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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.03 6月11-13日 エミリア・ロマーニャ

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権 第3戦エミリア・ロマーニャ
■開催地:イタリア/ミサノ(4.226km)

レース1
■開催日:2021年6月12日(土)
■周回数:21周 (88,746 Km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度
■路面温度:48度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分33秒416)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分34秒476)

スーパーポールレース
■開催日:2021年6月13日(日)
■周回数:10周(42,260 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度
■路面温度:41度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分35秒876)
■FL:M・リナルディ(Ducati/1分34秒356)

レース2
■開催日:2021年6月13日(日)
■周回数:21周(88,746 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:31度
■路面温度:49度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分35分876)
■FL:T・ラズガットリオグル(Yamaha/1分34分852)

REPORT

ラズガットリオグルがレース2で今季初優勝のほか、3レースともに表彰台

ミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリで行われた第3戦、Pata Yamaha with Brixx WorldSBKのT・ラズガットリオグルがレース1で2位、スーパーポールレースで2位、レース2で優勝と大活躍しランキングトップとの差を縮めることに成功。チームメイトのA・ロカテッリは3レースともに9位となった。GRT Yamaha WorldSBK TeamのG・ガーロフはレース1でピットスタートなど、苦しい状況だったが12位、8位、最後のレース2では5位を獲得。野左根航汰は、レース1とレース2で13位とポイントを加算している。

レース1

ラズガットリオグルが今季5度目の表彰台を獲得

午前中のスーパーポールでほぼ完ぺきな走りを披露し2番グリッドを獲得したラズガットリオグル。迎えたレース1では、J・レイ(カワサキ)、M・R・リナルディ(ドゥカティ)とトップを競いながらオープニングラップを終了。そのあとは、酷暑のなかでマシンバランスや路面グリップをつかむまでに時間を要してトップから離され、S・レディング(ドゥカティ)との3位争いへと後退したが、9ラップ目にレイにミスがあり2番手に浮上すると、そのまま2位でチェッカーを受けた。

この結果、シリーズポイントでは合計95ポイントとなり、トップのレイ(126ポイント)との差を縮め、3位のレディング(85ポイント)との差を広げてランキング22位でともにポイント獲得

GRT Yamaha WorldSBK TeamのG・ガーロフと野左根航汰がレース1で貴重なポイントを獲得。ガーロフはピットレーンからスタートして12位。野左根は熾烈なバトルを展開して13位でチェッカーを受けた。

ガーロフはFP3で6番手を獲得。スーパーポールでは1ラップ目の転倒後、再びアタックに臨んだが、スーパーポール・レースは最後尾からのスタートが決定している。

ピットレーン・スタートを強いられたレース1では、最終ラップで1分35秒623のベストタイムを記録するなど好調ぶりを見せ、12位まで挽回してチェッカーを受けた。

チームメイトの野左根は順調に1日のスケジュールをこなし、着実に前進。午前中のFP3では1分35秒323を記録して14番手、スーパーポールでは1分34秒677に短縮して同順位を獲得。午後からのレース1ではほとんどの時間帯でL・ハスラム(ホンダ)とバトルを展開し、13位でチェッカーを受けた。なお、FP3でレッドフラッグ提示中の違反があり、スーパーポール・レースのグリッドが6台分、降格されている。

レース1を終えて、ガーロフは合計46ポイントのランキング7位、野左根は合計14ポイントの16位となっている。

スーパーポールレース/レース2

ラズガットリオグルがレース2で優勝

10ラップで競われたスーパーポール・レース、21ラップのレース2ともに、フロントローの中央から絶好のスタートを切ったラズガットリオグル。序盤はいつものようにレイ、リナルディ、レディングと上位を競り合うこととなった。

スーパーポール・レースの5ラップ目でリナルディに先行を許したラズガットリオグルは、そのテールに食らいつくもそのまま2位でゴール。チームはこの結果を踏まえて対策を施し、レース2に臨んだ。

路面温度が50度を超える厳しい状況のなかで、ラズガットリオグルは8ラップ目、常連4台のバトルから抜け出してトップに浮上。その後は持ち前のハードブレーキングと見事なマシンコントロールを存分に発揮して他を寄せ付けず、今季初優勝を果たした。

チームメイトのロカテッリはホームレースの今回、3レースともに9位を獲得した。決して目を引く数字ではないものの、今後の成長につながる十分な安定性と強い決意を垣間見ることができた。午後から行われたレース2ではベテランのA・バウティスタ(ホンダ)、同郷イタリアのルーキー、A・バッサーニ(ドゥカティ)と7位争いを展開したあと、今季最高の暑さのなか、終盤でタイヤグリップの低下により後退した。

