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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.11 10月1-3日 ポルトガル

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権 第11戦ポルトガル
■開催地:ポルトガル/ポリティマオ(4.592 km)

レース1
■開催日:2021年10月2日(土)
■周回数:20周 (91,840 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:25度
■路面温度:44度
■PP:T・ラズガットリオグル(YAMAHA/1分40秒219)
■FL:S・レディング(Ducati/1分40秒507)

スーパーポールレース
■開催日:2021年10月3日(日)
■周回数:10周(45,920 km)
■コースコンディション:ウエット
■気温:19度
■路面温度:25度
■PP:T・ラズガットリオグル(YAMAHA/1分40秒219)
■FL:M・ファン・デル・マーク(BMW/1分54秒895)

レース2
■開催日:2021年10月3日(日)
■周回数:19周 (87,248 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:22度
■路面温度:38度
■PP:T・ラズガットリオグル(YAMAHA/1分38秒512)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分41秒309)

REPORT

レース1

Pata Yamahaのラズガットリオグルが一騎打ちを制して優勝

Pata Yamaha with Brixx WorldSBKのT・ラズガットリオグルが第11戦ポルトガル大会のレース1で優勝し、チャンピオンシップのリードを45ポイントに拡大した。

ラズガットリオグルは午前中に行われたスーパーポールで今季2度目のポールポジションを獲得。レース1序盤はランキング2位のJ・レイ(カワサキ)、ランキング3位のS・レディング(ドゥカティ)と3台でバトルを展開した。しかし5ラップ目にレイが転倒し、その後はレディングとの一騎打ち。何度も順位を入れ替えながらの激しいバトルが続き、勝利の行方は最後までわからなかったが、ラズガットリオグルが最終ラップでわずかにリードを広げ、0.691秒差をつけて真っ先にチェッカーを受けた。

チームメイトのA・ロカテッリは、FP3で転倒があったもののスーパーポールでは調子を取り戻して7番手を獲得。グリッド3列目からスタートしたレース1では3位争いに加わっていたが、第5コーナー進入のブレーキングで止まり切れずにM・ファン・デル・マークのリアに接触し、ともにリタイアとなっている。

GRT Yamahaのガーロフが6位獲得

GRT Yamaha WorldSBKのG・ガーロフが6位獲得。チームメイトの野左根航太もポイント獲得と健闘した。

ガーロフはFP3で4番手を獲得する好調ぶり。しかしスーパーポールでは8番手に留まり、グリッド3列目からレース1をスタートした。そして序盤は表彰台争いを展開していたが、ミスもあり、徐々に後退して6位でチェッカーとなっている。

一方の野左根は、初めて走るコースに手間取りながらも、上位との差を縮めるべくチームとともに作業に集中。そしてFP3で17番手、スーパーポールでは16番手を獲得した。レース1では10位争いに加わったあと最終的には14位でチェッカーを受け、ポイントを獲得している。

スーパーポールレース/レース2

ラズガットリオグル、首位争い中に転倒。ロカテッリが3位表彰台

Pata Yamaha with Brixx WorldSBKのラズガットリオグルは、マシンの技術的トラブルによる転倒でリタイア。チームメイトのA・ロカテッリは4番手でチェッカーを受けたあと、L・バズのペナルティにより3位へ繰り上げとなった。ラズガットリオグルは24ポイントをリードしてランキングトップをキープ。ロカテッリは4位となっている。

前日から一転、雨に見舞われたポルティマオ・サーキット。スーパーポール・レースはフルウエット・コンディションで行われ、ロカテッリとラズガットリオグルがそれぞれ4位と6位を獲得した。

午後になると天気が回復し、レース2ではラズガットリオグル、レイ、レディングの3人が優勝争いを展開した。ところが10ラップ目、ラズガットリオグルにアクシデントが発生。フロント・マッドガードがはずれるトラブルにより第15コーナーを高速走行中に転倒し、そのままリタイアを余儀なくされた。ヤマハ・エンジニアおよびチームは原因解明に努め、第12戦までに対策を講じる。

一方のロカテッリはスーパーポール・レースで4位を獲得し、レース2も4位でチェッカーを受けた。バズのペナルティにより3位に繰り上げられたことで、チャンピオンシップではM・ルーベン・リナルディ(ドゥカティ)と同ポイントのランキング4位に浮上している。

ラズガットリオグルのレース1優勝により、ヤマハは通算300回目の表彰台を達成。同時にヤマハライダーの年間表彰台獲得数の記録を25回に伸ばしている。今回は優勝を逃したラズガットリオグルだが、依然として、2009年度WorldSBKチャンピオンのB・スピースが持つ、ヤマハライダーとして最多の14勝の記録を破るチャンスも残している。

