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MotoGP

ヤマハの参戦ライダー、マシンなどMotoGPクラスに関する情報をお届けします。

Rd.13 9月12日 アラゴン

RACE DATA

■大会名称:MotoGP第13戦アラゴンGP
■開催日:2021年9月12日(日)決勝結果
■開催地:アラゴン/スペイン
■コースコンディション:ドライ
■気温:30度 ■路面温度:48度
■PP:F・バニャイア(1分46秒322/ドゥカティ)
■FP:M・マルケス(1分48秒139/ホンダ)

REPORT

Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロは厳しい戦いを強いられ、目標の表彰台争いに加わることはできなかった。それでもディフェンシブでクレバーな走りで最後まで懸命にプッシュし、8位を獲得して貴重な8ポイントを手中にした。C・クラッチローも持ち前のファイティング・スピリットを見せ、一時19番手まで後退したあと、16位まで挽回してチェッカーを受けた。

PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのV・ロッシは19位。J・ディクソンは2ラップ目に転倒してリタイアとなった。

苦しいレース展開のなかクアルタラロが8位とし貴重なポイントを獲得

クアルタラロは3番グリッドからわずかにウイリーし、第1コーナーと第2コーナーを抜けたところで5番手。そのあとJ・ミル(スズキ)とJ・マーティン(ドゥカティ)に抜かれ、7番手でオープニングラップを終えた。

なんとかトップグループを追っていきたいところだったが、レース終盤でグリップが大幅に落ち込むことを避けるため、タイヤをいたわりながらの我慢の走り。前方との0.8秒差をゆっくりと詰めていくが、同時に後方からは激しいチャージが迫っていた。

I・レクオーナ(KTM)とB・ビンダー(KTM)に先行を許したあとは、YZR-M1の敏捷性を生かしてE・バスティアニーニ(ドゥカティ)の追撃を抑え込む。しかしレクオーナが前方ではらみ、ひとつ順位を上げたその瞬間、バスティアニーニに抜かれて再び9番手に後退した。クアルタラロはこのあとも諦めることなく、終盤のダッシュで集団に追いつくと、残り2ラップでマーティンをとらえ、0.040秒差で抑えて8位でチェッカーを受けた。トップとの差は16.575秒だった。

クラッチローは15番グリッドから好スタートを切ったが、オープニングラップの混戦のなかで4台に抜かれてしまう。しかしそのあとはリズムを取り戻し、2ラップ目にM・ビニャーレス(アプリリア)をとらえると、3ラップ目にはL・マリーニ(ドゥカティ)とバトルを開始した。2台は何度もポジションを入れ替える激しい競り合いを展開。最終的にはクラッチローが打ち勝ち17番手まで挽回した。

このあとはしばらく単独走行が続くかに見えたが、クラッチローはこれをYZR-M1と一体となるチャンスとして利用し、身体を伏せて懸命に攻め続ける。そしてついにはJ・ザルコ(ドゥカティ)をとらえて16位に浮上。さらにD・ペトルッチ(KTM)を視界にとらえたものの0.690秒届かず、ポイント獲得はならなかった。

この結果、クアルタラロはチャンピオンシップ・ポイントを214ポイントに伸ばし、53ポイントをリードしてランキングトップをキープ。クラッチローは未だポイント獲得に至らずランキング27位となっている。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計309ポイントでチーム・ランキングのトップをキープ。ヤマハは合計242ポイントでコンストラクターズ・ランキングでは2位となっている。

ロッシ19位、ディクソンはリタイアとPETRONAS Yamaha SRTが苦戦

ロッシは21番手でスタート後、すぐにひとつ上げてオープニングラップを終了。序盤はコンスタントなリズムをキープし、中盤で19番手に上がった。ソフト・コンパウンドのリアタイヤをコントロールしながら最後までペースを維持したものの、前方のライダーとの差を詰めることはできず、そのまま19位でチェッカーを受けた。この結果、チャンピオンシップ・ポイントは合計28ポイントでランキング21位を守っている。

ディクソンにとっては、非常に残念な結果となった。好スタートを切ってロッシについて行ったものの、第4コーナーではらんで遅れてしまう。すぐに復帰して挽回を目指したが、ハード・コンパウンドのフロントタイヤが十分に暖まらないうちに、2ラップ目の第9コーナーで転倒。再スタートできず、このままレースを終えることとなった。

RACE RESULT

LAP CHART

RIDERS RANKING

CONSTRUCTORS RANKING

COMMENT

Monster Energy Yamaha MotoGP

F・クアルタラロ選手談(8位)

