スーパーバイク世界選手権
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。
Rd.02 3月24-25日 タイ
RACE DATA
■大会名称:スーパーバイク世界選手権第2戦タイ大会
■開催地:タイ/ブリラム(1周4.554km)
■周回数:レース1:20周(91.080km)/レース2:20周(91.080km)
レース1
■開催日:2018年3月24日(土)
■コースコンディション:ドライ
■気温:32度
■路面温度:42度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分32秒814)
■FL:J・レイ(Kawasaki/1分33秒714)
レース2
■開催日:2018年3月25日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:33度
■路面温度:41度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分32秒814)
■FL:C・デイビス(Ducati/1分33秒627)
REPORT
レース1
ローズが5位、ファン・デル・マークは7位
2018Motul FIM Superbike World Championship第2戦がタイはブリラムにあるチャンギ・インターナショナル・サーキットでスタート。蒸し暑いコンディションのなかで行われた第1レースでPata Yamaha Official WorldSBK Teamが健闘し、A・ローズは5位、M・ファン・デル・マークは7位を獲得した。予選6位のローズはスタートで出遅れて一旦10位まで後退したが、果敢な走りで挽回。ファン・デル・マークは予選10位から好スタートを切ってローズとともにトップグループでバトルしたあと、終盤でグリップ不足に見舞われてポジションを下げた。
ウイーク初日の金曜日は総合10位に留まったローズ。土曜日午前中に行われたフリープラクティス第4セッションで1分33秒440の好タイムをマークし、SP2ではさらに1分33秒033へと更新してグリッド6番手を獲得した。ポールポジションから0.222秒離されながらも首位争いに自信を見せていたが、スタート直後の第1コーナー進入で手間取って2ラップ目終了までに10位へと後退。その後、少しずつフィーリングを取り戻して挽回し、ハイペースをキープしてポジションを上げていった。
8ラップ目までに8位に上がったローズはファステストラップを記録。いよいよファン・デル・マークのテールに迫り、すでにお馴染みとなったチームメイト同士のバトルを披露した。14ラップ目にはローズがファン・デル・マークを突き放し、さらにその前方を行くT・サイクスとの約1秒の差を詰めにかかる。そして17ラップ目にこれに追いつくと、19ラップ目に前に出て見事5位を獲得した。この結果、シリーズポイントでは11ポイントを加算してトータル32ポインのランキング7位。日曜日の第2レースはグリッド2位からスタートする。
一方のファン・デル・マークは金曜日のフリープラクティスで総合7位。午前中の第4セッションでは1分33秒643の好タイムで5位につけ、SP2でも1分33秒373へとわずかに更新したものの、順位を下げてグリッドは4列目に留まっていた。それでも第1レースのスタートでは、シグナル・グリーンとともに絶好の飛び出しを見せ、その後もコンスタントにハイペースをキープ。順調にポジションを上げてゆき、6ラップ目までに7位につけると10ラップ目にはM・メランドリをとらえて6位に浮上した。
次に照準を定めたのがチームメイトのローズ。いつものように互いに何度もポジションを入れ替えながらバトルを展開したが、レース終盤になるとファン・デル・マークのグリップレベルが低下して決着がついた。7位でチェッカーを受けたファン・デル・マークは9ポイントを加算し、トータル25ポイントのランキング8位。第2レースは4番グリッドからスタートし、表彰台獲得を目指す。 Pata Yamaha Official WorldSBK Teamは現地時間11:30にウォームアップセッションに参加。第2レースは16:00にスタート予定。
レース2
第2レースはPata Yamahaのダブル表彰台!
