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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.09 7月7-8日 リビエラ・ディ・リミニ

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権第9戦リビエラ・ディ・リミニ大会
■開催地:イタリア/ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ(1周 4.226km)
■周回数:レース1 21周(88,746 km)、レース2 21周(88,746 km)

レース1
■開催日:2018年7月7日(土)
■コースコンディション:ドライ
■気温:28度
■路面温度:46度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分33秒640)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分34秒948)

レース2
■開催日:2018年7月8日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:29度
■路面温度:45度
■PP:T・サイクス(Kawasaki/1分33秒640)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分34秒944)

REPORT

レース1:ファン・デル・マークが4位獲得

MOTUL FIM Superbike World Championship第9戦。Pata Yamaha Official WorldSBK TeamのM・ファン・デル・マークがグリッド11位からスタートして4位を獲得。ワイルドカードで参戦したN・カネパが12位に入り、シーズン初のポイントゲット。A・ローズは残り10ラップで転倒してリタイアに終わった。

ファン・デル・マークとローズは予選でそれぞれ11位と12位に留まりグリッド4列目からのスタート。ファン・デル・マークは2列目までにコンマ1秒差、ローズは一時3位まで上がったものの最終セクションで転倒があり順位を下げていた。またワイルドカード参戦のカネパはさらに2列後ろの16位。

ミサノ・サーキットの典型的な蒸し暑さのなかで行われた第1レース。ファン・デル・マークは絶好のスタートから果敢に攻め、ハイペースと安定したリズムをつかんでトップグループに加わっていった。レース中盤でT・サイクスをパスして4位に上がったあと、さらにペースを上げていったが、3位には届かず表彰台を逃す結果となった。

ワイルドカード参戦のカネパは、前回のドニントンパークでは残念な結果となったが、今回は納得の走りで12位でゴール。これで初めてのシリーズポイントを獲得したばかりでなく、ヤマハエンジニアにとって非常に貴重な開発データの収集に貢献した。

ローズは、スタート直後の第1コーナーで大きくはらんで後退。挽回を図るなかでフロントから転倒し、17位からもう一度ポジションアップを試みたものの、まもなく2度目の転倒を喫してリタイアを余儀なくされた。

Pata Yamaha Official WorldSBK Teamの3人のライダーは第2レースでの活躍に自信を見せており、第1レースで4位を獲得したファン・デル・マークはポールポジションからスタートする。

レース2:ファン・デル・マークが果敢な優勝争いで2位獲得、ローズは6位

Pata Yamaha Official WorldSBK TeamのM・ファン・デル・マークが第2レースで2位獲得。第1レースでDNFに終わったチームメイトのA・ローズは6位と健闘してポイント獲得。ワイルドカード参戦のN・カネパも13位に入ってチャンピオンシップ・ポイントを加算した。

前日と同様、好天に恵まれ路面温度が45度まで上昇したミサノ・サーキット。第1レース4位のファン・デル・マークはポールポジションから、転倒リタイアに終わったローズはグリッド4列目から、カネパはさらに2列後ろの16番手からそれぞれスタートした。

ファン・デル・マークは第1コーナーでX・フォーレスに先行を許したものの、3ラップ目にはフォレスのマシンに不具合が出る間にトップに浮上し、ここからさらにペースを上げて後続を引き離してゆく。しかし、まもなくしてJ・レイに追いつかれ、激しいトップ争いへと発展していった。残り2ラップではレイが仕掛けてトップに浮上。ファン・デル・マークは再度、逆転を狙ってプレッシャーをかけ続けたが、わずかに届かず2位でチェッカーを受けた。この結果、シリーズポイントを合計248に伸ばしてランキング3位をキープ。2位のC・デイビスを30ポイント差で追う。

ローズは絶好のスタートから1ラップ目で果敢にオーバーテイクを図り、見る見るうちに6位まで浮上。その後もライバルたちに迫るペースで走行を続けたが、マシンのフィーリングでは十分にプッシュしていくことができず、表彰台争いには届かなかった。リスクを避けて6位でフィニッシュしたローズは貴重なポイントを加算。シリーズポイントを合計193ポイントとし、M・メランドリと並んでランキング5位タイにつけている。

