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全日本モトクロス選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなど全日本モトクロス選手権 IAに関する情報をお届けします。

Rd.04 6月5-6日 SUGO・宮城

RACE DATA

■大会名称:D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ2021第4戦 SUGO大会
■開催日:2021年6月5-6日(日)
■会場:宮城県・スポーツランドSUGO
■天候:曇りのち晴れ
■レース時間:IA1(15分+1周)×3ヒート
■レース時間:IA2(30分+1周)×2ヒート

REPORT

渡辺が2連勝などで総合優勝、富田は3ヒート連続表彰台で総合2位

IA1ではYAMAHA FACTORY RACING TEAMの#3渡辺祐介が今季初優勝を含む2回の優勝と3位で、開幕戦以来2回目の総合優勝を飾りランキングトップに立った。チームメイトの富田は2位、3位、2位で総合2位とヤマハの2人が活躍。IA2では#35鳥谷部晃太(bLU cRU TEAM エム FACTORY)がヒート1でシーズン初の2位表彰台など総合2位、bLU cRU TEAM KOH-Zの#6大倉由揮と#8岸桐我は総合3・4位を獲得。レディースでは、#2本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z)が、前戦から3ヒート連続となる2位を獲得した。

IA1

ヒート1:渡辺が今季初優勝、富田が2位で続きヤマハがワンツーフィニッシュ!

第3戦関東大会から約半月を経て迎えた第4戦SUGO大会。初日は前日までの雨の影響でショートカットコースで行われ、IA1の予選ではYAMAHA FACTORY RACING TEAMの#2富田俊樹がライバルを最終ラップで逆転してトップ通過。地元の#3渡辺祐介は3番手と、ともに手応を掴んで予選を終えた。

日曜日は、前日が快晴だったことから路面が急速に回復したことでフルコースに戻し、開幕戦に続く15分+1周のトリプルヒートにて行われた。

初戦、好スタートを切ったのは道脇右京(ホンダ)、これに渡辺、富田が並ぶように3・4番手で大坂を駆け上がっていったがトップに立ったのはライバルの山本鯨(ホンダ)だった。しかし渡辺は激しくプッシュし山本を追撃すると、すぐにトップを奪いとる。

その後は後方に山本、さらにチームメイトの富田が続き混戦を想像させたが、渡辺はハイペースで2人を寄せ付けず、中盤に入ると徐々にその差を拡大。終盤には5秒以上の差を築き、余裕を持ったライディングで今季初優勝を飾り、この時点でランキングトップに浮上した。

一方3番手の富田は、山本の背後からアタックを続けると、4周目の3番ポスト直後のジャンプで山本を捉えて逆転。これで渡辺を追う状況を作ったものの、先行する渡辺との差を縮めることができず2位でチェッカー。これによりYAMAHA FACTORY RACING TEAMがワンツーフィニッシュと、チームは幸先の良いスタートを切った。

ヒート2:渡辺が連勝、富田3位で再びダブルポディウム!!

ここまで、スタートに苦しんできたが渡辺だったが、このヒート2は完璧なスタートからホールショット。後方には能塚智寛(カワサキ)、小方誠(ホンダ)、山本、富田とランキング上位陣が揃い渡辺からトップを奪うべくマシンをプッシュするが、ここは渡辺のホームコース。ライバルたちのペースを上回り、序盤から確実にその差を拡大していく。

そして中盤に入ると、2番手の能塚に4秒差と独走。ところが終盤に入り能塚がプッシュし最終ラップには接近を許したが、ここで能塚が転倒し、渡辺は余裕を持ってフィニッシュ。2ヒート連続での優勝を達成した。

また、富田は序盤の5番手から山本の転倒で4番手に浮上すると、そのまま前方の小方に迫り攻略はできなかったものの3位として2ヒート連続で表彰台獲得。YAMAHA FACTORY RACING TEAMがヒート1に続きダブルポディウムを達成した。

