MotoGP
ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。
Rd.05 5月12日 フランス
RACE DATA
■大会名称:MotoGP第5戦フランスGP
■開催日:2024年5月12日(日)決勝
■開催地:ル・マン/フランス(4.185km)
■周回数:27周(112.995 km)
■コースコンディション:ドライ
■気温:21度 ■路面温度:29度
■PP:J・マルティン(1分29秒919/ドゥカティ)
■FL:E・バスティアニーニ(1分31秒107/ドゥカティ)
REPORT
リンスが15位、クアルタラロは6番手走行中に転倒・リタイア
Monster Energy Yamaha MotoGPのA・リンスがあらゆる困難をはねのけ、15位でゴールして1ポイントを獲得。F・クアルタラロは母国ファンの前で6番手を走行していたが、第9コーナーで転倒し、リタイアとなった。
リンスは16番グリッドからスタート後、A・フェルナンデス(KTM)と競り合う間に21番手まで後退。その後しばらくはポジションをキープしていたが、さらにもうひとつ下げて最後尾と厳しい状況に。3ラップ目に前方で転倒があり自動的に2つ取り戻し、ここからはL・マリーニ(ホンダ)との19位争いが続くこととなった。第9コーナー走行中のショートカットによりロングラップ・ペナルティを課されるも決してあきらめず、ロングラップ履行後すぐにマリーニとのバトルを再開。最終的にマリーニを抑え、さらに引き離して単独走行となっていたが、他のライダーたちの転倒の影響で15位まで浮上してチェッカーを受けた。トップとの差は30.936秒だった。
グランドスタンドでフランス国歌を歌う大勢のファンに後押しされ、クアルタラロは決意を固めてスタート・シグナルを待った。8番グリッドから飛び出したあとオープニングラップで10番手に後退したが、目の前の2台の転倒で8番手に復帰。その後は5台からなる3位争いのグループに加わり、全力を賭けた果敢なライディングを続けた。そのなかで10ラップ目にはA・エスパルガロ(アプリリア)がコースアウトして遅れ、数ラップ後にE・バスティアニーニ(ドゥカティ)がロングラップ・ペナルティにより後退したため、自動的に6番手まで浮上した。このポジションを守ろうと懸命に攻め続けたクアルタラロはしかし、17ラップ目の第9コーナーで転倒。再スタートはかなわず、そのままリタイアとなった。幸い怪我はなく、上位争いを展開できたことに満足しているものの、フランスGPのスペシャルカラーを施したマシンを持ち返ってファンとともに祝えなかったことには悔しい思いを残した。
この結果、クアルタラロは合計25ポイントでランキング12位、リンスは合計7ポイントでランキング20位。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計32ポイントでチーム・ランキング9位、ヤマハは合計28ポイントでコンストラクターズ・ランキング4位をそれぞれキープしている。
チームはこのあとイタリアへ移動し、ムジェロ・サーキットでプライベート・テストを実施したのち、5月24日~26日、バルセロナ-カタルニア・サーキットで開催される第6戦カタルニアGPに向かう。
RACE RESULT
LAP CHART
RIDERS RANKING
CONSTRUCTORS RANKING
COMMENT
Monster Energy Yamaha MotoGP
A・リンス選手談(15位)
「レース展開を簡単に振り返ると、一言で言って本当にタフな戦いだったということです。序盤から、目の前のライダーたちをパスするのにかなり苦戦しました。スタートではフロントがやや高めに浮きあがってしまい、そこですでに、いくつかポジションを失っていました。そのあとマリーニ選手の後ろについて、毎ラップ毎ラップ、何度もオーバーテイクを試みましたが、なかなか抜くことができませんでした。何とか前に出たあとは自分のペースをうまく管理し、1分32秒台前半で走ることができました。今週はとにかく、理解を深め、データを得るということがすべてでした。今のところは、日に日に前進しているという感覚もありません。一旦リセットし、重要な2日間のプライベート・テストに臨みます。どこまで改善できるか楽しみです」
F・クアルタラロ選手談(DNF)
「転倒してレースを終えたにもかかわらず、ハッピーな気持ちでいられたのは今回が初めてです。というのも、今回、初めて本当のトップ6争いに加わり、そのなかで確実に戦うことができたのです。いい戦いができていたと思います。アレイシ(エスパルガロ)選手とバトルしたのです。素晴らしいライダーたちが目の前にいて、今思えば、そのときのペースにモチベーションが上がり過ぎていたのかもしれません。その結果、残念ながら転倒してしまいました。この転倒を除けば、今日のレース展開には非常に満足しています。と同時に、満足していいと思えるのです。大勢のファンが常に私をサポートしてくれているのを見れば、自分が持っているものすべてを出し切らなければならないと思うからです。午前中のウォームアップでマシンに大幅な変更を加え、それがうまくいったので、このマシンで行くと決めました。おそらく今後、私たちの方向性の新たなベースとなるでしょう。今夜、ムジェロへ移動してプライベート・テストを行い、そのあとバルセロナとムジェロのレースが続くので忙しい3週間になります。今回のデータ、とくに今日の午前中に得られたデータをもとに新しい方向性を構築していく予定です」
M・メレガリ(チーム・ディレクター)談
「ファビオ(クアルタラロ)のことはとても残念です。彼がこのホームGPで、いつも応援してくれる母国ファンの目の前で好成績をあげたかったことをよく理解しているからです。このような形で終わったことは残念ですが、私たちは皆、彼のハードワーク、決意、努力が本物であることを認めます。午前中のウォームアップでマシン・セッティングを変更し、それがとてもうまくいきました。その結果、決勝では上位陣と同等のペースで走ることができていたので、今後のためのポジティブで建設的な成果が得られたと思います。その一方で、アレックス(リンス)は非常に苦労しました。ブレーキングでの不具合やスライド、さらにロングラップ・ペナルティもありました。彼は今回、試したセッティングに好感触を得られなかったので、一旦リセットして新たに再スタートすることになります。チームとしては、これから起こることに目を向けていく必要があります。来週はムジェロ・サーキットでテストがあり、再来週はMonster EnergyがスポンサーとなるカタルニアGP、続いてチームのホームレースであるイタリアGPが待っています。これらすべてが私たちにはとても重要なものなので、全力で取り組んでいきます」