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スーパーバイク世界選手権

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどSBKクラスに関する情報をお届けします。

Rd.11 10月1日 フランス

RACE DATA

■大会名称:スーパーバイク世界選手権第11戦フランス大会
■開催地:フランス/マニクール・サーキット(1周 4.411km)
■周回数:レース1 21周(92,631km)、レース2 21周(92,631km)

レース1
■開催日:2017年9月30日(土)
■コースコンディション:ウエット
■気温:16度
■路面温度:21度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分56秒555)
■FL:M・メランドリ(Ducati/1分52秒749)

レース2
■開催日:2017年10月1日(日)
■コースコンディション:ドライ
■気温:16度
■路面温度:21度
■PP:J・レイ(Kawasaki/1分56秒555)
■FL:C・デイビス(Ducati/1分38秒584)

REPORT

レース1
A・ローズが5位獲得

Pata Yamaha Official WorldSBK TeamのA・ローズとM・ファン・デル・マークが第1レースで好成績をマーク。ローズは終始、見ごたえあるバトルを展開して5位。ファン・デル・マークは2ラップ目に転倒したが、再スタートして追い上げ、9位でチェッカーを受けた。

ローズは金曜日のフリープラクティスで総合9位に留まったものの、ラップタイムでは2位のファン・デル・マークコンマ2秒の僅差。翌土曜日はフリープラクティス第3セッションでウエット用セッティングに取り組み、SP2で好タイムをマークして5位につけた。

決勝前には雨が止んで路面が乾き始めたにもかかわらず、全員がレイン・タイヤのままスタート。ローズはやや出遅れて7位となり、ファン・デル・マークのテールについて第1コーナーに進入した。その後はチームメイト同士でバトルを展開し、2ラップ目の第5コーナーで前へ出ると、一気にアドバンテージを広げていった。そしてL・メルカドとC・デイビスを次々にパス。6ラップ目にもう1台抜いて3位に浮上した。

ウエット・コンディションに苦しみながらM・メランドリ、L・キャミアと激しいバトルの末に5位へ後退。終盤はリスクを避けてコンスタントに走り切り、貴重な11ポイントを手中にした。この結果シリーズポイントを合計180に伸ばしてランキング5位をキープ。第2レース決勝はフロントローの真ん中、グリッド2位の位置からスタートで今季3度目の表彰台獲得を目指す。

一方のファン・デル・マークはSP2で実力を出し切れずに予選10位。決勝では絶好のスタートを決め、ローズを抜いて6位で第1コーナーに進入した。続いてX・フォーレスをとらえて5位に上がり、再び追いついて来たローズと互いに何度も順位を入れ替える激しいバトルを展開するも、第5コーナーでパスを試みたところで転倒した。

幸い怪我はなく、マシンにも大きなダメージがなかったため、ファン・デル・マークはそのままマシンに跨り再スタート。19位でコースに復帰し、5秒差の前車を追っていった。身体を伏せて懸命の挽回を図ると6ラップの間に9台をパス。そのあとは安定したリズムをキープしながらさらに前を目指し、残り4ラップでデイビスをとらえて9位へ浮上した。これで7ポイントを加算したファン・デル・マークは合計173ポイントでランキング6位をキープ。ローズを5ポイント差で追い、ランキング7位のフォレスに17ポイント差をつけている。第2レースはグリッド2列目、6位の位置からスタートする。

レース2
Pata Yamahaがダブル表彰台獲得!

Pata Yamaha Official WorldSBK Teamは第2レースで大活躍。第1レース5位のA・ローズは2位を獲得して今季3度目の表彰台。チームメイトのM・ファン・デル・マークも好走し、ローズとバトルの末に3位を獲得してふたり揃って表彰台に上った。

スタート直前に雨粒が落ち始めたが、ローズはそれをものともせずにフロントローの真ん中からスタートしてホールショット。そのまま真っ先に第1コーナーに進入してレースをリードした。そのあとしばらくはファン・デル・マークと競り合ったが、徐々に引き離して0.4秒差。しかし雨が少しずつ強まるなかで、4ラップ目には後方から追い上げたC・デイビスに先行を許し、そのあとL・キャミアにも抜かれて3位に後退した。ローズはもう一度リズムを立て直し、難しいコンディションのなかでタイヤ・グリップを保ちながら周回を重ねてゆく。そうするうちに10ラップ目にはカミエのリタイアによって再び2位へ浮上。この時点でデイビスがすでに5秒以上のリードを築いていたが、ローズは決してあきらめることなく、1分39秒台を7ラップ連続で記録するなど全力走行を続け、残り2ラップまでに3秒以内まで近づいた。