ヒート3:渡辺が3位で総合優勝、富田は2位で総合2位

ヒート3は、SUGO大会最後のレースにふさわしくトップ3台による激戦となった。レースは富田のホールショットでスタート。そのままトップに立ち、能塚、小方、渡辺が続く。しかし2周目、富田は能塚にかわされ2番手に後退したが離されることなく食らいつき、小方をかわして3番手とした渡辺を含めたバトルとなる。

富田は何度もプレッシャーをかけ一時は並びかける場面もあったが、かわすには至らず。その後も最終ラップまで膠着状態となったものの、最後に能塚がスパート。これで富田、渡辺はアタックできずに能塚が優勝。富田は優勝こそ逃したが2位として3ヒート連続表彰台となり総合2位。一方の渡辺は3位で、同じく3ヒート連続表彰台。さらに開幕以来となる、今季2度目の総合優勝としてランキングトップに立った。

IA2

ヒート1:鳥谷部が2位、今季初表彰台を獲得!

ヤマハ勢で好スタートを切ったのは#23袴田哲弥(YSP 浜松/BOSS RACING)、これに内田篤基(カワサキ)が並びかけるようにコーナーを回るとトップに立ち、袴田は2番手につける。しかし、1周目を終えると内田が転倒により2番手、これに変わり大城魁之輔(ホンダ)がトップに立ち、袴田は3番手で続いた。

この後方では#35鳥谷部晃太(bLU cRU TEAM エム FACTORY)が4番手、#6大倉由揮(bLU cRU TEAM KOH-Z)が7番手で1周目を終了。#10中島漱也(YAMALUBE RACING TEAM with レーシングチーム鷹)は14番手、ヤマハライダーでランキング3位と最上位の#8岸桐我(bLU cRU TEAM KOH-Z)は転倒により大きく出遅れてしまう。

レースは、袴田、さらにトップの大城が転倒して順位が変動。これで鳥谷部が2番手にスライドし、柳瀬大河(ホンダ)を挟んで、大倉が4番手と表彰台圏内でレースを進める。鳥谷部はトップの内田を追う体制に入るが、その差を縮めることができず逆に開かれてしまう。

その後、鳥谷部、柳瀬、大倉が僅差でレースを展開したが、最後まで順位は変わらず鳥谷部が2位でチェッカーを受け今季初の表彰台。大倉は柳瀬をとらえることができず4位。また中島は転倒があり17位でフィニッシュとなった。

ヒート2:岸が自己最高の2位表彰台、大倉が3位

レースは、岸が好スタートからホールショットを奪うも、すぐに内田に先行を許してしまう。これに食らいつきたい岸だったが、序盤からハイペースで走行する内田についていくことができず2番手とするが、後方に控える鳥谷部、大倉という実力者よりも速いペースでラップを刻み、徐々に後方との差を拡大。前半の内に2番手を盤石の状態にすると、そのまま安定した走りを続けてチェッカー。開幕戦で国際A級で初の3位、そして第3戦でも3位を獲得してきたが、このヒート2で自己最高となる2位表彰台を獲得した。

また、3位は鳥谷部と大倉が争った。前半は鳥谷部が3番手をキープしてレースを展開するが大倉が接近。鳥谷部もこれをブロックしていたが9周目に大倉が逆転して3番手に浮上し、そのままギャップを築く。レース終盤、鳥谷部が盛り返し大倉の背後に迫ったが逆転には至らず、大倉が今季3度目となる表彰台を獲得した。

また中島は、スタートで出遅れ1周目を16番手。そこから追い上げて中盤までに12番手とすると、その後は#7川上龍司(bLU cRU YSP大阪箕面)とバトルを展開して逆転、最後まで食らいつく川上からポジションを守って11位でゴールした。

総合では、ヒート2で今季初表彰台の鳥谷部が2位、大倉が3位、岸が4位。また中島は今大会は振るわず総合14位でレースを終えた。

レディース

本田が3ヒート連続となる2位表彰台を獲得

レースは、#2本田七海(bLU cRU TEAM KOH-Z)が好スタートを切り大坂をトップで通過するも1周目にポジションをダウンし、一時は3番手まで後退。しかしすぐに2番手としてトップの川井麻央(ホンダ)を追う。