Pata Yamaha Official WorldSBK Teamから2度目のワイルドカード参戦となったカネパは、13位でゴールして第1レースに続いてポイントを獲得。実際のレース参戦を通じ、ヤマハの今後の開発プログラムに役立つ貴重なデータ収集を行った。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1:M・ファン・デル・マーク選手談(4位)

「今日の午前中のセッションでは、またマシンのフィーリングが良くなっていて、スーパーポール1でラップタイムを大幅に更新することができました。でも予選タイヤを履いた第2セッションはコースの終盤でスピンがひどくなり、思うようにペースを上げられずに11位に留まってしまいました。決勝では好スタートを切り、最初のいくつかのコーナーで運もあって順調にトップグループに追いつくことができました。ペースが非常に安定していて、とくにレース終盤はライバルよりも速く走れていたと思いますが、表彰台を奪うにはわずかに足りませんでした。ここまでの仕事にはとても満足しています。明日はポールポジションからスタートするので、表彰台を目指していい戦いができるよう頑張ります」

N・カネパ選手談(12位)

「ポイントを獲得できたことに満足しています。前回、出場したドニントンパークでは苦戦しましたが、今回はセッティングで良い方向性が見つかり、自分自身の乗り方もいくらかうまくなってきたように思います。決勝中のペースも満足できるものでしたし、何より、残り4ラップでベストラップが出たのは良かったと思います。このマシンに乗れば乗るほど、周回数を重ねれば重ねるほどマシンのことがわかってきます。それによってテストライダーとしての役割を、よりしっかりと果たせるようになるはずです。それこそが私の仕事なのです。これからさらに細かいところを改良し、第2レースではもう一歩前へ進めると確信しています」

A・ローズ選手談(リタイア)

「厳しいレースになってしまいました。昨日までは順調でしたし、ミサノ・サーキットはもともとR1ととても相性の良いコースなので、もっと上を狙っていけると考えていたのです。スーパーポールはほぼ完璧。でも順調に走っていたそのラップで、第14コーナーでミスをしてフロントローとセカンドローのチャンスを逃してしまいました。決勝ではプラクティスのときのような好感触を得られなくなっていましたが、そのなかでもポジションアップを狙ってパスを試み、ついにはミスをおかしてしまいました。今シーズン初めてのリタイアにとてもがっかりしています。でも明日のためにR1のセッティングを改良し、もう一度トライしたいと思います」

P・デニング、チーム代表談

「わたしたちは通常、土曜日に予選のことを話すことはありません。でも今日のレースに関しては、マイケルもアレックスも多分に、予選結果とグリッド位置が影響したと考えています。マイケルはコンマ1秒以下の差で2列目に届かず、アレックスはアタックラップの最後にミスをして、目前にあったフロントローを逃しました。これによってふたりは、決勝で厳しい展開を強いられてしまったのです。それでもマイケルは好スタートを切って1ラップ目に8位へ浮上。そこから今季最高とも言える見事な走りで追い上げ、R1を限界までプッシュしながら最後までミスを想像させることもありませんでした。昨日から大きく前進したことは、彼とそのスタッフの努力の賜物です。明日はポールポジションからスタートするので、前方には十分なクリアスペースが広がっています。良い結果を期待します。 アレックスのほうは残念なことに、今季初めてのリタイアを喫しました。スタート直後が難しく、チームとしても、そのために必要なちょっとした改良を詰めきれずにいました。そしてトップグループを追ってプッシュしていくうちに問題が起きてしまうのです。アレックスは今シーズン、ほとんどミスをしていません。明日はもう一度、チーム一丸となって戦いに臨み、グリッド4列目からですが、ベストリザルトを目指したいと思います。 ニッコロは非常に集中して、終始ハードワークを続けてくれました。レース距離を完走したことで、ここまでに収集した多くのデータが彼に確かな指針を与えていますし、ヤマハエンジニアにとっても、R1開発の重要なポイントを理解するための助けになっているのです」

