MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.06 5月26日 カタルニア
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第6戦カタルニアGP
■開催日:2024年5月26日(日)決勝
■開催地:カタルニア/スペイン(4.657km)
■周回数:24周(111.768 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:26度 ■路面温度:47度
■PP:A・エスパルガロ(1分38秒190/アプリリア)
■FL:P・アコスタ(1分39秒664/KTM)
REPORT
クアルタラロが17番グリッドから9位、リンスは20位でチェッカー
Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとA・リンスはそれぞれ9位と20位。クアルタラロは最終ラップで2台抜いて10番手でゴールしたが、9番手のE・バスティアニーニ(ドゥカティ)がペナルティを履行していなかったため順位が繰り上がり、貴重な7ポイントを手中にした。
17番グリッドからスタートしたクアルタラロはオープニングラップで13番手に浮上。その後、上位で数台が転倒するも、後方からのチャージも激しく、なかなか順位は上がらなかった。
しかしレース後半になると状況は一転。クアルタラロは残り7ラップでM・ビニャーレス(アプリリア)をパス。同じラップでバスティアニーニがダブル・ロングラップ・ペナルティのひとつ目を履行し、F・モルビデリが転倒したため一気に10位に浮上した。残り4ラップではバスティアニーニに抜き返されたものの、この時点でまだ、バスティアニーニはふたつ目のペナルティが終了していなかった。
クアルタラロは賢明にもその後方につき、さらにひとつ前のM・オリベイラ(アプリリア)にも照準を合わせてチャンスを待つ。ところがここにM・ベゼッキ(ドゥカティ)も加わり複雑な展開となり、22ラップには一時、12番手まで後退してしまった。それでもクアルタラロは冷静さを失わず、最終ラップでベゼッキとオリベイラをパスして10位でゴール。ペナルティを履行できなかったバスティアニーニが18位に下げられたため、9位を獲得した。
一方のリンスは8番グリッドから順調にスタートしたが、J・マルティン(ドゥカティ)とあわや接触というところを回避してロングラップ・ペナルティ・エリアに進入。何とかコースに復帰したときには最後尾まで後退していた。
ホームGPでの活躍を期したリンスにとっては非常に苦しい展開となってしまったが、あきらめることなくチャージを再開し、12ラップ目には15番手まで挽回してポイント圏内へ。しかし後半は激しいホイールスピンの影響でペースが上がらず、最後の7ラップで再び後退し始めた。最終的にはトップから1分03秒428離されて20位に終わっている。
この結果、クアルタラロは合計32ポイントでランキング12位。リンスは合計7ポイントでランキング21位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計39ポイントでチーム・ランキング9位、ヤマハは合計35ポイントでコンストラクターズ・ランキング4位を維持している。
RACE RESULT
LAP CHART
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
F・クアルタラロ選手談(9位)
「とてもいい結果だと思います。しかも前方での転倒もそれほど多くなかったので、私としては、非常にいいレースができたのだと考えています。タイム的にもトップ5に5秒以内に近づいたことをポジティブにとらえていますし、フィーリングも正直なところ、予想よりも良かったです。課題は理解していますし、今まさにそこに取り組んでいます。その成果も含め、今日は、このように素晴らしいレースができたと思っています。最後の数ラップはベゼッキ選手とオリベイラ選手が目の前でバトルしていました。第1コーナー進入のブレーキングは難しく、2台の接近ぶりから見ても"ふたりは外側へはらむ"と判断し、早めにブレーキをかけてコーナースピードを維持し、2台を抜いたのです。そのまま最後までポジションをキープすることもできたので、良い判断だったし、いいレースができたと思っています。私たちは一歩一歩、前進しています。ル・マンもペースは良かったですが、今日は素晴らしくなりました。次のムジェロと、そのあとのバレンシアでのプライベート・テストで、さらに数ステップの前進を目指します。改善を実感し、トンネルの向こうに光が見えているような気がしています」
A・リンス選手談(20位)
「非常にタフなレースでした。すべては、あのスタートで始まりました。飛び出しは悪くなかったのですが、マルティン選手に近づき過ぎてしまったためロングラップ・ペナルティのエリアへ出るしかありませんでした。それで最後尾まで後退してしまったのです。いくつかポジションを挽回することと、タイヤ温存のためできるだけスムースな走りすることを目指しましたが、すべては予想とは少し違う方向へ進んでいきました。マシンとタイヤについては、タイヤのスピンが非常に激しく、今までに経験したことがないものだったのです。ですから、まず分析し、来週のムジェロに照準を合わせていきます」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「チームとしては、ふたつの非常に多様な経験をしました。ファビオ(クアルタラロ)はマシンの性能を最大限まで引き出し、正しい場所、正しいタイミングで素晴らしい仕事をしてオーバーテイクのチャンスを確実にものにしました。通常なら9位という結果に満足することはできませんが、今週のこれまでの苦しい状況を考えれば、この7ポイントを喜んで受け取ります。一方、アレックス(リンス)については非常に悔しい結果になりました。スタートからフィニッシュまで、何もかもが彼の思い通りにはいきませんでした。幸い、1週間後にまたレースがあるので、テストしたばかりのムジェロで素早い挽回を目指します」