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ヤマハ初となる鈴鹿8耐4連覇、通算8回目となる優勝を獲得

鈴鹿8耐の第41回大会は雨のなかで始まった。YAMAHA FACTORY RACING TEAMのスタートライダーはマイケル・ファン・デル・マークが務めたが、スタートの瞬間、僅かにフロントタイヤを上げてしまいオープニングラップを#33ホンダ、#11カワサキに次ぐ3番手で終える。その後、雨が止むとコースは乾きはじめ、スタートから約30分が経過したところでファン・デル・マークはピットインしてタイヤをスリックに変更。この素早い対応が功を奏し、19周目には#12ヨシムラ、#11カワサキとトップグループを形成した。

20周目の最終シケインでは、#11カワサキとファン・デル・マークが相次いで#12ヨシムラをパス。そしてファン・デル・マークは1時間40分弱を走行してYZF-R1をアレックス・ローズに託す。そのローズは#11カワサキ、#33ホンダとトップ争いを展開し、スタートから約2時間が経過した頃にローズがトップに躍り出た。

その後も3チームによる戦いは続くが、午後1時55分頃にセーフティーカーが介入。これで一時は3番手の#33ホンダに約23秒差をつけていたが、10秒差に迫られることになる。そしてレースが再スタートするとローズと#11カワサキがスプリント並みの激しいバトルを展開。そしてその戦いはファン・デル・マークと#11カワサキに持ち越されたが、ファン・デル・マークは引き離されることなくしっかりと#11カワサキをマークする。

ファン・デル・マークからローズへとYZF-R1は託されたが、#11カワサキのマシンはガス欠症状を起こして惰性でピットに戻る。これでファン・デル・マークと#11カワサキとの差が開き、ファン・デル・マークはそのマージンをキープするが、午後4時過ぎに激しい雨が降りはじめた。

この雨はすぐに上がったが、129周目に2度目のセーフティーカーが介入する事態となり、さらにこの間に立て続けにアクシデントが発生。さらに豪雨も手伝ってファン・デル・マークは予定外のピットイン。タイヤをレイン使用に替えてコースインするが、この直前、#11カワサキがスプーンカーブで転倒し優勝戦線から遅れをとった。

午後5時にセーフティーカーは解除されたが、なんと午後5時10分頃に3度目の介入となり、その解除後、レースはファン・デル・マークと#33ホンダとの戦いになった。そして#33ホンダを徐々に引き離しにかかったファン・デル・マークがトップでローズへとバトンタッチ。#33ホンダもライダー交替するが、すでにYAMAHA FACTORY RACING TEAMは2番手以降に大きなマージンを築いていた。

192周目にYAMAHA FACTORY RACING TEAMはガソリンのみを入れるスプラッシュ&ゴーを実行。これでトップの座を不動のものとすると、199周を走破してチーム4連覇を達成。中須賀克行は前日の転倒で負傷してしまい決勝を走ることなかったが、中須賀も4連覇となり、単独での連覇新記録。また、ファン・デル・マークとともに鈴鹿8耐最多優勝記録の2番手となり、YZF-R1の誕生20周年に華を添えることになった。

GMT94 Yamaha Official EWC Teamは、突然の天候変化による様々なアクシデントをものともせず確実に順位を上げ6位とし、年間ランキングでは2位を獲得。YART Yamaha Official EWC Teamはレース前半で転倒してリタイアとなり、年間ランキングは16位となった。