終盤のペースは素晴らしかったが、そのなかでタイヤ・グリップも落ちてきていたため作戦を切り替え、追撃を止めて3.006秒差の2位でチェッカー。これによってミサノでの2位、ドニントンパークでの3位に続いて今季3度目の表彰台に上った。シリーズポイントでは20ポイントを追加してランキング5位をキープした。

一方、第1レースでは転倒後9位まで追い上げ、その結果グリッド6位を獲得したファン・デル・マーク。絶好のスタートから次々に前車をパスし、最初の2コーナーまでに集団の前へ出るとローズとバトルを展開した。しかしコンディションが悪化するなかで自分のペースを守ることに気持ちを集中。これで一時は4位へ後退したが、キャミアの転倒で再び3位に上がったあとは、自分のリズムをキープしながら2位のローズを追って行った。

ローズ同様、ファン・デル・マークも1分39秒台前半で好走。15ラップまでにローズのテールに追いつき、2位争いを展開しながらトップのデイビスに近づいていった。しかしここで雨が強まり、何度か危ない場面も経験。タイヤのグリップ低下により激しいプッシュが難しくなったため、そのあとはペースを抑えて走り切り、ローズから1.550秒離されて3位でチェッカーを受けた。ポルティマオ大会第2レースの2位に続いて今季2回目の表彰台。16ポイントを加算して合計189ポイント。ローズに11ポイント差と迫るランキング6位につけている。

2016年にWorldSBKに復帰したヤマハにとって、こうしたふたりの活躍は非常に重要な成果。次回ヘレス大会でも、再び表彰台獲得を目指す。

WSBK RESULT Race.1

WSBK RESULT Race.2

RIDERS RANKING WSBK

CONSTRUCTORS RANKING WSBK

COMMENT

レース1
A・ローズ選手談(5位)

「周回が進むごとに路面が乾いていって非常に難しい状況になってしまいました。マニクールの雨には何度も悩まされてきたので、今日は5位を獲得することができてうれしいです。チームメイトと好バトルを展開し、またスタート直後は何人かと競り合いましたが、最後は寂しい単独走行になりました。実際には、このようなコンディションのなかではひとりで走るほうが大変です。安定性をキープするために気持ちを集中することだけを考えて走りました。明日は太陽が顔を出してくれることを期待していますが、どちらになろうとフロントローからベストを尽くします」

M・ファン・デル・マーク選手談(9位)

「SP2でちょっとした問題があり、思うようなスピードを引き出すことができませんでした。その結果グリッド10位となってしまったのですが、幸い問題の原因を突き止めることができたので、好スタートのあとすぐに数台をパスすることができました。でもコーナー出口ではリアのスピンに悩まされていました。タイヤが暖まっていないせいだと考えましたが、3ラップしても同じ状態で、ヘアピンに少し激しく飛び込んだら転倒してしまいました。マシンにダメージがなかったのはラッキーでしたが、ほぼ最後尾からの追い上げを強いられました。マシンのフィーリングは良かったのですが、リアのスピンは収まらず、ペースを上げることができませんでした。そのような状況のなかでも懸命に順位を挽回し、19位から9位まで上げてチェッカーを受けました。フィーリングはいいのに、とくにコーナー出口でタイムが上がらないので、セッティング面でもう少し改良が必要だと考えています。金曜日のドライ・コンディションで好調だったので、明日は晴れを期待しています。ロング・ランを行っていないので誰にとっても難しいチャレンジになると思いますが、ウエットでもドライでも第2レースを楽しみにしています」