2018シーズン第2戦の第2レース。ブリラム蒸し暑いコンディションのもとでPata Yamaha Official WorldSBK Teamのふたりが揃って表彰台に上った。M・ファン・デル・マークはグリッド4位から絶好のスタート。すぐさまチームメイトのA・ローズと優勝争いを展開し、6ラップまでレースをリードしたあと2位でチェッカーを受けた。ローズもグリッド2列目からトップ争いに加わり、序盤はファン・デル・マークと競り合い、終盤は確実に3位を守ってゴールした。
土曜日に行われた第1レースで7位に留まったファン・デル・マーク。ウォームアップ・セッションではあともう一歩のペースアップを目指してセッティング変更を試みたものの、残念ながら大きな変化が見られなかった。そこで最終的に金曜日のセッティングに戻し、さらにフロントタイヤに別のスペックのものを試したら、それが奏功した。シグナル・グリーンとともに絶好のスタートを切ると、ローズと競り合いながらレースをリード。序盤で互いに何度も順位を入れ替える接近戦を繰り広げ、3ラップあたりから少しずつアドバンテージを広げていった。このようなレース序盤のふたりのバトルは、今シーズンのここまでの4レースでおなじみの光景となっている。
ハードプッシュを続けてトップをキープしていたファン・デル・マークだが、8ラップ目にはC・デイビスに追いつかれて先行を許す。あきらめずにさらにペースを上げ、9ラップ目には1分33秒775のファステストラップをたたき出してデイビスのテールに食らいつくも、結局、抜き返すことはできなかった。その後は2位獲得に専念し、3位のローズとの差を計りながらチェッカー。トップに2.185秒差の2位を獲得し、ヤマハで3度目となる表彰台に上った。シリーズポイントでは20ポイントを加算してトータル45ポイントとなり、ランキング6位につけている。
一方、第1レースで5位を獲得したローズもマシンのフィーリングが万全ではなかったため、チームは夜を徹して作業を行っていた。ウォームアップセッションでそれを試し、問題を解決して第2レースに臨むと、100%の状態ではなかったものの最初の3ラップでチームメイトと好バトルを展開した。
その後、少しずつ離されたが、冷静に対処しながらリズムをキープ。そして15ラップ目頃からは前を行くファン・デル・マークとの差を挽回し始め、16ラップ目には1分33秒946の最速タイムをマークした。残念ながら逆転には周回数が足りず3位でチェッカーとなったが、今季初の表彰台とともに16ポイントを獲得し、トータル48ポイントに伸ばしてランキング5位となっている。
2016年にスーパーバイク世界選手権に復帰して以来、Pata Yamahaのチームメイトのふたりが揃って表彰台に上ったのは昨年のマニクールに続いて2回目。第3戦は4月13日~15日にアラゴンで開催される。
WSBK RESULT Race.1
WSBK RESULT Race.2
RIDERS RANKING WSBK
CONSTRUCTORS RANKING WSBK
COMMENT
レース1
A・ローズ選手談(5位)
「前回のフィリップアイランドではスタートで遅れてしまったので、今回はそれを改善したいと考えていました。本来、得意としていて、いつもはスタートで好位置につけることができるのですが、大事なところで思うように動けなかったのです。私の激しいプッシュとマシンの反応とがマッチしていないせいなのかどうか、よくわかりません。でもいずれにしても、序盤はそのような状態でしたが、全体を通してみれば決して悪くなかったと思っています。激しい接近戦は見ごたえあるものだったはずですし、私自身もバトルとパスをエンジョイできました。グリッド位置から考えれば、難しい状況のなかでここまでできたことを喜んで良いでしょう。明日はもっと上を目指して頑張ります」
M・ファン・デル・マーク選手談(7位)
「グリッド10位からのスタートとなってしまったので、正直なところ何も期待はできませんでした。しかもブレーキングやグリップレベルに苦戦して非常に厳しい戦いを強いられました。そのなかでもコンスタントな走りを続けるうちに、少しずつ手ごたえをつかめるようになってきたことがとても良かったと思います。タイトなバトルは初めから予想できていたので、安定性をキープし、ミスをしないことを心掛けました。すると徐々に前のグループに近づき、アレックスとまたバトルを展開することになったのです。最後のほうは結局、ブレーキングで思うような走りができなくなり離されてしまったのですが...。このことは明日への課題のひとつとなりました。グリッド4番からどこまでやれるか、第2レースが楽しみです!」