レース前半はともに一歩も譲らず、約2秒という僅差でレースを展開したが、後半に入るとバックマーカーの出現で戦況が変化。本田はバックマーカーを思うようにかわすことができず、徐々に川井との差が拡大してしまう。さらに最終ラップに本田は転倒し、後方とのギャップがあったために順位を落とさなかったものの川井をとらえることができず、第3戦の関東大会から3ヒート連続で2位となった。

次回は、約3ヵ月後の9月11-12日に行われる近畿大会(奈良県/名阪スポーツランド)。

IA1 RESULT Heat.1

IA1 RESULT Heat.2

IA1 RESULT Heat.3

IA1 RIDERS RANKING

IA2 RESULT Heat.1

IA2 RESULT Heat.2

IA2 RIDERS RANKING

COMMENT

YAMAHA FACTORY RACING TEAM

渡辺祐介選手談(IA1:優勝/優勝/3位:総合優勝)

「今シーズンはここまで勝利がなく、今回はなんとしても勝ちたい大会でした。レースではヒート1から仕掛けるレースができて、2勝と目標を達成できたことは本当によかったです。レース内容もヒート1は山本選手とバトルをして勝利し、ヒート2はスタートからトップに立ち後方とのギャップを作って一度も順位を落とすことなく、とてもよい勝ち方ができました。もちろん、3つ勝つことが目標だったので、ヒート3を落としてしまったのは残念ですが、大きな自信を得ることができたし、ライバルたちに自分の存在を強く植え付けることができたことも重要なことです。さらにランキングでもトップに立ちましたが、後半戦では攻めと守りのバランスをしっかり考えながら、チャンピオンを目指して戦っていきます」

富田俊樹選手談(IA1:2位/3位/2位:総合2位)

「昨日から調子が良く、今日は勝つことしか考えていませんでした。しかしヒート1はチームメイトが速くヒート2は序盤に遅れてしまい3位。ヒート3は、先の2ヒートと比べさらに冷静な状態で臨むことができ、ホールショットにつながりました。やるべきをことをしっかりやれば勝てると思っていましたが、能塚選手にかわされ2番手に後退。そこから勝負したのですが、完全にかわすところまではいかず2位と悔しい結果となりました。成績だけを見ると決して悪くありませんが、チームメイトと比べてしまうとやはりスッキリした感じではありません。次回の名阪は相性の良いコースなので、3ヵ月をしっかり使って勝てるように準備して臨みます」

増田智義監督談

「我慢すべき大会が前回であったとすれば、今回は勝たなけれならないレースでした。その中で2勝を上げることができ、2人が3ヒートすべてで表彰台に立ったことは大きな成果です。まず渡辺選手は2勝してランキングトップに立ち、ライバルとのギャップを広げることができました。一方で富田選手は優勝こそできませんでしたが、先に触れた通り3ヒートで表彰台に立って十分な成績を残してくれたし、次回は得意な名阪なので、そこで巻き返してくれるはずです。ここから3ヵ月間、レースがない期間となりますが、現在の状態をキープできるように定期的にテストを挟み、そこではすべてにおいてレベルアップできるように取り組んで、勝負の後半戦に臨みます。今回もスポーツランドSUGOをはじめ、多くの方々のおかげで大会を開催していただき、ファンの皆さまにレースを観戦していただきました。ありがとうございました。こうした関係者の努力やファンの期待に応えられるよう、今後もチーム一丸となって見応えあるレースをすることで恩返しをしていきたいと考えていますので、ぜひご期待ください」

YAMALUBE RACING TEAM with レーシングチーム鷹

中島漱也選手談(IA2:17位/11位:総合14位)