ガーロフがレース2で5位獲得、野左根は13位

GRT Yamaha WorldSBK TeamのG・ガーロフがレース2で5位獲得と健闘。チームメイトの野左根航太は13位でポイントを加算している。

ウォームアップで12番手に留まったガーロフだが、スーパーポール・レースではスタート・ポジションを守り切り8位を獲得。レース2では序盤のミスで一時12番手まで後退したものの、トップグループと同等のペースで挽回し、5位まで上げてチェッカーを受けた。5位獲得は第4戦イギリス大会以来となる。

一方の野左根はスーパーポール・レース序盤で10番手まで浮上したが、その後は難しいウエット・コンディションのなかでポテンシャルを発揮しきれず、第13コーナーで転倒リタイア。続くレース2で復活を目指し、激しいバトルの末に13位でチェッカーを受け、ポイントを獲得した。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Superpole Race

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK

T・ラズガットリオグル選手談(優勝)

「このコースではレイ選手とレディング選手がとても強く、厳しい戦いになりました。レイ選手が転倒したあともレディング選手とのバトルが続き、勝利は決して楽ではありませんでした。最終的に勝つことができたので本当にうれしいですが、もう一度、言いますが、今日の戦いは本当に大変でした!  ドゥカティはストレートで速く、私たちはまだまだ足りないと感じました。明日までにもう少し改善し、もっと速くなってレース2に臨みたいと思います。実際に私たちは走るたびに向上しています。マシンのフィーリングも昨日よりずっと良くなっているのです。シーズン11回目となった勝利をうれしく思い、ハードワークを続けてくれるチームのみんなに感謝しています。依然としてチャンピオンシップのことは考えていませんし、レイ選手の転倒は残念だったと思っています。でもコース上では誰もが激しくプッシュし、勝利のためだけに全力を尽くすのです。彼に怪我がなくて良かったです。明日は今日以上に強くなって戻ってくると思いますが、私も同様に向上し、もう一度、優勝を目指してレイ選手とレディング選手とバトルします」

A・ロカテッリ選手談(DNF)

「自分のミスでファン・デル・マーク選手に迷惑をかけてしまいました。第1コーナーで大きく遅れてしまったため、何とか差を縮めてポジションを取り戻したかったのです。またチームに対しても申し訳なく思っています。今日は本当なら好成績が期待できる状況でした。ところが前半で遅れてしまい、ホンダやドゥカティについて行くことができませんでした。でもこれがレースというものです。そして明日への準備はできています。午前中の転倒も残念に思っていますが、全体的には走るたびに強く、速くなっています。今日はミスがありましたが、明日に向けてフィーリングは上々です。この方向性を維持していきます」

P・デニング、チーム代表談

「ラズガットリオグル選手は素晴らしいレースを展開し、優勝を果たしました。でも今回は彼にとって、今季最も難しいレースだったと考えています。この重要な勝利を手にするために、限界を超えて走っていたのです。2位と20ポイントに落ち着こうとせず、勝利だけを目指した走りは非常に印象的で、また同時に私たちにストレスを感じさせるものでもありました。最後の数ラップのレディング選手とのバトルは本当に素晴らしかったです。一方のロカテッリ選手は不運でした。彼はめったにミスをおかさないライダーですし、スーパーバイクで初めて臨んだこの難しいコースで着実に力をつけ、今日は表彰台争いも期待されていました。ロカテッリ選手の転倒に巻き込まれてしまったファン・デル・マーク選手に対しては、チームとしても謝罪しなければなりません。またレイ選手が転倒後に立ち上がり、歩き去った姿を見て大きく安堵しました。明日また万全の状態でコースに戻ってきてくれることを願っています」

GRT Yamaha WorldSBK Team

G・ガーロフ選手談(6位)

「レースでは何もかもがうまくいかず、自分自身に対して不満を感じています。最初の数ラップはまだ良かったのですが、そのあとミスが出るようになってしまいました。マシンのフィーリングはとても良かったので、もっといいレースができたはずなのに、このような結果に終わり残念です。15ラップ目に自己ベスト、全体でも3番手のタイムを記録し、R1のポテンシャルを証明できたと思います。でも私のほうがミスを続けてしまったのです。明日もふたつのレースがあるので、またベストを尽くしていきます。雨が降れば展開は予想できなくなりますが、晴れならスーパーポール・レースでできるだけポジションを挽回し、レース2に向けて好位置確保を目指します。クリーンなレースを心掛け、少しでも上を狙っていきます」

野左根航太選手談(14位)