P・デニング、チーム代表談
「ここブリラムでの第1レースは、非常にポジティブ、しかし同時に少し悔しい結果となりました。前回のフィリップアイランド同様、今回も激しい接近戦になりましたが、アレックスもマイケルも残念ながら、序盤で良いポジションを確保することができませんでした。どんなに速いライダーでも、前に大勢が走っていればなかなかペースを上げることはできません。とくにレース前半、何台もが接近するなかで順位を上げていくのは大変なことなのです。アレックスはそうした難しい状況のなかで5位まで挽回してくれました。本当はもっと上へ行きたかったのですが、代わりに第2レースのフロントロウというチャンスを手にすることができたので楽しみにしています。マイケルのほうも、いつものようにアレックスと同等のペースを持っていましたが、最後の5ラップに力を温存することができませんでした。マシンセッティングについては、ふたりとも明確な目標を持っているので、明日の第2レースには大いに期待しています」
レース2
M・ファン・デル・マーク選手談(2位)
「とてもうれしい結果です! 昨日はかなり苦戦し、いいところがなかったのでなおさらです。今朝のウォームアップセッションではセッティング変更を試しましたが、あまり良くならなかったので、金曜日のセッティングに戻すことに決めました。フロントタイヤを変えたのも良かったようです。スタート後、ペースが良くてアレックスとまたバトル。そのあとチャズ・デイビスに抜かれてしまいましたが、ずっと懸命についていき、ふたりのペースが良かったので3位のアレックスとの差が広がるのがわかりました。デイビスのほうがいくつかのセクションで速く、終盤は苦しくなりましたが、3位との差を保ってゴールすることができたのは良かったと思います。前回のフィリップアイランド、そして昨日のことを考えれば、今日の2位は素晴らしい結果です。限界ぎりぎりで走り、しかもその限界点は昨日のそれよりもずっと進化したものでした。次のアラゴンはまったく異なるタイプのコースなので、どんな展開が待っているか楽しみです。課題はまだいくつか残っていますが、今日と同じようなフィーリングを持って金曜日を迎えられればうれしいです」
A・ローズ選手談(3位)
「マイケルとともに表彰台に上り、ウイーク最終日を最高の形で締めくくることができました。ただ序盤の10ラップくらいでペースを上げられなかったことは残念。その間にマイケルに抜かれ、そのあともついて行くことができませんでした。これは基本的に昨日と同じなので、改善できなかったことが悔しいです。その一方でマイケルは絶好調。私よりも何かが少し優っていたか、あるいはセットアップがうまくいっていたのでしょう。いずれにしても彼は素晴らしい仕事を見せてくれたので、私はそこから学び、今後に生かしていきたいと思います。レースが接近してくると、バトルをとてもエンジョイできます。自分が楽しみ、それをファンのみなさんが喜んでくれるなら本当にうれしいことですね! 次のアラゴンまでに課題がいくつかあり、とくにフルタンクでのマシンのフィーリング向上に取り組まなければならないと思っています。チームのみんなはよく頑張ってくれています。また今シーズンは新しいクルーチーフが加わったので、慣れるまでに少し時間が必要になると思いますが、今のところとてもうまくいっているので安心しています。アラゴンもアッセンも好きなコースなので、毎回、表彰台を狙っていくつもりです!」
P・デニング、チーム代表談
「今日は1列目と2列目からスタートできたことが良かったと思います。それをマイケルとアレックスが十分に生かして序盤から上位をキープし、最終的にふたつの表彰台をチームにもたらしてくれました。チャンピオンシップの行方はますますわからなくなり、今シーズンはより一層、面白いものになりそうです。しかもヤマハの立場から見れば、私たちにはまだまだ潜在的なポテンシャルがあると思えたのです。シーズンのスタートとしてとてもいい状態ですし、今日の結果はヤマハのエンジニアとチームメンバーに本当にうれしいご褒美になりました。マイケルとアレックスにおめでとう! ヨーロッパ・ラウンドのスタートが楽しみです」