Pata Yamaha with Brixx WorldSBKは来週、スペインはナバラ州のナバラ・サーキットで2日間のテストを行ったあと、7月2~4日にイギリスのドニントンパークで開催される第4戦に臨む。

GRT Yamahaのガーロフと野左根は波瀾を超えて5位と14位獲得

予選中の転倒でタイムアタックのチャンスを逃したG・ガーロフと、前日のミスによりペナルティを科されていた野左根航汰は、ともにスーパーポール・レースを最後列からスタートすることとなった。

午前中のウォームアップで1分34秒939の6番手と好調だったガーロフは、スーパーポール・レースで最後列から8位まで挽回。このポジションからレース2をスタートすると、序盤からマシンに好感触をつかんで積極的にペースを上げていき、最終的に5位でチェッカーを受けた。

一方の野左根はウォームアップで1分35秒307の14番手。最後列からスタートしたスーパーポール・レースは12位でゴールした。レース2では序盤でテクニカル・トラブルが出てやや遅れたものの、その後リズムを取り戻して13位でゴールしている。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Superpole Race

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK

T・ラズガットリオグル選手談(2位)

「予選で好タイムを記録し、2番グリッドからスタートし2位を獲得しました。しかしながらレース自体にはあまり満足していません。なぜなら序盤の数ラップではコーナー進入でリアタイヤを激しくスライドさせてしまったからです。レイ選手とリナルディ選手について行きたかったのですが、それができずに離されてしまい、後ろにいたレッディング選手とバトルすることになりました。とは言え、2位でチェッカーを受けて大きなポイントを獲得できたことを喜ぶべきでしょう。明日はもう少し状況を改善するためにセッティング変更を試みる予定です。リナルディ選手はとても速いです。彼と勝利を競り合いたいのです。スーパーポール・レースから好ポイントと好ポジションを目指し、レース2で優勝を狙っていきます。頑張ります!」

A・ロカテッリ選手談(9位)

「ここまでの展開に少し戸惑っています。昨日はフィーリングがあまり良くなかったので、マシンの状態を把握してセッティングを向上させるために時間を費やすことになりました。今日はいくらか良くなりましたが、依然として楽な状況ではありません。そのなかでも少しでも上を目指しましたが、満足できる結果は得られませんでした。フィーリングは良くなってきているので、明日までにセッティングを改良し、さらに上を狙っていきます。走るたびにマシンを理解するための時間が必要ですし、それによって自信を深めていくことも重要です。そして最終日の明日、最高の成績を目指します。今晩、データを確認して正しい方向性を追求します。明日に向けて自信はあります」

P・デニング、チーム代表談

「今日の午後は、大変な暑さでした。このなかで21ラップのレースを戦うのは非常にハードです。このようなときはたいてい、いろいろな問題にぶつかるものです。トプラック選手は序盤、マシンバランスに苦戦しましたが、後半は本来のリズムとペースを取り戻すことができました。レイ選手が転倒しそうになった時も落ち着いて対処し2位に上がり、そのまま逃げ切りました。今日のリナルディ選手は速過ぎて、まったく手が届きませんでした。この差を解消するためセッティングを改良し、明日もう一度、勝利を目指していきます。ロカテッリ選手は、ここまでのシーズンを映したものになったと思います。昨日よりも前進していますが、5位グループに加わるには、まだ少し足りませんでした。これまでに見てきたとおり、彼の走りは非常に安定しています。そこに今日、学んだことを加えることで、さらに進化が望めるでしょう」

GRT Yamaha WorldSBK Team

G・ガーロフ選手談(12位)

「レース1は、予選よりも明らかに調子が良くなっていました。スーパーポールは最悪で、転倒し、再スタートしたあとは十分にアタックすることができませんでした。決勝はピットレーンからスタートしましたが、毎ラップしっかり走り切り、貴重なポイントと大量の情報を収集することができたので良かったと思います。このデータを活用してセッティングを改良していきます。完走し、何台かパスし、ポイントを獲得できたので全体的には満足です。でももっと上を狙いたいのです。明日への準備はできています」

野左根航汰選手談(13位)

「スーパーポールでベストタイムを更新することができました。もっと縮めたかったのですが、それはできませんでした。最終順位も悪くないと思います。そして自分のライディング、ニューマシン、チームへの信頼感がこれまで以上に深まってきています。決勝の序盤ではマイケル・ファン・デル・マーク選手とバトルできましたが、そのあと少しずつ離されてしまいました。その一方でハスラム選手とはバトルが続きました。抜かれるたびに抜き返すことができたのです。このことは私にとって大きな前進であり、最も重要な成果だと思っています。明日また2つのレースがあるので、さらに上を目指してベストを尽くします」

スーパーポールレース/レース2

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK

T・ラズガットリオグル選手談(2位/優勝)