「予選で好タイムを記録しましたが、まだまだペースが足りず、レース1は厳しい戦いになりました。強風のせいで状況はより一層、難しくなりましたが、コンディションは誰にとっても平等です。明日はスーパーポール・レース、レース2ともに好スタートを目指します」

スーパーポールレース/レース2

Pata Yamaha with Brixx WorldSBK

T・ラズガットリオグル選手談(6位/DNF)

「ウエットのスーパーポール・レースで、レイ選手が転倒したのを見てスロットルを緩めました。バルセロナでのウエットと比べて調子があまり良くなかったこともあり、ここは完走を目指し、レース2に賭けようと思ったのです。ところがレース2ではバッドラックに見舞われてしまいました。フロントフェンダーの何かが壊れて、それがフロントタイヤのところに入ってしまい、フロントがスライドしてしまったのです。何という不運でしょうか! "なぜストレートで壊れてくれなかったのか、それなら問題なかったのではないか、なぜ最終コーナーで起きてしまったのか"と心のなかで叫びました。でもこれが人生、これがレースというものです。優勝争いをしていたので悔しいですが、私は転倒し、しかも自分のミスではありませんでした。でもこのことはもう振り返らず、ただ次のレースに集中するだけです。チャンピオンシップは毎回、変動しています。今はアルゼンチン大会に集中し、また優勝を狙っていきます。もし優勝すればポイントをもらえますが、そのことは依然として考えていません!」

A・ロカテッリ選手談(4位/4位)

「うれしいような、うれしくないような、自分でもよくわかりません。レース序盤はマシンのフィーリングが悪くなかったのでトップグループについて行こうとしましたが、5~6ラップ後からは少しずつ離されてしまいました。また昨日の転倒の影響で体調も万全ではありませんでした。スーパーバイク・マシンでポルティマオを走るのは初めてで、全力を尽くしましたが楽ではありませんでした。4位という結果は悪くありませんが、もっとトップグループに近づいてバズやバウティスタの前へ出たいのです。結果的に3位になったのはラッキーですが、本当の表彰台ではありません。今は前だけを見て、アルゼンチンでの再スタートに集中していきます。初めて走るコースですが、きっとうまくやれるでしょう。昨日も今日も難しい状況のなか、支えてくれたチームのみんなに感謝しています。ここまで皆で力を合わせて仕事に励み、ともにポイントを獲得してきました。ここから私がもっと頑張らなければなりません。速さは出てきているので、あとはもう少し経験が必要です。次回も楽しみです」

P・デニング、チーム代表談

「昨日までとても順調でしたが、今日は非常に残念な結果となりました。ラズガットリオグル選手に怪我がなかったことは本当に幸いでしたが、あのクラッシュは避けられたはずのもので、しかもラズガットリオグル選手には何の落ち度もありませんでした。チームとエンジニアは今、慎重に原因を調査しています。トプラックは少なくとも表彰台は獲得できたはずで、私たちがそのチャンスをつぶしてしまったという非常に苦い思いだけが残っています。その一方でポイント争いにおいてはアドバンテージを24ポイントに拡大することができたので、すべては次回アルゼンチンでの復活にかかっています。ロカテッリ選手は昨日の転倒の影響でベスト・コンディションではありませんでした。コースの経験不足もありバルセロナやヘレスのときのようなリズムをつかむことはできませんでしたが、そのなかで今日の2レースを走り切ったことがランキング4位争いに生かされています」

GRT Yamaha WorldSBK Team

G・ガーロフ選手談(8位/5位)

「レース2が今回のベストレースでした。序盤の数ラップは少し手間取り、最終コーナーではグランドスタンドまで飛ばされそうなハイサイドを起こして12位まで落ちてしまいました。でもそのあとは、フィーリングがとても良かったのでクリーンなレースを目指していきました。レース1とスーパーポール・レースはあまり調子が良くありませんでしたが、最後に5位を獲得することができて良かったです。本当はもっと上を目指せたはずなので悔しい気持ちもありますが、ここをスターティング・ポイントとして、さらに前進してきたいと思います。アルゼンチンのコースは走ったことがないので、2年前のビデオを見て勉強します。ユニークで良さそうなサーキットなので楽しみです。その前に少し家でのんびりしてから、シーズン終盤戦に臨みます」

野左根航太選手談(DNF/13位)

「スーパーポール・レースは難しいコンディションのなかで行われました。このコースでウエットを走るのは初めてで、とても滑りやすく、風も強く、5ラップ目にミスをして転倒してしまいました。自分のミスでこのようなことになり、チームには申し訳なく思っています。またレース2に向けて完ぺきに修復してくれた彼らに感謝しています。レース2も強風で、長いレースは厳しいものでしたが、少し前進して13位でゴールすることができました。次のアルゼンチンを楽しみにしています」

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