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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.13 10月26-27日 カタール

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権第13戦カタール大会
■開催地:カタール/ロサイル・インターナショナル・サーキット(1周 5.380km)
■周回数:レース1 17周(91,460km)

レース1
■開催日:2018年10月27日(土)
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度
■路面温度:30度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分56秒124)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分57秒284)

REPORT

レース1:ローズがカタールの第1レースで表彰台を獲得

ロサイル・インターナショナル・サーキットで夜間照明のもと行われたシーズン最終戦の第1レース。Pata Yamaha Official WorldSBK TeamのA・ローズが3位を獲得して今季4度目となる表彰台に上った。チームメイトのM・ファン・デル・マークは、前日のフリープラクティス第1セッションで転倒して左手首を負傷していたが、痛みをこらえて走り切り、7位を獲得した。

ローズはスーパーポールで3位を獲得してフロントローからのスタート。素早く飛び出すとE・ラバティとバトルを展開し、7ラップ目に一旦前に出て3位に上がったが、2ラップ後には抜き返されてその後は4位をキープした。終盤になるとラバティはフロントに、ローズはリアにグリップ不足が出始めて、両者ともに苦しい展開。そのなかでローズは最終ラップで仕掛け、激しい競り合いの末にラバティを抑えて3位でチェッカーを受けた。

一方のファン・デル・マークは、フリープラクティス第1セッション序盤の転倒で左手首を負傷しており、マシン・セッティングも十分に行うことができなかったことから苦しい展開を強いられた。グリッド3列目から好ダッシュを見せたものの、コーナリングに手間取り、なかなかポジションを上げることができない。終盤になると手首の痛みが増してさらに厳しい状況になるなか、前方のC・デイビスとX・フォーレスの6位争いを懸命に追いかけた。すると最終ラップを迎えたところで前のふたりが突然スローダウン。この間にファン・デル・マークは7位に上がり、そのままキープしてチェッカーを受けた。この結果、貴重なポイントを獲得してランキング3位をキープ。2位のデイビスに23ポイント差と近づいた。2018 FIM World Superbike Championship最終レースは、現地時間19:00スタート予定。

レース2:コースコンディション悪化のため、第2レースはキャンセル

Pata Yamaha Official WorldSBK Teamの2018シーズンは、予定より早く終了を迎えた。シーズン最終戦の第2レースは予定時間を繰り下げて一旦、進行したが、それからまもなく、コースの安全性が確保できないことを理由に中止が決定。この結果、M・ファン・デル・マークとA・ローズが3回の優勝と14回の表彰台を獲得した素晴らしいシーズンが、突然に幕を下ろすこととなった。

ファン・デル・マークとローズが2018シーズン最終レースに出場するためロサイル・インターナショナル・サーキットに到着すると、強風と雷と激しい雨がコースを襲っていた。このため当初のタイム・スケジュールから90分以上遅れて15分間のウォームアップ・セッションがスタート。しかしこのあとライダーたちからコースコンディションについての報告があり、コース上の数か所で排水処理を行うこととなり再び予定が繰り下げられた。

WorldSSPの決勝が15ラップから12ラップへ短縮されて行われたあと、セーフティ・コミッションは、SBKとSSPのマシン・パワーとタイヤの違いを考慮してWorldSBK第2レースの中止を決定。これによってファン・デル・マークはランキング2位への挑戦のチャンスを失うこととなったが、シーズン初めの期待を上回るランキング3位を獲得した。一方、ここカタールで速さと安定性を見せていたチームメイトのローズは、第1レースに続いて表彰台獲得を目指していたがかなわず、合計248ポイントでランキング6位となった。

Pata Yamaha Official WorldSBK Teamは来月、スペインを訪れ、2019シーズンに向けて早くも始動する。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1:A・ローズ選手談(3位)

「ここまでとても順調です。予選に続いて、決勝ではより一層、良い走りができました。ただしリア・グリップについては少し問題があったので、明日までに解決しなければなりません。終盤はユージン(ラバティ)もフロントのほうに問題を抱えているようだったので、それを見逃さず、最後で仕掛けて3位を獲得することができました。再び表彰台に上ることができてハッピーですし、激しいバトルをエンジョイできたことに満足しています。チームもとても素晴らしい仕事をしてくれました。昨日のレース・シミュレーションを通して、タイヤを消耗したあとのフィーリングを経験していたことも助けになりました。明日もまた、表彰台に上ってシーズンを締めくくりたいと思っています」

M・ファン・デル・マーク選手談(7位)

