禍で大会を開催してくれた皆さん、応援してくれたファンの皆さんに感謝いたします。ありがとうございました」

bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド

大倉由揮選手談(IA2:2位/2位:総合2位)

「総合2位でしたが、優勝を目指していたことを考えると悔しい結果です。ヒート1はミスが重なり8番手までダウン。柳瀬選手の転倒もあって2位にはなれましたが、順位を上げていったものの森選手とのバトルで時間も使ってしまい、トップには離されてしまう悔しい結果となりました。ヒート2はスタートに集中したのですが、序盤の攻防で危険な場面があったため慎重になり、2番手に上がった時点で大城選手に離されていました。その時点は追いつけない距離ではなかったのですが、相手の方が若干ペースが良く詰めることができませんでした。これは技術的な差があるからだと思います。今年は、シーズン前半から徐々に調子を取り戻し、最終的には楽しく乗ることができましたが、優勝できず悔しい思いをしました。これをモチベーションに来年こそはチャンピオンを獲得できればと思います」

本田七海選手談(レディス:2位/優勝:総合優勝)

「公式練習、予選と今シーズンで一番、調子が良い状態で自信を持って決勝に臨みました。ヒート1は追い上げのレースになりました。2番手に上がったものの川井選手にかわされ3番手に後退。その後川井選手が転倒して2位になりましたが、トップ2のペースに粘ってついていくことができなかったのは反省点です。ヒート2はその悔しさをバネにしながら、シーズン初優勝を狙って挑みました。前半にライバルに先行され、そのまま逃げられるいつものパターンを打開すべく全力でプッシュしラスト2周でトップに立ちました。でもここで守りに入り逆転を許しましたが、もう一度スイッチを入れて逆転できたことは収穫です。目標はチャンピオンでしたが、怪我もあり届かず悔しい内容でしたが、最後に勝つことができ、応援してくれた皆さんに楽しんでもらえたことはよかったと思います」

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