「奇妙な一日になってしまい、とても残念です。午前中のウォームアップではペースが上がっていたのに、決勝では何かおかしなことが起こってしまったのです。今回はレース中に起きてしまったので悲しい結果となりましたが、決して大惨事というわけではありません。原因を分析し、次に生かしていきます。ミサノは大好きなコースなので、ここから気持ちを切り替えます。チームとしては、今週もいい仕事ができたと思っています。ただ最後の結果だけが少し残念でした」

C・クラッチロー選手談(16位)

「レースをエンジョイしました。それが大事なことです。レースを楽しみ、ヤマハのために情報収集することが、私の今回の目標でした。最終結果は残念でしたが、これはおもにオープニングラップのアレックス・マルケス選手(ホンダ)との接触が原因です。好スタートを切って11番手まで上げており、トップ10も狙えるペースを持っていたのですが、コースアウトして草の上を走り、コースに戻ったときに、また別のライダーと接触してしまいました。これで順位を落としたのです。ここから挽回しなければならなくなり、しばらくマリーニ選手とバトルしたあと、その前の集団は2秒先を行っていました。厳しいレースになりましたが、良いデータを得ることはできました。バトルやその他の状況でないときには、いいペースが出ていたので満足です。2週間後にはまたここでテストを予定しているので、今後も良いテストを進めていけると思います」

M・メレガリ、チーム・ディレクター談

「今回は苦戦するであろうことを初めから予想していましたが、これほどまでに厳しいとは思っていませんでした。クアルタラロ選手はスタート直後から思うような走りができず苦しい展開を強いられましたが、その原因が何だったのか、これから分析していかなければなりません。今はまだ答えが見つかっていないのです。何が原因であったにせよ、非常に残念なことです。午前中のウォームアップまでは好調で、よいレースができると自信を持っていたのですから。私たちは慎重にデータを分析し、次のレースまでに必ず問題を突き止めます。それでも今回は、クアルタラロ選手のファイティング・スピリットと、諦めない気持ちで貴重な8ポイントを獲得できました。望んでいたもの、あるいは可能であったはずのものとは違いますが、それでも本当に貴重な結果です。
クラッチロー選手もまた、期待したレースはできませんでした。初めに何台かと接触があり、マリーニとのバトルで時間を費やしてしまいました。しかし、全体的にはとてもいい走りができていたと思います。リズムをつかみ、ポイント獲得にあとわずかまで迫りました。幸い、次回は相性の良いミサノを迎えます。チーム一丸となって復活を目指します」

PETRONAS Yamaha Sepang Racing Team

V・ロッシ選手談(19位)

「難しいウイークを、難しい一日でした。残念ながら、このコースは私にとって最高のコースではありませんでした。フリープラクティスでは何度か15番手に入っていたので、今日はポイント獲得を狙っていたのですが、リアタイヤにソフト・コンパウンドを選んでいたため、初めはスムースかつ慎重に、リアに負荷をかけ過ぎないように気をつけて走らなければなりませんでした。データ上、このタイヤのほうがミディアムやハードよりも速かったことは確かですが、序盤の対応によって失った時間が大き過ぎました。最後まで安定したペースをキープできましたが、目標にしていたポイント圏内まで挽回することはできませんでした。今はただ、次のホームレースを心待ちにしています」

J・ディクソン選手談(DNF)

「決勝で転倒するまで、ウイーク中はすべてがうまくいっていました。1ラップ目は決して悪くなく、ロッシ選手に何とかついていくことができました。ところが第3コーナーの出口で大きく振られてマシンが安定しなくなり、第4コーナーと第5コーナーでコースアウトしてしまいました。これでみんなからコンマ5秒ほど遅れてしまったので、そのときは懸命に挽回を目指していました。あとでデータを見ると何も変わったところはないのですが、ハード・コンパウンドのフロントタイヤが十分に暖まっていなかったようです。これは間違いなく私のミスであり、チームに申し訳ない気持ちでいっぱいです。また今回もPETRONAS Yamaha SRTのマシンに乗せてもらい、このような素晴らしい機会を与えてくれたチームとすべての人に感謝しています」

R・ラザリ、チーム代表談

「ロッシ選手にとっては非常に厳しい戦いになりました。コース上の暑さも追い打ちをかけました。このコースで彼がいつも苦戦してきたことは知っています。でも次はホームレースのミサノなので、きっといい走りを見せてくれるでしょう。ディクソン選手の転倒は残念でしたが、この難しいコンディションのなかで、彼にとっては学びのプロセスのひとつに過ぎません。MotoGPマシンを大いに楽しんでくれたことは間違いないでしょう」

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