「スタートはうまくいったのですが、オープニングラップの混戦のなかで、なかなかポジションを上げることができませんでした。マシンの調子は良かったので、そのあと数台をパスすることができましたが、レース後半になるとコーナーでの向き換えと立ち上がり加速で苦戦するようになってしまいました。同時に手首の痛みもひどくなってきて、そのあとは残念ながら、どうすることもできませんでした。このように厳しいレースでしたが、最終ラップでふたつ上げて貴重なポイントを獲得。このことは本当にうれしく思っています。明日に向けて、マシンの改良に努めます。それがうまくいって、私がグリッド2列目から序盤でトップグループについて行くことができたら、トップ5を目指して戦う自信があります」

P・デニング、チーム代表談

「このところ苦戦が続いていましたが、今日のアレックスは非常に素晴らしい走りを見せてくれました。彼が自信を取り戻したことを、とてもうれしく思います。ユージンとのエキサイティングなバトルは、私たちを含め、見ていたすべての人を興奮させたに違いありません。アレックスとそのチームとでつかんだ成功を祝福します。しかし同時に、このことによって明日は3列目からのスタートとなり難しい展開が予想されるわけですが、私たちとしては、明日のスターティング・ポジションよりも今日の表彰台のほうがずっと重要です。みんなが本当によくやってくれました。一方でマイケルのほうは、フリープラクティス第1セッション序盤で転倒し、その後の時間を無駄にしてしまいました。走行時間の不足に加え、ふつうの人間ならソファに座っていなければならないような怪我を負ってしまったことで、決勝は非常に厳しいものとなりました。彼はそれでも、最後まで粘って走り抜いてくれました。明日までにマシンを改良し、より自信を持って走れるようにしたいと考えています。その上で2列目からスタートすれば、これまでにも何度かあったように、彼はきっと素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。明日も頑張ります」

レース2:M・ファン・デル・マーク選手談(ランキング3位)

「第2レースの中止は正しい判断だったと思います。チャンピオンシップはすでに結果が出ていましたし、コースコンディションが回復する見込みはありませんでした。とくに第15コーナーには大量の水が出ていました。もちろん、シーズン最後の一日をピットのなかで過ごしたのは残念ですが、安全は何よりも優先されなければなりません。私たちはシーズンの初めに、表彰台争い、トップ争い、そしてランキング5位以内という目標を立てていました。そのすべてを実現し、目標を超えるランキング3位を獲得できたことを非常にうれしく思います。チームとしても大きく成長し、ふたりのライダーが優勝や表彰台を獲得できたのですから、彼らもそれを誇りにすることができるでしょう。これからまたハードワークを続け、もっと強くなって2019シーズンに帰って来たいと思います」

A・ローズ選手談(ランキング6位)

「昨日の第1レースで表彰台を獲得し、今日もまたそれを再現したいと思っていたのですが、このようなことになり少し残念です。でも、どんなときでも安全性が真っ先に優先されなければなりません。今シーズンは私にとって、非常に素晴らしいものでした。WorldSBK初優勝と初ポールポジション、そして鈴鹿8時間耐久レースでは3年連続で優勝できたことも特別な感慨があります。しかしながら同時に、ある種のフラストレーションも残っています。というのもシーズンのなかで何度かは、自分の思うような走りができなかったからです。でも今シーズンは好調に始まり好調に終わったことは間違いありませんし、そのなかで今後の課題もはっきり見えてきました。このあとの冬季マシンテストでさらに成長し、来年はまた、もっと強くなって戻って来ます。マイケルのランキング3位は見事です。チームにもおめでとうと言いたいです」

P・デニング、チーム代表談

「非常に不運で奇妙なシーズンの終焉となりました。でもこれが唯一の論理的な判断です。チームとしてはレースのキャンセルは残念ですが、セーフティ・コミッションの決定を全面的に支持します。2018シーズンはPata YamahaとヤマハのWorldSBKプロジェクトにとって、大成功のシーズンだったと言ってよいと思っています。シーズン開幕当初に掲げた目標は、常に前進し続けること、一勝を挙げること、そして1台はランキング3位以内、もう1台は6位以内というものでした。結果、そのすべてを実現し、3回の優勝を経験することができました。しかしその一方で、いくつかのコースでは安定性を欠くことがありました。これは来年に向けての課題です。来シーズンも同様のふたりのライダーを起用し、さらに一歩、先への前進を目指します。すでにマシンテストの予定も決まっており、そこではヤマハによる興味深い開発プログラムも期待できるでしょう。Yamaha Motor Europe、Pata、Rizla、その他すべてのスポンサーとパートナー、そして驚くべきハードワークをこなしてくれたチームスタッフ、そしてもちろん、才能あふれるふたりのライダーに感謝します」

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