Pos.No.RiderTeamMachineLaps
1 21
  • 中須賀 克行
  • アレックス・ローズ
  • マイケル・ファン・デル・マーク
YAMAHA FACTORY RACING TEAM Yamaha 199Laps
2 33
  • 高橋 巧
  • 中上 貴晶
  • パトリック・ジェイコブセン
Red Bull Honda with 日本郵便 Honda 199Laps
3 11
  • 渡辺 一馬
  • レオン・ハスラム
  • ジョナサン・レイ
Kawasaki Team GREEN Kawasaki 198Laps
4 95
  • 生形 秀之
  • トミー・ブライトウェル
  • 渡辺 一樹
S-PULSE DREAM RACING・IAI Suzuki 196Laps
5 5
  • フレディ・フォーレイ
  • ジョシュ・フック
  • アラン・テシェ
F.C.C.TSR Honda France Honda 196Laps
6 94
  • マイク・ディ・メリオ
  • ニッコロ・カネパ
  • デビット・チェカ
GMT94 YAMAHA Yamaha 196Laps
7 22
  • ザクワン・ザイディ
  • トロイ・ハーフォス
  • アンディ・イズディハール
Honda Asia-Dream Racing Honda 195Laps
8 19
  • 清成 龍一
  • 高橋 裕紀
  • ラタパーク・ウィライロー
KYB MORIWAKI MOTUL RACING Honda 195Laps
9 111
  • ヨニー・ヘルナンデス
  • セバスティアン・ジンバート
  • エルワン・ニゴン
HONDA ENDURANCE RACING Honda 194Laps
10 12
  • シルバン・ギントーリ
  • 津田 拓也
  • ブラッドリー・レイ
ヨシムラ スズキ MOTUL Suzuki 194Laps
17 6
  • 徳留 和樹
  • 奥田 貴哉
  • 津田 一磨
Titanium Power Racing with HOOTERS Yamaha 190Laps
18 806
  • 長尾 健吾
  • 松本 隆征
NCXX RACING & ZENKOUKAI Yamaha 190Laps
22 74
  • 稲垣 誠
  • 南本 宗一郎
  • 児玉 勇太
AKENO SPEED・YAMAHA Yamaha 189Laps
25 77
  • パウエル・ゴルカ
  • パウエル・スコーペク
  • マレク・スコーペク
WOJCIK RACING TEAM Yamaha 187Laps
26 502
  • 國松 俊樹
  • 吉田 忠幸
NCXX RACING Yamaha 186Laps
34 41
  • 宮腰 武
  • 上野 友寛
  • 佐藤 龍彦
IWATA RACING FAMILY Yamaha 184Laps
40 59
  • 渡部 一夫
  • 齋藤 達郎
  • 小山 葵
HKC & IMT Racing Yamaha 180Laps
44 13
  • 豊田 浩史
  • 池田 吉隆
  • 井上 哲悟
NIPPON SUMATORA BIO MASSE+D;REX Yamaha 176Laps
49 51
  • 小谷 咲斗
  • 鈴木 孝志
  • 福山 京太
T・モトキッズ中日本自動車短大ALTEC・NRS・icu Yamaha 167Laps
DNF 65
  • ジロフロイ・ダヘイ
  • ジャン・ビーマン
  • クリストファー・ケマー 
MOTOBOX KREMER RACING Yamaha 97Laps
R 7
  • ブロック・パークス
  • マービン・フリッツ
  • 藤田 拓哉
YART Yamaha Official EWC Team Yamaha 65Laps
R 99
  • 吉田 和憲
  • 柴田 義将
  • 中本 翔
icuRT. 大阪Mobius. OUTRUN. モトキッズ. 三陽. co Yamaha 47Laps

#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM
決勝:優勝(199周:8:00'01.728)

中須賀克行選手談

「自分が走ることができず、こんなに悔しいことはありませんが、アレックスそしてマイケルとチームメイトになれて、そして彼ら2人が勝つことができたことはチームメイトとして本当にうれしく思います。こんなに心強いチームメイトは他に探してもいないと思いますし、彼らともう一度一緒に鈴鹿8耐を戦うために、自分のポテンシャルをさらに高めたいと思っています。ヤマハの連覇記録を更新できたこともうれしいし、YZF-R1の20周年に華を添えることができたのもうれしいです。本当にアレックスとマイケルには感謝しています」

アレックス・ローズ選手談

「中須賀さんが走らないレースなんて初めてで、すごくタフではあったけど楽しみました。中須賀さんが中心となってセットアップを進めたYZF-R1は、決勝でも非常によく走ってくれました。チームのがんばりにも感謝しています。なによりもチームメイトのマイケルがいい走りをしてくれましたね。僕のスティントはなぜかコンディションが安定していたんですが、マイケルの時は雨が降ったりセーフティーカーが入ったりして大変だったと思います。でも、すばらしい走りで勝利に貢献してくれました。それにしても鈴鹿8耐での勝利は格別ですね! ぜひ来年もこのメンバーでレースできることを願っています」

マイケル・ファン・デル・マーク選手談

「すごくタフなレースでした。いろいろあったレースウィークでしたが、チームは基本的に作戦を変えませんでした。それがうまくいったんだと思います。僕自身としては、中須賀さんが決勝を走らないと聞かされた時は、とても驚きましたよ。僕がスタートライダーを務めることになって、緊張もしました。しかも僕の走るスティントはすごく長かったし、レインになったりドライになったりセーフティカーが入ったりして本当に大変だったんです。でもアレックスと僕で、うまくレースをリードできたと思います。またこの3人でチームを組んで、今度は中須賀さんにも走ってもらって、鈴鹿8耐を戦いたいですね!」

吉川和多留監督談

「ローズ選手とファン・デル・マーク選手は、レース序盤では同じスーパーバイク世界選手権を戦うライダーやブリティッシュスーパーバイクを戦うライダーたちといいレースをしていたし、これで一気に集中力が高まりました。レース自体は、天候の急変が続いて荒れた展開になりましたが、チームスタッフはサーキット全体を見渡すことは不可能なので、ライダーのポテンシャルの高さを信じて時には自己判断してもらう部分もありましたが、これがしっかり機能しました。ミスなくしっかりと戦えたことが今大会の勝因ですが、レースを走れなかった中須賀選手が、しっかりとローズ選手とファン・デル・マーク選手をサポートしていてくれたことがなによりの勝因です」

