スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.12 10月13-14日 アルゼンチン
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第12戦アルゼンチン大会
■開催地:アルゼンチン/エル・ビリカム(1周 4.276km)
■周回数:レース1 21周(89,796km)、レース2 21周(89,796km)
レース1
■開催日:2018年10月13日(土)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度
■路面温度:35度
■PP:M・メランドリ(Ducati/1分39秒012)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分39秒175)
レース2
■開催日:2018年10月14日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:24度
■路面温度:43度
■PP:M・メランドリ(Ducati/1分39秒012)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分39秒175)
REPORT
レース1:ローズとファン・デル・マーク、アルゼンチンでタフなチャレンジ
アルゼンチンで初開催となったFIM World Superbaike Championshipは、Pata Yamaha Official WordSBK TeamのA・ローズとM・ファン・デル・マークにとって厳しいものとなっている。ローズは序盤で表彰台争いを展開したあと7位でチェッカー。ファン・デル・マークはグリッド4列目からポジションを上げて8位を獲得した。
Circuito San Juan Villicumで毎セッション、スピードと安定性を発揮してきたローズは、スーパーポール2で6位を獲得してグリッド2列目からのスタート。好ダッシュから果敢に攻めてオープニングラップで4位に上げていたが、周回を重ねるにつれてタイヤ・パフォーマンスが低下し、徐々にトップグループから離されていった。加速でリアタイヤがスピンして立ち上がりで十分なドライブが得られなくなり、表彰台争いから後退。最終的に7位となり、そのままポジションを維持してゴールラインを通過した。
一方のファン・デル・マークは、スーパーポールで力を出し切れずグリッド11位からスタート。レース序盤で2回のミスがあり、作戦通りのポジションアップができなかったが、クリアスペースを利用して上位陣と同等のペースで周回を重ねていった。レース後半は単独走行を続け、ローズに続く8位でチェッカー。この結果、ファン・デル・マークはランキング3位をキープし、2位のC・デイビスとの差を26ポイントから18ポイントへと縮めている。
レース2:Pata Yamaha、第2レースでハードプッシュ
Pata Yamaha Official WordSBK TeamのA・ローズとM・ファン・デル・マークは、初開催のアルゼンチン大会第2レースでともにポイント・ゲット。ローズはクレバーな戦いぶりで6位を獲得。ファン・デル・マークはレース序盤で表彰台争いを展開しながら9位に後退した。
グリッド2列目の先頭の位置からスタートしたローズは、トップグループに続く4位につけたあとM・メランドリ、C・デイビスに抜かれて6位。そのあとは後方からのT・サイクスの追撃を抑えていたが、レース中盤で先行を許して7位に後退した。後半もハイペースを維持し続得たローズは残り2ラップでT・ラズガトリオグルをパスし、6位に上がってチェッカーを受けた。
チームメイトのファン・デル・マークは、ローズと並んでグリッド2列目からスタート後、いくつかのコーナーを抜けて4位へ浮上。しかし第12コーナーでJ・レイにインを差され、路面状態の良くないところへ押し出されてしまう。レースラインへ戻ったときには4つポジションを下げており、この時点でトップ5のチャンスを失うこととなってしまった。それでも最後までプッシュを続けて一時は6位まで挽回したが、終盤はマシンの状態に苦戦して9位へ下げてフィニッシュした。
ファン・デル・マークはランキング3位をキープし、2位のデイビスを24ポイント差で追う状況。ローズは合計232ポイントでランキング6位につけている。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
COMMENT
レース1
A・ローズ選手談(7位)
「思っていたようなスピードが出ず、フラストレーションがたまるレースになってしまいました。リアタイヤのパフォーマンス低下に苦戦することになってしまったのですが、本来、この部分が私のストロング・ポイントのはずなので、とても奇妙なことだと感じています。スタートも良く、いいポジションにつけることができていただけに、最後までペースを維持することができず残念な気持ちでいっぱいです。ウイーク初日からずっと好調だったのに、決勝ではやや方向性を見失ってしまったようです。路面状況も刻々と変わるなかで、ライバルたちはプラクティスよりむしろ速くなっていました。私にとっては非常に厳しい戦いでしたが、タイヤを消耗したあとも安定したラップタイムで走れたことは良かったと思っています。その他のいくつかの部分を、明日までに改良しなければなりません」
M・ファン・デル・マーク選手談(8位)
「午前中のセッションでセッティングを大幅に変更しましたが、それが思ったような成果につながらず、スーパーポールで苦戦することになってしまいました。グリッド4列目からのスタートはどんなときも大変ですが、このコースではとくに、クリーン・ラインがひとつしかないためオーバーテイクが難しいのです。スタートは悪くありませんでしたが、序盤でシフトに問題があり大きく遅れてしまいました。そのあとクリアスペースができたのでペースを上げ、前との差を縮めていくことができました。その点については今日の午前中よりは良くなっていて、とくにレース終盤は非常に好調でした。これを明日の決勝につなげ、グリッド2列目からトップ5を狙っていきたいと思っています」
レース2
A・ローズ選手談(6位)
「昨日よりは少し良かったと思いますが、ライバルたちにパスされ、差を広げられ、最終的に6位でゴールしたことは満足できるものではありません。それでも終盤はマシンのフィーリングが良くなってきて、最後に1台を抜くことができました。何かちょっとしたことが、私たちの前進を阻んでいるのです。ウイークを順調にスタートしていたのに、そこから決勝まではほとんど改善が見られませんでした。私にとっては明らかに難しいコースで、ここでもまた、前の数戦と同じように加速に悩まされることになりました。マイケルも同じ問題で悩んでいるようでしたが、ポルトガルやフランスでは、彼には起こっていなかったことなのです。これらのネガティブな問題に焦点を当てて、ハードワークを続けて改良を目指していくしかありません。チームとしてベストを尽くした上で、ヤマハの開発努力を受けて前へ進めると確信しています」
M・ファン・デル・マーク選手談(9位)
「午前中のウォームアップ・セッションでセッティングを少し変更しましたが、ハーフ・ウエット、ハーフ・ドライというコンディションのもとでは、多くの成果を得ることはできませんでした。もともと小さな変更だったので、結局、前のものに戻して決勝に臨みました。スタートは非常に良かったのですが、すぐさまマシンに問題を抱えることになりました。序盤はまだ上位に近いところに留まっていられましたが、ジョニーに抜かれたときにラインを外れて4つもポジションを下げてしまったあとは、マシンの状態も良くなかったので挽回は難しかったのです。今回は2レースとも残念な結果に終わりました。このあとは最終戦のカタールに向けて気持ちを集中していかなければなりません。昨年はそこでR1がとても好調だったので、もう一度表彰台を目指して戦いたいと思います」
P・デニング、チーム代表談
「夏休み以降、毎回、表彰台を獲得してきた私たちが、今回は最高で6位に留まったことは非常に残念です。コースが変化するなかで問題の正しい解決方法が見つからず、ライダーたちが存分に力を発揮できるようなマシンを作り上げることができませんでした。それでも今日のアレックスは、ペースもマシン・フィーリングも良くなっていたと思います。ただ、ほんの小さな技術的な問題が彼を表彰台から遠ざけてしまったのです。マイケルのほうはスタート直後から厳しい状況で、早々にジョナサンに押し出されてポジションダウン。そのあとは、なかなか上がってくることができませんでした。このようにいくつかの点で悔しさが残りましたが、大会自体は素晴らしいものだったと思っています。Dornaとサーキットが良い仕事をして大勢の観客を集めました。来年は私たちも、R1をもっと強くするためにベストを尽くしてこの大会に臨みたいと思います」