「いいマシンを作り上げるために、懸命にハードワークに取り組んできました。それだけに本当にうれしい優勝です。前回は2レースとも2位に留まり、それも悪くないと言ってきましたが、今は勝利が必要です! ずっと2位ばかりだったので、どうしても初優勝が欲しかったのです。今日のレース2は何もプレッシャーを感じることなく、最後までレースをエンジョイすることができました。でもそのためには良いマシンが必要で、今回もチームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、この結果を得ることができました。チャンピオンシップ・ポイントのことを考えるとストレスになるので、今は気にしないようにしています。今回はレイ選手との差を縮めることができたので、ここからまたひとつずつ積み重ねていきたいと思っています。今日の優勝は、次のドニントンにつながる大きなモチベーションにもなりました。あのコースではいつもいい走りができるので期待しています」

A・ロカテッリ選手談(9位/9位)

「今日また一歩、前進できたと思いますが、レース終盤はフルバンクのときにグリップが不足してしまい、バッサーニ選手とバウティスタ選手について行けなくなり悔しい思いをしました。今まではウイークを通じて着実に前に進めていたのに、今回は金曜日の時点で多くの時間を費やしてしまったため、思い通りの進め方ができなかったのです。でもこのあとナバラ・サーキットでテストがあるので、新しいコースの習得と今後の数戦に向けた作業に取り組むことができそうです。ラズガットリオグル選手の優勝は素晴らしかったです! 彼はナイスガイで、勝利のためにたくさんの仕事をこなしてきたのですから、私も本当にうれしいですし、チームにとっても最高の結果になりました」

P・デニング、チーム代表談

「レース2での優勝は不可能だと考えていただけに、トプラック選手の今季初優勝を本当にうれしく感じています。リナルディ選手が非常にハイレベルにあったので、私たちが21ラップにわたってしっかり仕事をやり切れるとは思えなかったのです。しかしトプラック選手は、チームのサポートを得て昨日より格段に良くなり、今日は別次元に進化していたのです。そして果敢に攻めてミスをせず、見事な安定性を維持して完璧なレースを成し遂げました。これ以上に望むことはなく、ただ彼とそのチームメンバー全員の全力の戦いを褒めたたえたいと思います。ロカテッリ選手もいい走りを見せてくれました。チームメイトの優勝を見ながら9位に満足するのは難しいかもしれませんが、彼は今日も非常に安定しており、スーパーポール・レースでは初ポイントを獲得し、レース2も終盤までいいリズムをキープしていました。何よりまだ3戦目です。私たちチームはこれからも懸命に彼をサポートし、いつか表彰台へと押し上げたいと思っています」

GRT Yamaha WorldSBK Team

G・ガーロフ選手談(8位/5位)

「今回は様々な困難にぶつかりました。ウイーク初日のプラクティスは順調だったのですが、翌日のスーパーポールではタイムを記録することさえできず、ピットレーンからレース1をスタートすることになりました。そして3日目の今日も、スーパーポール・レースを最後列からスタートしたのです。精神的に非常に厳しいチャレンジでしたが、最後はこのような形で終えることができ、とてもうれしく思います。チームのみんなのサポート、私への信頼、そして彼らの明るさと積極性に心から感謝しています。レース2ではマシンのフィーリングがウイーク中で最も良くなっていました。もしも予選やレース1でもこのセッティングができていたら、最低でも表彰台に立てていたと思います。次回のドニントンパークではレースの経験はありませんが、幸い、子どもの頃からよくゲームで遊んでいたので、すでに熟知しているような気がしています。あとは路面のバンプなどの細かいところを確認するだけでいいかもしれません。アメリカン・スタイルの高低差の激しいコースです。初走行をとても楽しみにしています」

野左根航汰選手談(12位/13位)

「非常に厳しいコンディションにもかかわらず、今日はWorldSBK参戦開始以来、最も素晴らしい一日になりました。レース2のスタートでちょっとしたテクニカル・トラブルがあったのですが、そのあとサイクスに追いつき、彼のペースについて行くことができました。ただ、どうしても前に出られなかったので、そのあたりが今後の課題になるでしょう。また最後の5~6ラップの自分自身のパフォーマンスももっと磨いていかなければならないと思っています。今日も少し前に進めたと思いますが、同時に、チームの助けを借りながら改善すべきところがたくさんあることに気づきました。次のドニントンパークも初めて走るコースで、とても難しいと聞いているので、事前に100%の準備が必要です。厳しい戦いになると思いますが、ベストを尽くして頑張ります。R1に優勝のポテンシャルがあることをラズガットリオグル選手が証明しています。同じマシンに乗っているのですから、あとは自分自身を最大限まで成長させなければなりません」

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