#94 GMT94 Yamaha Official EWC Team
決勝:6位(196周:8:01'48.403)

デビッド・チェカ

「敗北は苦いものですが、勝つまでには何度か味わうものでもあります。過去2シーズン、僕たちのチームはEWCでとてもいい戦いをして、2016年にはランキング2位、2016-2017シーズンはチャンピオンを獲得しました。2017-2018シーズンももちろんチャンピオン獲得をめざしましたが、鈴鹿8耐の結果により、ランキング2位という残念な結果に終わりました。これがレースです。来シーズンがどうなるかはまだわかりませんが、どのレースを戦うにしても、チームメイトとともにベストを尽くすという自分の姿勢を変えるつもりはありません」

ニッコロ・カネパ

「この2シーズンでEWCのタイトルとランキング2位を得ることができたので、とてもハッピーです。僕のレースキャリアの中でもベストなシーズンになりました。今季はちょっと不運がありましたが、チームとしてベストを尽くしたので悔いはありません。GMT94がEWC参戦に幕を下ろすのは非常に残念ですが、チームメンバーとしてともに戦った経験は僕にとってすばらしいものになりました」

マイク・ディ・メリオ

「いいレースができましたが、路面コンディションがめまぐるしく変わってとてもタフでしたね。僕たちはEWC最終戦の鈴鹿8耐でチャンピオンを獲得すべく全力を尽くしましたが、ルマン24時間でのクラッシュが響き、結局ランキング2位でシーズンを終えました。残念ですが、各レースでポイントをリカバリーできたので、内容としては満足です。2シーズンを一緒に戦ったチームメイトにも、すばらしい機会を与えてくれたヤマハにも感謝しています。特に鈴鹿8耐ではスーパースターのように扱ってもらえたんです。GMT94がEWC参戦を休止するのは残念ですが、彼らは新たなチャレンジにもベストを尽くすはずです」

クリストフ・グィオ監督談

「ここ鈴鹿でEWCは最終戦を迎えましたが、いつものように今季もすばらしいシーズンになりました。まずはチャンピオンを獲得したTSRを心から祝福したいです。藤井監督はじめ、TSRは見事な戦いぶりでした。我々も諦めることなく最後までベストを尽くして戦い続けましたが、彼らには残念ながら届きませんでした。でも、これも耐久レースです。来季は基本的にWSSに参戦することになり、鈴鹿8耐への挑戦がどうなるかは未定です。鈴鹿8耐は常に強いライバルたちがたくさんいるので非常に厳しい戦いだったのですが、2012年に3位表彰台に立てたことは忘れがたい思い出になっています。またいつの日か、鈴鹿8耐に戻って来たいですね!」

#7 YART Yamaha Official EWC Team
決勝:リタイア

ブロック・パークス選手談

「レース全体としては順調に運んでいました。スタート直後はタイヤが十分に温まっておらず、少し出遅れてしまいましたが、すぐ挽回しファクトリーチームの直後につけることができました。そのまま順調にいっていれば上位フィニッシュも可能だったと思います。しかし残念ながらタクヤが転倒してしまいました。新しいタイヤで少しマシンを寝かせすぎてしまったようですね。でも、こういったことが起こり得るのも耐久レースです。タクヤの転倒の後もレースを続けようとしてコースに戻りましたが、フロントまわりにトラブルが出てしまい、続行を断念しました。非常に残念な結果ですが、勝つために何が必要なのかを十分にチームやヤマハと話し合って、また来年鈴鹿に戻ってきます」

マービン・フリッツ選手

「路面コンディションがめまぐるしく変わる難しいレースでしたが、走りながらいいリズムを作ることができ、自分としてはベストを尽くせました。タクヤにバトンタッチしましたが、路面は彼の想像以上にスリッピーだったのだと思います。タクヤが転倒してしまったのは残念ですが、これもレースです。ただ、自分たちのペースで走れば上位につけられることがわかったし、全体としてはいいレースウィークだったと思います。僕自身はヤマハで2回目の鈴鹿8耐で、大きなプレッシャーもありましたが、自己ベストをマークできたし"ネクストステップ"に進めたと思います」

マンディ・カインツ監督談

「いろいろな意味で、難しい鈴鹿8耐でしたね。決勝はすべてがうまく運んでおり、上位を走ることができていました。残念ながらタクヤが転倒してしまいましたが、彼なりにベストを尽くし、攻めの走りをした結果。レースをしている以上起こり得ることだと思っています。私たちがEWCチームの中でかなりのパフォーマンスを持っていることは証明できました。また来年も戻ってきます」