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YAMAHA FACTORY RACING TEAMが8耐4連覇に向け始動

YAMAHA FACTORY RACING TEAMが6月26日、初のテストを実施、鈴鹿8耐4連覇に向け始動した。 6月末、日本は梅雨。鈴鹿サーキットの気温はまだ8耐本番には及ばないが、チームの始動を後押しするように好天に恵まれた。

チームのエース中須賀克行に加え、週末にアメリカのラグナセカでスーパーバイク世界選手を戦ったアレックス・ローズとマイケル・ファン・デル・マークが、飛行機と新幹線を乗り継ぎ、時差と疲労をひきづってセッション直前に鈴鹿に到着。午前11時前、初のセッションを間近に控えた3人は笑顔と握手で久々の対面を果たすとその余韻を楽しむこともなく中須賀はマシンへ、アレックスとマイケルは身支度へと移りセッションへと切り換える。本番までわずかしかないテストを1秒たりとも無駄にしないという姿勢がひしひしと伝わって来た。

まず一人でセッションに臨んだ中須賀は順調なスタートを切った。17インチタイヤを履いた8耐マシンには初の乗車となったが好タイムをキープ。ベースのセッティングをさらに一歩押し進める作業を淡々とこなす。一方、少し遅れてガレージに入って来た2人は約1年ぶりに乗る8耐R1の状況を確かめ、慣れることから始め、アレックス、マイケルと順番にマシンを繋ぎその感触を確かめた。1時間半のセッションはあっという間に終わりを迎えたが、短く交わす会話には笑顔があり、本番に向けて確実なスタートを切れたことが見て取れた。

午後のセッションも午前と作業内容はかわらない。淡々と踏みしめるように周回を重ねたが、それでも3人は少しだけギアを上げた。ペースをあげタイムを削り取り、それぞれのコンディションと役割の中で、十分な走りとタイムを残し初日を順当に終えることとなった。

中須賀克行選手

「初めて8耐仕様のバイクに17インチを履いた状態で走ることとなりましたがとても有意義なテストになりました。僕自身は基本的に3人のアベレージが大事なレースということで、2人が好むだろうセッティングを探っていく作業になりました。アレックスとマイケルは、長旅で疲れているにもかかわらず午前中から走ってくれ、僕が作ったバイクに良いフィーリングだったようで安心しました。明日は、今日のセッティングを反映したバイクを彼らに試してもらい、僕自身はさらに研ぎ澄ましていく作業になります。今後はそれを繰り返し本番に向けてしっかりとバイクを仕上げていきます」

 

アレックス・ローズ選手談

「アメリカでレースを終え、ミーティングをして5分だけシャワーを浴びて空港へ。そして早朝に東京に到着しタクシーと新幹線を乗り継いで鈴鹿にきました。ここでもホテルに少しだけ立ち寄って11時前にはサーキットへ。疲れは少しは感じましたが、1年くらい8耐バイクに乗っていなかったし、スーパーバイクとは異なるタイヤを使っているので、フィーリングを取り戻すためにも午前のセッションから走りました。一部仕様変更はありましたが、改めてすごく好きで楽しいとバイクだと感じたし、すぐに昨年のフィーリングを取り戻すことができ、初日からとてもよいスタートを切れ満足です。明日は中須賀さんが作ってくれたバイクのフィーリングを確認する作業になりますが、今日は睡眠をとって、明日はしっかりと走ります。本当に楽しみです」

 

マイケル・ファン・デル・マーク選手談

「当初は午後だけの予定でしたが、早く鈴鹿に着いたので朝から走行。午後はさすがに疲れましたが、バイクのレベルはすでに高く、僕だけでなくアレックスも同じく速いペースで走ることができて楽しかったし、よいスタートを切ることができました。明日は中須賀さんから多くを学び、周回を重ねさらに慣れることが目的となります。しっかり睡眠をとって、明日はもっといいパフォーマンスを見せたいと思います」

 

吉川和多留監督

「昨年からメンバーに変更がなく、バイクも劇的な変化があるわけではありません。タイヤはスーパーバイクの2人にとって普段と異なりますが、それを含めてもプラスからスタートできていることを確認できました。基本的にバイクは中須賀選手がベースを作り、それを2人が確認し順応していく流れでした。そのなかで2人ともよい感触をつかんだようですし、中須賀選手は2人の好みを踏まえながらベースをさらに押し進める作業をこなしてくれ、こちらも順調です。明日は中須賀選手が煮詰めた仕様を2人に確認してもらい、中須賀選手にはさらに完成度を高めてもらうことが目的です。チームとしてはこれに加え、各ライダーのコメントやデータを分析し、セッティングのバランスどりや燃費などを突き詰めていきます」

 

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