P・デニング、チーム代表談

「マニクールでのウエット・レースはいつも非常に厳しいものになります。路面のグリップ不足のせいで、ドライ・コンディションと比べて20秒もラップタイムが落ちてしまうのです。プッシュの加減をつかみにくいため、フリープラクティス第3セッションと予選序盤は多くの転倒車が出ました。でもそのなかで我がチームのふたりは、最後まで走りぬいて好ポジションを獲得してくれました。前回ポルティマオで残念な結果となったアレックスは、無用なリスクをおかさずに完走することを目標にしながら、序盤でマイケルとバトルを展開。最終的に5位を獲得し、貴重なポイントを持ち帰ってくれました。マイケルは第5コーナーで転倒してしまいましたが、幸いマシンにダメージがなかったので再スタートしてポジションを挽回。こうしたなかで各車の差が大きく開いた奇妙な展開となりましたが、明日こそはドライ・コンディションを享受し、ふたりが全力投球のショーをお見せできるよう期待しています」

レース2
A・ローズ選手談(2位)

「天候の変化に翻弄されて難しいレースになりました。今日は雨の量は少なかったのですが、グリップ・レベルをつかみきれず苦労しました。そのなかでこのように上位を獲得できたことは、チームの努力と能力を示す絶好の機会になったと思います。カワサキやドゥカティとはまだ差がありますが、また別の状況になればチャンスもめぐって来ると信じています。Pata Yamaha Official WorldSBK Teamにとって本当に素晴らしい一日!マイケルとともに表彰台に立てたことを非常にうれしく思います。これこそチームの力をアピールするものなので、残りの2戦もますます楽しみになりました。毎回ベストを尽くし、チャレンジすることが目標であり、またヤマハが私たちに期待することでもあります。ここまでのシーズンを振り返れば、それはそれで満足できるものになっていると思いますが、ライダーとしては常にもっと先を目指したい。まだまだ発揮しきれていないものがたくさんあると思っているので、それを引き出すためにこれからも全力で頑張っていきます」

M・ファン・デル・マーク選手談(3位)

「今季2度目の表彰台を獲得できてとてもうれしいです! 昨日は不運でしたが、少しでもポイントを獲得することができました。今日はグリッド6位から好スタート。順調に前へ出たものの、雨が降ってきて難しい状況になりました。この間は前のライダーについて行くことで、彼らの動きを見ながらうまく対処することができたのでとても良かったと思います。相変わらずハードプッシュを続けていましたが、同時に転倒は避けたかったので、自分のペースを乱さないように集中。それは前のふたりも同じだったと思います。終盤になってアレックスとの差を詰めましたが、小さなミスがあり、またタイヤ・グリップの不安もあったので、それ以上のアタックはしませんでした。いずれにしてもチームメイトのふたりが好レースを見せ、一緒に表彰台に上れたことは本当に素晴らしいと思います。ふたりがともに前進しており、前回のポルティマオ大会に続いて、常に表彰台争いができるようになったのです。次のヘレスがとても楽しみです。今回は金曜日から好調で、R1のベース・セッティングがしっかり出来上がっているので自信を持って臨めます。ヘレスは私にとって特別なサーキット。待ちきれない気持ちです」

P・デニング、チーム代表談

「今回もまた非常に難しいコンディションになりました。でもそのなかでふたりが見事な結果を導き出したのです。もちろんR1の状態も非常によく、ここまでステップ・バイ・ステップで積み上げてきたことが、すべて揃ってきたことの成果だと考えています。アレックスはこのところスタートに苦しんでいましたが、今回はトップに出ることができました。そしてマイケルも2列目から絶好のスタート。どこまでプッシュできるか誰もが不安に思うなかで、アレックスはリズムをつかみ、終盤ではマイケルのプレッシャーにも対応することになりました。そして1分38秒台という見事なペースでチャズ・デイビスとの差を詰めていったのです。昨日の雨のなかでの5位に続き、今日の2位獲得でこれまでの努力と苦労が報われました。残り2戦でもまた、自信を持って表彰台を目指してほしいと思います。もちろんマイケルのパフォーマンスにもチームとしてとても満足しています。表彰台争いを展開し、アレックスに挑み、強い精神力を見せて最終的にはしっかりマシンをゴールラインまで持ち帰ってくれました。ヤマハにとって初めてのダブル・ポディウムです。ライダーたち、チーム、そしてヤマハにおめでとう!」

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