「ヒート1はスタートで遅れさらに転倒。ヒート2もスタートで遅れて、両ヒートともに追い上げのレースとなりました。課題だらけですが、特にスタートで遅れた時に周りのペースに飲まれ、まったく自分の走りができなくなってしまうことは問題です。今回は両ヒートともに同じ状況となり、とても難しい戦いを強いられました。ここまで着実に来ていたところで大きな課題にぶつかったわけですが、長いインターバルの前に見つかってよかったと思います。このインターバルでは、どんな状況でも自分の走りができるようにすること。スピードを身につけるなど、浮き彫りになった課題を克服して、次回の名阪では成長を示し、結果として表せるように努力します」

村橋健太郎スーパーバイザー談

「厳しい大会でした。前回のオフロードヴィレッジに比べて練習量が少なく、難しいコースを攻略しきれなかったところがあると思いますし、スタートで遅れたところから混戦の中でペースを上げることができない状況がありました。まだトップとはタイム差があるため、スタートが決まらないとトップ10での争いになる状況です。ここから長いインターバルになりますが、この間の取り組みで名阪の結果が大きく変わってくると思います。とはいえ、簡単にジャンプアップはできるものではないので、一歩一歩、確実に課題の解決に取り組み、名阪でその成果が少しでも見てもらえるようにしたいと思います。最後に、今回もコロナ禍で、大会を開いて下さったスポーツランドSUGO、そして関係者の皆さま、応援してくれたすべてのファンの皆さまに感謝いたします。引き続き応援をよろしくお願いします」

bLU cRU TEAM エム FACTORY

鳥谷部晃太選手談(IA2:2位/4位:総合2位)

「本来であれば、開幕からオーストラリアでの成果を見せたかったのですが、いろいろなものが噛み合わず、前半戦最後のSUGOに一つのピークを持ってくるということで取り組んできました。まずヒート1は2番手につけながら内田選手に逃げられ、そこからは表彰台獲得に切り替えました。ヒート2は暑さによる体力的な消耗とコース変化に対応し切れず4位と、満足できる結果とはなりませんでした。ただ、成績が出せずに焦りがあったので、表彰台獲得によりホッとしたし、気持ちを整えることができました。名阪に向けては、走行時の体の安定感、視野の広さなどを整え、その後スピードアップを図って総合的にレベルアップしていきたいと思います」

bLU cRU TEAM KOH-Z

大倉由揮選手談(IA2:4位/3位:総合3位)

「ヒート1は、近くにターゲットがいるにもかかわらず、ラインが定まらず仕掛けるところまでいけないもどかしいレースでした。ヒート2は3位にはなりましたが、トップには絡むことができませんでした。また、ここまでの全ヒートでトップに絡むことができず、さらに予選や練習走行でもタイム差があります。自分がスタートで前に出ても勝負できるのかと言われると、まだ実力差が明確にある状況です。皆が成長している中で自分は停滞してしまっているのかもしれません。地元名阪では後がないという気持ちを持って、インターバルの期間、真剣に考えて、行動して上位陣と戦える状態に持っていきたいと思います」

岸桐我選手談(IA2:10位/2位:総合4位)

「ヒート1はスタートで遅れ、攻めていく中で焦りから転倒。復帰に時間がかかってしまいさらに遅れることとなりました。10位まで挽回できましたが、昨年は1周目に転倒しながら6位まで挽回しているので、物足りない感じです。ヒート2は2位と、ここまでの3位から一歩前進できたことは評価できるところです。ただ、ホールショットで前に出て、内田選手にかわされ序盤で離される展開。序盤にハイペースを保つことは課題として認識しているのですが、2位を守ることに重きをおいてしまい内田選手につくことができませんでした。名阪は得意というわけではありませんが、序盤に速さがないと勝てないので、そこを意識して取り組み、トップに絡みたいと思います」

本田七海選手談(レディス:2位)

「スタートも良くトップ2で抜け出すレースでした。先行を許す形となりましたが、レース中盤で差を詰めることができ、チャンスだと思っていたのですが、バックマーカーをうまく捌くことができずに離されてしまいました。そこからペースも気持ちも乱れましたが、それが自分の弱さでもあり、トップとの差になって現れたのだと思います。ここまで優勝がありませんが、もう2位はいりません。自分の力を上げて名阪ではなんとしても勝ちたいと思います」

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