レース2
M・ファン・デル・マーク選手談(2位)

「スタートがあまり良くなかったので、しばらくはフォーレスについていきましたが、彼が問題を抱えているようだったので前に出ました。トップに立ってからは自分のペースと自分のリズムをつかむことに集中。本来ならもう少しペースを上げられたかもしれませんが、この暑さの中ではなかなかそれができませんでした。わたしの後方では3台が激しいバトルを繰り広げているのが見えたので、私はひたすらコンスタントな走りを心がけました。そのなかで少しずつアドバンテージが広がっていったのですが、しばらくするとジョナサン・レイが近づいてきて、私がちょっとミスをしたときに抜かれてしまいました。残り2ラップは彼にぴったりとついて行きましたが、抜き返すには少し足りず、そのままチェッカーを受けることになりました。優勝を逃したのは残念ですが、チャンピオンシップを考えれば2位もとても良い結果です。気持ちよくサマーブレイクを迎えることができます」

A・ローズ選手談(6位)

「金曜日には順調にウイークをスタートしたにもかかわらず、昨日は非常に厳しい結果に終わってしまいました。だから今日こうして、グリッド12位から6位まで上がってフィニッシュできたことはとても良かったと思います。依然として絶好調ということではありませんでしたが、スタートがとてもうまくいって、そのあとの数ラップも順調だったので、もう少しチャレンジできると思いました。でも、そう思い通りにはいきませんでした。それでも今日はポイントを獲得することができましたし、ポイントを獲得できなかった昨日も、多くのことを学ぶことができました。その一方で、マイケルがまた表彰台に上ったことをうれしく思います。わたしのほうは最高のパフォーマンスには届きませんでしたが、ポイント獲得を喜んでいます」

N・カネパ選手談(13位)

「週末が終わり、ふたつのレースに満足しています。第1レースではいくつか問題があり、第2レースでもいくつか問題にぶつかったので、決してラッキーではありませんでした。それでもドニントンのときよりは良くなってきていますし、さらに前進するためにハードワークを続けています。今日のマイケルの表彰台獲得は、その方向性が間違っていないことを証明してくれているのです。私自身の仕事にも満足していますが、このあともしっかりテストに取り組み、またいつかレースに出場したいと思っています。今回は素晴らしい経験ができました」

P・デニング、チーム代表談

「何というレースでしょう!フロントローからスタートしたマイケルが素晴らしいパフォーマンスを見せただけでなく、チームも同様に素晴らしい仕事をして、R1のセッティングをより一層、強化してくれました。マイケルは21ラップの間、ひとつもミスをせず、一時は後続を引き離すこともありました。やがてジョナサン・レイに追いつかれ、残り2ラップではとうとう抜かれてしまいましたが、何より素晴らしかったのは、マイケルがそのあとも、マルコ・メランドリを牽制するよりもトップ奪回を目指して力を尽くしたことです。彼の頑張りを祝福します。去年はここで悔しいリタイアに終わりましたが、今年はこの好成績とともに良い形で夏休みを迎えることができます。 アレックスは金曜日にハイペースと安定性を見せてくれましたが、昨日はそれがうまくいかず、その結果として今日はグリッド4列目と難しいレースを強いられました。しかしそこから絶好のスタートを切り、序盤で果敢にパスを試みてトップ6まで上がったのです。でも彼にとってはマシンのフィーリングが十分ではなかったため、さらに表彰台を狙っていくことはできませんでした。このような場合は落ち着いて集中力をキープし、できる範囲でベストリザルトを目指すことが求められます。ブルノで優勝し、ラグナセカで表彰台に上ったアレックスが、今日は賢明にも限界を認めてできる限り最高のポイントを持ち帰ってきてくれたのです。 ニッコロの努力にはとても感謝しています。彼はライダーとしてのクオリティが高く、また同時に非常に秀でたテストライダーでもあると考えています。彼がレースに出場し、ライバル・マシンと実際に競り合うことが、マシン開発の上で非常に大きな助けになるのです」

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